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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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『 果てしなきスカーレット 』 -チンプンカンプン物語-

Posted on 2025年11月23日 by cool-jupiter

果てしなきスカーレット 20点
2025年11月21日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:芦田愛菜 岡田将生
監督:細田守

 

男性看護師の異世界転生ものだと思い、チケット購入。

あらすじ

父王を陰謀で処刑し、王位を簒奪した叔父クローディアスの暗殺に失敗したスカーレット(芦田愛菜)は、逆に毒を盛られ、死者の国で目覚める。だが、そこにクローディアスもいることを知ったスカーレットは復讐のために旅立つ。そして、その途上で看護師の聖(岡田将生)と出会い・・・

 

ポジティブ・サイド

アニメーターが描きたいと思ったシーンを詰め込んだことはよくわかった。砂漠、星空、中世風の建築物など、グラフィックは美麗だった。

 

後はアクションがスピーディーで多彩だったぐらいか。

 

以下、メジャーなネタバレあり

 

ネガティブ・サイド

とにかく全体的にストーリーも、キャラの設定もよくわからない。

 

序盤に出てくる婆さんは『 幻魔大戦 』冒頭の謎のテレポーテーション婆さんそっくりで、思わせぶりな台詞ばかり吐くところも同じ。つまり面白くない。死者の国と言いながら、生と死が溶けあうと矛盾することを言い、生と死が溶けあうと言いながら、生者は限られた時間しか存在できないと言う。いやいや、過去も未来も時間もない世界ちゃうんか?

 

復讐の鬼のスカーレットが、聖が手当てをするために服の袖をハサミで切るシーンで、顔を赤らめて「恥ずかしい・・・」などと言う演出は必要か?触手のような無数の腕に体を絡めとられて絶叫する場面は必要か?執拗に「生きたい、生きたい」と大声で何度も叫ぶシーンも必要か?

 

そもそもスカーレットと聖の関係の変化を描く具体的なエピソードがまったくないままに、いつの間にやら距離が縮まっているように見えるのは編集のミスなのか、それとも脚本段階でのミスなのか。

 

聖の歌を聞いて、なぜか意識が別世界へワープするスカーレットには( ゚Д゚)ハァ?である。しかもそのシーンが完全に『 2001年宇宙の旅 』のスターゲイトのパクリ。SFならオマージュと言えるが、ファンタジー。それもアニメでやるならそれはパクリだ。しかも、たどり着いた先で、訳の分からんダンスを見せられても困惑させられて、困惑させられるのはスカーレットではなく観客だ。

 

訳の分からん巨大竜が空を飛び、雷で悪人を消し去っていくのも、あまりにもご都合主義。そして刺客が次々に味方になってくれるのもご都合主義。大軍勢が山を守っているという情報に途方に暮れながら、どういうわけかそれ以上の民主の大群があっさり防衛線を突破するのもご都合主義。ここでこそスカーレットが、亡き先王の遺志を継ぐものとして、ジャンヌ・ダルクよろしく救世主として烏合の衆を一軍にまとめあげるか?と思わせて、それもなし。

 

王として即位する時、ほとんど何の抵抗もなく民衆の支持を手に入れるが、実力とカリスマを披露をすることなく、きれいごとで民の信頼を得るという流れは、一庶民としては( ゚Д゚)ハァ?である。

 

『 フロントライン 』のDMATとドクターカーは別物だが、緊急性の高い現場に向かうという点では同じ。そこで主力となるのは30代、40代。聖には悪いが若すぎる。『 いのちの停車場 』で広瀬すずが訪問看護師をやっていたのも( ゚Д゚)ハァ?だったが、それと同じ。聖に関しては異世界の戦闘で傷ついた人にもすぐに駆け寄り、治療や看護を提供できるという意味でドクターカーナースという設定にしたのだろうが、あまりにも安易。40歳ぐらいの脂ののったナースが、徐々に父の代わりになっていくという筋立てを追求すればよかった。安易にロマンス要素を混ぜるからおかしくなる。こうして見ると同じファンタジーアニメでも『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』のMTJJは、ルーイエについて極めて正しい描写をしたと言える。 

 

観終わって妻と二人で何とも言えない気持ちになった。

 

総評

散髪屋のラジオでDJが「試写会で観て面白かった」というのでチケットを購入したのだが、クソDJめ、騙しやがったな・・・というのはお門違い。結局、自分の見る目がなかったということ。封切の日のレイトショーで観客が10人以下、そのうちの半分がエンドクレジットで席を立ったところから、本作のクオリティは推して知るべし。賢明なる映画ファンにおかれては、本作を鑑賞して時間とカネの両方を無駄にすることなかれ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

No lessons. I need to cleanse my palate right away.

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ひとつの机、ふたつの制服 』
『 ある精肉店のはなし 』
『 栄光のバックホーム 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, E Rank, アニメ, ファンタジー, 岡田将生, 日本, 監督:細田守, 芦田愛菜, 配給会社:ソニー・ピクチャーズ, 配給会社:東宝Leave a Comment on 『 果てしなきスカーレット 』 -チンプンカンプン物語-

『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』 -絶対領界音域&字幕版鑑賞-

Posted on 2025年11月16日2025年11月16日 by cool-jupiter

羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 80点
2025年11月15日 Tジョイ梅田にて鑑賞
出演:花澤香菜 宮野真守 悠木碧
監督:MTJJ

 

前回は吹き替え版だったので、今回は字幕版を鑑賞。

あらすじ

シャオヘイ(花澤香菜)は師匠のムゲン(宮野真守)と共に修行の日々を送っていた。しかし、ある時、会館の一つが襲撃を受けた。その容疑者とされてしまったムゲンは、ナタの屋敷に軟禁状態となる。シャオヘイは姉弟子ルーイエ(悠木碧)と共に真相究明に乗り出すが・・・

