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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: SF

『 レミニセンス 』 -トレイラーに偽りあり-

Posted on 2021年9月23日 by cool-jupiter

レミニセンス 45点
2021年9月19日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ヒュー・ジャックマン レベッカ・ファーガソン
監督:リサ・ジョイ

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大学の後期開講で多忙を極めるので簡潔なレビューを。

 

あらすじ

温暖化で都市は水没。戦争で人心は荒廃。人々は美しかった過去に囚われた。ニック・バニスター(ヒュー・ジャックマン)は、人々に過去の記憶を再現させる装置を使った生業をしていた。そこに謎めいた女性メイ(レベッカ・ファーガソン)が失くしものを探したいという依頼で舞い込んできた。やがてニックはメイと恋仲になるが、メイはある日、忽然と消えてしまい・・・

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ポジティブ・サイド

冒頭からの水没した都市の遠景から徐々にズームインしていく中、ヒュー・ジャックマンの語るナレーションにはしびれた。人々が絶望し、何かに救いを求めざるを得ない世界は十全に創り出されていた。土地持ち=資本家と、その下で生きる大多数の一般庶民という構図は、今後ますます顕著になっていくのかもしれない。

 

BGMも良い。金属質な音と液体的な音が効果的に背景に使われ、世界観を増強する。サントラの中でもレベッカ・ファーガソンが歌う ”Where or when” は初めて聞いたが、素晴らしい楽曲であると感じた。

 

消えたメイを追慕して装置に入り浸るニック、そして全く異なる事件の容疑者の記憶の中に偶然に見つかったメイを追ううちに、予期せぬ人物や思わぬ展開が目まぐるしく入り乱れる展開は、エンターテインメント性は抜群である。

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ネガティブ・サイド

ネタに新鮮味がない。ウィリアム・アイリッシュの小説『 幻の女 』以来の消えた女を追うというテーマに、『 秘密 THE TOP SECRET 』と『 インセプション 』と『 アンダー・ユア・ベッド 』の要素を足したように見える。

 

肝腎かなめの記憶再生の装置の仕組みも謎であるし、何よりも記憶が立体ホログラム再生されるのが腑に落ちない。一応、ヒュー・ジャックマンがレベッカ・ファーガソン相手にそれらしく説明するシーンがあるもの、この説明で「なるほど」と納得できる人間がどれだけいるのだろうか。たいしたネタバレではないので書いてしまうが、「ファーストキスを思い浮かべろ」と言われて、その時の記憶が3Dで俯瞰的に、あるいはやや離れたところから広角レンズで捉えたもののように脳内で再生される人がどれだけいるというのか。せっかく映像と音によって構築された世界観が、この時点でガラガラと音を立てて崩れ落ちた。Jovianはそのように感じた。

 

映画の本筋とは関係ないが、日本版のトレーラーや各種販促物のあらすじは一体全体何なのか。よくもこれだけ間違った情報を流布できるものだと感心させられてしまう。ニックは記憶潜入捜査官ではないし、トレーラーや色々な紹介サイトで触れられている記憶世界の3つのルールもストーリーにほとんど絡んではこない。公正取引委員会に訴えることもできるほどの酷さである。

 

総評

映像と音楽・音響は素晴らしい。ケチのつけようがない。しかし展開に全く意外性がない。どこかで観たり読んだりした物語のパッチワークである。ライトな映画ファンにはお勧めできるが、ディープな映画ファンには勧め辛い作品である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

serve in the military

軍役に就く、の意。service = サービスであるが、これには戦務や戦役の意味もある。日本で使うことはまずない表現だが、戦争映画や歴史ドキュメンタリーではよく使われる表現なので、中級以上の学習者なら知っておいてよいだろう。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, SF, アメリカ, ヒュー・ジャックマン, レベッカ・ファーガソン, 監督:リサ・ジョイ, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 レミニセンス 』 -トレイラーに偽りあり-

『 TENET テネット 』 -Blu rayで再鑑賞-

Posted on 2021年9月13日 by cool-jupiter

TENET テネット 80点
2021年8月28日~2021年9月5日にかけてレンタルBlu rayにて複数回鑑賞
出演:ジョン・デビッド・ワシントン ロバート・パティンソン エリザベス・デビッキ ケネス・ブラナー
監督:クリストファー・ノーラン

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『 TENET テネット 』の記事にコンスタントに色々な方からコメントを頂戴していて、ずっと再鑑賞を考えていた。忙しいなら忙しいなりに観るしかないと決意して近所のTSUTAYAでレンタル。様々な解説記事や解説動画と合わせて観ては戻り、観ては戻りを繰り返したところ、初回鑑賞時とは全く異なる感想を持つに至った。これは傑作である。

 

あらすじ

男(ジョン・デビッド・ワシントン)はとあるテロ事件鎮圧後、テロリストに捕らえられ拷問を受けていた。隙を見て服毒自殺した彼は、ある組織の元で目覚める。そして、時間を逆行する弾丸を教えられる。未来で生まれた技術のようだが、いつ、誰がどうやって開発したのかは謎。それを探り、第三次世界大戦を防ぐというミッションに男は乗り出すことになり・・・

 

ポジティブ・サイド

映像の迫真性に息を飲むことたびたび。初見時には話の筋を理解することに脳のリソースの結構な割合が費やされていたが、そこを抜きに目だけで鑑賞することで色彩の一貫性やカメラワークの巧みさが光る。決して極彩色にすることなく、全体に非常に金属的な鈍い色のトーンが全編を支配するが、それが時間の順行と逆行というテーマによくマッチする。

 

BGMも派手さはないものの、こちらも金属的な硬質さに満ちている。如何に現代が物質および機械に支配されているかを象徴しているかのようである。こうした映像や音楽の面での硬質さ=ある種の無機質さが通奏低音になっているが故に、未来人が環境の荒廃から絶滅の危機に瀕しており、それゆえに文明を滅ぼして豊かな自然に包まれた地球へ回帰したいという意図や願望が感覚的に想像できる。

 

コメント欄で紹介してもらったTENET/テネット 「陽電子は時間を逆行する」の意味&この映画のコンセプトを解説【核心ネタバレなし】という動画の「陽電子は理論上、時間を逆行しうる」という解説により、NHKにもちらほら出てくる東工大の山崎詩郎先生の量子擬人化説に賛同するようになった。鵜の目鷹の目の映画評論家やYouTuberによって、あのシーンのここにあれがこうで・・・という解説や説明、考察の洪水をかき分けながら何度も鑑賞したが、細部に関しては見れば見るほどに難しい。同時に big picture、つまり全体像についてはかなりはっきりした(ような気がしている)。未来人が現代人を使って現代人を滅ぼそうとしているのを、未来人が現代人を使ってそれを止めようとしている。その未来人というのが近未来人と遠未来人になっている。順行と逆行が交錯する”今”という瞬間、あるいは順行と逆行が完全に分離してしまう”今”という瞬間に生まれる人間の儚い関係性、しかし力強い関係性を描いているように見える。それはつまりニールと主人公の友情。ここだけは何度見ても小説および映画の『 ぼくは明日、昨日のきみとデートする 』そっくり。原子核と電子が惹きつけ合うのも、電子と電子が対生成、対消滅するのも、愛と憎しみ、生と死のアナロジーで説明できるかもしれない。

