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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: アメリカ

『 サイレントヒル 』 -ゲーム原作の王道ホラー-

Posted on 2022年8月14日 by cool-jupiter

サイレントヒル 70点
2022年8月12日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ラダ・ミッチェル ショーン・ビーン ローリー・ホールデン デボラ・カーラ・アンガー
監督:クリストフ・ガンズ

『 マインド・ゲーム 』がずっと借りられっぱなし。『 女神の継承 』の恐怖体験から回復するためにも普通のホラーを観ようと本作をセレクト。

 

あらすじ

娘のシャロンは夢遊病の中でサイレントヒルという地名を口にする。ローズ(ラダ・ミッチェル)はアメリカ・ウエストバージニア州にサイレントヒルという街があることを探り当て、シャロンと共にそこを訪れる。しかし、謎の人影を避けようとしたことで交通事故を起こす。目覚めた時、車内にはシャロンの姿がなかった。ローズはシャロンを探すために、廃墟となったサイレントヒルに立ち入るが・・・

 

ポジティブ・サイド

Jovianはプレーしなかったが、大学寮の先輩や同級生が本作と『 バイオハザード3 』をプレーしていた。なので本作の世界観やキャラは何となく知っている。映画化されたのは知っていたが、観るのはこれが初めてである。

 

まず雰囲気が素晴らしい。序盤、暗い夜のシャロンの奇行。明るい日中のサイレントヒル行きの話。そして切りと煙に包まれたサイレントヒルの昼とも夜とも言い難い空気感がゲームの世界観とマッチしていた。もったいつけずにあっという間にシャロンとローズがサイレントヒルに着くのもスピーディーで良い。

 

シャロンを探すローズと、そのローズとシャロンを探すクリスという二つの視点で物語が進む。内部からサイレントヒルの謎に迫るローズと、外部からシャロンの出自とサイレントヒルの謎に迫るクリス。この二つの軸により、ホラー要素とミステリ要素が程よい塩梅でミックスされている。

 

ゲームに出てくる異形のクリーチャーの再現度も高い。Jovianは上半身も下半身も脚というクリーチャーに震えあがった記憶があるが、腕がない、目がないクリーチャーたちは普通にキモイし怖い。三角頭の再現度も非常に高く、とあるキャラの内臓を引きずりだして殺すシーンは震えた。無駄にセクシーな看護師軍団も怖い。CG的には粗いのだが、元々がPlayStationのゲームなので気にならない。

 

徐々に見えてくる教団、そして”アレッサ”の意図。宗教と政治のつながりが云々される現代日本にとって示唆的な内容とも言える。魔女狩りと称して誰かを裁くことで団結するのは古今東西の世の常だが、それによって疎外される側が思想や行動をより先鋭化させるのも歴史的事実。製作から10年以上経て、単なるホラーゲームの実写化という意味以上の意味を帯びるという、何とも数奇な作品である。

 

ネガティブ・サイド

ベネット巡査とローズの奇妙な関係をもう少し深堀できなかったか。反目し合う二人が、いつしか様々な面で同化するというのはありきたりではあるが、王道でもある。王道ホラーの本作には、そうした王道的人間関係の追求と描写が似合ったはず。またその描写が、石頭のグッチ警部とそれに反発し続けるクリスの関係と鮮やかなコントラストになったのではないかとも思う。

 

ゲームでは無線に雑音が入るとクリーチャーが近くにいるということを示していたが、その演出が序盤にしか使われていなかったのは残念である。ベネット巡査の無線やローズの携帯を適宜に使えば、サスペンスやスリルをもっと盛り上げられる場面はあっただろうと思う。ただ、本作で本当に怖いのは人間なので、クリーチャーの登場と人間の業のバランスを考えると、致し方のない選択だったのかもしれない。

 