 

ポジティブ・サイド

詳細は『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』参照のこと。

 

劇場は9割ぐらい埋まっていたが、おそらく半分は在日中国人ではなかったか。Jovianの隣とその隣も間違いなく中国人だった。何が面白かったかというと、そのリアクション。こちらはわずか1週間のインターバルで二度目の鑑賞なので記憶が非常にフレッシュ。しかし、彼女たちはおそらくこれが初の鑑賞。ということで、中国人の素のリアクションが間近で体験できて面白かった。

 

ナタの屋敷にムゲンが感心しているところで、ナタが自室の戸をパッと開けたシーンでは劇場のあちこちから失笑が漏れていた。ナタのゲームシーンもかなり笑いが聞こえたな。またナタがついにバトルに立ち上がるシーンでは、隣の隣の女子は体は座りながらも上半身はシャドーボクシングをしていた。また最終盤の某キャラの勘違い台詞でも劇場のあちこちから笑い声が聞こえた。とにかくナタは中国人にかなり愛されているようである。

 

字幕で鑑賞したが、中国人声優の声の演技に違和感は全くなし(まあ、当たり前だが)。日本語吹き替えは、オリジナルの声を相当に意識して作られたものだろう。シャオヘイ、ムゲン、ルーイエ、その他のキャラの声は極めて自然だった。月末にもし4DXかMX4Dで鑑賞するなら字幕版を選びたいと思った。

 

『 ウインド・リバー 』で触れられていた「死を受け入れろ。そうすれば死者は思い出の中で笑ってくれる」という真理を、本作は豊かな映像で示す。ルーイエというキャラクターを早い段階ではなく最後に描き切ることで、師姐たるルーイエが、師匠の視点から小黒を観ることができるようになったという彼女の変化と成長を実感させるという手法には唸らされた。ルーイエというキャラクターに悲劇的なドラマの背景を与えつつも、女性性を一切持たせないところが中国アニメと日本アニメの違いか。

 

ネガティブ・サイド

詳細は『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』参照のこと。

 

某国で300年前に妖精が滅ぼされたというのは、かなり真に迫っている。1720年前後のアメリカはネイティブ部族が戦争で敗北し、ビーバーに代表されるネイティブの生物が狩り尽くされた時代。それと同時期に妖精が姿を消したというのは説得力があるが、これはちょっと身贔屓が過ぎないか。中国でも『 再会長江 』で描かれたように、少数民族は苦境に置かれていて、その原因の多くは中央政府たる共産党の政策によるものではないか。

 

と、まあ、政治的にフェアな描写がされているかというと怪しいが、それは米国にもそっくりそのまま当てはまる批判ではある。

 

総評

中国人の反応は楽しめた。今度はアメリカ人、もしくはカナダ人の友人と観てみたいが、英語吹替えや英語字幕は not available のようである。Tジョイ梅田の映画宣伝ポスターや予告編の多くが美少女を売りにしたアニメになっていて、ガラパゴス化はある意味で正しいが、正しいからといって世界的に売れるとも限らないと思わされた。”The most personal is the most creative.”というスコセッシ翁の言葉を少し変えさせてもらえば、”The most indigenous is the most universal.”となるだろうか。ジブリ映画はかつてそうだった。中国アニメが今後その跡を継いでいくかどうか注視したい。

 

Jovian先生のワンポイント中国語レッスン

姐

『 シスター 夏のわかれ道 』で紹介した姉=姐=ジエ。今作では師姐=シージエとして多用されている。日本語にすると姉弟子か。ちなみに師匠は師父=シーフーとなっている。日本もそうだが、韓国や中国は相手を肩書で呼ぶ、あるいは肩書を尊称として名前に付けて呼ぶことが非常に多い。シージエ、シーフー以外に大人=ダーレンも多用されている。字幕版を鑑賞する人は、これらにも耳を傾けてみよう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ミーツ・ザ・ワールド 』
『 ひとつの机、ふたつの制服 』
『 ある精肉店のはなし 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, A Rank, アニメ, ファンタジー, 中国, 宮野真守, 悠木碧, 監督:MTJJ, 花澤香菜, 配給会社:アニプレックスLeave a Comment on 『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』 -絶対領界音域&字幕版鑑賞-

『 もののけ姫 』 -4Kデジタルリマスター上映-

Posted on 2025年11月13日2025年11月13日 by cool-jupiter

もののけ姫 90点 
2025年11月9日 Tジョイ梅田にて鑑賞 
出演:松田洋治 石田ゆり子 
監督:宮崎駿


4Kデジタルリマスター上映ということで、少々値は張るが迷わずチケットを購入。

あらすじ

東国の勇者アシタカ(松田洋治)は、村を襲ったタタリ神を討ち、呪いをもらってしまった。掟に従い村を去ったアシタカは、呪いを解く術を求めて西国に旅立つ。その旅先で、森を切り拓き、鉄を作るたたら場とそこに生きる人々、そして山犬と共に生きる少女サン(石田ゆり子)と出会う・・・

ポジティブ・サイド

詳細は『 もののけ姫 』を参照のこと。

DolbyCinemaの追加料金600円で、チケット一枚2800円だったが、劇場は半分ぐらいは埋まっていた。しかも若い世代が多い。10代、20代のカップルの姿も。

イーマの6階のトイレ前で妻を待っている間、多くの観客が感想を口にしながらエスカレーターを降りていった。「美輪明宏さんの収録、YouTubeで観たけどすごかった」とか「あの歌手の人、こめよしさん?歌声やばい」とか。『 ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 』の時も大きな声で感想を述べ合うグループがいたが、傑作を観ると人はどうしても語りたくなってしまうのだろう。

