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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: アメリカ

『 トップガン マーヴェリック 』 -The sky is the limit-

Posted on 2022年5月29日2022年12月31日 by cool-jupiter

トップガン マーヴェリック 90点
2022年5月28日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:トム・クルーズ マイルズ・テラー
監督:ジョセフ・コジンスキー

 

『 トップガン 』の続編。待ちに待たされた作品だが、This film is worth the wait! 前作の世界観を見事に受け継ぎ、人間ドラマとエンタメ性を高いレベルで融合させた。今年のベストと言っていいだろう。

あらすじ

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、予定されていたダークスターのテスト飛行がキャンセルされると聞いたが、クルーと共にフライトを強行し、マッハ10を達成する。処罰の対象になるかと思われたマーヴェリックだが、盟友であり提督となったアイスマンの取り計らいにより、トップガンにおいて難関ミッションに挑む若きパイロットたちの教官となる。しかし、そこにはかつての相棒グースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)も加わっており・・・

 

以下、軽微なネタバレあり

ポジティブ・サイド

オープニングからF-18が空母から発艦していく圧巻の映像、それと共に流れる『 トップガン・アンセム 』が郷愁を誘いつつ飛翔も予感させる。そしてケニー・ロギンスの “Danger Zone” で一気に大空へと舞い上がる。これによって『 トップガン 』の世界が一挙に再構築された。『 スター・ウォーズ 』もテーマ音楽だけで一気にその世界に引き込まれるが、『 トップガン 』にもその力がある。また『 スター・ウォーズ 』同様に効果音も脳に刻み付けられている。一時期、”You can’t hear a picture” というミームが流行ったが、映像だけで戦闘機のエンジン音や滑空音が脳内で再生されるというトップガンのファンは多いのではないだろうか。

 

前作へのオマージュを随所にちりばめつつ、現代的な視点も盛り込まれている。ゲーム『 エースコンバット7 スカイズ・アンノウン 』が本作とのコラボ機体をリリースしたのは2019年だったが、思えばよくも待ったものである。ゲームと同じく現実世界でもドローンによる戦争が行われるようになってしまったが、それは取りも直さず人間が航空機に乗り込んでの操縦は不要になることを意味する。つまりパイロットはお払い箱である。そのことは『 エースコンバット6 解放への戦火 』や『 エースコンバット7 スカイズ・アンノウン 』といったゲームでもしきりに言及されていた。その人間不要論を見事に打ち破ったのが本作だと言える。

 

まず、トップガンが挑むミッションがまんまフライトシミュレーターのゲームのミッションそのものである。いや、ある意味ではゲームよりも難易度が高いミッションだろう。Jovianが一時期ハマっていた Ace Combat シリーズは渓谷などの狭いエリアを飛ぶ ミッションが恒例だったが、ゲームでこれをやれと言われても ( ゚Д゚)ハァ? と反応するだろう。下限速度が時速400ノットで上限高度が1000フィート、そして高G加速で山肌に沿って上昇し、背面飛行で下降に転じ、施設を精密爆撃せよというのだから。マスコミあるいは映画評論家は、ぜひ航空自衛隊、できればブルーインパルスのパイロットにこのミッションが達成可能かどうか尋ねてほしい。おそらく答えは否だろう。実際にトップガンの面々もバンバン Mission Failed を連発する。最早このミッションそのものがダメかと思われたところで、マーヴェリックが実演でミッションは achievable と証明するシークエンスは最高に痺れた。 

 

そこまでの過程でグースの息子、テラーとの確執も丹念に描かれる。マーヴェリックは序盤から何度か “Talk to me, Goose.” という例のセリフを口にするが、別離から30年を経てもグースが心の中にいることを観る側にしっかりと伝えてくる。息子のルースターがバーのピアノで “Great Balls of Fire” を熱唱するシーンには我あらず涙ぐんでしまった。こんな単純な演出で泣けてしまうとは、Jovianも年を取ったのかねえ・・・ 二人の間の因縁、そこに込められたマーヴェリックの思いの深さは、そのままグースが愛した者への思いの深さになっている。  

 

いざミッションへと飛び立つトップガンの面々。だが、ルースターは逡巡してしまう。まるで前作のマーヴェリックのように。しかし、やはりパイロットを奮い立たせるのは機体の性能ではなく人間の思いなのだということを、本作はここでも高らかに宣言する。ミッションを成功させ、いざ離脱という時に前作同様の悲劇が隊を襲う。マーヴェリックが文字通りに体を張ってルースターを救うシーンにも、やはり涙ぐんでしまった。なぜ自分はこんなに涙もろくなってしまったのか。そこから続く『 エネミー・ライン 』的な展開では「なんでそこにF-14があるの?」とは思ってしまうが、鹵獲された機体を分析・調査するためだと納得した。

 

最終盤のドッグファイトは前作以上の大迫力。 “It’s not the plane, it’s the pilot.” = 「大事なのは機体じゃない、パイロットなんだ」とマーヴェリックを鼓舞するルースターに胸アツにならずにいられようか。普通に考えれば1980年代のクルマと2010年代のクルマ、もしくは1980年代のコンピュータと2010年代のコンピュータで性能を比較すれば前者は絶対に後者に勝てない。実際にマーヴェリックの十八番であるコブラからのオーバーシュート戦法を上回る、クルビット機動でのミサイル回避を披露する敵側の第5世代戦闘機(まあ、Su-57だろう)を相手にド迫力の空戦が繰り広げられる。手に汗握るとはまさにこのこと。自動運転車や無人機が主流になっていく世の流れは変えられないが、それでも “But not today.” と言い切るマーヴェリックの姿に、人間の誇り、尊厳とは何であるのかを教えられた。紛れもない大傑作である。 

ネガティブ・サイド

チャーリーが出てこなかったのは何故なのか、ギャラで折り合わなかったのか。『 クリード 炎の宿敵 』でもブリジット・ニールセンを三十数年ぶりに出演させたことがドラマを一段と盛り上げた。ヴァル・キルマーだけではなくケリー・マクギリスも必要だった。

 

総評

文句なしの傑作である。オリジナルからの続編のクオリティの高さという点では『 エイリアン 』、『 エイリアン2 』に勝るとも劣らない。カメラワークなどは前作よりも進化しており、Jovianの前の座席に座っていた年配女性たちは「ホンマに自分でも飛んでるみたいやったわ」と感想を言い合っていた。劇場の入りは8割ほどで、年配組が多かったように見受けられたが、若い観客もそれなりにいた。ぜひ前作を鑑賞の上、トム・クルーズの雄姿をその目に焼き付けてほしい。そして人間不要となりつつある世の流れに雄々しく抗う人間ドラマ、人間賛歌を多くの人に味わっていただきたいと思う。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

I’ll give you that.

