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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: アクション

『 トップガン マーヴェリック 』 -マサラ上映-

Posted on 2022年11月13日 by cool-jupiter

トップガン マーヴェリック 90点 
2022年11月12日 塚口サンサン劇場にて鑑賞 
出演:トム・クルーズ マイルズ・テラー ヴァル・キルマー 
監督:ジョセフ・コジンスキー

 

劇場鑑賞7回目。マサラ上映への参加は実は初めて。『 バーフバリ 王の凱旋 』のマサラ上映を神戸国際松竹で鑑賞しようとするもタイミングが合わなかった。ボリウッド映画以外でもマサラ上映はありだなと感じた。

あらすじ

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、予定されていたダークスターのテスト飛行がキャンセルされると聞いたが、クルーと共にフライトを強行し、マッハ10を達成する。処罰の対象になるかと思われたマーヴェリックだが、盟友であり提督となったアイスマンの取り計らいにより、トップガンにおいて難関ミッションに挑む若きパイロットたちの教官となる。しかし、そこにはかつての相棒グースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)も加わっており・・・

ポジティブ・サイド

入り口で「マサラ上映ですけど、大丈夫ですか?」の問いに然りと回答。するとクラッカーを2つ渡される。なるほど、良きタイミングで鳴らせというわけか。劇場内はほぼ10割の入り。初対面のおじさんから「これ、使ってください」と紙吹雪の束を渡される。前後左右にサイリウム持ちもチラホラ。異様な熱気である。

 

マサラ上映前の劇場スタッフのコスプレとインストラクションが素晴らしかった。どこまで本当か分からないが、『 トップガン マーヴェリック 』のマサラ上映は世界でも塚口サンサン劇場だけとのことだった。スクリーン上の “Don’t think, just do. It’s today.” の文言にテンションが上がる。

 

オープニングの『 ミッション:インポッシブル 』の最新作のトレイラーの時点で、紙吹雪が舞い、クラッカーがパンパンと鳴らされる。特にあのテーマ曲に合わせてポン、ポン、ポンポン、ポン、ポン、ポンポンとクラッカー鳴らしていた集団はマサラ上映のプロ参加者たちか。

 

”トップガン・アンセム” からの “Danger Zone” で劇場のテンションは最高潮。紙吹雪も上がる上がる、クラッカーも発射されまくり。今回の参加者の大半は、おそらく劇場鑑賞5回以上、または配信もしくは円盤で本作を相当回数観ている人たちだろう。機関砲射撃やミサイル発射、その他の印象的なシーンでドンピシャでクラッカーが鳴らされる。いったい何発用意してきたのだろうか。

 

思いがけない副産物としてMX4D鑑賞の時以上に火薬の匂いが感じ取れた点が挙げられる。ジェットがアフターバーナーに点火した時、フレアをばらまく時、爆弾投下した時などに漏れなくクラッカーが鳴り響き、むせかえる程の火薬の匂いが臨場感をいや増すのを感じた。

 

最近、YouTubeでずっと「Fighter Pilots React to TOP GUN MAVERICK」という動画シリーズを視聴していて、映画のどこが現実に即していて、どこが現実離れしている、あるいは完全なフィクションなのか、かなり細部まで study していた。そのことで鑑賞時の楽しみが薄れるかと懸念していたが、それは杞憂だった。本作は何回観ても面白いし、軍人さんのツッコミ内容を知っても尚面白い。またインド映画以外でもマサラ上映と相性の良い作品があることを映画ファンに知らしらめたというのは素晴らしい。あらためて今年のベストであると確信した。

 

ネガティブ・サイド

あまりにもクラッカーがうるさいのが幸いして、台詞を聴くのではなく、字幕を読むことに集中できた。そのうえであらためて感じたのが、戸田奈津子御大の英訳のまずさ。Talk to me, dad. や He called you a man, Phoenix. などの字幕は酷い。これは作品の問題ではないので減点はしない。

 

本番ミッションで渓谷内に橋があるが、事前の調査で分かっておらず、現場でとっさに判断してかいくぐったようだった。これは海軍情報部の重大な落ち度、というよりも脚本上の重大な欠点だろう。

 

総評

マサラ上映は後片付けがなかなか大変だが、上映終了後は観客に一体感が生まれているので、一致団結して掃除も順調に進んだ。記念写真も良い思い出。SNSにアップ不可ということは、多分ブログにもアップ不可だろうと解釈した。もしも本上映の参加者がいたら、ほとんど全員が空軍式の敬礼をしている中、数少ない海軍式の敬礼をしている中の一人がJovianである。本作の劇場公開もさすがに全国的にも終わりつつあるが、劇場で映画を観るということの楽しさを思い出させてくれた功績は計り知れない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

joyride

乗り物に乗って楽しむことを指す。特に盗難車の場合が多い。マーヴェリックがペニーをF-18に乗せ、それがバレたせいでボスニア送りにされたエピソードが披露された。この場合、盗んだのは戦闘機。しかも一般人(といっても軍のお偉いさんの娘ではあったが)を乗せたというのだから、無手勝流のマーヴェリックらしい。Take me on your mighty wings ならぬ Take me on a joyride とペニーが頼んだのだろうか。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 窓辺のテーブル 彼女たちの選択 』
『 警官の血 』
『 窓辺にて 』

 

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2020年代, S Rank, アクション, アメリカ, ヴァル・キルマー, トム・クルーズ, マイルズ・テラー, 監督:ジョセフ・コジンスキー, 配給会社:東和ピクチャーズLeave a Comment on 『 トップガン マーヴェリック 』 -マサラ上映-

『 ヘルドッグス 』 -キャラクターを深堀りせよ-

Posted on 2022年9月25日2022年9月26日 by cool-jupiter

ヘルドッグス 50点
2022年9月24日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:岡田准一 坂口健太郎
監督:原田眞人

 

岡田准一のアクション映画ということで期待していたが、アクション以外の部分で何か違う感が多かった。

あらすじ

警察官・出月梧郎(岡田准一)はとある事件をきっかけに闇落ちし、犯罪者に私刑を加える危険人物になっていた。その狂犬っぷりに目を付けた警察上層部は、出月に兼高昭吾というIDを与え、広域暴力団・東鞘会へ潜入させる。サイコパス気質の室岡(坂口健太郎)と組むことになった兼高は、組織の中で順調にのし上がっていくが・・・

 

ポジティブ・サイド

岡田准一が『 図書館戦争 』並みのアクションを見せつつ、ワルにも挑戦するという意味で興味を持った作品。格闘戦からガンアクションまで大いに魅せてくれる。それも魅せるアクションというよりは、倒す、殺す、無力化するためのアクションで、関節技や寝技が多め。銃撃でも片手でバンバンではなく、両手でしっかり構えて一撃でズドンという、どちらかというやや地味目のガンアクション。しかし、それらを高速でやってのけるところに岡田准一という俳優の真価がある。自分のカッコよく見せようというよりも、リアルな映像を提供したいという気持ちが勝っているのだろう。V6の解散でアイドルを完全卒業、胸を張って役者と言えるようになったと思う。