『 羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来 』、『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』ともに傑作だが、本作はやはりそれよりも上の作品だと感じた。妖精と人間の共存か併存か、森の精と人間の共生か。テーマは似通っているが、その見せ方は全く異なる。人間に師事する妖精のシャオヘイと、山犬を親と慕う人間サンは、人間に対して全く異なるアプローチを見せる。シャオヘイの言う「僕は正しい者の味方だ」というのは強者の論理。サンが言う「アシタカは好きだ。でも人間を許すことはできない。」という矛盾こそが、共生の本質なのではないかと思う。すなわち互いに憎み合い、傷つけ合うことも含めて、共に生きていく。生きることは傷つけ、傷つけられること。しかし、生きていれば何とかなる。なんという矛盾。しかし、なんという真理だろうか。

ネガティブ・サイド

詳細は『 もののけ姫 』を参照のこと。

総評

コロナ禍の折、「一生に一度は、映画館でジブリを」というキャンペーンがあったが、5年に1度はそうした取り組みがあってもいい。午前10時の映画祭みたいに、過去の名作や傑作を大スクリーンと大音響で蘇らせることには大きな意義がある。『 羅小黒戦記 』は中国の力というよりは制作会社の力が飛び抜けているらしいが、そのあたりもジブリと似ている。二作を見比べるのも面白いだろう。Jovianも近々、小黒2の字幕版を観に行く予定である。

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

win out

最後に勝つ、の意味。ジコ坊の「馬鹿には勝てん」の私訳として、Fools win out in the end. としてみたい。馬鹿に勝てないのは誰かというよりも、馬鹿が最後に勝つというニュアンスにしてみた。win には win against や win back、win over などの句動詞がある。これらを使えれば英検準1級、使いこなせれば英検1級である。

次に劇場鑑賞したい映画

『 ミーツ・ザ・ワールド 』
『 ひとつの机、ふたつの制服 』
『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 <字幕版> 』.

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Posted in 国内, 映画Tagged 1990年代, S Rank, アニメ, ファンタジー, 日本, 松田洋治, 監督:宮崎駿, 石田ゆり子, 配給会社:東宝Leave a Comment on 『 もののけ姫 』 -4Kデジタルリマスター上映-

『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』 -吹き替え鑑賞-

Posted on 2025年11月12日2025年11月12日 by cool-jupiter

羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 80点
2025年11月9日 Tジョイ梅田にて鑑賞
出演:花澤香菜 宮野真守 悠木碧
監督:MTJJ

 

『 羅小黒戦記~ぼくが選ぶ未来~ 』の続編。今作も面白かった。

あらすじ

シャオヘイ(花澤香菜)は師匠のムゲン(宮野真守)と共に修行の日々を送っていた。しかし、ある時、会館の一つが襲撃を受けた。その容疑者とされてしまったムゲンは、ナタの屋敷に軟禁状態となる。シャオヘイは姉弟子ルーイエ(悠木碧)と共に真相究明に乗り出すが・・・

ポジティブ・サイド

前作に続いて人間と妖精の共存を模索している。前作が妖精から人間へ干渉していく物語だったが、本作は人間が妖精に干渉してくる。もちろん、そこには妖精同士の政治的な駆け引きにも似た思惑が介在しているのだが、それがどこか現実世界に通じているようにも感じられた。

 

強すぎる執行人のムゲンが出張ってしまうと、あっという間に話が終わってしまう。では、どうするか。本作は説得力がある、それでいて絶対にそれが真相ではないと観る側に確信させる方法で序中盤はムゲンに退場してもらう。MCUにおけるマグニートー的なパワーの持ち主であるムゲンには、人間の通常兵器は効果がないからだ。もちろん、いかに効果がないのかを見せつけるシーンもあるので、彼のファンは安心してよい。

 

シャオヘイは相変わらず子どものビジュアルを維持しているが、日々の修行により前作とは比較にならないほどパワーアップしている。「シャオヘイ、ここでお前の力を見せてくれ」とこちらが感じるシーンが都合3回訪れるが、いずれも見事なアクションを披露してくれる。もちろん、巨大化け猫変化もあるので安心してほしい。

 

しかし、今作はルーイエこそが準主役。前作におけるムゲン以上にシャオヘイの保護者というか師匠代理というか。よそよそしさを感じさせながらも、いつの間にかしっかりと姉弟子になっていく過程は、前作のムゲンの印象の変わり方以上のインパクトがある。

 

前作で金と木が特にフォーカスされた属性バトルだが、今作では土が大活躍。地上もしくは地下という場所の制約は受けるものの、自分のフィールドで戦えれば、土属性の妖精が一番強いのでは?本作ではさらに空中戦も見せ場の一つ。次の3では『 アバター ウェイ・オブ・ウォーター 』並みに水中および水上で水属性が大活躍するところが見たい。

 

前作でほとんど何もしなかったナタが、本作ではかなりの見せ場を与えられているのも嬉しい。またムゲンがマグニートー並みか、あるいはそれ以上のスーパーパワーで某国の軍を無力化していく様は圧巻。オチにも笑った。続編作る気満々の終わり方は普通はあまり好きではないが、本シリーズは早く続きが見たい。5年は待てない。2年後には観たい。

 

ちなみに・・・劇場から結構な数の中国語を話す客が出てきたが、旅行者なのか、それとも国内在住者なのか。今回は吹替で鑑賞したが、字幕版も近々鑑賞して、どのような客層なのか確かめてみたいと感じた。

ネガティブ・サイド

ヴィランが能力奪取系というのは前作と同じ。ここは少し変化が欲しかった。

 

ムゲンが通常兵器に対してほぼ無敵なのは分かるが、Ace Combat 5のSOLG、あるいはAce Combat 3のO.S.L的な超兵器にも強いというのは、さすがに少し説明、あるいは詳しい描写が必要だったように思う。

 

総評

前作に負けず劣らずの傑作。敵国がまんま『 ボーン・トゥ・フライ 』と同じだが、それは彼の国がソ連やロシアを敵国に描いてきたのと同じこと。本作で執行人の数は数百人に上ることが判明したが、逆算すれば人間界に住まう妖精は数十万から数百万は存在するのだろうか。次回作の3では、世界大戦になるのか、妖精界の内ゲバになるのか、それとも人間界の内ゲバに妖精が介入するのか。とにかく期待!