この that はひとつ前の言葉の内容を指す。

A: ”Let’s study in the library.” 
B: “That’s a good idea.”

の that と同じ。実際の用例としては、

You’re a good tennis player. I’ll give you that. 
君は良いテニス選手だ、認めよう。

のように「~を認めよう」のような意味になる。相手は you に限らない。They are formidable fighter pilots. I’ll give them that. = 「あいつらは手ごわい戦闘機乗りだ、それは認めよう」のようにも言える。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, S Rank, アクション, アメリカ, トム・クルーズ, ヒューマンドラマ, マイルズ・テラー, 監督:ジョセフ・コジンスキー, 配給会社:東和ピクチャーズ『 トップガン マーヴェリック 』 -The sky is the limit- への4件のコメント

『 ザ・メッセージ 』 -B級SF作品-

Posted on 2022年5月20日 by cool-jupiter

ザ・メッセージ 60点
2022年5月18日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ベラ・ソーン リチャード・ハーモン
監督:スコット・スピア

近所のTSUTAYAで目についたので準新作をレンタル。塚口サンサン劇場で『 スターフィッシュ 』のポスターを見て「おお、DVD出てるやんけ」と勘違いして借りてしまった。『 ステータス・アップデート 』と『 ミッドナイト ・サン タイヨウのうた 』のスコット・スピア監督作品だったではないか。

 

あらすじ

シカゴで起きた事故により、世界には残存者と呼ばれる亡霊が存在するようになった。ロニー(ベラ・ソーン)は自宅の浴室の鏡に謎の残存者が「逃げろ」というメッセージを残すところを目撃する。ロニーは転校生のカーク(リチャード・ハーモン)と共に残存者の謎の解明に乗り出すが・・・

 

ポジティブ・サイド

幽霊が見えるというのはネタとしては陳腐である。アメリカ映画では『 シックス・センス 』のような傑作、邦画でも『 さんかく窓の外側は夜 』のような凡作まで、特定の誰かに幽霊が見えるという作品は枚挙にいとまがない。しかし、誰でも幽霊が見える世界というのは結構珍しいのではないか。しかもそれが自由に動き回って人間に害をなす存在ではなく、決められた動きをするだけの残像であるというアイデアはユニーク。

 

ロニーとカークの二人が、謎の残存者からのメッセージの意味を探っていく展開はなかなか引き込まれる。手詰まりと思えるところから思いがけぬ発見があり、物語がダイナミックに動いていくところもいい。特にロニーの父親の読む新聞記事のアイデアは着眼点が非常に良いと感じた。ロニーと母親との関係は物語に若干の影を落としているが、それを効果的に使った脚本の妙が後半にあり、観る側を飽きさせない。

 

生きている人間たち、そして死んでしまった人間たちのそれぞれの思いが交錯する終盤は見応えがある。真犯人に意外性がないと感じられるかもしれないが、本作はミステリーではなくファンタジー、そしてヒューマンドラマとして鑑賞するべし。

 

ネガティブ・サイド

誕生日ネタはもう少しひねりを利かせられなかったか。Jovian母は実はうるう年の2月28日生まれなので、このネタには早い段階でピンと来てしまった。ある目的のために誕生日が重要なファクターなのだが、誕生日ではなくうるう年のうるう日をファクターにする、そのことに(物語世界のルールの中で)合理的な説明をつけられれば、映画世界への没入度がもっと高まったことだろう。

 

ブライアンは言ってみればハリポタにおけるスネイプ先生的なキャラなのだから、必要以上にホラーっぽいCG演出をする必要はなかった。それをせずにブライアンを恐怖の対象に見せるのが演出というものだろう。

 

総評

『 ザ・メッセージ 』という邦題はイマイチ。原題は I Still See You、つまり「私は今もあなたを見ている」ということ。このタイトルから受け取る印象が序盤、中盤、終盤で変わってくる。それは作りが乱暴だからではなく計算されたものだから。低予算映画のにおいがプンプン漂ってくるが、それがマイナスに作用していない。逆にアイデアで勝負する潔い作品になっている。海外レビュワーの評価はイマイチだが、Jovianはそこそこ楽しめた。梅雨時の週末のステイ・ホームのお供にちょうどよいだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

ground zero

爆心地の意。おそらく9.11でこの表現を知った人も多いのではないかと思う。ヒロシマやナガサキは原爆の爆心地だが、爆弾以外でも9.11のような想定外の巨大なインパクトがもたらされた場所にも使われる表現である。

 

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2010年代, C Rank, アメリカ, ファンタジー, ベラ・ソーン, リチャード・ハーモン, 監督:スコット・スピアLeave a Comment on 『 ザ・メッセージ 』 -B級SF作品-

『 ダニエル 』 -イマジナリーフレンドの恐怖-

Posted on 2022年5月14日 by cool-jupiter

ダニエル 65点
2022年5月11日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:マイルズ・ロビンス パトリック・シュワルツェネッガー
監督:アダム・エジプト・モーティマー

近所のTSUTAYAの準新作コーナーで発見。100円クーポンで借りてきた。なかなか面白いではないか。

 

あらすじ

家族に問題を抱えるルーク(マイルズ・ロビンス)は、自分の家を出て大学に入学する。しかし、社交性の無さから上手くいかない。ルークは、少年時代に母親によって封じ込められたイマジナリーフレンドのダニエル(パトリック・シュワルツェネッガー)に助けを求める。ダニエルの助言によって前向きになれたルークは友人や恋人もでき、順風満帆な生活を満喫するようになったが・・・

 

ポジティブ・サイド

主演のマイルズ・ロビンスは『 テルマ&ルイーズ 』のスーザン・サランドンと『 ショーシャンクの空に 』のティム・ロビンスの子だという。二世俳優なわけだが、オーラのようなものは一切感じさせない、いわゆる陰キャがよく似合っている。対するは『 ミッドナイト・サン タイヨウのうた 』のパトリック・シュワルツェネッガー、言わずと知れたアーノルド・シュワルツェネッガーの息子で、父親譲りのカリスマ性を見せつつも、影や闇を感じさせるキャラを好演した。

 

イマジナリーフレンドは多重人格と同じく、それ自体が解き明かされるべき謎であることが多いが、本作ではそこから一歩踏み込んで、イマジナリーフレンドに翻弄され、支配される恐怖を描いている。ただし、そこに至るまでにダニエルによってルークが世界へと一歩を踏み出し、様々な人間関係を作り上げていく、信頼や尊敬を得ていく過程が詳細に描かれる。そこにフェアな伏線も張られている。ダニエルはイマジナリーフレンドなのか、それとも何かそれ以上の存在なのか?