 

『 BLEACH 』での演技のぺらっぺら具合に「何だこりゃ?」と思わされたMIYAVIが、若きヤクザの大親分を好演。インテリヤクザかつ武闘派ヤクザかつ任侠派ヤクザという面のいずれでも非常に説得力ある演技を見せた。特に唸らされたのは、神戸のヤクザの親分たちとの会談シーン。一つのシーンの中で上記のインテリっぷりや任侠の面を自在に行き来した。昭和のヤクザの大親分的なカリスマ性を感じさせた。監督の演出の巧みさ、監督との波長が合ったというのも大きいだろうが、MIYAVI自身の表現者としてのレベルアップもある。決してMIYAVIがJovianの勤務先の某アンバサダーを務めているから称賛しているわけではないことを付け加えておく。

 

『 アウトレイジ 』並みのヤクザ同士のドロドロの抗争に、警察の潜入捜査が絡んだサスペンスフルな展開が、観る側をまったく飽きさせない。常に緊張の糸がピーンと張りつめたような感覚に満ちている。狂犬・兼高が狙う秘密ファイルが警察官僚とヤクザの癒着を示す重大な証拠というのはお定まりだが、本作の暴力団は国際的なスケールで活動しており、さらにカルト宗教との密接な関係を匂わせるなど、現代日本社会に対して非常に示唆的な内容になっている。

 

兼高が室岡と共に組織でのし上がっていくにつれて、仕事も過激さと過酷さを増していく。さらに潜入捜査官であることが露見するリスクも高まっていく。これは絶体絶命のピンチ・・・という場面で思いがけない事実が明らかになる展開もあり、ハラハラドキドキがずーっと持続すること請け合いである。スカッとしたアクションとリベンジスリラーの要素が見事に組み合わさった佳作である。岡田准一ファンなら劇場へGO!だ。

ネガティブ・サイド

坂口健太郎の演技が甘い。目の焦点が合わない、相手とアイコンタクトを取れない時がある、やたらと食べる、声がでかい、暴力行為への閾値が低いなどサイコパスになろうとしているのは分かるが、その演技の一つひとつから作り物感があふれている。下ネタを連発するところはサイコパスではなくソシオパスっぽかった。というか、サイコパス気質を肯定してしまうと、死刑囚の息子という室岡の悲しいバックグラウンドが否定されてしまうのでは?室岡の父は、室岡が生まれる前から死刑囚だったはずがなく、室岡の歪んだ人格は「死刑囚の息子」という社会の視線によって生み出された、あるいは強化されたものであるはずだからだ。

 

警察官・出月梧郎が狂犬・兼高昭吾に変貌した理由が弱い。立ち寄り所のスーパーのバイトの女子高生、しかも初デート前の相手が殺されたのはリベンジの理由にはなるが、狂犬に変貌するほどの理由になるとは思えない。このあたりの経緯の説明が弱い、あるいは不足しているため、兼高というキャラにイマイチ共感できない。

 

酒向芳の早口はまったく問題なく聞き取れたが、岡田准一、坂口健太郎、その他ヤクザのお歴々のセリフが結構な頻度で頭に入ってこなかった。早口でも聞き取れるような演技指導は十分に可能ということは『 シン・ゴジラ 』が証明済み。ヤクザ映画でこそ超高速会話劇を成立させてほしい。

 

マッサージ屋の謎の客はいったい何者?ヤクザでも警察でもない一般客?出す意味ある?

総評

血生臭い描写はあるが、韓国映画ほど直接的に移したりはしないので、ゴア描写に耐性がない人でも見られないことはない。ただし、暴力描写自体は結構あるので、そこは注意のこと。本作を楽しむコツは「あれ、何でこの人たち争ってるんだったっけ?」とか「兼高を突き動かすものは何?」といった疑問を抱かず、素直に画面上のアクションとドラマを楽しむことだ。細かなプロットを気にする向きにはお勧めしづらい仕上がりになっている。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

undercover

「カバーの下の」というのが直訳で、そこから「身分を隠しての」、「秘密操作の」などの意味が派生した。アメリカのテレビ番組『 アンダーカバー・ボス 社長潜入調査 』をWOWOWで観た/観ている人もいるかもしれない。これも、経営者が変装して現場従業員と共に働くという意味では潜入捜査と言えなくもない。同番組ではユタ・ジャズのCEO兼共同オーナーのエピソードが最も印象に残っている。興味のある人はYouTubeで検索されたい。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, アクション, 坂口健太郎, 岡田准一, 日本, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント, 配給会社:東映Leave a Comment on 『 ヘルドッグス 』 -キャラクターを深堀りせよ-

『 トップガン マーヴェリック 』 -追いトップガン6回目-

Posted on 2022年9月19日2022年12月31日 by cool-jupiter

トップガン マーヴェリック 90点
2022年9月18日 TOHOシネマズ梅田にて鑑賞
出演:トム・クルーズ マイルズ・テラー ヴァル・キルマー
監督:ジョセフ・コジンスキー

9月16日から行われている『 トップガン 』と『 トップガン マーヴェリック 』の連続上映。back to back で鑑賞すると、新作は前作のオマージュに満ち溢れていて、なおかつエンタメ一直線路線も受け継いでいることにあらためて気づかされる。

 

あらすじ

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、予定されていたダークスターのテスト飛行がキャンセルされると聞いたが、クルーと共にフライトを強行し、マッハ10を達成する。処罰の対象になるかと思われたマーヴェリックだが、盟友であり提督となったアイスマンの取り計らいにより、トップガンにおいて難関ミッションに挑む若きパイロットたちの教官となる。しかし、そこにはかつての相棒グースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)も加わっており・・・

ポジティブ・サイド

6回目の鑑賞で、何もかも分かっているのだが、それでも中だるみを感じることがない。これは素直にすごいことだと思う。ダークスターのテスト飛行からの事故、左遷と思わせてのトップガンへの復帰、ペニー・ベンジャミンとの再会、ルースターら新世代のトップガン卒業生との訓練、盟友アイスマンとの別れなど、すべてのプロットが戦闘機のスピードで疾走していく。

 

自分が単純なのもあると思うが、アイスマンとの対話と抱擁は何度鑑賞しても胸がいっぱいになるし、マーヴェリックが2分15秒で峡谷を突破して爆撃を成功させるシーンでは息が止まるほどの緊迫感がある。F-14を駆ってSu-57とのドッグファイトは、まさに “It’s not the plane, it’s the pilot.” の極致。現実だと100回やって10回も勝てないだろうが、それでも勝ってしまうだけの説得力がマーヴェリックにあった。

 