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

cease fire

しばしば命令形で、Cease fire! =撃ち方止め!の意味で用いられる。ceasefireとくっついて名詞になることもあり、実は報道などでよく使われている。イスラエルはハマスとの間の停戦協定は ceasefire deal、韓国と北朝鮮の38度線、すなわち停戦協定ラインは ceasefire line のように表現される。TOEICにはまず間違いなく出ないが、英検準1級以上なら出てくる可能性は十分ある。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 もののけ姫 』
『 ミーツ・ザ・ワールド 』
『 ひとつの机、ふたつの制服 』

 

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『 プレデター バッドランド 』 -Clan Over Family-

Posted on 2025年11月9日 by cool-jupiter

プレデター バッドランド 75点
2025年11月7日 大阪ステーションシティシネマにて鑑賞
出演:ディミトリアス・シュスター=コローマタンギ エル・ファニング
監督:ダン・トラクテンバーグ

 

配信のプレデター作品は観ていないが、予習としては『 プレデター 』、『 プレデター2 』で十分か。余裕があれば『 エイリアンVSプレデター 』と『 AVP2 エイリアンズVS.プレデター 』も鑑賞しておけばよい。ちなみに『 ザ・プレデター 』は不要である。

あらすじ

ヤウージャの若き戦士デク(ディミトリアス・シュスター=コローマタンギ)は、弱者として父に切り捨てられそうなところを兄クウェイに助けられる。デクは自らの強さを証明するために、父ですらも恐れるカリスクをハントするため、惑星ゲンナに降り立つ。原生の危険生物に襲われながらも生き抜いていくデクは、謎のアンドロイドのティア(エル・ファニング)と出会い・・・

ポジティブ・サイド

プレデターの強さと狩りへの執着と、武士道的な精神性を冒頭の10分で描き切り、そこからは『 プロメテウス 』あるいは『 エイリアン:コヴェナント 』のように未知の世界の冒険となる。

 

デクがプレデター的な武器と戦闘術で生き残りつつも、それが通じない植物や巨大生物もおり、絶体絶命という瞬間にアンドロイドのティア登場と、ストーリー展開のテンポもいい。

 

プレデターの伝統的な武器を使い単独で戦っていたデクが、ある話をきっかけにティアやバドと共闘していくようになるのも面白いと感じた。ヤウージャの伝統的な強さの定義に当てはまらない自分が、ヤウージャの伝統的な方法でもって強さを証明しようとすることの矛盾をデクが感じ取り変化していくのは、デクのビルドゥングスロマンであり、多様性と異文化共生のメッセージを包括していた。

 

『 ブレードランナー2049 』あたりで、人間とアンドロイドの関係にさらに踏み込んだ考察を行ったリドリー・スコットやドゥニ・ヴィルヌーヴの路線を本作も共有している。ミッションを指定されたアンドロイドと、狩ることしか自身の存在を証明できないヤウージャには、それ以外の生き方を知らないという共通点がある。その二者が交わった時のケミストリーには大きな爽快感があった。

 

終盤の『 エイリアン2 』へのオマージュとなるべきシーンにはニヤリとさせられた。デクがそれほどの脅威の存在になったと認識されたということか。本作はデクの文学的かつ文字通りの意味での父殺しの物語であると同時に、『 エイリアン 』ユニバースにおける母たる存在と『 プレデター 』ユニバースにおける母たる存在のクロスオーバーも予感させてくれる。続編が今から待ち遠しい。

 

ネガティブ・サイド

ティアはヤウージャ語を解するが、他のアンドロイドはヤウージャ語を解さないというのはご都合主義に感じた。

 

ティアの下半身アクションは真新しかったが、感覚器を持たないのになぜバトルができるのか。アンドロイドの感覚器も顔面にあるということは劇中でも描写されていた通りではないか。

 

You’re one ugly motherfucker. や Get away from her, you bitch! のような印象的な one liner が欲しかった。

 

総評

これは傑作。AVPが失敗した、本当の意味での人間vsプレデターvsエイリアンにつなげてもいいし、そこにアンドロイドを加えた四つ巴でもいいし、あるいは人間・プレデター連合軍vsエイリアン・アンドロイド連合軍のような二勢力の対決でもいい。あるいは、それらをデクのような第三極が潰していく展開も面白そう。文学、およびそれにつらなるフィクションの世界では父殺し=patricideが一大テーマだったが、今後はそこに母殺しが提起されるのか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

prey

獲物、あるいは餌食の意味。I am prey to none! =俺は誰の獲物でもない!=俺は絶対的に駆る側だ!というヤウージャの信念が印象的だった。preyはもちろん、生態学などで被食者を表す語としても使われるが、プレデターのような戦闘種族が比ゆ的に使ってもOKである。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』
『 もののけ姫 』
『 ミーツ・ザ・ワールド 』

 