 

ダニエルの支配が始まるにつれて、ルークが自身のメンタルを疑い、そのルーツを母親に求める流れも悪くない。二重人格を幼少期の虐待に帰するというのは定番中の定番だが、イマジナリーフレンドを一種の「遺伝性の疾患」だと捉えるのはユニークだと感じた。これによって、築き上げてきたポジティブな人間関係が一気に悩ましいものに転化した。

 

ダニエルの正体が陳腐であることは否めないが、そこに至る過程のサスペンスやホラーの要素は結構楽しめる。体の移り変わりや口を引き裂いての体内侵入シーンなどは、低予算映画にしてはかなり頑張っているほうだろう。最後の対決シーンも客観的に見れば子供騙しだが、そう感じさせない脚本やキャラクター設定の妙がある。万人受けはしないだろうが、ロビンス2世やシュワちゃん2世がもっと売れてくれば、再評価されるようになりそうな作品。

 

ネガティブ・サイド

ちょっとBGMや効果音が過剰だと感じた。特に人間の心理的な弱さを突くタイプのサスペンスやホラーは、音をもっと控えめにして、観る側・聞く側の自己内対話をそこはかとなく促すべきだと思う。

 

ダニエルによる虚々実々のルーク指南にもう少し時間をかけても良かったと感じる。幼少期に封じ込めた友人にしても、ある程度の年齢に達してから打ち解けるというか、受け入れるのがあまりにも早すぎた。序盤でもう少しルークがカウンセラーとダニエルの間でどっちつかずのような状態を呈していれば、ダニエルの悪魔的な魅力やカリスマ性がもっと際立ったはず。

 

総評

色々と甘いところも多いが、作り込まれているところは作り込まれている。予算がないということは、逆に制作側がやりたいことを反映しやすいということなのだろう。『 ドクター・スリープ 』や『 悪魔を憐れむ歌 』、『 シェルター 』を楽しめたという人なら、本作もそれなりに楽しめるに違いない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

nail it

それを釘付けにする、それを釘で打つという意味だが、実際は「上手くいく」、「成功する」という意味。強調する時には nail the shit out of it と言ったりもする。

Matt Reeves directed the new Batman movie and nailed the shit out of it.
マット・リーブスは新しいバットマン映画を監督し、大成功を収めた。

のように使う。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, C Rank, アメリカ, パトリック・シュワルツェネッガー, ホラー, マイルズ・ロビンス, 監督:アダム・エジプト・モーティマー, 配給会社:フラッグLeave a Comment on 『 ダニエル 』 -イマジナリーフレンドの恐怖-

『 ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス 』 -ドラマの予習を前提にするな-

Posted on 2022年5月5日 by cool-jupiter

ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス 45点
2022年5月4日 TOHOシネマズ梅田にて鑑賞
出演:ベネディクト・カンバーバッチ エリザベス・オルセン ソーチー・ゴメス
監督:サム・ライミ

 

先月退職した元・同僚カナダ人と共に鑑賞。彼もJovianもイマイチだという感想で一致した。

あらすじ

異世界で魔物から少女を助けようとする夢を見たドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、かつての恋人クリスティーンの結婚式に参列していた。しかし、その最中に夢で見た少女アメリカ(ソーチー・ゴメス)が怪物に襲われているところに遭遇する。辛くも少女を助けたストレンジは、アメリカはマルチバースから来たと知る。助力を必要とするストレンジは、自身と同じく魔法使いであるワンダ(エリザベス・オルセン)を訪ねるが・・・

 

以下、ネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

ドクター・ストレンジのスティーブンの部分、つまり腕の立つ外科医であり、鼻持ちならない人間の部分がクローズアップされたのは良かった。スーパーヒーローは人間部分とヒーロー部分のせめぎ合いが大きなドラマになるが、それが最も面白いのはスパイダーマン、次いでアイアンマン、その次にドクター・ストレンジだと感じている(ちなみにその次はハルク)。冒頭の結婚式から一挙に魔物とのバトルになだれ込んでいくシークエンスで「ここから先は全部スーパーヒーローのパートですよ」と丁寧に教えてくれるのは配慮があってよろしい。クリスティーンと良い意味で決別できたことで、短いながらもスティーブンの成長物語にもなっていた。

 

これはネガティブと表裏一体なのだが、「え?」というキャラクターが「え?」という役者に演じられて登場する。このシーンは震えた。予告編でも散々フォーカスされていて気になっていたが、この御仁を持ってくるとは。ヒントは『 デッドプール 』。彼が時系列関連で云々言う際にマルチバースっぽい台詞を言う。その時の名前がヒントである。

 

映像は美麗を通り越して、もはや訳が分からないレベル。特に最初のマルチバース行きのシーンはポケモンショックを起こすレベルではないかと思う(一応、褒めているつもり)。魔法のグラフィックや、その他のスーパーヒーローの技のエフェクトも、通り一遍ではあるが、エキサイティングであることは疑いようがない。特に面白かったのは音符さらには楽譜が魔法になるシーン。ある攻撃の強さや衝撃度は1)視覚的に、2)効果音によって示されるが、そこに明確に音楽を乗せてきたのは新しい手法であると感じた。今後、これをマネする作品がちらほら出てくるものと思われる。

 

サム・ライミが監督ということでホラーのテイストが入っているが、良い意味でMCUっぽさを裏切っていて面白かった。MCU作品はスター・ウォーズ以上にプロデューサー連中が強固すぎる世界観を構築していて、そこからの逸脱は一切許されない=監督や脚本家の個性は不要という印象があったが、ディズニー上層部もマルチバース的な寛容の精神を持ち始めたのだろうか。

ネガティブ・サイド

予告編で散々ワンダが出てきたいたので、彼女がヴィランであることは分かる。けれども、テレビドラマの視聴を前提に映画を作るか?これはテレビドラマの劇場版映画ではないはずだが。一緒に観たカナダ人は「電車の中でドラマのrecap動画を観たから何とか意味は分かった」と言っていたが、ドラマには一切触れていないJovianには何のこっちゃ抹茶に紅茶な展開であった。

 

第一の疑問として、何故ワンダに子どもがいる?いや、別に子どもがいてもいいが、なんであんなに成長した子どもがいるの?『 アベンジャーズ / エンドゲーム 』から10年以上経過したようには思えないが。劇中で「魔法で創った」と説明されるが、だったら何故にもう一度魔法で子どもを創らないのか?まあ、親からすれば子どもは唯一無二なのだろうが、それならそれで別の宇宙の自分から自分の子どもを奪うという結論に至る思考回路が謎となる。

 