前作でトム・スケリット演じた共感バイパーやM・アイアンサイド演じたジェスターのキャラクターの一部がサイクロンに投影されているのも面白い。下限高度にうるさいのは当たり前として、前作でバイパーに “Is that clear?” と言われて “Yes, sir.” としか返せなかったマーヴェリックが、今作ではすかさず文書を提出するところに、彼の30年間での成長が見て取れた。フェニックスとハングマンを同時に相手するときの、”Leaving your wingman. There’s (That’s じゃなかった・・・) a strategy I haven’t seen in a while.” というのは、かつての訓練で僚機を捨ててバイパーを追うというミスを犯した自分に言及しているのかと、6回目の鑑賞で気付いた。

 

フェニックスは良いキャラで、変に誰かの love interest になったりしないところや、女性特有のあれやこれやがプロットに組み込まれていないのも良かった。訓練や撮影時に、演じたモニカ・バルバロだけが唯一嘔吐しなかったと言われているが、そうしたプラスの描写やエピソードがなかったことも良かったと思う。女性だとか男性だとかに囚われず、トップガン卒業生として横一線で勝負するところが素晴らしいのである。

 

全体的に前作をトレースするシーンが多かったが、生徒だったマーベリックが教官マーヴェリックに成長する上では避けて通れない描写だった。前作のファンを喜ばせるための措置が、そのまま本作のプロットの必然性につながっていた。これは脚本家の功績。素晴らしい。大学で正課および課外講座を受け持つことがあるJovian先生も、マーヴェリックを見習って、今後はクラス中にもう少しだけチーム制のアクティビティを取り入れていこうと思う。

 

身もふたもない言い方をすれば、トム・クルーズが自分のナルシシズムを成就させるために生み出した作品。それがこれほど面白いのだから、エゴも突き抜ければ他者を満足させるのか。ハリソン・フォードといえばハン・ソロ、シルベスター・スタローンといえばロッキー・バルボア、トム・クルーズといえばピート・”マーヴェリック”・ミッチェルと言えるだけの代表作を生み出したと言える。良くない例かもしれないが、『 セブン 』のブラピ演じる刑事キャラの名前とかパッと出てこないでしょ・・・

 

閑話休題。分かる方がいれば是非お知らせください。何度観てもフェニックスとハングマンの掛け合いは面白いのだが、いつも音声ばかり聞いて、字幕表示が分からない。

 

Maverick: Leaving your wingman? There’s a strategy I haven’t seen in a while. 
僚機(ウィングマン)を見捨てる?こんな戦法を見るのは久しぶりだ。

 

Hangman: He called you a man, Phoenix. You’re gonna take that?
フェニックス、マーヴェリックが man だと言ってるぞ?受け入れるか? 

 

Phoenix: As long as he doesn’t call you a man. 
あんたを man と呼ばなければね。

 

のところの字幕がどうなっているか、覚えている人がいれば是非コメント欄でご一報を。なんか「男は我慢よ」みたいな文字がちらっと見えた気がしたのだが・・・

ネガティブ・サイド

最後にエド・ハリスが出てきて、ジョン・ハムと二人で苦笑いするシーンとかがあれば痛快だったろうに。まあ、そこまでいくと演出過多か。

 

総評

大げさかもしれないが、本当に老若男女問わず観てほしい作品。期せずしてロシアによるウクライナ侵攻や、台湾海峡あたりでの有事が想定される世界情勢になってしまったが、平和というのは膨大なエネルギーでもって支えられているということが如実に感じることができる作品。除隊するつもりだったマーヴェリックを、ペニーが必死に説得。見事に編隊長の座を掴み取ったマーヴェリックだったが、それは死ぬかもしれないミッションに向けて飛び立つことを意味する。台詞のないマーヴェリックとペニーの囁きと抱擁に、軍人という難しい生き方が垣間見える。それを肯定せよとは思わないが、否定もできないと感じる。爽快感の後に、ほんの少しの苦みを残す。それも時代にマッチした名作の所以か。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

You got this.

「お前はならできる」の意。相手を cheer on するときに使う定型表現。出撃前にルースターがマーヴェリックに声をかけるが、甲板上の放送で邪魔されてしまう。おそらく僚機に選んでもらったことへの感謝、あるいは疑問をぶつけようとしたのだろう。You got this. というのは勿論「お前ならできる」という意味だが、取りようによっては「情実じゃない、この役目はお前が実力でゲットしたんだ」とも取れる。6回目の鑑賞でそう感じた。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, S Rank, アクション, アメリカ, ヴァル・キルマー, トム・クルーズ, マイルズ・テラー, 監督:ジョセフ・コジンスキー, 配給会社:東和ピクチャーズ『 トップガン マーヴェリック 』 -追いトップガン6回目- への2件のコメント

『 トップガン 』 -4Kニューマスター上映-

Posted on 2022年9月19日 by cool-jupiter

トップガン 90点
2022年9月18日 TOHOシネマズ梅田にて鑑賞
出演:トム・クルーズ アンソニー・エドワーズ ケリー・マクギリス ヴァル・キルマー
監督:トニー・スコット

『 トップガン マーヴェリック 』の記録的な大ヒットを受けて、前作と新作の二作連続上映。こういった試みは、今後も続けていってほしいと思う。

 

あらすじ

F-14パイロットのマーベリック(トム・クルーズ)は無鉄砲な操縦を繰り返す海軍の問題児。そんな彼と相棒のグース(アンソニー・エドワーズ)はエリート養成機関「トップガン」に送り込まれる。他の部隊の腕利きや教官との衝突や、民間人アドバイザーのチャーリー(ケリー・マクギリス)とのロマンスを通じて、マーベリックは成長していくが・・・

ポジティブ・サイド

夕陽と戦闘機、そして Kenny Loggins の “Danger Zone” のシーンが都合3回出てくるが、これらのシーンが最も『 トップガン 』らしいと感じた。『 トップガン 』自体は多分10回以上観ているが、初めて劇場で鑑賞したことで、大画面と大音響でしか感じ取れないものがあると分かった気がする。

 

若きトム・クルーズが、無鉄砲なパイロット、無邪気な青年、孤独と焦りを抱えた男など、様々な面を多彩に演じ分けた。レオナルド・ディカプリオ同様に、ルックスだけの人ではなく、若い頃から実は演技派だったわけやね。レイバンのアビエイター仕様サングラスを駆ける時の笑顔は反則級に charming だし、グースを失って打ちひしがれる姿は heart-wrenching としか言いようがない。

 

今作の時点で父と息子というネタが仕込まれていて、アメリカが持つ positive male figure への幻想の強さをあらためて再確認した。同時に、”You look good.” のように、次作に受け継がれていく数々のネタ的な台詞や演出が発見できたのも楽しかった。

 

迫力に欠けると一部で言われた高空での戦闘シーンは、逆にオーガニックに感じられて好感を持った。サイズが実物の何分の一かのモデル機を使って撮影したというのは、精巧なCGがない時代ゆえの特撮。けれど、CGで何でもありになってしまった現代人の目には逆に非常に新鮮に映った。F-14が単純にメチャクチャかっこいい飛行機ということも再確認した。

 