総評

これは面白い。グロ描写もあるが、なにより霧と灰に覆われた街、そして血と錆に汚された建物内部がホラー映画の真髄を思わせる。超常的な何かが起きるよりも前の雰囲気がたまらなく良い。個人、ひいては地域や集団を忌避し、疎外してしまうことで起こる悲劇の物語が非常に現代的である。ゲームの世界をちょっとだけ知っているJovianは本作を大いに楽しめた。ゲームのハードコアなファンはいざ知らず、予備知識があまり無い状態で鑑賞しても十分に堪能できるホラー映画だろう。特に現代日本の政治と宗教の汚染された関係を下敷きに本作を鑑賞してみるのも一興ではないだろうか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

sleepwalk

寝ながら歩く、の意。しばしば夢遊病を指す。必ずしも歩く必要はない。Jovianも小学校高学年ぐらいの時に、寝ながらパジャマを脱ぐことが何度もあったらしい。もしも夢遊病があまりにも長く続く、あるいはそのせいで怪我をしたということであれば、早めに受診されたし。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2000年代, B Rank, アメリカ, ショーン・ビーン, デボラ・カーラ・アンガー, ホラー, ラダ・ミッチェル, ローリー・ホールデン, 監督:クリストフ・ガンズ, 配給会社:松竹Leave a Comment on 『 サイレントヒル 』 -ゲーム原作の王道ホラー-

『 トップガン マーヴェリック 』 -IMAX with Laser 鑑賞-

Posted on 2022年8月8日 by cool-jupiter

トップガン マーヴェリック 90点
2022年8月7日 TOHOシネマズ西宮OSにて鑑賞
出演:トム・クルーズ マイルズ・テラー
監督:ジョセフ・コジンスキー

コロナ禍以降、初の実写映画での興行収入100億円超えとのこと。ご祝儀的な意味も込めて、4度目の鑑賞をIMAXレーザーで行うべく隣町へ出向く。

 

あらすじ

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、予定されていたダークスターのテスト飛行がキャンセルされると聞いたが、クルーと共にフライトを強行し、マッハ10を達成する。処罰の対象になるかと思われたマーヴェリックだが、盟友であり提督となったアイスマンの取り計らいにより、トップガンにおいて難関ミッションに挑む若きパイロットたちの教官となる。しかし、そこにはかつての相棒グースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)も加わっており・・・

ポジティブ・サイド

3度目の鑑賞はMX4Dで、4度目の鑑賞はIMAX with Laser。座席が動いて、本当に飛行機で飛んでいるように感じられる4Dも良いが、IMAXはスクリーン自体の大きさ、映像と音響のクリアさが印象に残った。

 

ウォーロックは見れば見るほど良いキャラ。司令官の片腕的存在で、問題児たるマーヴェリックとも目と目で通じ合う仲。各地を転戦した歴戦の勇者なのだろう。イメージ的には漫画『 沈黙の艦隊 』の山中副長、小説『 銀河英雄伝説 』のジークフリード・キルヒアイスのような組織のナンバー2キャラで、Jovianはこういう渋いキャラが大好きである。

 

本作はとことんオッサン泣かせだ。若い世代に立ちはだかり、若い世代を引っ張り、若い世代に疎まれ、若い世代と和解する。この2年間、Jovianの職場では50代がどんどんと消えていき、20代ばかりがどんどんと増えた。畢竟、自分の職場のオッサン度は相対的に上がっていく。色々と教えたり、教えられたりするが、それでも世代間闘争が生じることはある。そうした時に、オッサン(男に限定しているわけではない、念のため。年長者の意味である)にしか解決できない問題は確かにある。だからといって、若い世代のサポートなしにバリバリと働けるわけではない。老兵とまでは行かないが、確実にオッサン化しつつある自分の心の琴線に触れる物語であることは間違いない。

 

某大学の Academic Reading という授業の指定テキスト『 BBC 英語ものがたり 』の教案や試験を作ったが、その書籍内でアメリカ映画、さらには朝鮮戦争やベトナム戦争に関するニュースが英語を変化させ、さらにはグローバル化させたのが詳細に書かれている。本作の影響により、”Talk to me, 〇〇.” という台詞が『 フォレスト・ガンプ/一期一会 』の “Run, Forrest, run.” のように文化的な意味で口語表現に定着していくのではないかと感じた。それだけの影響力を本国アメリカにも、その他の国にも与えるだけのインパクトが本作にはあると感じる。

ネガティブ・サイド

観るほどに誤訳というか、不適切な訳が目につく。戸田奈津子御大の衰えには目を覆うばかりである。

 