第二の違和感はワンダ強すぎということ。インフィニティ・ウォーやエンドゲームでもうすうす感じていたが、ワンダが強すぎる。ワンダとキャプテン・マーベルだけでサノスを十分に倒せたのでは?『 エターナルズ 』の 面々より普通に強いだろう。他の不満点としては、せっかく出てきたファンタスティック・フォーたちがあっさりとやられたり、挙句にはあのキャラまでワンダにねじり殺されてしまう始末。うーむ・・・

 

マルチバース関連で一番よく分からないのは、どこのユニバースでもドクター・ストレンジがベネディクト・カンバーバッチであるということ。『 スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム 』を思い出そう。別のユニバースには別のピーター・パーカーが存在していた。なぜ本作ではカンバーバッチ版のストレンジしか出てこないのか。もちろんスパイダーマンとドクター・ストレンジを同列に扱えるわけはないが、互いにリンクしている作品同士、もう少しこのあたりの説明が必要だったと思う。またアメリカは72のユニバースを巡ったそうだが、そのいずれでもサノスは倒されていたのか?それだけ巡れば、いくつかはサノスによって生命が半滅させられたユニバースに遭遇しそうなものだが。

 

アメリカが語る他のユニバースでの鉄則その1は良いとして、その2の食べ物の部分が良く分からない。それが何か重要な展開につながるわけでもなんでもないからだ。ポストクレジットシーンその2にはつながるが、ここのユーモアは笑えないし、完全に空回りしていた。

 

魔法を使った戦いにはそれなりに満足できたが、ストレンジが華麗な体術を駆使して戦うシーンは個人的には萎えた。浮遊マントがストレンジの体を逆に操って、hand to hand combat で敵を倒す、というのならまだ理解できるのだが。

 

ポストクレジット・シーンその1では、シャーリーズ・セロンが登場。しかし、誰よ、これ?『 エターナルズ 』のラストもそうだが、もはやMCU作品はそれ自体が別作品のインフォマーシャルと化している。映画が映画を宣伝するというのは、好ましくない。もしやるなら『 ワンダーウーマン 1984 』のように、たいていの人が分かるようなキャラを持ってくるべきだ。

 

総評

ぶっちゃけた話、『 アベンジャーズ / エンドゲーム 』以降、スパイダーマン以外のMCUものは面白くない。ドラマその他の媒体と相互補完させたりするような商法が更に目立つからだ。MCUは元々そのような側面が強かったが、そこがさらに強引になったと感じる。一応、義務感で次作も観るつもりではいるものの、『 モービウス 』もスルーしたし、そろそろこのジャンルから降りてもいいかもしれないと個人的には感じる。映画館自体は大盛況だったので、この路線自体は成功かもしれないが、あまり積極的に勧めたいと思える出来ではなかった。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Try as I might, 

劇中のウォンのセリフの一部。頑張ってはみたものの、の意。ほぼ間違いなく、I couldn’t … が続く。私 = I 以外が主語になることもあるが、I が最もよく使われるように思う。

Try as I might, I couldn’t fix the printer.
頑張ってみたが、プリンターを直せなかった。

などのように使う。

 

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アクション, アメリカ, エリザベス・オルセン, ソーチー・ゴメス, ベネディクト・カンバーバッチ, 監督:サム・ライミ, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス 』 -ドラマの予習を前提にするな-

『 3022 』 -もっと見せ方に工夫が必要-

Posted on 2022年5月1日2022年5月1日 by cool-jupiter

3022 40点
2022年4月30日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:オマー・エップス ケイト・ウォルシュ
監督:ジョン・スーツ

観終わって気が付いた。監督は何と『 アンチ・ライフ 』のジョン・スーツではないか。とはいえ、さすがに『 アンチ・ライフ 』のような超絶駄作ではなかった。

 

あらすじ

木星の衛星エウロパへの入植のために、宇宙ステーション「パンゲア」が設立された。各国クルーが10年単位で運用を担当するが、米国人クルーたちは次第に疎遠になり、精神的に病み始めた。医師がミッションの失敗を地球に伝えようとした時、地球との通信が途絶える。そしてパンゲアは謎の衝撃波に襲われ・・・

 

ポジティブ・サイド

シンボリズムに溢れた作品である。今でも小中学校の教科書に載っているのだろうか。パンゲアとは過去の地球に存在した一つの超大陸のこと。つまり宇宙ステーション「パンゲア」は今日様々な大陸に分断されてしまった人類を再び一つにする場所ということ。だが、悲しいかな、人が集まると分断が生じるのが世の常。本作の展開はそのことをよく表していると思う。

 

地球消滅(別にネタバレでも何でもない)の後、宇宙に残された数少ない人類がどう振る舞うのかという思考実験をそのまま映像化(≠映画化)した感じで、そういう意味では雰囲気はよく出ている。命令を出せる者、命令が出せない者、命令がないと動けない者、命令がなくても動いてしまう者など、人間というのは極限状況でも日常でもあまり変わり映えしないのだろう。人間模様にはそれなりに説得力が感じられた。

 

パンゲアの船長のジョンのヒゲの有無によって、映し出されているのがいつの時点なのかを見せるのは面白いと感じた。過去と現在、そして未来を行き来する映像体験はそれなりに楽しめる。

 

ネガティブ・サイド

『 ラスト・サンライズ 』では太陽が消滅し、残された中国人社会の大混乱ぶりが活写された。本作はパンゲアという宇宙ステーションのみで話が進み、出てくるのも結局欧米人のみ。自分たちだけが覇権を握りたい中国と、欧米(今風に言えばNATOか)の枠組みで世界を牛耳りたいアメリカがよくよく対比されている。どっちもダメである。だいたい最終目的地がエウロパというのが、うーむ・・・ 結局ヨーロッパに回帰するのね。『 オブリビオン 』はタイタンを目指していたが。

 

低予算のために絵や音楽で魅せられないのは分かるが、そこを何とかするのが創意工夫というものだろう。結構な勢いで喋りまくるが、予算的に『 ロード・オブ・モンスターズ 』と同程度なのか?さすがにそこまでではないだろう。

 

人間模様はそれなりに迫真性があったが、それを効果的に映し出せていない。カメラワークや効果音などで、場の閉塞感や緊張感を演出することはできたはずだが、それも無し。ここは予算が少ないせいにはできない。同じ低予算映画でも『 CUBE 』にはそれが出来ていた。『 ドント・ルック・アップ 』とまでは言わずとも、『 エンド・オブ・ザ・ワールド 』程度には人間ドラマを深めることができたのではと思う。

 

最も意味不明なのは3022というタイトル。いや、日数のことなのだとは劇中で言及されているが、そこに何か深い意味はないのか?自分が読み取れないだけ?別に2971でも3412でも良い?あれこれ考えながら観るのには向かないか。

 