新作鑑賞後にあらためて観ると、全体的な作りは非常にチープというか、1980年代定期なテイストで彩られている。すなわち、ベトナム戦争よりも後で、湾岸戦争よりも前という、ある意味で軍がリアルではなくファンタジーでいられた時代。本作の影響で米海軍への入隊志願者が増えたと言われる。フィクションとしてのエンタメは、時に現実に強く作用するという好個の一例だろう。

 

ネガティブ・サイド

F-14がジェット後流に巻き込まれるシーンは山岳地帯だったが、イジェクトしたマーベリックとグースは海に着水した。機を海に向けるなどのシーンが一瞬でよいので欲しかった。

 

総評

劇場の入りはイマイチだったが、このような試みはもっと行ってほしい。コロナ禍の2020年にジブリ映画がリバイバル上映されたように、続編がヒットしたら、その前作を劇場で再公開するというのは、今後のビジネスモデルとして研究されてしかるべきと思う。ラブシーンがあるので、子供の年齢にはちょっとだけ注意が必要だけれども、 親子で劇場鑑賞してほしいと心から思える作品。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

fall for someone

誰かに惚れる、誰かを好きになる、の意。『 イソップの思うツボ 』でも紹介した表現。劇中ではチャーリーがマーベリックに対して使っていた。fall in love with someone は少々ロマンチックすぎる表現なので、こちらを使おう。

 

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 1980年代, S Rank, アクション, アメリカ, アンソニー・エドワーズ, ヴァル・キルマー, ケリー・マクギリス, トム・クルーズ, 監督:トニー・スコット, 配給会社:UIPLeave a Comment on 『 トップガン 』 -4Kニューマスター上映-

『 トップガン マーヴェリック 』 -追いトップガン5回目-

Posted on 2022年8月21日2022年12月31日 by cool-jupiter

トップガン マーヴェリック 90点
2022年8月21日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:トム・クルーズ マイルズ・テラー
監督:ジョセフ・コジンスキー

「追いトップガン」なる言葉が生まれていたことを最近知った。Jovianも5度目の追いトップガンである。

 

あらすじ

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、予定されていたダークスターのテスト飛行がキャンセルされると聞いたが、クルーと共にフライトを強行し、マッハ10を達成する。処罰の対象になるかと思われたマーヴェリックだが、盟友であり提督となったアイスマンの取り計らいにより、トップガンにおいて難関ミッションに挑む若きパイロットたちの教官となる。しかし、そこにはかつての相棒グースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)も加わっており・・・

ポジティブ・サイド

2週間前の西宮ガーデンズも凄い入りだったが、今日のMOVIXあまがさきもかなりの混雑。座席は8~9割は埋まっていた。中高年が多いが、10代男子や20代カップルもちらほら。コロナは高止まりしているが、映画館に人は帰ってきているなと強く印象付けられた。

 

多くの人々が大画面と大音響の中毒になっているのだろう。冒頭の Top Gun Anthem と Danger Zone でノリノリになっているオッサンが数名見受けられた(頭や肩がヒョコヒョコ動いているのが見えるのだ)。彼らもきっと追いトップガン組だろう。

 

5度目の鑑賞となると、字幕に目をやらず、役者のセリフに集中することができる。ハングマンとフェニックスのやりとり(フェニックスがこっそり中指を立てるところなど)は観ていて毎回とても面白いが、今回新たな発見が。

 

Maverick: Leaving your wingman? That’s a strategy I haven’t seen in a while.
僚機(ウィングマン)を見捨てる?こんな戦法を見るのは久しぶりだ。

Hangman: He called you a man, Phoenix. You’re gonna take that?
フェニックス、マーヴェリックが man だと言ってるぞ?受け入れるか?

Phoenix: As long as he doesn’t call you a man.
あんたを man と呼ばなければね。

 

めちゃくちゃ痛快なやりとりである。『 エイリアン2 』の

ハドソン:Hey Vasquez, have you ever been mistaken for a man? 

バスケス:No. Have you? 

並みに面白い。字幕がどう表示されたかは覚えていないが、wingman は確かに男に聞こえる。余談だが、アメリカでは定期的に大学一年生を freshman ではなく freshperson と呼ぶようにしよう、という運動が起きると聞いたことがある。けれど毎回 fizzle out するようだ。fisherman や fireman も同じらしい。映画やドラマでも firefighter より fireman の方が圧倒的に使われている頻度は高いと感じる。きっと wingman もいつまでも wingman なのだろう。

 

閑話休題。本作はリリースのタイミングもある意味で絶妙だった。ロシアによるウクライナ侵攻によって、世界は戦争を抑止するシステムが膨大な力によって成立していることを図らずも知ってしまった。同時に「死ぬのも仕事のうち」だという人々が存在するということも。たた、死ぬのが仕事のうちだからといって必ず死ななければならないわけではない。死なないに越したことはない。本作や前作『 トップガン 』で戦闘機や軍事そのものに興味を持ったという若い世代には、ぜひとも漫画『 ファントム無頼 』をお勧めしたい。日本の空にもマーヴェリックのような自衛官が飛んでいると思えるようになるだろう。

ネガティブ・サイド

マーヴェリックが単騎でミッション演習コースを駆け抜けるシーンで、峡谷を飛ぶマーヴェリックの機ではない機体の影が一瞬だけ映っている。最初の頃の鑑賞では気のせいかと思っていたが、何度見てもやはり映っている。マーヴェリックのF-18の機影ならまっすぐ動くはずだが、その影の元になった機体は上昇しているっぽい。画面に映るのは1秒ほどだが、誠に惜しいシーンである。

 

総評

何度見てもやっぱり面白い。ターミネーター=A・シュワルツェネッガー、ハン・ソロ=ハリソン・フォード、ロッキー=シルベスター・スタローンと同じレベルで、ピート・”マーヴェリック”・ミッチェル=トム・クルーズであると感じる。今年の最優秀海外俳優の座は彼のものである。『 ミッション:インポッシブル 』シリーズは4作目か5作目で観るのをやめてしまったが、やっぱり観たいと思えてきた。トム・クルーズのスターパワー、恐るべしである。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

None of your business.