 

タイトルのTENETはラテン語学習者なら 原形は tenere で、それの 3rd person, singular, active, present でtenetやなと分かるが、これが原義の「持っている、持って行く、引っ張る」と英語のTENET = 主義主張、思想信条につながり、ラテン語と英語を組み合わせれば、「彼は主義主張を有している」という意味にも解釈ができる。Tenet 単体のラテン語であれば、He remembers.となり、「彼は覚えている」あるいは「彼は忘れない」となり、彼=名もなき主人公の男だと解釈すれば、実に意味深長だ。さらに ten = 10 を前後からくっつけた語にもなっているという解説には正直度肝を抜かれた。最後の10分の時間挟撃作戦というわけである。よくまあ、タイトル一つとってもここまで凝れるものだなと感心させられる。

 

ネガティブ・サイド

初見時と同じ感想になるが、やはり誰かと誰かが対消滅するシーンは必要だったように思う。それによって主人公が謎のマスク男と戦うシーンの緊張感がさらに高まるから。なおかつ、量子の擬人化という作品テーマをこれ以上なく具現化するシーンになっただろうから。

 

序盤に主人公が船の上で「このジェスチャーとテネットという言葉だけを覚えておけ」と言うシーンがあるが、そのジェスチャーが効果的に使われる場面はその後なかった。

 

総評

SF作品には2種類ある。時の経過、つまりは科学の進歩によって色褪せてしまう作品と、科学の進歩によっても色あせない作品である。もちろん科学は常に発展の途上で、過去30年にわたって名作とされてきた作品でも、10年後には核となるアイデアがコモディティティ化しているかもしれない。その意味で本作は恐るべきアイデアと演出と驚き、そして実に陳腐なテーマ(=友情)を備えた作品で、長く時の試練に耐えることだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

What happened happened.

『 滑走路 』ではMove on = 「前に進む」を紹介したが、そこで What happened happened. にも触れていた。関係代名詞whatが云々と言い出すとJovianの嫌いな文法説明になってしまうのでやめておく。ニールが何度か口にするセリフで、直訳すれば「起こったことは起こった」、意訳すれば「起こったことは変えられない」となる。仕事でミスってしまった時、ひとしきり悔やんだら”What happened happened.”と心の中で唱えて、挽回のために動き出そうではないか。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, A Rank, SF, アメリカ, エリザベス・デビッキ, ケネス・ブラナー, ジョン・デビッド・ワシントン, ロバート・パティンソン, 監督:クリストファー・ノーラン, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 TENET テネット 』 -Blu rayで再鑑賞-

『 海獣の子供 』 -海は異界へ通じる-

Posted on 2021年8月16日2021年8月17日 by cool-jupiter

海獣の子供 75点
2021年8月12日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:芦田愛菜
監督:渡辺歩

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つかの間の盆休み。夏らしい映画を求めて近所のTSUTAYAを渉猟。本作をピックアウトした。

 

あらすじ

学校に居場所をなくした琉花(芦田愛菜)は、父の勤める水族館に出向く。そこで偶然に空と海という、二人の少年に出会う。琉花の父は、二人は海でジュゴンに育てられたのだと言う。交流を深める3人だったが、琉花はそれが宇宙の生命誕生の秘密につながっていくことを知らなかった・・・

 

ポジティブ・サイド

暴力的なまでの映像の迫真性に冒頭から圧倒される。水族館の中とはいえ、そこも海。その海に住まう生き物たちの命の躍動をこれでもかと伝えようとしてくる映像は、しかし、ほんの序章に過ぎなかった。海、そして海洋生物をこれほどまでに神秘的かつ神々しいまでのトーンで描いた作品を他に知らない。アニメでしか表現できない、アニメだからこそ表現できる世界が全編で堪能できる。

 

ボーイ・ミーツ・ガールあるいはガール・ミーツ・ボーイは珍しくもなんともないが、ガール・ミーツ・ボーイズと複数形になるところが斬新。しかも、ひと夏のロマンスまたはアドベンチャーと見せかけて、SF風味のファンタジー。ジャンル不明の作品であるが、一つだけ言えるのは、どの要素を取り上げてもそこそこ面白くなっている。

 

人魂という謎の現象、海の生き物、なかんずくクジラの歌うソング。空から琉花へ、琉花から海へと託されていくことになる隕石。壮大な命の誕生をめぐる宇宙的な叙事詩を物語にしてやろう、映像と音楽でとことん表現してやろうという渡辺歩監督およびSTUDIO4℃の気概は買いである。

 

個人的には『 ペンギン・ハイウェイ 』に並ぶ傑作である。世界とは何か。生きるとは何か。そして、何故この世界で生きているのか。我々は知らぬ間にこの世界に投げ出されて生きているが、われわれ人間が生きるという営為が持つ意味は、実は我々のものではないのである。そうした視点を本作から得ることができる。本作は優れた哲学にして文明論である。

 

ネガティブ・サイド 

映像の美しさは文句なしだが、様々な点でオリジナリティに欠ける。というよりも、どこかで見たイメージがてんこ盛りであるとさえ言える。最も分かりやすいのは『 エヴァンゲリオン 』的な心象風景描写および創世のイメージだろう。そして、クライマックスの生命誕生シーンは、まんま『 LUCY/ルーシー 』の脳の覚醒100%のイメージ。映像の美しさと独創性は両立するはずなので、もっとそこを追求してほしい。

 

ダークマターとダークエネルギーを混同するシーンが出てくるが、いくら海洋学者といえども感心しない。宇宙の96%はダークマターではなく、ダークマター26%とダークエネルギー68%である(多少の誤差はあるにしろ)。宇宙の創世とパンスペルミア説を描く本作の製作者サイドには、もう一度宇宙論の基本的な勉強からお願いしたい。

 