総評

積極的にお勧めできる作品ではない。梅雨時に面白耐性を意図的に下げたい時には良いのではないだろうか。あるいは『 アド・アストラ 』が面白かったという人なら、本作も堪能できるかもしれないが、万人向きではないことだけは確かである。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

night terrors

夜驚症の意。睡眠中に暴れるなど、睡眠障害が極度に悪化した症状を呈する。夜恐症ではなく夜驚症と書かれるので注意。lost in translation か、あるいは「夜そのものを怖がる病気」と勘違いされないようにするための漢字だと考えられる。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, D Rank, SF, アメリカ, オマー・エップス, ケイト・ウォルシュ, 監督:ジョン・スーツLeave a Comment on 『 3022 』 -もっと見せ方に工夫が必要-

『 ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 』 -拍子抜けの一作-

Posted on 2022年4月17日 by cool-jupiter

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ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 40点
2022年4月9日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:エディ・レッドメイン ジュード・ロウ マッツ・ミケルセン
監督:デビッド・イェーツ

 

『 エイリアン 』、『 エイリアン2 』のせいで自分が一種の面白不感症になっているのか、それとも本作が純粋につまらないのか。ひょっとしたらその両方かもしれない。

 

あらすじ

闇の魔法使い・グリンデルバルド(マッツ・ミケルセン)は人間界支配の野望を露わにした。魔法動物学者ニュート(エディ・レッドメイン)はそれを阻止すべく、マグルの親友やその他の魔法使いたちと共にチームを組む。その過程で、彼は恩師ダンブルドア(ジュード・ロウ)の秘密を知ることになり・・・

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以下、ネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

個人的にはUKの俳優ではジェームズ・マカヴォイに次いでエディ・レッドメインが好きである。本作でも彼のチャーミングさは遺憾なく発揮されている。職業倫理を体現したかのような風貌は、まさに魔法動物学者。年上の役者が兄を演じても、エディ・レッドメインが弟を演じるなら文句はない。

 

グリンデルバルドもジョニー・デップからマッツ・ミケルセンに交代したが、こっちのほうが良い。ジョニー・デップはメイクが濃くなると名作率が高まる気がするが、グリンデルバルドの青白いメイクはいかにも中途半端だった。マッツ・ミケルセンのように素顔と表情で悪のオーラを醸し出せる役者の方がグリンデルバルドに向いている。不謹慎ながら、グリンデルバルドの演説とプーチン露大統領の思想を重ねてしまった。侵略戦争というのは、往々にしてこのような形で始まるものなのかもしれない。

 

待てば海路の日和あり。ジェイコブよ、良かったな。

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ネガティブ・サイド

まずタイトルのファンタスティック・ビースト=魔法動物の面からして弱い。エビとサソリを足して2で割ったようなヘンテコ生物は単なる comic relief だし、チレンだかキリンが真実を見抜くというのも設定としてパンチに欠ける。魔法動物のネタ切れ感が強い。

 

そもそも悪者のはずのグリンデルバルドが、正規の手続きに則って魔法省から無罪放免され、あろうことか魔法省トップの座を選挙で争うというのだから笑ってしまう。第一に、魔法の世界であるにも関わらず、マグルの世界と同じく選挙を行うということに違和感を覚える。いや、別に選挙するのは構わないが、ファンタビはハリポタ世界の延長線上というか、前日譚に当たるものではないのか?同じ世界観を共有しているのではないの?ならば選挙だ政治だ裁判だ戦争だなどという小難しい要素を抜きにして物語を紡いでほしかった。

 

そのグリンデルバルドを倒す作戦もよく理解できなかった。「相手は未来が見えるから」という理由で各々が無手勝流に動くのは作戦としてはありかもしれないが、観ている側もニュート達の行動が意味不明に映ってしまうという逆効果の方が大きいように感じた。

 

副題にある「ダンブルドアの秘密」というのも拍子抜け、かつガッカリする内容。まさかダブルドアとグリンデルバルドが『 君の名前で僕を呼んで 』のような関係だった・・・って、それが誰をハッピーにするの? bromance は否定しないが、もっと魔法世界特有の近畿に触れるような秘密はなかったのだろうか。

 

クリーデンスの出自とダンブルドアの家系図の問題も、今作でさらにこんがらかったように感じる。別に本シリーズの主人公がダンブルドアなら、別にこれで構わない。しかし、ニュートはどこにどう絡んでくるの?ニュートとティナの関係性の進展はなぜ描かれないの?鑑賞中に疑問が湧くばかりで、物語世界に入っていけなかった。

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総評

観終わってから、どこがどう面白かったのかを検討する時間が必要だった作品。一時的な面白不感症だった可能性が高いが、それがなかったとしても「面白い」と感じられたかどうか。それぐらい微妙な出来の作品である、というのが偽らざる本音である。ハリポタとの一番の違いは、ファンタビはビルドゥングスロマンになっていないところだろう。ニュートの成長物語というよりも、ニュートとティナの不器用なロマンスのイメージが強く、さらにはそのティナが本作ではほとんど登場しない。グリンデルバルドの強さもイマイチ伝わらず、シリーズとしては完全な中だるみだろう。まあ、次作も観るつもりではあるが。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Keep your head on a swivel.

swivelとは「さる環」のこと。何のことやら分からんという人は画像検索のこと。Swivel がどういう動作なのか、また劇中でどうニュートやテセウスが swivel していたか思い出していただけただろうか。現実には Keep your head on a swivel. = 周囲への警戒を怠るな、という慣用表現で使われることが多い。戦争映画や戦争ゲームでは結構聞こえてくる表現だが、文脈さえ正しければ日常生活で使っても全く問題はない。

 

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アメリカ, エディ・レッドメイン, ジュード・ロウ, ファンタジー, マッツ・ミケルセン, 監督:デビッド・イェーツ, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 』 -拍子抜けの一作-

『 エイリアン2 』 -SFアクションの極北-

Posted on 2022年4月13日 by cool-jupiter

エイリアン2 90点
2022年4月6日 レンタルDVD鑑賞
出演:シガニー・ウィーバー マイケル・ビーン ランス・ヘンリクセン
監督:ジェームズ・キャメロン 

 

『 エイリアン 』の続編。ホラー路線を継承しては前作を超えられないという判断か、思いっきりアクション方面に舵を切った。この判断は正解である。

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あらすじ

エイリアンとの死闘から57年後。クライオスリープから目覚めたリプリー(シガニー・ウィーバー)は、会社にエイリアンの話を信じてもらえず、逆にノストロモ号を爆破したことから尋問を受け、職務停止処分となる。しかし環境改良のために送り込まれたLV-426の植民団と通信が途絶。リプリーはアドバイザーという立場で屈強な海兵隊員たちと共に、再びLV-426を目指すが・・・

 

以下、ネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

前作のタグラインは”In space, no one can hear you sream”(宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない)だったのが、今作では ”This time, it’s war”(今度は戦争だ)になったように、戦争映画の文法に非常に忠実に作られていると感じる。宇宙船スラコ号で、クルーがクライオスリープから目覚めてからLV-426に降下していくまではベトナム戦争映画か何かに見えるが、それがいちいち面白いのだ。まるで『 コマンドー 』や『 プレデター 』のように、面白 one-liner がポンポンと飛び出してくる。それが単に笑えるだけではなく、この海兵隊員たちの関係性(信頼関係や力関係)が浮き彫りになってくる。

 

”Hey, Vasquez. Have you ever been mistaken for a man?”