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『 羅小黒戦記~ぼくが選ぶ未来~ 』 -劇場再鑑賞-

Posted on 2025年11月4日 by cool-jupiter

羅小黒戦記~僕が選ぶ未来~ 80点 
2025年11月1日 塚口サンサン劇場にて鑑賞
出演:花澤香菜 宮野真守 櫻井孝宏
監督:MTJJ

 

『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』に備えて復習鑑賞。劇場は7~8割の入りとかなり盛況だった。

あらすじ

森でのどかに暮らしていた猫の妖精・小黒(花澤香菜)は、人間の開発によって住処を追われる。放浪の旅の最中に同じく妖精のフーシー(櫻井孝宏)たちと出会った小黒は、彼らの住処で共に暮らすことになる。しかし、そこに最強の執行人、ムゲン(宮野真守)が現れ、フーシーらを撃退する。小黒はムゲンに連れ去られてしまい・・・

ポジティブ・サイド

大自然や都会の情景は美麗ながら、キャラクター造形は比較的シンプルなのがいい。キャラの外見ではなく内面にこそ興味や関心を寄せてほしいという製作者側の期待もあるのだろう。

 

二度目の鑑賞で、なぜ小黒に領界が二つあるのかやっと分かった。アホな俺・・・

 

たとえとしては不謹慎かもしれないが、本作はイスラエルとパレスチナの物語的でもある。つまり極めて政治的かつ人為的な隔離の物語なのだが、それをどちらか一方の側だけが悪であるという描き方をしない点はアジア的と言えるかもしれない。

 

仙人と言っても差し支えないムゲンがクレジットカードを持っていたり、原付に乗ったり、地下鉄に乗ったり、また妖精たちがスマホで遊んでいたりと、ジブリ的な世界観と現代社会が融合している。そして違和感がない。これはまったく日本的ではなく、中国的と評すべきか。

 

人間は人間の世界に、妖精は妖精の世界にという考え方が作品世界にも浸透しているが、小黒は旅路と戦いの果てにそれとは異なる答えを見出す。ハリウッド映画ならしばしば家族に、フランス映画ならしばしば男女に、北欧映画ならしばしば友情に、韓国映画ならバディに還元しがちな価値観を、本作はある意味でスター・ウォーズ的に着地させる。これもユニーク。劇場ではすすり泣きがあちこちから聞こえてきた。ええ?あんたら、二度目の鑑賞ちゃうん?と思いつつ、Jovianの目にも妻の目にもうっすらと涙が・・・

 

ネガティブ・サイド

魔童ナタの扱いの悪さが・・・ 続編ではきっと大暴れしてくれるのだろう。

 

総評

『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』がとにかく楽しみ。銃器を持つ人間と敵対することになりそうだが、金属性のムゲンと小黒はマグニートー並みに無双できそう。そうならない何かがあるのだろう。魔童ナタの活躍も見れそうだ。副題にある「ぼくら」という言葉が誰をどこまで包摂するのか。現代中国人の意識を垣間見る良い機会にもなりそうである。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Five Elements

陰陽五行の意。木火土金水(もっかどごんすい)はそれぞれWood, Fire, Earth, Metal, Waterとなる。シャオヘイやムゲンはMetal属性、フーシーはWood属性である。ちなみに西洋は古代ギリシャ思想の流れを汲んで四元素説(火、土、水、風)である。ファイナルファンタジーⅤのクリスタルがこの4つだったことを覚えているのは主として40歳以上だろう。ちなみにリュック・ベッソンの『 フィフス・エレメント 』は、この四元素の先のもうひとつのエレメントを描いた作品である。 

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』
『 代々木ジョニーの憂鬱な放課後 』
『 ミーツ・ザ・ワールド 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, 2020年代, A Rank, アニメ, ファンタジー, 中国, 宮野真守, 櫻井孝宏, 監督:MTJJ, 花澤香菜, 配給会社:アニプレックス, 配給会社:チームジョイLeave a Comment on 『 羅小黒戦記~ぼくが選ぶ未来~ 』 -劇場再鑑賞-

『 爆弾 』 -佐藤二朗のベストアクト-

Posted on 2025年11月2日 by cool-jupiter

爆弾 75点
2025年10月31日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:佐藤二朗 山田裕貴 渡部篤郎 染谷将太 
監督:永井聡

 

『 死刑にいたる病 』的な面白さを期待してチケット購入。その望みは叶えられた。

あらすじ

酔って暴れた酔っ払いの鈴木田吾作(佐藤二朗)を逮捕、取り調べしていく中で、刑事の等々力(染谷将太)は鈴木の言動に不穏な気配を感じとる。そんな中、鈴木が予言した爆発が実際に起こってしまい・・・

ポジティブ・サイド

東京各地にストーリーそのものは展開するも、大部分は取調室の内部で進行していく。その中で行われる刑事と被疑者の演技対決が心地よい。染谷将太、渡部篤郎、山田裕貴が佐藤二朗に対峙していき、全員が見事に立ち向かいつつ、巧みに佐藤二朗を引き立てた。といっても、佐藤自身も今回の役は『 さがす 』や『 あんのこと 』以上にダークで、自身の代表作になったと自負しているに違いない。

 

意味不明な問答の繰り返しに謎解きと心理戦を織り交ぜていく。それ自体はよくある手法だが、そこから導き出される「心の形」には唸らされた。警察官が家族や友人など、私=プライベートの部分を突かれると弱かったり、あるいは闇落ちしたりするのはハリウッドでは常套手段套手段だが、警察としての使命感や正義感の歪みをストレートに指摘してくる作品は珍しい。小説の映画化とはいえ、それが邦画で達成されたことは素直に喜びたいと思う。

 