総評

ある程度の自然科学的な知識の有無で評価ががらりと変わりそうな作品。多少の知識があれば面白いと受け止められるだろうが、そうでなければチンプンカンプン物語かもしれない。いや、案外、生物学や天文学、哲学などの知識を持たないまっさらな状態の方が本作を”直感的”に受け止められるかもしれない。小学生ぐらいの子どもを持つファミリーが鑑賞すると良いのかもしれない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

meteorite

「隕石」の意。商売柄、TOEFL iBTを教える際に彗星や小惑星、隕石の違いを解説することがあるが、彗星=尾を引く小天体、小惑星=惑星軌道上にある小天体、隕石=地球表面にまで落ちてきた小天体だと解説している。ちなみにmeteorという語の原義は「空から落ちてくるもの」を指す。雨も雪も雷も、基本は空から地面に落ちてくる。なので、meteorology = 気象学となる。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, B Rank, SF, アニメ, ファンタジー, 日本, 監督:渡辺歩, 芦田愛菜, 配給会社:東宝映像事業部Leave a Comment on 『 海獣の子供 』 -海は異界へ通じる-

『 デューン/砂の惑星 』 -復習鑑賞-

Posted on 2021年8月2日 by cool-jupiter

デューン / 砂の惑星 50点
2021年7月28日 WOWOW録画鑑賞
出演:カイル・マクラクラン
監督:デビッド・リンチ

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これは確か子どもの頃に父親がレンタルで借りてきたのを一緒に見た記憶がある。サンドワームを観て、「あ、『 スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲 』の宇宙ナメクジや!」と思ったが、本当に先なのはこちら。ヴィルヌーヴ版の公開を前に昔のDVDを引っ張り出して復習鑑賞。

 

あらすじ

巨大なサンドワームが巣食う砂の惑星アラキス、通称デューンでは「メランジ」と呼ばれる恒星間移動を可能にするスパイスが産出される。そのスパイスの採掘をめぐり宇宙皇帝、アトレイデス家、ハルコネン家の間で陰謀と闘争が繰り広げられて・・・

 

ポジティブ・サイド

『 スター・ウォーズ 』シリーズや『 トータル・リコール 』などに見られる宇宙の違う星での出来事、という感覚が全編を通じて伝わってくる。それは衣装や小道具・大道具の力によるところが大で、これが小説と映画の違い。文字で書けば20語で済むようなことでも、映像化させるとなると途轍もない手間が必要。そのミッションを完遂した裏方スタッフさんたちに満腔の敬意を表したいと思う。

 

皇帝側の送り出してくる刺客連中の醸し出す雰囲気も『 ブレード・ランナー 』のレプリカント的であり、『 マッドマックス/サンダードーム 』的でもある。これも、元祖は本作。スティングのキャスティングも、ティナ・ターナーのキャスティングと共通するものを感じる。歌手を役者にするという、ある種の時代の潮流を本作が作ったのかもしれない。

 

主人公のポールがフレーメンに合流して、サンドワームを乗りこなし、銀河皇帝を相手に一挙に蜂起していく様は爽快の一言。campyとしか言いようがない特殊技術の数々であるが、当時の技術レベルを考えれば、非常にmajesticなシーンの数々だったのではないだろうか。

 

ネガティブ・サイド

やはりストーリーが意味不明である。スパイスである「メランジ」は元々、超長寿命を手に入れられる秘薬ではなかったか。本作ではそこのところがぼやけている。

 

皇帝と様々な公爵家の関係や、銀河に存在する多くの星系同士の関係がどうしても見えてこない。超巨大スケールのスペクタクルのはずが、どうしても非常にこじんまりとした内輪もめの話にしか感じられない。

 

欠点と言ってしまうと言い過ぎかもしれないが、主人公ポールの成長過程、および妹の誕生過程の描写が薄い。もっとも、ここを丹念に描くと作品全体の長さが3時間になってしまう。それでも、アトレイデスとハルコネンの確執や、ポールが自身の力を自覚し、鍛え、成長していく中で、野望が確信に変わる様を、もっと丁寧に映し出してほしかったと思う。

 

総評

今の目で見るとなかなかキツイ。しかし、昭和のゴジラ作品や『 スーパーマン 』を鑑賞するような姿勢で臨めば、それなりに楽しめるはず。映像技術については時代背景を考慮する。ストーリーやキャラクター造形にも当時の世相がある程度反映されていることを承知しておく。是非それを心がけれられたし。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

I am not here.

直訳すれば「俺はここにいない」という矛盾した意味になるが、要するに居留守あるいはオフィスにいるのに離席中ということにしたい時にこう言う。実際にJovianの同僚は、割と頻繁にこの表現を使ってくる。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 1980年代, D Rank, SF, アメリカ, カイル・マクラクラン, 監督:デビッド・リンチLeave a Comment on 『 デューン/砂の惑星 』 -復習鑑賞-

『 SEOBOK ソボク 』 -韓流・サイキックアクション-

Posted on 2021年7月23日2021年7月23日 by cool-jupiter

SEOBOK ソボク 70点
2021年7月18日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:コン・ユ パク・ボゴム
監督:イ・ヨンジュ

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シネマート心斎橋以外で韓国映画を観るのは久しぶりな気がする。きっと『 The Witch 魔女 』とは趣が異なるサイキックアクション映画だった。

 

あらすじ

元国家情報局エージェントのギホン(コン・ユ)は、人造クローンのソボク(パク・ボゴム)の護衛の任に就くが、ソボクは不死の秘密を解明する鍵だとして、何者かの勢力から襲撃を受けた二人は逃走を図る。ギホンとソボクは衝突しながらも、互いへの理解を深めていくが・・・

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ポジティブ・サイド

『 トガニ 幼き瞳の告発 』の気弱でありながら芯の通った父親、『 新感染 ファイナル・エクスプレス 』の嫌味な父親、『 82年生まれ、キム・ジヨン 』の無自覚な夫など、作品ごとにガラリと変わるコン・ユの表現力、演技力が今作でも遺憾なく発揮されている。どこか陰影を秘めた俳優で、それが感情を素直に、爆発的に吐露させる際に鮮やかなコントラストを成す。そうしたシーンに敢えてBGMを用いない、あるいは極めて抑制的に使うのが韓流の特徴で、ここは日本の映画人も見習うべきところだろう。

 

コントラストという意味では、逃亡劇のバディとなるソボクを演じたパク・ボゴムが対極に来る。与えられた命令の意味を考えず、ただそれに従おうとするだけのギホンと、自分の生まれた意味、存在する意味を常に問いかけてくるソボクという図式は、これがSFアクション映画でありながら、ヒューマンドラマでもあるのだということを素朴に、しかし確実に強調している。何をどう問いかけても、しかし、人間、腹は減る。腹が減ったら食うしかない。禅問答も一興だが、腹が減っては戦はできぬ。こうした「食べる」演技と演出も韓流の真骨頂である。現実離れした設定が極めて現実的に見えてくる。