(おい、バスケス。男に間違えられたことあるか?)

“No. Have you?”

(ないよ。お前は?)

 

このシーンだけでバスケスのファンになってしまうし、ハドソンが面白キャラであることが存分に伝わってもくる。

 

本作はほとんどすべてのキャラクターが立っているのも特徴だ。トラッシュ・トーカーのハドソンはもちろん、女性ランボーと言っていいバスケス、典型的な鬼軍曹タイプのエイポーンに、経験不足の士官ゴーマンなど。結局は誰もが死ぬわけだが、その死に様が一人ひとり異なっていて味わいがある。最後の最後までマシンガントークのまま連れ去られるハドソンに、一瞬で殺されるエイポーン、へなちょこ士官でいつの間にかリプリーに指揮権を奪われるゴーマンが、負傷したバスケスを救うシーンは胸アツだし、そこから二人して自爆するのは感動的ですらある。それだけキャラに感情移入できるのである。

 

完全版ではスペースジョッキー(エンジニア)の不時着した宇宙船にたどり着いて、しっかりフェイスハガーをもらってくる父親と半狂乱の母を見て叫ぶニュートの悲鳴の鋭さよ。ホラー映画における女優の叫び声はもはやクリシェであるが、それでもニュートの悲鳴は群を抜いて観る側を不安にさせる力を持っている。他にも、サムズアップや敬礼など、セリフ以外でも印象的なシーンが多い。女優としては本作だけしか出演していないが、ハリウッド映画史に確実に爪痕を残した子役として語り継がれていくだろう。

 

だが白眉は何と言ってもリプリー。完全版では母親属性が追加され、ニュートとの絆がさらにアップ。またヒックスとの奇妙な連帯が、リプリーが探そうともしなかった夫との関係性をしのばせる。海兵隊員が一人また一人と脱落していく中、銃器を手にニュートの救出に向かう様、そしてクイーンエイリアンとの対面シーンは何度見ても息を呑む。劇場で当時リアルタイムで鑑賞した人は、本当に呼吸が止まったのではなかろうか。卵を焼き払い、ウォーリアーを蹴散らす様は、まさに女コマンドー。またスラコ号内でパワーローダーの乗ってクイーンと対峙する際にリプリーが言い放つ “Get away from her, you bitch!” (ニュートから離れろ、このクソアマめ!)というセリフが強烈な印象を残す。前作のマザーコンピュータへの ”You bitch!” と合わせて、まさに女の戦い、母と母の戦いである。 

 

クイーンの造形も見事としか言いようがない。黒光りしながら粘液を滴らせる巨体、産卵管から卵を産み落とすグロテスクさ、そしてビショップを真っ二つに引き裂く残虐性とパワー。映画史に残るスーパーヴィランと言っていいだろう。『 エイリアン 』で個人的に感じ入ったのはフェイスハガーの死体をアッシュが念入りに調べるシーン。CGではなく現実に存在するものをカメラに収めることでしか生み出せない質感というものが確かに存在する。クイーンは中に人間二人が中に入って動かし、その他の細かい動作は外部からリモートコントロールしていたそうだが、この技術はハリウッドで継承されているのだろうか。モスラやキングギドラのピアノ線による操演はもはやロスト・テクノロジーになっているが、このように実物を作って、人間が動かして、それをカメラに収めるという映画の技術は、しっかりと継承されてほしいと切に願う(その意味で『 JUNK HEAD 』の堀貴秀は奇人であり偉人である)。

 

『 エイリアン 』がSFとホラーの完璧なマリアージュだとすれば、『 エイリアン2 』はSFとアクションの完璧なマリアージュだと言えるだろう。

 

ネガティブ・サイド

ヒックスとリプリーがニュート救出のために奮闘するのはいいが、この疑似家族形成の過程においてヒックスは華々しく討ち死にするべきではなかったか。ウォーリアーと差し違えるか、あるいはビショップの次にクイーンに切り裂かれるなどすれば、リプリーから妻という属性が消え、母という属性がさらに強められたことだろう。

 

総評

3日間で4回観た。それぐらい楽しめた作品。ジェームズ・キャメロンは『 ターミネーター 』だけの one-hit wonder ではないことを本作で見事に証明した。闘う女性キャラと言えばエレン・リプリーか、それともサラ・コナーか、ってなもんである。とにかく緊張の糸が張りつめっぱなしだが、そこかしこに海兵隊員特有のユーモアやキャラクター同士のケミストリーが感じられ、一度見始めると止められない。CGではなく手作りのプロダクション・デザインの奥深さやキャラの魅力など、何度でも鑑賞できる大傑作である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

get back on the horse

直訳すれば「馬の背に戻る」ということで「落馬しても、もう一度トライしろ」、つまり「失敗しても、もう一度頑張れ」という意味の慣用句。クリストファー・リーブを思い起こすと言いづらいが、フロンティア・スピリットを感じさせる言葉ではある。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 1980年代, S Rank, SF, アクション, アメリカ, シガニー・ウィーバー, マイケル・ビーン, ランス・ヘンリクセン, 監督:ジェームズ・キャメロン, 配給会社:20世紀フォックス映画Leave a Comment on 『 エイリアン2 』 -SFアクションの極北-

『 エイリアン 』 -SFとホラーの完璧な融合-

Posted on 2022年4月10日 by cool-jupiter

エイリアン 90点
2022年4月4日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:シガニー・ウィーバー トム・スケリット 
監督:リドリー・スコット

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小学生の頃に親父とVHSで観た。その後も何度か観た記憶があるが、とにかくチェスト・バスターのシーンが強烈すぎて、まともに観られなかったことだけはよく覚えている。同時期に確かジェフ・ゴールドブラム主演の『 ザ・フライ 』もテレビか何かで観て、そちらも小学生にはトラウマだった。今回、あらためて本作を鑑賞して、大傑作である。『 プロメテウス 』、『 エイリアン: コヴェナント 』の流れでこの古典的傑作をレンタル。大学の新年度開講前という超絶繁忙期だが、repeat viewingしてしまった。