マーヴェリックが空母艦内でチームメンバーを発表する前に言う “It’s been an honor flying with you.” = 一緒に飛べて光栄だ、は「飛べて」の時制が日本語では不明確。「これまでの訓練に感謝する」で良い。

 

また、今生の別れを予感させる出撃直前のマーヴェリックにホンドが言う ”It’s been an honor.” = 名誉に思います、も同様。「素晴らしい日々でした」とか、なにか過去から現在までを包括するような表現が求められる。特に、ホンドは3年前の不祥事による砂漠送りからの仲だったはずで。そうした過去にも思いを馳せられるような訳出がなされるべきだった。

 

総評

TOHOシネマズ西宮OSは、朝の9:00から恐ろしいほどの人出だった。そのうちのかなりの人数が本作の鑑賞に来ていた。それも、高校生同士や20~30代と思しきカップル、オッサン一人だけ、あるいは高齢夫婦など、実に多種多様な客が劇場に詰め掛けていた。もちろん、興収100億突破というニュースそれ自体が大いなる宣伝になっているのだろうが、それ以上に劇場に客を呼ぶ力を本作が持っていることが大きい。そしてその力がオッサン以外にも届いていることが嬉しい。コロナ禍は続いているが、マナーを守った劇場鑑賞で感染対策と経済活動を両立させようではないか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

learn a thing or two

直訳すれば「一つのこと、または二つのことを学ぶ」だが、実際はそれなりの知識・情報・経験などを学ぶことを意味する。劇中では下限高度の修正を文書で申し出たマーヴェリックに “You could learn a thing or two about timing.” = 「もうちょっとタイミングというものを学びたまえ」のように言っていた。tell someone a thing or two という形で使うこともあるが、この場合は「小言を言う」の意。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, S Rank, アクション, アメリカ, トム・クルーズ, マイルズ・テラー, 監督:ジョセフ・コジンスキー, 配給会社:東和ピクチャーズLeave a Comment on 『 トップガン マーヴェリック 』 -IMAX with Laser 鑑賞-

『 ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 』 -広げすぎた風呂敷を畳めず-

Posted on 2022年7月31日2022年7月31日 by cool-jupiter

ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 20点
2022年7月30日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:クリス・プラット ブライス・ダラス・ハワード サム・ニール ローラ・ダーン ジェフ・ゴールドブラム イザベラ・サーモン
監督:コリン・トレボロウ

 

『 ジュラシック・ワールド 炎の王国 』で、広げまくった風呂敷をどう畳むのか。関心はそこだったが、製作陣は見事に回避。さらに『 ジュラシック・パーク 』から連綿と続いてきたメッセージもあっさりと放棄。これは一種の詐欺商法ではないのか。

あらすじ

恐竜たちが解き放たれた世界。オーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、クローン少女であるメイジー(イザベラ・サーモン)を守りながら暮らしていた。しかし、そのメイジーがオーウェンの盟友ラプトルのブルーの子と共に謎の男たちに誘拐される。オーウェンとクレアは救出に動き出す。一方、アメリカの穀倉地帯に出現した謎の巨大イナゴを追うサトラー博士(ローラ・ダーン)は、旧知のグラント博士(サム・ニール)と共にバイオシン社を訪れて・・・

 

ポジティブ・サイド

しっかり騙されてしまったというか、乗せられているなと感じるが、やはり『 ジュラシック・パーク 』の面々が集まると、高校生の頃に劇場で鑑賞した時の気持ちが蘇ってくる。『 スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒 』でキャリー・フィッシャーやハリソン・フォード、マーク・ハミルと再会した時のような感傷や、『 トップガン マーヴェリック 』でマーヴェリックと再会した時の感覚に近い。まあ、自分がそれだけオッサンになったということか。

 

パラサウロロフスのような、何とか象レベルで捉えられそうな恐竜から、ギガノトサウルスのような象をおやつに食べそうな化け物に、某大学の教科書に出てきたばかりのケツァルコアトルスなど、新しいモンスターたちはどれもこれも eye-candy だった。羽毛をまとった恐竜の姿も、NHKではなくハリウッド水準のCGで観られたのにも満足。

 