 

アクションにも抜かりはない。『 新 感染半島 ファイナル・ステージ 』あたりからCGのレベルも如実に上がってきた韓国映画だが、本作の終盤でソボクが荒ぶる超能力で殺戮と破壊をもたらすシーンはなかなかの説得力。漫画『 AKIRA 』にインスピレーションを得ていると思しきシーンもあり、また銃火器を使うシーンでも徴兵制の国であるというリアリティを感じさせた。暴力から目を背けない、暴力を描き切るという姿勢に関しては韓国はぶれない。

 

ソボクという名前が、秦の始皇帝が不死の霊薬を手に入れるために派遣した徐福であるというのは面白いと感じた。同時に、中国や日本へのサラリとしたアピールにもなっていて、韓国エンタメ界は、自国ではなく世界をマーケットにしていることも見て取れた。『 ゴジラvs.コング 』の小栗旬の扱いの酷さにはがっかりしたが、ハリウッドで活躍する大谷級の俳優の出現を待ちたい。韓国やインドに抜かれる前に・・・

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ネガティブ・サイド

クローン人間なのか、それとも超能力人間なのか、不死の存在なのか。ソボクといういくらでも深めていけるキャラの属性がイマイチはっきりしなかった。クローン人間というのは技術的には難しくないとかつての教え子(阪大の学生)に教わったことがある。障壁になるのは法律や倫理。ゲノム編集やデザイナー・ベイビーが現実味を帯びつつある中、クローンという設定はやや拍子抜けである。

 

ソボクのテレキネシスが序盤と終盤にしか発揮されないが、中盤の市井のシーンでも見てみたかった。社会性の欠落したソボクが、色々とやらかして、それを兄貴分たるギホンが色々と諭していく。その過程でギホンは自らの主体性の無さに気が付く・・・というのはあからさま過ぎるだろうか。

 

科学的な意味でのソボクの生みの親である女性研究者の姉的、母性的な面をもっと強調していれば、ギホンの兄的、父性的な面とのコントラストが際立って、ソボクという極めて抑制的なキャラクターに逆説的に人間味を与えることができたと思う。この博士の思考や行動の軸がやや定まっていなかったように見えたのは残念。

 

総評

荒唐無稽なプロットながら、役者の演技力とそれをさらに強調する演出によって、見応えのあるストーリーに仕上がっている。大企業、官僚機構、そして超大国のアメリカを軸に壮大なスケールで描こうとしたことが成功しているのかどうかは怪しい。しかし、気宇壮大な物語を中で個人がいかに生きるべきかを模索しようするという点で、映像化できそうな漫画や小説ばかりを映画化する邦画界は大きく差をつけられている。久々に韓国を映画を観て、あらためてそう感じた。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

invalidate 

無効にする、の意。手元にクレジットカードがあれば有効期限のところに、good through または valid through の表示があると思われる。この valid に接頭辞 in と接尾辞 ate をくっつけて出来上がった語、割と難しめに見える語も、身近なところでその語源(形態素)が使われていたりするものである。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, B Rank, SF, アクション, コン・ユ, パク・ボゴム, 監督:イ・ヨンジュ, 配給会社:クロックワークス, 韓国Leave a Comment on 『 SEOBOK ソボク 』 -韓流・サイキックアクション-

『 Arc アーク 』 -メッセージの伝え方をもっと工夫せよ-

Posted on 2021年7月9日2021年7月9日 by cool-jupiter

Arc アーク 35点
2021年7月3日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:芳根京子 寺島しのぶ 岡田将生
監督:石川慶

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SF小説界を席巻している『 三体 』を翻訳したケン・リュウの短編を石川慶が映像化。しかし、『 夏への扉 -キミのいる未来へ-  』同様に換骨奪胎に失敗したという印象。

 

あらすじ

17歳で出産したリナ(芳根京子)は、息子を捨てて自暴自棄に生きていた。ある地下クラブで偶然出会ったエマ(寺島しのぶ)と出会う。そこでリナは死体を芸術品として半永久的に保存する「ボディワークス」という技術を学ぶ。そしてエマの弟、天音(岡田将生)と出会う。彼は不老不死の研究者で、その技術の完成は目前に迫っていた・・・

 

以下、ネタバレあり

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ポジティブ・サイド

最近の邦画ではなかなか見ないシュールな画がいっぱいである。冒頭の剣呑な雰囲気のダンスシーンから、ボディワークスを操って展示品に仕立て上げるところまで、静謐ながらもダイナミックな色彩の使い方が、かしこで見て取れる。『 Diner ダイナー 』の蜷川実花に近い感覚を受ける。キャラクターに何でもかんでもしゃべらせたがる邦画の悪い癖があまり出ておらず、映像そのものに語らしめようとしている。前半の色使いが後半で突如モノクロに転調することで、いっそうコントラストが際立っている。

 

不老となり、見た目は若々しいままだが、実際は老人(高齢と言うべきか)のリナ。白と黒の濃淡で表現されることで、若さと年齢、老いと年齢の境目がグレーになっている。そうした世界観が視覚的に構築されており、この試みは上手いと感じた。だからこそ、ある時突然スクリーンに色彩が戻る瞬間に、観る側はリナの内面の重大な変化を悟ることができる。これも邦画らしくない技法で、非常に好ましい。

 

劇中でとある人物が「250年ローン」と口にする。仮に年に100万円払うとして2億5千万円。利子を差っ引くと2億円ぐらい?頭金として一割を拠出するとなると2000万円となり、日本で老後に必要とされる資金となるのは不気味であるが、リアルでもある。

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ネガティブ・サイド

トレイラーでしつこく「これは あなたの わたしの 物語」と喧伝されていたが、とてもそうは思えなかった。少なくとも「世界に触れる」という感覚は得られなかった。というのも、リナ自身の変化も社会そのものの変化も描写が極めて不足していたからだ。

 

リナ個人の変化として、見た目が変化しないということは一目で分かる。問題は、体の中が生理学的にどうなっているのかである。リナは80歳過ぎに子どもを産んだわけだが、それは凍結精子によるものである。問題は卵子の方。凍結卵子なのか、それとも生ものの卵子なのか。様々な細胞のテロメアを延々と初期化し続けることで、卵子を作る機能も復活するのか。というよりも、卵子の元となる細胞は生まれてきた時にすでに作り終えていて、そこから先は増えないはずだが・・・ 閉経というのは年齢ではなく、卵子が尽きることで起きる生理現象のはず。リナの娘のハルはいったいどうやって生まれたの?