 

あらすじ

貨物船ノストロモ号は謎の信号を受信、クルーは惑星LV-426に向かう。異星文明の宇宙船内部でクルーの一人が謎の生物に襲われ昏睡状態に。回復したかに見えたクルーの胸部からエイリアンが誕生。航海士リプリー(シガニー・ウィーバー)たちはエイリアンの駆除に乗り出すが・・・

 

ポジティブ・サイド

冒頭の宇宙船のシーンは『 スター・ウォーズ 』そっくりだが、これは両者が『 2001年宇宙の旅 』に強烈にインスパイアされているからだ。宇宙とは未知の空間で、未知であることは恐怖あるいは畏怖の対象になる。エイリアンという存在が恐怖の成分を完璧なまでに体現しており、宇宙船という典型的なSFのガジェットが、嵐の山荘や絶海の孤島といったクローズド・サークルになっており、そのことがミステリ要素とホラー要素をこれでもかというぐらいに際立たせている。

 

その宇宙船の造形は内部も外部も完璧である。CGでは出せない質感がありありと感じられ、それが物語の迫真性を大いに高めている。またLV-426に不時着している異星文明による宇宙船のあまりにも不吉すぎる外観と内部も、ホラー映画としての本作の価値を高めている。特にスペースジョッキーの謎のミイラは、死体発見=ミステリという定石通り。そこからフーダニットを否応なく考えさせられるが、本作は謎を謎のままに徹底したホラー路線へ舵を切ることで宇宙の神秘と恐怖を一挙に増幅させた。

 

1970年代といえば『 スター・ウォーズ 』と同世代。つまりCGなどなかった時代。だが、フェイス・ハガーやチェスト・バスター、ビッグチャップの造形も息を呑むほどのおぞましさ=素晴らしさ。H・R・ギーガーが手がけたこれらのデザインが構成に及ぼした影響は枚挙にいとまがない。Jovianの世代であればゲームの『 メトロイド 』が一例だし、もっとメジャーなところで言えば漫画『 ドラゴンボールZ 』のフリーザの第3形態もゼノモーフをモチーフにしていることは疑いようがない(鳥山明の作品は様々な古典映画の intertextuality の見本市である)。このエイリアンの造形の巧みさが「怖い、見たくない」と「怖い、けどもっと見たい」という二律背反の欲求を呼び起こす。

 

このエイリアンが、一人また一人とクルーを殺戮していくシーンは、ホラー映画の文法に非常に忠実。宇宙そして宇宙船という環境で怪物が人間を殺していくというのは、言葉にすると陳腐もしくはギャグに感じられるが、それらが完璧なマリアージュを果たすとこれほどの傑作になるのだと証明したリドリー・スコットの功績は果てしない。

 

アンドロイドと船を統括するマザーという人工知能の存在も、現代の視点からは逆に新鮮に映る。人工知能が人間をリードし、人間がその助言や指令を受け入れるという世界観は確実に浸透しつつある。チェスや将棋の世界ではAI無しには研究はもはや成り立たない。医学や天文学の分野でもデータ分析や画像解析はAIの独擅場である。電車や自動車でも自動運転に実現の目途が立ちつつあり、船や飛行機、さらには宇宙船も時間の問題だろう。

 

アンドロイドのアッシュの一種の反乱は、政府ではなく超巨大企業が世界を牛耳るようになりつつある現代の延長線上の近未来への警告と受け取れなくもない。また個人的にいたく感心したのが、リプリーがノストロモ号のマザーコンピュータに”You, bitch!”と叫ぶシーン。母 vs 母 という構図は『 エイリアン2 』のものだと思っていたが、実は本作の時点でそうした対決の萌芽が見られていた。これを見事に引き継いだJ・キャメロンには流石である。

 

これを映画館で観られた人が羨ましい。Jovianが生まれた年に公開された作品だが、どこかでリバイバル上映してくれないだろうか。

 

ネガティブ・サイド

会社の指令でLV-426に降り立つわけだが、そのことをウェイランド社に報告する様子がない。また、ジョン・ハートが最初に死んだ時にも会社に報告する必要があるのではないだろうか。

 

総評

『 エイリアン 』シリーズをひとつも観たことがなくても、エイリアンと聞けばグロテスクな宇宙生物をイメージする人は多いだろう。それが本作の持つ影響力の大きさである。事実かどうかは定かではないが、外国人登録の訳語として Alien Registration が使われていたが、本作公開後に一部の自治体では Foreign Registration に変えた、という話を聞いたことがある。 とにかく様々なジャンルのメディアに計り知れない影響を及ぼしたのである。コロナ禍の原因、それに対する一つの実験的対処として本作を鑑賞することも可能である。時代を超えた名作である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

quarantine

「隔離」「検疫」の意。2020年以降に最も知られるようになった語彙の一つだろう。元々はラテン語の quadraginta = 40 から来ている。Valentine(ヴァレンタイン)とつづりが似ているが、発音はクウォランティーンである。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 1970年代, S Rank, SF, アメリカ, シガニー・ウィーバー, トム・スケリット, ホラー, 監督:リドリー・スコット, 配給会社:20世紀フォックス映画Leave a Comment on 『 エイリアン 』 -SFとホラーの完璧な融合-

『 ナイトメア・アリー 』 -A Twist of Fate-

Posted on 2022年4月7日2022年4月7日 by cool-jupiter

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ナイトメア・アリー 60点
2022年4月3日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ブラッドリー・クーパー ケイト・ブランシェット トニ・コレット ルーニー・マーラ
監督:ギレルモ・デル・トロ

 

簡易レビュー。

 

あらすじ

スタン(ブラッドリー・クーパー)は、偶然出会ったカーニバルで仕事を得る。スタンはそこで様々なショーを学び、また自身も読心術を身に着ける。そして、いつしかモリー(ルーニー・マーラ)と共に恋仲になるが・・・

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ポジティブ・サイド

ブラッドリー・クーパーの好演が光る。貴族的な顔立ちをしているが、この役者は堕ちていく役を演じさせると本領を発揮する。

 

出演陣は非常に豪華。ルーニー・マーラは楚々とした美女役が似合うし。ケイト・ブランシェットも妖しげな美魔女として存在感を発揮した。

 

見世物小屋の一団というのも時代を感じさせるが、こうした江戸川乱歩的な世界観のビジュアルは個人的には嫌いではない。むしろ好物である。なのでカーニバルの中でスタンが徐々に居場所を確立していく序盤は楽しませてもらった。

 

詐術で都市の権力者や金持ちに取り入っていく様もなかなか見応えがあった。カネの力で死者と交信あるいは再会しようなど、あさましいことこの上ない。しかし、そうした富裕層から搾り取れるだけ搾り取ろうとするスタンには共感できるし、やりすぎたスタンが破滅していく様も理解できる。