「お前には関係ない」の意。結構きつい表現なので職場などでは使わない方が吉。ほぼ同じ意味とニュアンスの表現に Mind your own business. がある。これらを正しく使えれば、それだけでコミュニケーションの上級者である。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, S Rank, アクション, アメリカ, トム・クルーズ, ヒューマンドラマ, マイルズ・テラー, 監督:ジョセフ・コジンスキー, 配給会社:東和ピクチャーズLeave a Comment on 『 トップガン マーヴェリック 』 -追いトップガン5回目-

『 グレイマン 』 -頭を空っぽにして楽しむべし-

Posted on 2022年8月18日 by cool-jupiter

グレイマン 65点
2022年8月15日 シネ・リーブル梅田にて鑑賞
出演:ライアン・ゴズリング クリス・エヴァンス アナ・デ・アルマス
監督:アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ

 

Netflix製作・配給の映画。典型的な popcorn flick である。アクション満載なのは楽しいが、すべてがどこかで観た構図なのが玉に瑕。

 

あらすじ

長期服役中だったが、CIAの工作員としてスカウトされたコードネーム、シエラ・シックス(ライアン・ゴズリング)。ある時、タイのバンコクでターゲットを暗殺するが、その男は自らを元シエラ・フォーだと言い、シックスにとある機密情報を託す。シックスは同作戦に従事したミランダ(アナ・デ・アルマス)にフォーのことを告げる。同時に、CIA本部では、冷酷非情な工作員ロイド・ハンセン(クリス・エヴァンス)がシックス暗殺に向けて動き始めて・・・

ポジティブ・サイド

とにかく最初から最後までど派手なアクションの連続。格闘戦あり、ナイフ使いあり、銃撃あり、カーチェイスあり、爆発ありと何でもござれ。戦闘の舞台もバンコクから始まり、ウィーン、プラハ、クロアチアなど正に世界を股にかける工作員たちのスーパーバトル。CGと実写の両方が使われているが、どちらにも相当のカネが費やされている。アクションを期待するなら、You will get your money’s worth. その期待は裏切られることはないだろう。

 

はじめはブレードランナーVSキャプテン・アメリカぐらいに思っていたが、とんでもない。シエラ・シックスは『 ブラック・ウィドウ 』よりも強いのではないか。観る側にそう思わせるだけのド派手なアクションのオンパレードである。

 

カナダでは「ライアンと言えばゴズリング」と言われるぐらいの人気俳優だが、ライアン・ゴズリングの北米大陸どころか、名実ともに世界的スーパースターになった。本作でもその地位を更に固めることになったと言えるだろう。『 ナイスガイズ! 』のようなコメディ・アクションから、本作のようなシリアス・アクションまで、その演技ボキャブラリーは巨大。わずか数秒だけしか画面に映らないが、ムキムキの体も作ってきた。

 

悲しい過去を背負った男が、友情、そして新たな愛情の対象を見つけ、それを命がけで守る姿は美しい。ライアン・ゴズリングのファンなら本作は必見だろう。『 アメリカン・アサシン 』が面白かったと感じた向きにもお勧めだ。スペシャリストvsスペシャリストという分野に新たな快作が送り出されてきた。次回作への期待も膨らむ。Netflix限定配信などと言わず、ぜひ劇場公開を!

ネガティブ・サイド

アクションの規模は空前絶後だが、全てのシーンに既視感を覚える。『 ミッション:インポッシブル 』シリーズからジェイソン・ボーンのシリーズまで、どこかで観た銃撃戦だったりカーチェイスだったり、肉弾戦だったりする。観ている最中は手に汗握るが、観終わって少し時間が経つと、興奮したことは覚えていても感銘を受けたシーンがほとんどなかったことに気付く。

 

また悲しい過去を背負った男が少女を守るために闘うというプロットでは『 アジョシ 』が先行している。アクションのスケールでは本作の勝ちだが、チャ・テシクとシエラ・シックスが素手もしくはナイフで戦えば、チャ・テシクが勝つ構図しか見えない。本作はそういう感想を抱かせる作品である。

 

悪役のクリス・エヴァンスはそれなりに新鮮だったが、劇中で盛んに sociopath と形容される悪役そのまんま。予想通りの悪でしかない。爪をはぎとっていく拷問シーンはまあまあの迫力だが、それとても『 ただ悪より救いたまえ 』のインナムが錆びた極太ばさみで拷問相手の指を切り落としていくシーンと比較してしまうと、非常に小物っぽくなってしまう。それこそエヴァンス演じるロイドは、それこそ『 ただ悪より救いたまえ 』のレイ以上の狂気を放つ極悪人であるべきだった。このあたり、監督の演出の弱さか、それともエヴァンスがキャプテン・アメリカの殻を破れないのか。

 

最大の問題は、あれだけ他国で大暴れしておきながら、肝心のCIAがまったく揺らいでいないところである。他国であれだけ警察官や一般市民を殺傷すれば、CIA長官どころかアメリカ大統領の首が飛ぶだろう。エンディングで( ゚Д゚)ハァ?となること請け合いである。

 

総評

シネ・リーブル梅田の新音響を利用したodessa上映回に行ってきたが、Netflix配信=個人用デバイスでの鑑賞では味わえない音響と音圧だった。odessa上映ではなくても、大画面かつ大音響を堪能する価値のあるアクション巨編である。頭を空っぽにして、とにかく2時間ハラハラドキドキを味わいたいなら、本作鑑賞は must だろう。ぜひ劇場鑑賞を。 

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Heads will roll.

直訳すれば「首が転がるだろう」の意。転じて「リストラが行われるだろう」ということを意味するが、劇中では文字通りの意味で、首が転がる=死人が出るの意味で使われていた。実際のセリフでは Heads would roll. と仮定法だったが、 普通の学習者であれば「リストラが計画されている」という意味だけ押さえておけばよい。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アクション, アナ・デ・アルマス, アメリカ, クリス・エヴァンス, ライアン・ゴズリング, 監督:アンソニー・ルッソ, 監督:ジョー・ルッソ, 配給会社:NetflixLeave a Comment on 『 グレイマン 』 -頭を空っぽにして楽しむべし-

『 トップガン マーヴェリック 』 -IMAX with Laser 鑑賞-

Posted on 2022年8月8日 by cool-jupiter

トップガン マーヴェリック 90点
2022年8月7日 TOHOシネマズ西宮OSにて鑑賞
出演:トム・クルーズ マイルズ・テラー
監督:ジョセフ・コジンスキー

コロナ禍以降、初の実写映画での興行収入100億円超えとのこと。ご祝儀的な意味も込めて、4度目の鑑賞をIMAXレーザーで行うべく隣町へ出向く。

 

あらすじ

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、予定されていたダークスターのテスト飛行がキャンセルされると聞いたが、クルーと共にフライトを強行し、マッハ10を達成する。処罰の対象になるかと思われたマーヴェリックだが、盟友であり提督となったアイスマンの取り計らいにより、トップガンにおいて難関ミッションに挑む若きパイロットたちの教官となる。しかし、そこにはかつての相棒グースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)も加わっており・・・

ポジティブ・サイド

3度目の鑑賞はMX4Dで、4度目の鑑賞はIMAX with Laser。座席が動いて、本当に飛行機で飛んでいるように感じられる4Dも良いが、IMAXはスクリーン自体の大きさ、映像と音響のクリアさが印象に残った。

 

ウォーロックは見れば見るほど良いキャラ。司令官の片腕的存在で、問題児たるマーヴェリックとも目と目で通じ合う仲。各地を転戦した歴戦の勇者なのだろう。イメージ的には漫画『 沈黙の艦隊 』の山中副長、小説『 銀河英雄伝説 』のジークフリード・キルヒアイスのような組織のナンバー2キャラで、Jovianはこういう渋いキャラが大好きである。

 