 

リナは自分よりも年下の人間にも、見た目が自分よりも上というだけで敬語で接するが、これはリナ個人の癖のようなものなのか。それとも不老化手術を受けた人間全般がそうなのか、あるいは日本だけなのか。外国では見た目の年齢ではなく実年齢によって序列が決まるのか。そういった社会の変化もさっぱり伝わってこなかった。別に世界的なスケールでなくともよい。しかし、少なくとも日本というスケールの社会の変化を構想し、それを描くべきだった。不老化の手術を受ける人たちが一定数おり、そうした人々が確実に社会に根付いているということが伝わってこなかった。たとえば、テレビのニュースキャスターが不老となって、30代のリナも80代のリナもテレビで同じニュースキャスターを観ている、というシーンがあれば、社会は確実に変化しているということが非常にわかりやすく伝わる。実際の作品の後半はほとんどすべてが島の中で完結しているせいで、リナが不老であると言われてもまるでピンとこない。

 

その島のシーンで、エキストラの素人を使ったインタビュー集が挿入されるが、そこに突然有名俳優が使われる。ミスキャストとは言わないが、ちょっとしたすれっからしなら、「ああ、この人は特別なキャラだな。性別がこうで年齢はこれぐらい?ということは該当するのは・・・」と考えて、あっという間に正体に気が付いてしまう。このキャラは俳優ではなく素人に演じさせるべきだった。『 ノマドランド 』に出来たのだから、日本でも出来るはずだ。

 

アートな映画を志向したのは分かるが、根本のメッセージの伝え方がなにかちぐはぐしている。死は克服するものではなく、性を成就させるものであるという結論は、陳腐ではあるが、この上ない真理である。問題はその結論に至る過程だ。死への抵抗としてのプラスティネーションとボディワークスが、不老となったリナの生き様とコントラストになっていない。生きたままの肌の質感を保った死体と若いままの肌の質感を保った老人という対比が物語に反映されていない。死を克服した時代における生の意味を自分の生き様で証明すると宣言したリナだが、老健的な施設で入所者の穏やかな死を見つめ続けるのは、別に不老でなくてもできること。それこそ劇中で言われているように、時間をかけてやりたいことをなんでもやれるのだから、本当にそれに取り組む姿勢を見せればよかった。たとえば40歳で絵画を始めて70歳でいっぱしの画家並みの腕前になっただとか、数十年の間に数千点の編み物をこしらえただとか、「締め切りがあるからこそ人は行動する」ではなく、本当に主体的に生きているというリナ像を呈示しないことには、最後のリナの決断に説得力がない。惰性で生きているだけに見えてしまう。それこそ最後の最後にリナが自分の体に巻き付いている糸を自ら切り離し、自分は誰かのボディワークスだったのだ、と悟るシーンでもあればまだマシだったのだが。

 

総評

映像作品として観れば及第だが、物語として観れば穴だらけ。来るべき世界への予感もなく、死生観の変化をダイレクトに描くこともなかった。仮にもSF作品なのだから、文明社会というものの変化を映し出すことに取り組まなければいけない。芳根京子の演技力に頼りすぎである感は否めない。芳根のファンなら必見だろうが、カジュアルな映画ファンのデートムービーにお勧めできる作品ではない。かといってSFファンをうならせる出来にもなっていない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

immortal 

不死、不滅の意味。生物学的な意味だけではなく、その他の比喩的な意味でも使う。earn immortal fame = 不朽の名声を得る、などのように使われることが多い。逆にmortal = いつか死ぬ、という意味。今まさに上映中の『 モータルコンバット 』は直訳すれば、死につながる戦い=負けた方は絶対死ぬ戦い、のような意味となる。元々、ラテン語の死=morsから派生した語。お仲間にはmortuaryやmortgageなどがある。英検準1級以上を目指すなら知っておこう。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, E Rank, SF, 寺島しのぶ, 岡田将生, 日本, 監督:石川慶, 芳根京子, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 Arc アーク 』 -メッセージの伝え方をもっと工夫せよ-

『 夏への扉 ーキミのいる未来へー 』 -換骨奪胎に失敗-

Posted on 2021年7月3日 by cool-jupiter
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夏への扉 ーキミのいる未来へー  30点
2021年6月27日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:山崎賢人 清原果耶
監督:三木孝浩

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ロバート・A・ハインラインの古典的名作のリメイク。Jovianも高校生の時にハヤカワの文庫本で読んだ。当時はまだ1990年代。2000年はそれなりに近未来だった。

あらすじ

若き天才ロボット開発者の高倉宗一郎(山崎賢人)は、猫のピートと育ての親の娘、璃子(清原果耶)に囲まれ、幸せに暮らしていた。しかし、信頼していた共同経営者と婚約者に騙され、会社の株券および開発物すべてを奪われてしまう。挽回を試みる宗一郎は逆に元婚約者によってコールド・スリープさせられ、30年後の世界で目覚めるが・・・

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以下、ネタバレあり

ポジティブ・サイド

清原果耶の存在感よ。あからさまに拗ねるところ、敢えて一歩引くところ、逆に一歩踏み込んでくるところ。それぞれのシーンで璃子の想いが見え隠れする。観る側に伝わるように、しかし宗一郎には伝わらないようにというバランス感覚が良い。

原作にないアンドロイドのピートというキャラも素晴らしい。アンドロイドらしく瞬きをしない演技。『 ターミネーター 』シリーズのシュワルツェネッガーのようなメカメカしい動き。なおかつ、序盤の登場時に醸し出す『 エイリアン 』のアッシュのような雰囲気も不穏だった。こんなキャラであるが、これが唯一無二のバディになっていく過程は存外に楽しめた。

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ネガティブ・サイド

なにかタイムトラベルものの一番悪いところを見せつけられたように思う。特に某キャラの言う「時間は一本の線で一周回ってつながっている」的な解説は完全に余計な代物。『 アベンジャーズ / エンドゲーム 』や小林泰三の短編『 酔歩する男 』のように、時間=意識と捉える方向でよかったのに、あるいは余計な説明は一切挿入すべきではなかったと思う。肝腎かなめのタイムトラベル前の部分で、オープニングで描かれたパラレルワールドという設定がぶち壊しである。

過去に戻ってのあれやこれやの裏工作、自分が二人いる場面などは『 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 』のようだったが、同作ほどの緊迫感は達成できず。というか緊迫感がゼロだった。

そのタイムトラベルの装置もデロリアンの次元転移装置とそっくり。そしてタイムトラベル先に行きつく際の描写はまんま『 ターミネーター 』のそれ。いくら原作が超有名SF作品とはいえ、その他の演出部分まで過去の有名SF映画からパクってもいいわけではない。