いつも何かあれば怒鳴るだけの染谷将太が、非常に陰のあるキャラを演じていたのも好印象。何を考えているのかわからないが、職務上でリスペクトできる相手にはしっかりと向き合うという、一種のプロフェッショナリズムというか、ダンディズムを備えたキャラを演じきった。

 

対照的に、上司を立てつつも本当は自分の方が有能だという自負を隠さない類家というキャラも味わい深かった。「自分以外の人間が馬鹿に見える」という指摘を受けても、それを否定せずに飄々と受け流す。丸メガネをかけても、その炯々たる眼光はいっさい隠せていない。感情移入するには難しいキャラだが、だからこそ観る側は類家と鈴木の対決を文字通りに傍観者として見守るしかない。そこから生まれる謎とサスペンスは近年の邦画の中でも出色。

 

1回戦、2回戦、3回戦と対決を経るごとに謎が明かされ、そして謎が深まっていく。サスペンスがまったく途切れず、2時間超でもスイスイと鑑賞できた。類家と等々力の二人で続編というか、スピンオフを作ってほしい。そう思えるほど、ストーリーだけではなくキャラの魅力にもあふれた逸品だった。

 

ネガティブ・サイド

警察は事件の話を外でもしないし、家庭内でもしない。もちろん刑事も人の子で、家族には一般的な捜査の手法ぐらいは話すかもしれない。しかし警察という組織がどのような手順で動くのかなどを話すわけがない。

 

そもそも某キャラも家族を想っている描写を見せつつも、やってしまったことは家族を追い詰める行為。こんな警察官いるか?

 

爆弾についても同じで、かなり不自然。爆弾そのもののアイデアはなかなか洒落ているが、それらがあのタイミングであんな風に爆発するわけがない。

 

総評

よくよく考えればおかしい点はいくつもあるものの、謎とサスペンスが矢継ぎ早に提示されていくので、鑑賞中はとにかくストーリーに没頭できる。佐藤二朗は50代にしてキャリアの代表作が生まれたし、山田裕貴は次は経済ヤクザか殺人犯役かな。一部でグロいシーンがあるが、気になる向きはそのシーンだけ片目をつぶればよい。案外、デートムービーに良いかもしれない。恋人あるいは恋人未満の相手と一緒に見たら、間違いなく心拍数が上がるはずだ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

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歴史に名を残す、の意。Jovianの元同僚の英検1級保持者(予備校講師上がり)が知らなかった表現。世間では早くもクリスマスケーキの予約が始まったが、とあるクリスマスソングを英語で歌えば、この表現が出てくる。街中のBGMに耳を澄ませてみよう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 羅小黒戦記2 』
『 代々木ジョニーの憂鬱な放課後 』
『 ミーツ・ザ・ワールド 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, サスペンス, ミステリ, 佐藤二朗, 山田裕貴, 日本, 染谷将太, 渡部篤郎, 監督:永井聡, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 爆弾 』 -佐藤二朗のベストアクト-

『 さよならはスローボールで 』 -これは一種の同窓会の終わり-

Posted on 2025年10月30日 by cool-jupiter

さよならはスローボールで 75点
2025年10月26日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:キース・ウィリアム・リチャーズ
監督:カーソン・ランド

 

妻に「草野球の何がおもろいん?」と言われたが、それでもチケット購入。

あらすじ

アメリカの片田舎。ソルジャーズ・スタジアムは中学校建設のため取り壊しに。いつもそこで試合をしていたアドラーズとリバードッグズの面々は様々な思いを胸にラストゲームに臨む・・・

ポジティブ・サイド

おっさんたちがグダグダの草野球をする。それだけの映画なのに、胸に湧き上がってくるこのノスタルジアは何なのか。20代のころ、大学の先輩、同級生、後輩たちと参戦していた三鷹市民リーグを思い出した(ソフトボールだったが)。

 

野球が他のスポーツと大きく異なる点として

 

(1)攻めと守りがはっきりと分かれている
(2)太っていてもプレーできる
(3)プレー中にだらだら喋ることができる
(4)プレーの合間に余裕をもって飲食できる
(5)中年になってもプレーできる
(6)詳細なスコアカードがつけられる

 

などが挙げられる。ゴルフのように(2)が当てはまるものもあるし、(3)もゴルフに当てはまったりするが、これだけおっさん向きなスポーツはなかなかない。個人的には(6)が最も重要かつ独特であると思う。テニスのスコアカードを見て、そのポイントの詳細を思い浮かべるのは難しいが、野球は何となくそれができてしまう。

 

本作には草野球に興じるおっさん(一部若手もいる)、その試合を見守る者、そしてその試合を理解できない者の三種類の人間たちがいる。本作はその誰にも特別なドラマを用意しない。いや、一人だけいたか。それはスコアラーのフラニー。もし本作に主人公がいるとすれば、それはフラニー。何故なのかは、ぜひ劇場で鑑賞して確かめてほしい。

 

本作は野球映画であるが、とにかく野球は余白のスポーツ。本作ではプレーもフィーチャーされるが、それ以上にプレーしていない場面がフォーカスされている。外野でただ一人だけ佇立し、物思いに耽る。外野席の見物客に「うるせー、邪魔だ」と悪態をつく。あるいはベンチで野球談議に興じる。あるいは二階席でどうでもいい世間話をする。そうした無意味に思える時間も、これが最後の試合だと思うと、妙に愛おしく、そして腹立たしいものにも感じられる。この感覚は何か。これは少年時代への回帰なのだ。あるいは、売上だ、納期だ、業務改善だ、新人育成だと追い立てられることのない場所への一時的な避難、がちがちの上下関係に縛られた会社やビジネスという世界からの逃避なのだ。そしてチームメイト、あるいは対戦相手と出会うのは一種の同窓会なのである。