初代の裏切りデブを彷彿させるモブキャラに、発煙筒のシーンの完全オマージュなど、良い意味で壮大なシリーズのフィナーレを飾るにふさわしい ”演出” の数々が堪能できた。

以下、ネタバレあり

 

ネガティブ・サイド

新旧キャラが勢揃いするのは確かに壮観だが、逆に絶対に死なないキャラが増えるということをも意味する。それはストーリーから緊張感を奪い去る。毀誉褒貶の激しい『 スター・ウォーズ 』の新三部作(Jovianは賛の立場)では、旧作のキャラの死亡(役者本人の死亡もあったが)や離脱が相次いだ。これは観る側にかなりの衝撃を与えた。だが本作にはそうした緊張感は一切なし。バイクやクルマのアクションがスリリングだとは感じたが、それはその他多くの映画で何百回と観たやつである。

 

思ったよりも翼竜や首長竜、魚竜が活躍しなかったのはCG予算の限界なのか、アイデア不足なのか。代わりにイナゴネタとは・・・。劇中のデブが言及していたように、聖書の『 出エジプト記 』のビジョンなのだろうが、ここに来て恐竜以外の生き物を持ってくるか?

 

我々が観たかったのは『 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 』的な世界の続きである。

 

“So, you’d want to make Godzilla our pet?“
「ゴジラを我々のペットにするということかな?」

“No. We will be his.”
「違う。我々が彼のペットになるのだ」

 

という世界観である。それこそが取りも直さず、第一作のアラン・グラント博士の

 

Look… Dinosaurs and man, two species separated by 65 million years of evolution have just been suddenly thrown back into the mix together. How can we possibly have the slightest idea what to expect?

 

という疑問への答えだったはずである。バイオシン=Biosyn=Bio Sin = 生物学の罪。それこそがシリーズが描いてきたものだ。科学には侵してはならない領域があるのだ。そこにコミットしてしまった過去の作品では、すべて人間が痛い目を見ている。本作はその集大成=人間が転落し、恐竜が生態系の頂点に君臨する世界を描くべきだったのに・・・どうしてこうなった。

 

シャーロットのクローンであるメイジーのドラマも拍子抜け。コロナ禍で公開が遅れる不運があったとはいえ、自分の細胞から卵子と精子を作って、それを掛け合わせてマウスが日本で作出されたというのは大きなニュースになった。現実がクローンを通り越して、小説『 リング 』の貞子的な領域に到達してしまった以上、シャーロットのアイデンティティを巡る物語も盛り上がりに欠けてしまう。

 

ヘンリー・ウー博士によるイナゴの遺伝子書き換えにも開いた口が塞がらない。イアン・マルコムを二十数年ぶりに引っ張り出してきたのは、”Life will find a way.” と再度言わせるためではなかったのか。人間が小賢しい真似をしても生命は必ずそれを回避してしまう、というのがジュラシック・シリーズが繰り返し発してきたメッセージではなかったのか。なんで今回は上手く行くことになっているのか?もうこれでロシアによるウクライナ戦争の影響以上のダメージが穀物およびその他の農作物に与えられるのは必定ではないか。何が描きたいんや・・・

 

最後の最後に恐竜、翼竜、首長竜に魚竜までが世界中の生き物と見事に平和裡に共存・・・って、そんなわけあるかーーーー!!!そうした世界を描くなら、恐竜が文明世界を大破壊して、人間も他の動植物も捕食しまくって、生態系の頂点に立った。そこで各種の生き物がしかるべきバランスの中に落ち着いて、恐竜たちも現代の生き物たちと調和(≠共生)して生きるようになった、という世界像をこそ提示すべきだろう。何から何までアメリカ的御都合主義と言うか、白人帝国主義的と言うか、これっぽっちの理解も共感もできない締め括られ方だった。『 ジュラシック・パーク 』だけで終わっておけば、伝説的な作品として22世紀まで残っただろうに。

総評

ハッキリ言って駄作。常にキャラがしゃべりまくり、常に効果音とBGMが鳴り続け、精巧ではあるが現実的な質感に欠けるCG恐竜が画面を覆いつくすばかりの作品。アメリカ人的には大受けするのだろうか。東洋的な世界観からずれまくった思想を一方的に開陳されても、どう受け止めて良いのか分からない。これがアメリカ的な多様性や共生の見本なのだろうか。劇場のお客さんの表情は満足と困惑の半々ぐらいに映った。個人的にはクソ映画・オブ・ザ・イヤー候補を観てしまった、という気持ちである。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Sorry, no lessons. I want to forget about this CGI shitfest as quickly as possible.