藤木直人演じるピートは最高のキャラだったが、ひとつだけ残念だったのはトラックを奪うために走っているシーンは『 ゴジラvsキングギドラ 』のM11そっくりでげんなりさせられてしまった。

三木孝浩監督は腕が悪い監督とは思わないが、結局のところ漫画や小説を原作にした映画しか作れない人。自分自身のイマジネーションやインスピレーションを作品にぶち込むというより、自分の中にある既存のイメージを上手く流用するのに長けた、ある意味ではルーティンで映画を作れるプロフェッショナルか。レビューするのに類似の過去作に言及する癖のあるJovianであるにもかかわらず、こういう映画製作者はどうしても高く評価できない。

総評

正直なところ、かなり微妙な出来である。ハインラインの着想を現代に蘇らせようという意図が伝わってこない。いや、時を超えて愛する人に巡り合うというのは普遍的な物語であるが、それを現代日本で敢えてリメイクする意味は?ネタが品切れ気味の邦画界の象徴的作品になってしまった。これでは今秋公開予定の『 CUBE 』についても一抹の不安を禁じ得ない。

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

You set me up.

「俺をはめたな」、「俺をだましたな」の意。序盤早々に一杯食わされる宗一郎があまりにも不憫であるが、人生は順風満帆にはいかないもの。こんなセリフは自分では使いたくないが、映画やドラマでは割と頻繁に聞こえてくる表現である。

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, E Rank, SF, 山崎賢人, 日本, 清原果耶, 監督:三木孝浩, 配給会社:アニプレックス, 配給会社:東宝Leave a Comment on 『 夏への扉 ーキミのいる未来へー 』 -換骨奪胎に失敗-

『 JUNK HEAD 』 -奇才の誕生-

Posted on 2021年6月9日 by cool-jupiter

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JUNK HEAD 85点
2021年6月5日 第七藝術劇場にて鑑賞
出演:堀貴秀
監督:堀貴秀

 

ずっと気になっていて、しかし仕事も休めないのでなかなか観に行けなかった作品。七藝に感謝である(大阪府知事には感謝しない)。2021年の作品と読んでいいのかどうかわからないが、今年最高レベルのインパクトをJovianに与えてくれた。

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あらすじ

未知のウィルスにより人口が減少した未来世界。テクノロジーにより人類は超長寿を得たが、生殖能力を失ってしまった。大昔に地下世界を探索させていた人工生命体マリガンに生殖能力がある可能性が確認された。調査のためパートン(堀貴秀)は地下世界に降りていくが、マリガンにより撃墜される。気が付くと、彼の頭部はマリガンによって機械の体に移植されていた・・・

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ポジティブ・サイド

まず2010年に製作開始、2017年に完成した作品ということは、完全にコロナ前ということ。2009年の新型インフルエンザの騒動にインスパイアされたというのは当然あるにしても、今という時代ほど本作の描く世界観がフィットするタイミングもそうそうないだろう。

 

オリジナリティがあるかと言われれば、答えはイエスでありノーである。冒頭の物語は誰にも意味が分からないが、これはジェームズ・P・ホーガンの小説『 星を継ぐもの 』と同じ構成。主人公のパートンはいきなり爆殺されるわけだが、そこから義体とも言うべき体を手に入れるまでの展開はまんま『 ロボコップ 』+『 攻殻機動隊 』+『 アリータ バトル・エンジェル 』である。広大な未知の領域で特定の遺伝子を探し求めて放浪するのは『 BLAME! 』のキリイそっくり。地底世界で出会う様々なマリガンはH.G.ウェルズの『 タイムマシン 』的な世界観を彷彿させるし、そのマリガンの造形も『 エイリアン 』のゼノモーフをモチーフに、ゲームかつ映画の『 サイレントヒル 』のクリーチャーを足したもの・・・などなど、どこかで観た作品のパッチワークで全編覆いつくされている。にもかかわらず、古い革袋に新しい酒である。何が新しい酒かと言えば、ストップモーション・アニメである。

 

ウィリス・オブライエンやレイ・ハリーハウゼンの時代ならともかく、21世紀という時代、高性能なコンピュータを個人が廉価に購入できる時代、パソコンというプラットフォーム上で一個人がYouTuberという映像作家になれてしまう時代に、ストップモーション・アニメである。それも一人で。常軌を逸した量の作業量である。しかし、そうした孤独で単調な作業に没頭できる才能を堀貴秀が持っていた。そのことに胸を打たれる。

 

考えてみれば、一昔前まではCGと言えば粗いものだった。『 ジュラシック・パーク 』を映画館で初めて見たときは圧倒されたものだが、今の目で見れば露骨なまでにCGである。しかし、『 ライオンキング 』や『 ウォーリー 』ぐらいのクオリティになるとCGはCGでも、それがCGであると脳が意識していないと、CGであることが意識しにくい。このペースで行くと2030年には、もはや実写とCGの区別がつかなくなるのではないか。そんな時代だからこそ、たとえば『 ガメラ 大怪獣空中決戦 』のような着ぐるみと特撮が我々の目にはこの上なく新鮮なものに映る。そこへストップモーション・アニメで構築された未知のウィルスが跋扈するサイバーパンクな世界である。単なる懐古主義ではなく、まさに現代のリアルな一側面を切り取るという意味で、CGではない表現手段が必然であったかのように思えてくる。

 

全編を通じてサイバーパンクな雰囲気に覆われているが、それを感じさせないコミカルさも大いに感じさせられる。わかりやすい例として、男性器のシンボルと糞便が挙げられる。また謎の関西弁を操る詐欺師キャラに、肝っ玉母ちゃん的キャラ、おべんちゃらばかり言うキャラなど、マリガンたちの生態は人間と何一つ変わらない。世界が変わっても人間の本質は変わらないし、人間が人工生命体であるマリガンと変わらないということは、人間自体も人工生命体である可能性を示唆しているように感じた。

 

広大な世界とそれを上回る広大な世界観。それを文字通りに質感ある形で視覚化した労作。パートンとマリガンたちをめぐる物語世界を今こそ体験してほしい。

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ネガティブ・サイド

全体的にキャラクターの話す音量が小さいと感じた。ただでさえ誰もかれもが低周波音域で話していて聞き取りづらかったので、ここは次作で改善してほしいところ。

 

ラスボス的な変異マリガンも少し小さいと感じた。もう1.5倍くらいの大きさであれば正真正銘の化物になる。また、この変異マリガンが、たとえばデスワームを引きちぎって食べてしまうというような描写があれば、ボスキャラとしてもっと説得力を持ったことだろう。

 

総評

続編が待ち遠しい。その一方で、これだけのクオリティの作品を作ってしまったのだから、もういいだろうという気もする。しかし堀氏は仕事もやめて、作品作りに邁進しているらしい。もう、とことんまで好きにやってくれ。日本はこういう類の奇人変人をもっとサポートしなければならない。そのためにも劇場鑑賞できる人は劇場鑑賞してほしい。そしてパンフレットもぜひ購入されたし。本作は映画受難の2021年において必見である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

God is dead.