 

同窓会から帰りたくない、という経験はだれしもあるだろう。そんな切なさを押し殺して、黙々とプレーを続ける男たちの姿は見る者の胸を打つ。なかには「こんなゲームはさっさと終わらせよう」という者もいるのだが、それも当たり前の反応。いい年したおっさんがいつまで少年の気分に浸りたがっているのか。それもまっとうな批判だ。とにかく、本作の良さは観ないことには分からない。『 さよならはスローボールで 』とは誰がつけた邦題なのか分からないが、なかなかのセンスではないか。

 

ネガティブ・サイド

途中でさっそうと現れ、いつの間にやら消えていくリリーフピッチャーの正体をその場で明かしてほしかった。

 

フードトラックで何でピザを売っているのか?そこはホットドッグであるべきではないのか。

 

総評

非常に面白かった。ビッグプレーがあるわけでもなく、劇的な試合展開や思いもよらぬ人間関係が明らかになったりするわけでもない。おっさんたちが飽きることなく試合をしていく様がこれほど愛おしく感じられるとは。何の変哲もない男たちの向こうに、とてもありふれた、しかし尊ぶべきドラマがある。『 パターソン 』を楽しめた人なら、本作も問題なく楽しめるに違いない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

lose track of time

時を忘れるの意。”Damn, this party was so fun that I lost track of time. Gotta run. Or I will break my curfew. Have a good one, guys!”「ああもう、パーティー楽しすぎて時間を忘れてた。もう行くわ。門限やべえ。じゃあな」 のように使う。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ハウス・オブ・ダイナマイト 』
『 羅小黒戦記2 』
『 爆弾 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, B Rank, アメリカ, キース・ウィリアム・リチャーズ, スポーツ, ヒューマンドラマ, フランス, 監督:カーソン・ランド, 配給会社:トランスフォーマーLeave a Comment on 『 さよならはスローボールで 』 -これは一種の同窓会の終わり-

『 恋に至る病 』-近年まれにみる駄作-

Posted on 2025年10月28日 by cool-jupiter

恋に至る病 15点
2025年10月25日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:山田杏奈 長尾謙杜
監督:廣木隆一

 

『 ミスミソウ 』や『 屍人荘の殺人 』、もしくは『 死刑にいたる病 』のようなテイストを期待していたが、全然違う作品だった。端的に言って残念な出来である。

 

あらすじ

親の転勤のため転校を繰り返してきた望(長尾謙杜)は、隣家の住人で新しい学校のクラスメイトの景(山田杏奈)と出会う。二人の距離は近づいていくが、それを快く思わない人物もいて・・・

ポジティブ・サイド

序盤で景が万物流転やら諸行無常など、理解しているのか怪しい概念を口にするが、サルトルのアンガージュマンの考え方を述べたのにはびっくりした。対象は限られると思うが、哲学専攻の大学生は鑑賞時に耳を澄ましてみよう。

ネガティブ・サイド

キャラクター同士の関係の始まり、その変化や深化がまったくと言っていいほど描けていない。たとえば望がクラスの女子を下の名前で呼んだりする契機を景と絡めて描けば、それも景というキャラの深堀りにつながっただろうに。

 

ブルーモルフォの設定も意味不明。なるほど、ソシャゲでログインボーナスをもらい続けているうちにやめられなくなるということはある。しかし、デイリーミッションをこなしているうちにやめられなくなるというのは、何らかの reward なしには考えられない。そのリワードが何であるのかが暗示すらされないのでは、ブルーモルフォの恐怖が伝わってこない。

 

そのブルーモルフォ絡みの殺人事件でも、クラスメイトばっちりニュース映像に映し出されているのに「クラスターが云々」やら「何でも知ってるね!」やら、アホかな?いや、それが景の人心掌握術だというならいいが、だったらそういうシーンを事前に入れておいてくれ。たとえば額の傷の治りが不安になって、それを女子連中にLineか何かで打ち明けて、取り巻き女子たちも同じような傷を自分でつけて・・・のような描写があれば、クラスが狂っていくスタートとしては悪くなかっただろう。

 

いじめのシーンもえらい中途半端。せっかくのPG12なのだから、もっと陰湿かつ痛みを感じさせる描写が欲しかった。それよりも、根津原の頭が悪すぎて呆れるしかなかった。自分でいじめの証拠を写真にして、それを自分で拡散するとかアホかな。前田敦子演じる刑事も、望に色々尋ねる前に現場(防犯カメラの映像や結婚のような証拠が死ぬほど残っていると思われる)の周辺をくまなく洗え。とことん無能臭を放つ刑事だったな。

 

兎にも角にも望と景の関係の描写があまりにも薄く、足りない。その一方で無駄なシーンが多すぎ。先輩の話とかいらんやろ。その先輩も、あんな小さな凶器であんな凶行は無理。ペーパークラフトではなく、せめて彫刻でも作らせておくべきだった。

 

引きのカメラからのロングのワンカットを多用していて、なにか作劇的な意味があるのかと思ったが特になし。カメラワークには意図を込めるべし。また、イッてしまったキャラは皆、アップで顔を映していたが、そこで瞬きするキャラとしないキャラ、また瞬きしないキャラも耐え切れずに最後に瞬きしてしまうなど、演技・演出の両面で課題を残した。

 