本作はとことんオッサン泣かせだ。若い世代に立ちはだかり、若い世代を引っ張り、若い世代に疎まれ、若い世代と和解する。この2年間、Jovianの職場では50代がどんどんと消えていき、20代ばかりがどんどんと増えた。畢竟、自分の職場のオッサン度は相対的に上がっていく。色々と教えたり、教えられたりするが、それでも世代間闘争が生じることはある。そうした時に、オッサン(男に限定しているわけではない、念のため。年長者の意味である)にしか解決できない問題は確かにある。だからといって、若い世代のサポートなしにバリバリと働けるわけではない。老兵とまでは行かないが、確実にオッサン化しつつある自分の心の琴線に触れる物語であることは間違いない。

 

某大学の Academic Reading という授業の指定テキスト『 BBC 英語ものがたり 』の教案や試験を作ったが、その書籍内でアメリカ映画、さらには朝鮮戦争やベトナム戦争に関するニュースが英語を変化させ、さらにはグローバル化させたのが詳細に書かれている。本作の影響により、”Talk to me, 〇〇.” という台詞が『 フォレスト・ガンプ/一期一会 』の “Run, Forrest, run.” のように文化的な意味で口語表現に定着していくのではないかと感じた。それだけの影響力を本国アメリカにも、その他の国にも与えるだけのインパクトが本作にはあると感じる。

ネガティブ・サイド

観るほどに誤訳というか、不適切な訳が目につく。戸田奈津子御大の衰えには目を覆うばかりである。

 

マーヴェリックが空母艦内でチームメンバーを発表する前に言う “It’s been an honor flying with you.” = 一緒に飛べて光栄だ、は「飛べて」の時制が日本語では不明確。「これまでの訓練に感謝する」で良い。

 

また、今生の別れを予感させる出撃直前のマーヴェリックにホンドが言う ”It’s been an honor.” = 名誉に思います、も同様。「素晴らしい日々でした」とか、なにか過去から現在までを包括するような表現が求められる。特に、ホンドは3年前の不祥事による砂漠送りからの仲だったはずで。そうした過去にも思いを馳せられるような訳出がなされるべきだった。

 

総評

TOHOシネマズ西宮OSは、朝の9:00から恐ろしいほどの人出だった。そのうちのかなりの人数が本作の鑑賞に来ていた。それも、高校生同士や20~30代と思しきカップル、オッサン一人だけ、あるいは高齢夫婦など、実に多種多様な客が劇場に詰め掛けていた。もちろん、興収100億突破というニュースそれ自体が大いなる宣伝になっているのだろうが、それ以上に劇場に客を呼ぶ力を本作が持っていることが大きい。そしてその力がオッサン以外にも届いていることが嬉しい。コロナ禍は続いているが、マナーを守った劇場鑑賞で感染対策と経済活動を両立させようではないか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

learn a thing or two

直訳すれば「一つのこと、または二つのことを学ぶ」だが、実際はそれなりの知識・情報・経験などを学ぶことを意味する。劇中では下限高度の修正を文書で申し出たマーヴェリックに “You could learn a thing or two about timing.” = 「もうちょっとタイミングというものを学びたまえ」のように言っていた。tell someone a thing or two という形で使うこともあるが、この場合は「小言を言う」の意。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, S Rank, アクション, アメリカ, トム・クルーズ, マイルズ・テラー, 監督:ジョセフ・コジンスキー, 配給会社:東和ピクチャーズLeave a Comment on 『 トップガン マーヴェリック 』 -IMAX with Laser 鑑賞-

『 ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 』 -広げすぎた風呂敷を畳めず-

Posted on 2022年7月31日2022年7月31日 by cool-jupiter

ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 20点
2022年7月30日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:クリス・プラット ブライス・ダラス・ハワード サム・ニール ローラ・ダーン ジェフ・ゴールドブラム イザベラ・サーモン
監督:コリン・トレボロウ

 

『 ジュラシック・ワールド 炎の王国 』で、広げまくった風呂敷をどう畳むのか。関心はそこだったが、製作陣は見事に回避。さらに『 ジュラシック・パーク 』から連綿と続いてきたメッセージもあっさりと放棄。これは一種の詐欺商法ではないのか。

あらすじ

恐竜たちが解き放たれた世界。オーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、クローン少女であるメイジー(イザベラ・サーモン)を守りながら暮らしていた。しかし、そのメイジーがオーウェンの盟友ラプトルのブルーの子と共に謎の男たちに誘拐される。オーウェンとクレアは救出に動き出す。一方、アメリカの穀倉地帯に出現した謎の巨大イナゴを追うサトラー博士(ローラ・ダーン)は、旧知のグラント博士(サム・ニール)と共にバイオシン社を訪れて・・・

 

ポジティブ・サイド

しっかり騙されてしまったというか、乗せられているなと感じるが、やはり『 ジュラシック・パーク 』の面々が集まると、高校生の頃に劇場で鑑賞した時の気持ちが蘇ってくる。『 スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒 』でキャリー・フィッシャーやハリソン・フォード、マーク・ハミルと再会した時のような感傷や、『 トップガン マーヴェリック 』でマーヴェリックと再会した時の感覚に近い。まあ、自分がそれだけオッサンになったということか。

 

パラサウロロフスのような、何とか象レベルで捉えられそうな恐竜から、ギガノトサウルスのような象をおやつに食べそうな化け物に、某大学の教科書に出てきたばかりのケツァルコアトルスなど、新しいモンスターたちはどれもこれも eye-candy だった。羽毛をまとった恐竜の姿も、NHKではなくハリウッド水準のCGで観られたのにも満足。

 

初代の裏切りデブを彷彿させるモブキャラに、発煙筒のシーンの完全オマージュなど、良い意味で壮大なシリーズのフィナーレを飾るにふさわしい ”演出” の数々が堪能できた。

以下、ネタバレあり

 

ネガティブ・サイド

新旧キャラが勢揃いするのは確かに壮観だが、逆に絶対に死なないキャラが増えるということをも意味する。それはストーリーから緊張感を奪い去る。毀誉褒貶の激しい『 スター・ウォーズ 』の新三部作(Jovianは賛の立場)では、旧作のキャラの死亡(役者本人の死亡もあったが)や離脱が相次いだ。これは観る側にかなりの衝撃を与えた。だが本作にはそうした緊張感は一切なし。バイクやクルマのアクションがスリリングだとは感じたが、それはその他多くの映画で何百回と観たやつである。

 

思ったよりも翼竜や首長竜、魚竜が活躍しなかったのはCG予算の限界なのか、アイデア不足なのか。代わりにイナゴネタとは・・・。劇中のデブが言及していたように、聖書の『 出エジプト記 』のビジョンなのだろうが、ここに来て恐竜以外の生き物を持ってくるか?