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, E Rank, SF, アクション, アメリカ, イザベラ・サーモン, クリス・プラット, ブライス・ダラス・ハワード, 監督:コリン・トレボロウ, 配給会社:東宝東和Leave a Comment on 『 ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 』 -広げすぎた風呂敷を畳めず-

『 ソー ラブ&サンダー 』 -シリーズ疲れが顕著-

Posted on 2022年7月19日 by cool-jupiter

ソー ラブ&サンダー 40点
2022年7月16日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:クリス・ヘムズワース ナタリー・ポートマン クリスチャン・ベール
監督:タイカ・ワイティティ

元同僚カナダ人が「期待できない。DVDまで待つ」というので、嫁さんと劇場へ。うーむ、MCU全般に言えることだが、franchise fatigue = シリーズ疲れが深刻であるように思う。

 

あらすじ

積極的に闘うことから身を引いたソー(クリス・ヘムズワース)は、神殺しの剣・ネクロソードを持つゴア(クリスチャン・ベール)が銀河の各地の星々で神を殺しまわっていることを知る。遂にゴアと闘うことになったソーの前に、かつての恋人ジェーン・フォスター(ナタリー・ポートマン)がムジョルニアを携えて現れ・・・

ポジティブ・サイド

MCU特有のマシンガントークは健在。スター・ロードとソーの掛け合いは面白いし、肥満体からのリカバリーや、自分探しの旅、さらには求められなければ闘わないという、中二病的な思考回路も、ソーというキャラクターに親近感を抱かせる要素になっている。

 

キャプテン・アメリカに奪われ(?)、ヘラに粉砕されたムジョルニアが今作では復活。しかし、持ち主はナタリー・ポートマン。そのナタリー・ポートマンとソーとの、燃え上がりそうで燃え上がらない焼け木杭には、イライラさせられつつも、成熟した大人同士の距離感を教えられた気もする。そう、これはアホな男子のノリのまま生きてきたソーが、一人前の大人になる一種のビルドゥングスロマンなのだ。

 

ソーがストーム・ブレイカーに浮気し、ムジョルニアをほったらかしにしてしまったことを何度も詫びるシーンには笑ってしまう。今の女より昔の女を大切にしようとするとどうなるか、男性諸賢は本作を教訓にされたし。

以下、少々ネタバレあり

 

ネガティブ・サイド

残念ながらアクションに観るべきものなし。ナタリー・ポートマンがマイティ・ソーになっても、アクションそのものはこれまでのソー映画のそれと変わり映えしない。そこで、今回はゼウスの武器であるキンキラキンの変な武器も簒奪。けれど、何をしたところで Marvel 映画のアクションはどん詰まりに来ていると感じる。ひたすらに肉弾戦で全てを破壊するハルクだけは、シリーズがどれだけ進んでも爽快感あるバトルシーンを提供してくれそうだが、ハルクはもうお役御免。

 

閑話休題。本作はタイカ・ワイティティ監督の演出と波長が合うかどうかで、印象がガラリと変わるのだろう。『 ジョジョ・ラビット 』のように、コメディとして始まり、シリアスなヒューマンドラマに変貌していく物語はお手のものなのかもしれないが、コメディとシリアスなドラマを共存させるのは不得手なのかもしれない。熱心な信徒だったゴアが、神そのものの傲岸不遜さに触れて棄教し、自らが神殺しになってしまうというのは、これ以上ないシリアスなドラマのはずだ。特にアメリカからすれば、自らが信じてきた国家観が過去数十年で大きく揺らいできた。湾岸戦争へのアメリカ参戦のきっかけは在米クウェート人のお芝居だったし、『 モーリタニアン 黒塗りの記録 』など、国家による茶番劇はドンドンと明るみに出ている。この「信じていたものに裏切られる」というゴア側の視点が本作では致命的に欠けているように思う。この「何を信じていいのか」という不信感を、「やっぱり信じられるヒーローがいる!」というカタルシスに持っていくための仕掛けが本作にはない。観終わって最も印象に残ったのは、コメディとシリアスのアンバランスな配合具合だった。