近代ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの言葉として有名な「神は死んだ」の英訳。正しくは「神は死んでいる」なのだが、まあ、そこはいいだろう。”God is dead. God remains dead. We have killed him” =「神は死んだ。神は死んだままだ。そして我々が神を殺したのだ」というのは非常に有名な quote なので、丸暗記してしまおう。

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, A Rank, SF, アニメ, 堀貴秀, 日本, 監督:堀貴秀, 配給会社:ギャガLeave a Comment on 『 JUNK HEAD 』 -奇才の誕生-

『 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 』 -壮大なリセット&リビルド作品-

Posted on 2021年5月3日 by cool-jupiter

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 70点
2021年4月27日 Amazon Prime VideoおよびDVDにて鑑賞
出演:緒方恵美 林原めぐみ 宮村優子 坂本真綾
監督:摩砂雪 鶴巻和哉 前田真宏
総監督:庵野秀明

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『 シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 』の再鑑賞前にテレビアニメ版をレンタルしてみたり、旧劇を観直したり、ちょっと別の本を読んだりしているうちに緊急事態宣言。間の悪さを嘆くべきか、政府の無能さを恨むべきか。

 

あらすじ

碇シンジ(緒方恵美)は今やヴィレに属すミサトらやアスカ(宮村優子)によって衛星軌道上からサルベージされる。そして、ヴィレが戦艦ヴンダーを拠点に碇ゲンドウ率いるNERVと戦っていることを知る。その原因が、自身が14年前に引き起こしたニア・サード・インパクトにあると知らされて・・・

 

ポジティブ・サイド

冒頭のスタジオ・ジブリ presents な感じ満々の、いわゆる「火の七日間」のエピソードが怖い。というか心憎い。これまでのいかなる作品でも直接的に描かれることのなかったファースト・インパクトやセカンド・インパクトだったが、このニアサーを間接的かつ変則的に描くのは前世紀と新世紀をつなぐ意味でも効果的だったと思う。『 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 』でも述べた通り、エヴァは前世紀末の破滅思想、終末思想の色濃い世界の産物だった。『 風の谷ナウシカ 』の巨神兵が、現実世界に突如到来するスキットは最高のイントロダクションであると感じた。

 

その後のアスカとマリによる宇宙空間での初号機回収作戦も一大スペクタクル。目の前で繰り広げられる作戦行動が何であるのかを考える暇もなく、進化したアニメーション技術がふんだんに盛り込まれたシークエンスが展開される。そしてアスカによって言及されるシンジの名前。物語作成の文法通りだが、このあたりの盛り上げ方は非常に巧みである。

 

その後に明かされる14年間の真実。カヲル君によるテレビアニメ版と同じ、語りながらも説明はせず、相手に悟らせるスタイルは、通常ならイライラさせられるのかもしれないが、エヴァの世界観とキャラ設定においてはうまく機能している。畢竟、エヴァを観るということは、謎や神秘に触れたいという自分の内なる欲求に応えることなのだろう。劇場鑑賞したとき、そして今回DVDで再鑑賞しても、正直に言って物語そのものの意味は100%は理解できていない。しかし、何か世界の奥深いところに触れているという感覚(錯覚)だけは、1995年から今まで継続している。これは凄いことだと素直に思う。

 

シンジとアスカによるエヴァ同士のバトルは、使徒相手のそれとは違い、どちらに感情移入するのかが難しい。というよりも、どちらにも感情移入したくなる。最後は人間同士の、しかも実は志を同じくする者同士が已むに已まれず戦うというのは、それこそ漫画『 聖闘士星矢 』などでおなじみの展開。それでも手に汗握ってしまうのだから、この手法が強力なのか、庵野の作劇術が巧みなのか、それとも自分が単純だからなのか。おそらく全部だろう。謎解き考察に興味のある向きにはどう映るのかわからないが、エヴァの世界観は忠実に継承されていると言える。

 

ところで、副題の「急」がQである意味は何なのだろうか?最初は急=QuickまたはQuickeningかなと思ったが、あまりにもひねりがなさすぎると感じた。QuestionやQuestの意味も込められているのだろうか。これについてご教授いただける方がいれば、ありがたいです。

 

ネガティブ・サイド

本作を単体で観ると「力を入れるのはそこじゃないだろう」と指摘したくなる。一番そう思わせるのはヴンダーのコクピット内の描写。そこは凝らなくていい、ヱヴァンゲリヲンそのものやキャラクター描写を充実させてくれ。物語を長く続けていくと、どんなクリエイターにもこの傾向が出てくる。漫画『 ベルセルク 』の三浦建太郎しかり。

 

ヴィレ側のキャラの言動に腑に落ちない点が多い。頑なにシンジに「エヴァにだけは乗るな」と言うが、だったら優しく真実を教えてやってもよいのではないか。それに『 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 』ではミサトさんはシンジに「あなた自身のために行きなさい」と言って、背中を押したではないか。その結果としてのニア・サード・インパクトをすべてシンジに押し付けるのはいかがなものか。

 

完全に野暮な突っ込みだとわかっていて言うが、冬月がシンジに「将棋を打てるか?」と尋ねるのは本当に勘弁してほしい。囲碁=打つ、将棋=指す。将棋で打つのは持ち駒だけだ。駒落ちにしても飛車角桂香ならまだしも、飛車角金を落とすとはこれいかに。また、シンジが指した直後に「31手後に詰みだ」と宣告するが、これが本当なら藤井聡太以上の終盤力の持ち主と言うしかない。当時は藤井はまだプロではないから、前世紀の・・・ではなく全盛期の谷川浩司以上か。将棋ファンとしては突っ込みどころ満載の謎シーンだった。スタッフに将棋ファンはゼロだったのだろうか。

 

総評

ものすごい勢いで観るものを物語世界に取り込んでくる作品である。一方で、おそろしいまでに初見殺しでもある。まあ、本作がエヴァ初体験という人はまずいないだろうが、それでもエヴァを長年追い続けた人でも、本作でかなりの数がふるいにかけられたと観て間違いない。それでも『 シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 』公開時の観客の入りを観ていると「逃げちゃダメだ」と食らいついてくるファン、そして若い世代も多いことに気づいた。そうした意味では、本作は最もエヴァらしいエヴァと評しても良いのではないだろうか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

think ~ moves ahead

将棋、チェスなどをたしなむ人ぐらいしか使わない表現だろうが、そうした愛棋家のためにも紹介しておきたい。「〇手先を読む」の意味である。将棋界には3手の読みという言葉があるが、3手先を読む=think three moves aheadと言う。5手先を読むなら think five moves ahead である。また3手詰めの詰将棋は、a 3-move checkmate prolemと言う。将棋好きなら知っておきたい。