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ネガティブ・サイド

あまりにも予想通り過ぎる展開。冒頭で正体不明の死体を家ごと焼失させるシーンから、ハッピーエンドには決してならないことが分かる(原作小説の作者はカトリーヌ・アルレーではないので)。では、どんなバッドエンドを迎えるのかと想像するわけだが、これもすぐにピンとくる。ある意味でトレイラーですべてネタバレしている作品だろう。

 

スタンが金に執着する背景が不透明だ。もちろん人間だれしもカネへの欲求はあってしかるべきだが、そのあたりの描写が不足している。もう少し父親との関係(の悪さ)を匂わす描写があれば、ウィレム・デフォーやロン・パールマンらのキャラクターとの絡みに深みが出ただろう。

 

トニ・コレットにもう少し見せ場が欲しかったと思う。

 

総評

『 シェイプ・オブ・ウォーター 』のモンスターと同じく、恐ろしく思える存在も実はそうではない、というところがギレルモ・デル・トロらしいと言えばらしい。CG全盛の今という時代でも、大道具や小道具、衣装その他も、デル・トロらしい力の入れようである。サスペンスとしては、まあまあ面白い。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

mentalist

読心術の使い手、の意。DaiGoのようなアホではなく、サイモン・ベーカー主演のテレビドラマ『 メンタリスト 』を観る方が、この言葉の意味がより正確に把握できるだろう。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アメリカ, クライムドラマ, ケイト・ブランシェット, トニ・コレット, ノワール, ブラッドリー・クーパー, ルーニー・マーラ, 監督:ギレルモ・デル・トロ, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 ナイトメア・アリー 』 -A Twist of Fate-

『 エイリアン: コヴェナント 』 -一作目の不完全リメイク-

Posted on 2022年4月5日 by cool-jupiter

エイリアン: コヴェナント 50点
2022年4月1日 レンタルBlu rayにて鑑賞
出演:マイケル・ファスベンダー キャサリン・ウォーターストーン
監督:リドリー・スコット

 

先月の残業時間が危険水域に入った。今月もやばそうなので簡易レビューを。

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あらすじ

植民船コヴェナントは航行中に事故に遭い、クルーを冬眠から目覚めさせた。夫を失ったダニエルズ(キャサリン・ウォーターストーン)らは失意に沈む。しかし、船にはとある信号が届いていた。それは近傍の居住に適した惑星から発せられていた。クルーは調査のためにその惑星に赴くが・・・

 

ポジティブ・サイド

グロいシーンが前作『 プロメテウス 』よりも増。特に最初に背中を突き破られるシーンはなかなかに disturbing で良かった。

 

ネオモーフの白さも味わい深い。エイリアン=ゼノモーフ=黒というイメージが非常に強いが、白い個体がデイビッドと奇妙な信頼関係を築きかけようとするシーンは示唆的だった。繁殖できないアンドロイドと寄生しなければ繁殖できないエイリアンには不思議なコントラストがある。

 

話が『 ターミネーター 』的な世界観で駆動されているが、それはそれで現代の感覚が反映されていて、納得できないものでもない。

 

全体的に『 エイリアン 』を彷彿させるシーンや構図が多かったのも好印象。

 

エンジニア ⇒ 人類 ⇒ アンドロイド ⇒ エイリアン ⇒ エンジニア という奇妙な連環はどこか『 ガニメデの優しい巨人 』的だが、リドリー・スコットの世界観あるいは人間観がよく現れているとも言える。『 ブレードランナー 』で人間とレプリカントの違いを追究せんとしたスコット翁は、本作によってエイリアン=異質なる者とは異星生物ではなく「被造者」による「被造者」であるという仮説を打ち出した。AIのシンギュラリティが現実に視界に入った現代、創造者と被造者の関係が可変的であるというのは、独特かつ説得力ある視座であると評価してよいだろう。

 

ネガティブ・サイド

どんな偶然が起きれば、ニュートリノ・バーストに遭遇するというのか。そして、たまたまニュートリノ・バーストに遭遇した場所のすぐ近くで、ジョン・デンバーの『 カントリー・ロード 』を受信するなどといったことがあるものか。普通に考えれば、行うべきは通信であって着陸探査ではない。前作に引き続き、宇宙船のクルーがアホすぎる。

 

そのクルーも、やはり呼吸可能というだけで宇宙服もヘルメットも着用しないという非常識っぷり。前作に引き続き、同じ愚を犯している。特にコロナが終息せず、マスクをはずすことが今でもためらわれる今という時代の視点からすると、未知の惑星でこれほど無防備な宇宙飛行士というのは、アホにしか見えない。エイリアンは第一義的には寄生生物(しかも宇宙最悪レベル)なのだから、通常の生物の生体防御を巧みにかいくぐる様を描くべきだった。人間がアホなので寄生に成功しました、ではなく、人間も対策を打っていましたがエイリアンはもっと上手でした、という展開こそが必要だった。

 

エンジニアもエンジニアでアホすぎる。理由があって生物兵器の実験場惑星で冬眠していた同朋が数万年ぶりに母星に帰ってくるというのは、確かに種族総出で出迎えるべき一大イベントだろう。J・P・ホーガンの『 巨人たちの星 』でも似たような描写はあった。しかし、この世界の知的生命体というのは通信を行わないのだろうか。人類がアホなのは創造者譲りなのか。

 

最後の最後に、セックスしたら死ぬというホラー映画のクリシェを持ってくるのも気に入らない。何故にわざわざ自分から三流ホラー路線に入っていくのか理解できない。

 

総評

かなり微妙な出来と言わざるを得ない。『 プロメテウス 』よりもエンタメ色が強まった分、様々なクリシェが生じてしまい、逆に展開が読みやすくなってしまっている。というか、マイケル・ファスベンダーではなく、もっとマイナーな役者でないと、この twist は生きないだろう。三作目もあるらしいが、スコット翁にどのようなビジョンが見えているのか、少々不安でならない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

covenant

ぶっちゃけJovianも本作を飛行機で観るまでは知らなかった語。しかし、旅先のカナダのバンクーバーの街中で Covenant House を見かけて、「お、コヴェナントや」と思い、その場でググったことを今でも覚えている。Covenant House = 家などに居場所がない人の避難所である。英検1級を目指すのであれば知っておいて良いと思うが、そうでなければ無視してよい。

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2010年代, D Rank, SF, アクション, アメリカ, キャサリン・ウォーターストーン, マイケル・ファスベンダー, 監督:リドリー・スコット, 配給会社:20世紀フォックス映画Leave a Comment on 『 エイリアン: コヴェナント 』 -一作目の不完全リメイク-

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