 

序盤にプレゼントされる巨大ヤギもギャーギャーうるさい。これはあれか?土着の民族からの贈り物は野蛮極まりないという意識の表れ?このヤギの意味がちょっと分からなかった。

 

Jovianが忘れているだけかもしれないが、序盤に出てきていたジェーンの友達はドラマの人物?『 ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス 』もそうだったが、映画鑑賞の前提にドラマ視聴を持ってこないでほしい。観たいのは映画であって、ドラマではないという層も一定数いることを作り手は意識してほしい(などとディズニーに言っても無駄だとは分かっている)。

 

エンドロール後に次回作が示唆されているが、さすがにもう食傷気味。ソーがヘラクレスとの壮絶な一騎打ちに敗れて、ヴァルハラでジェーンと live happily ever after でシリーズのフィナーレにしてくれてええよ。

 

総評

駄作ではないが、取り立てて褒めるべきところもない作品。少々嫌味な言い方をさせてもらえば、よくできたミュージックビデオのようだ。そして、それで成功したのが『 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 』だった。が、こちらとしては「それはもう観た」としか感じない。MCU全体に言えることだが、サノスを失ってから、物語の軸がはっきりしない。そろそろこの Marvel というフランチャイズそのものから離脱する頃合いか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

give or take ~

 

直訳すれば「与える、または取る」だが、実際の意味は「誤差は~ぐらいで」、「~ぐらいの増減ありで」のような意味となる。

I think he is about 45 years old, give or take one or two years.
彼は45歳ぐらいだと思う、誤差はあっても1~2歳。

The year’s revenue will be a hundred million yen, give or take a few million yen.
今年の収益予想は1億円で、そこから数百万円増減することもあります。 

のように使う。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アクション, アメリカ, クリス・ヘムズワース, クリスチャン・ベール, コメディ, ナタリー・ポートマン, 監督:タイカ・ワイティティ, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 ソー ラブ&サンダー 』 -シリーズ疲れが顕著-

『 トップガン マーヴェリック 』 -MX4D鑑賞-

Posted on 2022年6月28日2022年12月31日 by cool-jupiter

トップガン マーヴェリック 90点
2022年6月25日 TOHOシネマズなんばにて鑑賞
出演:トム・クルーズ マイルズ・テラー
監督:ジョセフ・コジンスキー

 

『 トップガン マーヴェリック 』の感想で「なぜ4DXやMX4D上映は日本語吹き替えばかりなのか。航空業界の Lingua Franca は英語と決まっているのだが」と書いたところ、6月中旬から字幕版でも4DXやMX4Dが楽しめるようになった。言ってみるものである。

あらすじ

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、予定されていたダークスターのテスト飛行がキャンセルされると聞いたが、クルーと共にフライトを強行し、マッハ10を達成する。処罰の対象になるかと思われたマーヴェリックだが、盟友であり提督となったアイスマンの取り計らいにより、トップガンにおいて難関ミッションに挑む若きパイロットたちの教官となる。しかし、そこにはかつての相棒グースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)も加わっており・・・

 

ポジティブ・サイド

冒頭、”Danger Zone” と共に空母から艦載機がどんどん発艦していくシーンから、浮遊感を存分に味わえたし、KAWASAKIのバイクの疾走感も感じられた。マーヴェリックとひよっこ連中との模擬空戦や、trench run や popping up のトレーニングなどでも Four Dimensional な感覚を与えてくれる4DXは本作との相性が特に良かったと感じる。映画の世界ではカーアクションがお馴染みだが、あれは二次元機動。飛行機、特に戦闘機のように高速で激しく三次元機動するような映画は数少ないが、そうした作品は今後も4DXやMX4Dで公開してほしい。

 