 

我々が観たかったのは『 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 』的な世界の続きである。

 

“So, you’d want to make Godzilla our pet?“
「ゴジラを我々のペットにするということかな?」

“No. We will be his.”
「違う。我々が彼のペットになるのだ」

 

という世界観である。それこそが取りも直さず、第一作のアラン・グラント博士の

 

Look… Dinosaurs and man, two species separated by 65 million years of evolution have just been suddenly thrown back into the mix together. How can we possibly have the slightest idea what to expect?

 

という疑問への答えだったはずである。バイオシン=Biosyn=Bio Sin = 生物学の罪。それこそがシリーズが描いてきたものだ。科学には侵してはならない領域があるのだ。そこにコミットしてしまった過去の作品では、すべて人間が痛い目を見ている。本作はその集大成=人間が転落し、恐竜が生態系の頂点に君臨する世界を描くべきだったのに・・・どうしてこうなった。

 

シャーロットのクローンであるメイジーのドラマも拍子抜け。コロナ禍で公開が遅れる不運があったとはいえ、自分の細胞から卵子と精子を作って、それを掛け合わせてマウスが日本で作出されたというのは大きなニュースになった。現実がクローンを通り越して、小説『 リング 』の貞子的な領域に到達してしまった以上、シャーロットのアイデンティティを巡る物語も盛り上がりに欠けてしまう。

 

ヘンリー・ウー博士によるイナゴの遺伝子書き換えにも開いた口が塞がらない。イアン・マルコムを二十数年ぶりに引っ張り出してきたのは、”Life will find a way.” と再度言わせるためではなかったのか。人間が小賢しい真似をしても生命は必ずそれを回避してしまう、というのがジュラシック・シリーズが繰り返し発してきたメッセージではなかったのか。なんで今回は上手く行くことになっているのか?もうこれでロシアによるウクライナ戦争の影響以上のダメージが穀物およびその他の農作物に与えられるのは必定ではないか。何が描きたいんや・・・

 

最後の最後に恐竜、翼竜、首長竜に魚竜までが世界中の生き物と見事に平和裡に共存・・・って、そんなわけあるかーーーー!!!そうした世界を描くなら、恐竜が文明世界を大破壊して、人間も他の動植物も捕食しまくって、生態系の頂点に立った。そこで各種の生き物がしかるべきバランスの中に落ち着いて、恐竜たちも現代の生き物たちと調和(≠共生)して生きるようになった、という世界像をこそ提示すべきだろう。何から何までアメリカ的御都合主義と言うか、白人帝国主義的と言うか、これっぽっちの理解も共感もできない締め括られ方だった。『 ジュラシック・パーク 』だけで終わっておけば、伝説的な作品として22世紀まで残っただろうに。

総評

ハッキリ言って駄作。常にキャラがしゃべりまくり、常に効果音とBGMが鳴り続け、精巧ではあるが現実的な質感に欠けるCG恐竜が画面を覆いつくすばかりの作品。アメリカ人的には大受けするのだろうか。東洋的な世界観からずれまくった思想を一方的に開陳されても、どう受け止めて良いのか分からない。これがアメリカ的な多様性や共生の見本なのだろうか。劇場のお客さんの表情は満足と困惑の半々ぐらいに映った。個人的にはクソ映画・オブ・ザ・イヤー候補を観てしまった、という気持ちである。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Sorry, no lessons. I want to forget about this CGI shitfest as quickly as possible.

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, E Rank, SF, アクション, アメリカ, イザベラ・サーモン, クリス・プラット, ブライス・ダラス・ハワード, 監督:コリン・トレボロウ, 配給会社:東宝東和Leave a Comment on 『 ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 』 -広げすぎた風呂敷を畳めず-

『 THE FLIGHT ザ・フライト 』 -続編は不要-

Posted on 2022年7月30日2022年7月30日 by cool-jupiter

THE FLIGHT ザ・フライト 65点
2022年7月27日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:モヒト・チャダ
監督:スラージ・ジョシ

学生も講師もコロナだらけ。穴埋めで死にそうなので簡易レビュー。

 

あらすじ

航空会社社長のランヴィール(モヒト・チャダ)は、自社航空機の墜落事故の責任を認め、投資家への説明のためドバイへと飛ぶ。離陸後、目覚めると機内には誰もおらず、コクピットも応答しない。ランヴィールは空の密室から脱出できるのか・・・

 

ポジティブ・サイド

あれよあれよの航空機事故発生から、緊急取締役会の開催。一見関係なさそうなチンピラと若者の揉め事から、その若者が航空会社の社長だと判明するまでが非常にスピーディー。そして颯爽と飛行機に乗り込み、美女CAから怪しげな飲み物を受け取って・・・からのシチュエーション・スリラー的展開へと突入。

 

飛行機そのものが一種の密室になる映画というと、リーアム・ニーソン主演の『 フライトゲーム 』やジョディ・フォスター主演の『 フライトプラン 』など定期的に生産されるが、このインド映画は飛行機内に自分一人だけというなかなか斬新なアイデアを盛り込んできた。普通に考えれば絶体絶命なのだが、そこを乗り越えていく面白さがある。

 

中盤はほぼ一人芝居だが、そこはヒース・レジャーのセリフを吐いて悦になる主人公。トム・クルーズやらアイアンマンやら映画『 ハート・ロッカー 』にまで言及する。単純に観ていて飽きない。

 

何とか助かろうと機内であがくランヴィール。そんなランヴィールを助けようと地上で奮闘する者たち。その一方で黒幕たちは・・・とサスペンスが嫌が応でも盛り上がる。ドンデン返しに次ぐドンデン返しで、観る側を飽きさせない。経済問題や社会批判をテーマに盛り込んではいるが、優先すべきは娯楽とばかりのサービス精神には脱帽である。

 

ネガティブ・サイド

序盤のランヴィールの格闘シーンは不要だったのでは。妻との他愛ない会話を見せつつも、直観力や推理力に優れた男だという描写の方が求められていたのでは?

 

CGがしょぼい。韓国映画の『 ノンストップ 』よりも遥かにしょぼい。ランヴィールを乗せた機は確かに離陸したのだと観る側に印象付けるためにも、もう少し真に迫ったCGを追求すべきだった。

 

続編作る気満々の終わり方だが、この1作で終わっておくべきだったと思う。あのキャラが『 ゴールド/金塊の行方 』のマシュー・マコノヒーばりの、どちらにも解釈できる笑顔を見せて終わらせる方が絶対にインパクトも大きいし、その後のボックスオフィスなどから続編製作の判断などもできただろうに。

 

総評

インドらしい歌や踊りは一切排除された作品で、ハリウッドに迎合したような作品に映る。だが、最後の最後にアメリカでは絶対に撮れないショットを持ってくるところにボリウッドの矜持を感じた。続編を作っても間違いなくポシャるだろうが、だからといって本作が面白さが否定されるわけではない。単独作品として十分に楽しめるので、外出が嫌になる夏の猛暑日にどうぞ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

It’s not rocket science.

ロケット科学ではない=そんなに難しいことではない、の意。JovianがTESOLという英語教授資格を取得するにあたってメンター(といっても同い年だが)だったオーストラリア人がしょっちゅう使っていた表現。

Jovian : So, how do you teach to-infinitives and gerunds?
どうやってto不定詞と動名詞を教える?