総評

観ていて苦痛を感じるほどつまらなかった。山田杏奈は好きな役者だが、今回はミスキャスト。血なまぐさい役は似合うが、一種のカリスマ性というか、魔性の女としては弱い。望を演じた役者もアイドルか?セリフ回しが拙すぎる。童顔だけで起用されたのだろうか。中高生ならそれなりに楽しめるのかもしれないが、大人にはきつい。チケット購入の前に、よくよく検討のこと。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

morpho

作中では蝶の名前として言及されるが、これはギリシャ語で「形」の意味。蝶といえば卵→幼虫→さなぎ→成虫と形を変える代表選手である。ちなみに英語学習界隈で時折見られる「語源から単語を覚えよう」で言われる語源とは、ほとんどの場合、実は語源ではない。それらはたいてい接頭辞、語幹、接尾辞で、これらは morpheme = 形態素の仲間である。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 さよならはスローボールで 』
『 ハウス・オブ・ダイナマイト 』
『 羅小黒戦記2 』

 

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聖地巡礼 『 港に灯がともる 』

Posted on 2025年10月26日2025年10月26日 by cool-jupiter

2025年10月26日 兵庫県神戸市長田区二葉町

 

『 港に灯がともる 』でフォーカスされた丸五市場を探訪してきた。実はお盆休みにも訪れたのだが、まさかの休み。今回はそのリベンジである。

 

JR新長田駅で下車して、まずは鉄人28号を見物。たまに車窓から眺めていたオブジェだが、実際に目の当たりにしてみるとその偉容に圧倒された。あいにくの天気で映えはしなかったが、兵庫の県南住みなら一度は訪れてもいいかもしれない。

その後、西神戸センター街を通って丸五市場を目指す。途中で司馬懿の像に遭遇。Jovianは三国志では、実は司馬懿が一番好きである。愚鈍にして「そうか、ここは横山光輝の出身地なのか」と思い当たる。が、実際は須磨の出身らしい。なんじゃそりゃ。

少し歩いてお目当ての丸五市場へ到着。暗い。地元尼崎の杭瀬商店街もなかなか寂れっぷりだが、これは最早、長洲の長栄市場(つぶれそう)や金楽寺の太平市場(つぶれた・・・)とそっくりだ。ある意味、つぶれる前に来ることができたのはラッキーなのだと考え、さっそく中へ。

入って割とすぐ右手にキムチ屋さん。在日っぽいおばちゃんが切り盛りしている店。セロリのキムチとナムルを購入。ご飯がおいしくなりそうだ。先に進むと右手にそばめし屋、左手にバー(飲み屋?)がある。そばめし屋の手前にはフリースペースもあり。数人だが客が入っている。

 

さらに少し先には劉備の像が鎮座しているが、俺はあんまり劉備が好きになれないんよなあ・・・ 右に曲がって左に曲がると惣菜屋と漬物屋が。惣菜屋で牛筋煮込みを購入。おばあちゃんに500円を渡すが、実はこの人、漬物屋さんだった。惣菜屋さんが少し外しているので代わりに店番をしていたとのこと。昭和的なほのぼのさを感じた。

その先はなんと崩落注意エリア。電気は通っているものの、天井の蛍光灯はほとんどすべて死に絶えていた。実際に崩れた天井もあり、なおかつ閉店した店のシャッターの中には上からの重みで変形したと思しきものも。あまり長いすべきエリアではないと判断し引き返す。

 

いくつかある入口のひとつのすぐ横にある青果店では南米系の若い兄ちゃんが店員をやっていた。アジアンな感じが強いエリアではあるが、良くも悪くも多国籍化が進んでいるようだ。

雨がひどくなったので。アーケードに避難。ユキヤ食品という店を発見したので、赤セン、ミノ、ハツ、テッチャン、バサの串焼きを購入。バサとは珍しい。これは牛の肺で、フワッフワの食感で、まさに珍味。東京の焼き肉屋で数回しか食べたことがなかったが、神戸で食べられるとは。そこから北上すると左手におにぎり竹ちゃんなる店が。15:00頃という中途半端な時間だったため、おかかと福神漬けの2個セットを妻と分ける。おかかを頂戴したが、普通の味。妻曰はく、福神漬けは美味しかったとのこと。

 

そこからは新長田から各駅停車に乗り三宮へ。歩いて20分弱で「おめざや」へ。雨がひどく、なかなかしんどかった。お目当ての黒豆きなこバタークリームと豆腐ケーキと各種マドレーヌを購入。帰りは阪神電車の春日野道から西宮へ。にしのみや市民祭りを横目にJR西宮まで歩く。そしてJR尼崎に帰ってきた。

 

そこから一休みしてレイトショーに向かうが、それは次の記事にて。


全体的に感じるのは時代の変化。丸五市場には「市場や商店街の姿がこのまま消えて行っていいのか」というポスターがあった。個人的には伝統芸能でもない限り、いつかは消えていくし、保存する力は働かないと思っている。そんな力があるなら、たとえば『 わたしは光をにぎっている 』の銭湯もつぶれなかったはずだし、『 港に灯がともる 』でリフォームされてハッピーエンドになっていたはず。大切なのは形を残すことではなく、思い出を残すことではないかと思う。なので長田の思い出をここにも残しておく。とはいっても、一番良いのは実際にそこを訪れて、ある程度のお金を落とすことであるのは間違いない。阪神間の住人、あるいは北摂の住人でたまに鶴橋に行くという人は、折を見て丸五市場やその周辺に足を延ばしてみてはどうだろうか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

food stall

屋台の意。いわゆる市場は衰退が激しいが、屋台はまだまだ勝負できるのではないか。淀川花火しかり、天神祭りしかり。ユキヤ食品も屋台ではないが、屋台的に売り出すことで新規客をゲットできているように思う。韓国や中国といった東北アジア、および台湾、タイ、ベトナム、カンボジアなどは屋台文化が強い。日本も、屋台をもう少しプロモートしてもいいのかもしれない。

 

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