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, B Rank, SF, アニメ, 坂本真綾, 宮村優子, 日本, 林原めぐみ, 監督:前田真宏, 監督:摩砂雪, 監督:鶴巻和哉, 総監督:庵野秀明, 緒方恵美, 配給会社:カラー, 配給会社:ティ・ジョイLeave a Comment on 『 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 』 -壮大なリセット&リビルド作品-

『 アーカイヴ 』 -低予算SFのアイデア作-

Posted on 2021年3月1日2021年3月1日 by cool-jupiter

アーカイヴ 60点
2021年2月28日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:テオ・ジェームズ ステイシー・マーティン
監督:ギャビン・ロザリー

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近所のTSUTAYAで先行レンタル作品だと謳われていた作品。たまたま一つだけ借りられていなかったので、あらすじも読まずに新作料金を払ってレンタル。低予算SFの掘り出し物とまではいかないが、それなりに楽しませてくれた。

あらすじ

アーカイヴと呼ばれる人間の意識を保存したシステムにより、一定期間だけ死者と交流可能となった近未来。ロボット工学者のジョージ(テオ・ジェームズ)は亡き妻ジュール(ステイシー・マーティン)の意識を違法にアーカイヴからダウンロードし、ロボットのJ1とJ2を開発。そして、さらに本物のジュールに近いロボットとしてJ3の開発にも着手するが・・・

ポジティブ・サイド

象牙の塔に閉じこもり、黙々と研究・開発に打ち込む科学者というのは、ホムンクルスやゴーレムの作成、ひいてはフランケンシュタインの人造人間に至るまで、古典的かつ典型的な人物像である。作品の雰囲気も『 エクス・マキナ 』のそれによく似ている。全編ほとんど山梨のラボ内で進行するが、一度だけ出てくる繁華街は、『 ブレードランナー 』を意識して作ったことは間違いない。また、J3がアップグレードされていく様子は実写『 ゴースト・イン・ザ・シェル 』の少佐のそれにそっくり。J1とかJ2は、やっぱり『 スター・ウォーズ 』へのオマージュか。

要するにあまりにも陳腐なクリシェに彩られ過ぎていて、これは絶対に最後に何かあるだろうと思わせてくれる。実際に、まあまあのドンデン返しが待っていた。以下、白字。Jovianはてっきり姿を消したJ2が自身の意識をアーカイヴ化し、ジョージ自身の手によってJ3の意識が上書きされる際に、J3のボディに潜り込む・・・と予想していた。小さい頃に観た『 デモン・シード 』の影響かな。

勘の良い人なら、「ははーん、これはそういう話だな」と類似の先行作品(たとえば『 シックス・センス 』や『 パッセンジャーズ 』 、『 13F 』など)をいくつか思いつくことだろう。すれっからしのJovianはここのところを読み違えたわけだが、逆にこうしたジャンルに馴染みがない人なら、大きな驚きを体験できるかもしれない。

アーカイヴのようなシステムは、善悪の判断は措いておくとして、今後必ず誰かが開発しようとするのは間違いない。死者との交信ではなく、むしろ自分の意識をアーカイヴ化したスーパーリッチな人間が、マモーよろしく自分の意識を乗せた船で恒星間宇宙飛行に乗り出すのではないかとJovianは結構本気で考えている。オチを予想するも良し、アーカイヴの別の可能性をあれこれ想像するも良し。週末をステイホームで過ごすなら、ちょうどよい一本かもしれない。

ネガティブ・サイド

J3の最初の見た目がフリーザ様の最終形態そっくりなのは、製作者の日本へのリスペクトなのだろうか。脚がない状態で登場するところが、なおさらフリーザを連想させる。だが、このようなオマージュはノイズだろう。実写なら実写作品のオマージュをすべきで、アニメ作品まで射程に収めるなら、『 レディ・プレイヤー1 』並みに突き抜けている必要がある。むしろダース・ベイダー誕生の時のように(あれもフランケンシュタインの怪物へのオマージュだが)仰臥位で寝ているところから徐々に起き上がってくるという演出の方が個人的には好ましかった。

J2の扱いが酷い。こういうロボットとヒューマノイドの中間的な存在は、2030~2040年代には市民生活に間違いなく参加してくる存在だろう。そうしたロボに対する接し方のヒントになるようなものが何一つなかった。同時にAIが人間並みの複雑な感情(つまりは思慕や嫉妬)を持つということについての深掘りもなかった。いみじくもアーカイヴというシステムが示している通り、人間は何らかの刺激に対して適切な反応を返している。たとえば「愛している」と言われたら「私も」と返ってくる、など。AIもこうしたやりとりを学ぶことは可能なはずだ。人間から特定の感情(たとえば愛情)を引き出すように振る舞え、とプログラムされたAIと、人間に対して愛情を持っているAIを区別することは、表面上は困難だろう。ジョージがそうした哲学的な省察を一切行わない点も不満である。

総評

悪くない映画だと思う。人工知能やロボットを主題に据えたSF作品はこれまでに星の数ほど制作されてきたが、今という時代、すなわちAIやロボに関する学問や産業が爆発的な進展を見せる前夜に、このような作品が作られるのは必然だろう。本作の提示する世界観は思考実験にはぴったりである。J1、J2、J3の誰と一緒に暮らしたいかと問われれば、JovianはJ2を選ぶ。また身近な人間でアーカイヴ化できるとしたら、多分、父を選ぶように思う。単純に面白い、つまらないだけではなく、様々なことをリアルに考えさせてくれるSF映画である。

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

~ is my fault

「~は私の責任だ」の意。英語学習者がよくやる間違いの一つに、

This glitch is my responsibility.

この不具合は私の責任です。

というものがある。これだと「責任もって不具合を発生させます」的に聞こえてしまうので注意のこと。日本語で言う責任には、responsibilityとfaultの二つがある。前者は責任者が負うもので、後者は過失のこと。英語でビジネスをしている人はゆめゆめ間違えないように。

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, SF, イギリス, ステイシー・マーティン, テオ・ジェームズ, 監督:ギャビン・ロザリー, 配給会社:カルチュア・パブリッシャーズLeave a Comment on 『 アーカイヴ 』 -低予算SFのアイデア作-

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