Mentor: Just elicit from students what they know. Don’t teach. Help them understand. It’s not rocket science. 
受講生が既に知っていることを引き出せ。教えようとするな。理解するのを手助けしろ。そんなに難しいことじゃない。

のように使われる。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アクション, インド, モヒト・チャダ, 監督:スラージ・ジョシLeave a Comment on 『 THE FLIGHT ザ・フライト 』 -続編は不要-

『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を-

Posted on 2022年7月22日 by cool-jupiter

キングダム2 遥かなる大地へ 55点
2022年7月17日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:山崎賢人 吉沢亮 豊川悦司 清野菜名
監督:佐藤信介

『 キングダム 』はなかなかの出来栄えだったが、今作はちょっと落ちるという印象。それでも随所に原作漫画らしさが爆発しており、面白さは保っている。

 

あらすじ

下僕の身から戸籍を得た信(山崎賢人)は、王宮に侵入した秦王・嬴政(吉沢亮)の暗殺者を見事に撃退する。しかし、その直後、魏が秦へ侵攻してきたとの報が入る。嬴政は迎撃のため麃公将軍(豊川悦治)を蛇甘平原に出征させる。武功を求めて歩兵に志願した信は、同郷の尾平や尾到、伍長の澤圭、謎の剣士・羌瘣(清野菜名)と伍を組むことになるが・・・

ポジティブ・サイド

副題の「遥かなる大地へ」の通り、山や王宮がメインの戦場だった前作とは一転して、ほとんどの闘いが屋外で繰り広げられる。それも大平原に山岳にと、非常にスケールが大きい。黄色の土ぼこりが一面に舞うと、山ばかりの日本の平野とは違うなと感じる。単純な演出効果は大きい。

 

アホだが確実に腕は立つ信を前作に引き続き、山崎賢人が好演。チャンバラの迫力も前作と同水準を維持している。また蛇甘平原で一気に敵陣に突っ込んでいく無謀さ、そこで雑兵を蹴散らす漫画的な迫力も映像で十分に表現できていた。大軍vs大軍の迫力を出すのは予算的にもCG技術的にも無理。しかし、本作では伍という単位にフォーカスすることで、その問題をうまく回避した。実際の歩兵部隊も伍長や什長が最小単位を率いていたし、最近の連載では描かれなくなった伍の戦いにはリアリティが感じられた。

 

同時に、原作漫画で二度にわたって絶望感を与えられた魏の戦車隊の迫力は、漫画には出せないものがあった。Jovianの持つ映画における戦車というのは『 ベン・ハー 』ぐらいなのだが、戦車隊が歩兵を蹂躙する様、その戦車隊を「策」でもって退ける様、そして信が戦車を見事に破壊するシークエンスなどは、スペクタクルそのもの。これらのシーンは是非とも大画面で堪能されたい。

 

『 キングダム 』は究極的にはキャラクター漫画であり、映画もキャラクター映画である。極端な話、将軍一人で数千人の力に匹敵するし、実際に原作でも李朴は合従戦編でそのような趣旨のことを述べていた。その意味で、今作では最初の三人(信・嬴政・河了貂)以外の、後の飛信隊の中核となるメンバーの絆を上手く描き出していた。特に原作では全く馴れ合おうとしなかった羌瘣を、原作とは少し(というか大いに)異なる方法で仲間に引き込むという脚本はよくできていた。原作者が加わっているから、どこを削るのか、何を足すのかが明確だったのだろう。

 

エンドロール後には第三作への予告編も垣間見ることができる。『 キングダム 』で予想したとおりに、馬陽防衛戦になりそうだ。まだ編集段階だろうか。2時間40分程度の長さで、飛信隊の誕生から王騎の矛を受け継ぐシーンまで、見せ場てんこ盛りで描き出してほしい。

ネガティブ・サイド

率直に言って、羌瘣、麃公、呂不韋はミスキャストだと感じた。初登場時の羌瘣は10代前半くらいのはず。清野菜名は薹が立つではないが、それこそ現在連載中の宜安の戦いぐらいの年齢に見える。探せばもっと羌瘣っぽい役者はいるはずだし、見当たらなければ、それこそオーディションすべきだろう。

 

麃公を演じた豊悦も、ビジュアルはかなり原作に忠実だったが、声と立ち居振る舞いがどうにも本能型の極みに思えなかった。「全軍、待機じゃあ!」や「ハァアア!」の声のピッチが高すぎて、どうにもイメージに合わない。また呉慶将軍との一騎打ちも、原作にあった「相手を知ろうとする」過程がすっぽり抜け落ちていて、信が目指すべき大将軍像を呈示できていなかった。

 

最後に少しだけ出てくる呂不韋も佐藤浩市では年齢が合わないし、なにより原作の呂不韋が放つ圧倒的なオーラが足りない。北村一輝や豊原功補のような役者の方が呂不韋に逢っているように感じる。あと、春秋戦国時代で最も有名な人物の一人である李斯が登場しなかったのは何故なのだろうか。

 

アクションは文句なしだが、それ以外の部分の演出の粗が多かった。魏火龍の発音がキャラごとに違ったり、あるいは羌瘣と羌象が緑穂を異なるイントネーションで発音したりと、もう少し台詞回しにも目を光らせてほしかった。

 

効果音にも改善の余地あり。羌瘣が巫舞で敵兵を屠っていく際の音が「ガギィン」だった。これは絶対に「スヒン」でなければならない。フォーリー・アーティストの尻を叩いて「スヒン」という音を生み出すべきだった。

 

ミスチルの楽曲『 生きろ 』は悪くなかったが「遥かなる大地」という感じは全くしなかった。副題が「仲間と共に」とかなら、まだフィットしたのかもしれないが。前作同様にONE OK ROCKの荘厳なバラード曲を依頼できなかったのだろうか。

 

総評

アクション映画としても、漫画の映像化としても、それなりの水準に達している。三部作は往々にして、1から2で上がって、2から3で落ちるものだが、本シリーズは1から2で少し下がってしまった。その代わり、2から3で爆上がりすることが期待できそう。原作ファンならキャスティングや演出に対して賛否のどちらもありそうだが、観て損をすることはないはず。歩兵目線の戦争アクションを邦画も描けるようになったというのは実に感慨深い。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

turn the tables 

「テーブルを引っくり返す」というのが直訳だが、実際の意味は「形勢を逆転する」の意。劇中では渋川清彦演じる縛虎申千人将が「将軍の狙いはここから大局を覆すことだ」と言うシーンがあったが、大局を覆すというのは turn the tables が英訳としてふさわしいだろう。類似の表現に turn things around というのもある。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, アクション, 吉沢亮, 山崎賢人, 日本, 清野菜名, 監督:佐藤信介, 豊川悦治, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンターテインメント, 配給会社:東宝『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- への2件のコメント

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