一部でミュージックビデオを揶揄された前作『 トップガン 』であるが、本作は前作へのオマージュをふんだんに取り込んでいる。前作で二度聞かれた “Take me to bed, or lose me forever.” =「ベッドに連れて行って、そうじゃないとあなたとは永遠にお別れよ」と対を成すかのように、マーヴェリックがアイスマンに “I could lose him forever.” =ルースターを永遠に失ってしまうかもしれない、と吐露するシーンは素晴らしかった。ビーチバレーとビーチアメフトの対比は目立つが、もっとさり気ないところで前作へのオマージュを示している点が非常に好ましい。 

 

他にもハングマンがバーでルースターに突っかかっていくシーンで “I love this song!” =「この曲、最高だな!」と言い放つ時にかかっているのが “Slow Ride” で、これがそのままルースターの慎重な姿勢、さらにトレーニングでもスローペースで飛んでしまうことの伏線になっていた。

 

劇場はかなりの入りで、20代くらいのカップルが目立った。デートムービーとして重宝されているということだろう。時間とお金に余裕があれば、一度は本作を4Dで鑑賞されたし。

ネガティブ・サイド

戸田奈津子氏の字幕翻訳にはやはりいくつか疑問が残る。

 

ハングマンの言う “In this mission, a man flies like Maverick or a man doesn’t come back. No offense intended.” =「このミッションでは、マーヴェリックのように飛ぶ男じゃないと生還できない。(フェニックスを見ながら)悪気があって言ったわけじゃない」というのが本当のところ。字幕では No offense intended = 「偉そうかな」になっていた。ハングマンは、ウォーロックがマーヴェリックを紹介する前に “the best men and women …” と言ったところでもフェニックスをちらりと見て「女は一人だけなのに、women だってよ」みたいな目つきをしていた。そういったところを踏まえて、No offense intended はもっと直截的に「おっと、女性もいたっけ」のような皮肉にすべきだった。

 

ルースターの言う ”Talk to me, dad.” =「助けて、父さん」という訳もいかがなものか。もっとマーヴェリックに合わせて「やるぞ、父さん」とか思いっきり意訳して「父さんの声が聞こえた」とかでも良かったのでは?

 

総評

アースシネマズ姫路で視野270度の3面マルチプロジェクション上映を行っているが、吹き替えらしい。何故だ?航空業界の Lingua Franca は英語と相場が決まっている。尼崎市民のJovianは姫路に赴くのにやぶさかではない。劇場や配給会社の賢明なる判断を期待したい。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

level the playing field

「競技場を平らにする」というのが直訳だが、実際の意味は「競争の条件が等しくなる」ということ。

YouTube has leveled the playing field for all the video creators.
ユーチューブによって、すべての動画制作者は等しい条件で勝負できるようになった。

のような使い方をする。

 

現在、【英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー】に徐々に引っ越し中です。こちらのサイトの更新をストップすることは当面はありません。

I am now slowly phasing over to https://jovianreviews.com. This site will continue to be updated on a regular basis for the time being.

Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2020年代, S Rank, アクション, アメリカ, トム・クルーズ, ヒューマンドラマ, マイルズ・テラー, 監督:ジョセフ・コジンスキー, 配給会社:東和ピクチャーズ『 トップガン マーヴェリック 』 -MX4D鑑賞- への4件のコメント

『 トップガン マーヴェリック 』 -劇場再鑑賞-

Posted on 2022年6月5日2022年12月31日 by cool-jupiter

トップガン マーヴェリック 90点
2022年6月4日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:トム・クルーズ マイルズ・テラー
監督:ジョセフ・コジンスキー

また観てしまった。会社でも40代~50代のオッサン連中(日本人&外国人)から「観てきたぜ!」のと報告が相次いでいる。「当時はみんな、レザージャケットを着てKAWASAKIのバイクに乗っていた」と懐古する声が特に印象に残った。会社でも世間でも本作の評判は上々のようである。

 

あらすじ

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、予定されていたダークスターのテスト飛行がキャンセルされると聞いたが、クルーと共にフライトを強行し、マッハ10を達成する。処罰の対象になるかと思われたマーヴェリックだが、盟友であり提督となったアイスマンの取り計らいにより、トップガンにおいて難関ミッションに挑む若きパイロットたちの教官となる。しかし、そこにはかつての相棒グースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)も加わっており・・・

以下、ネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

トップガン・アンセムからの『 Danger Zone 』+空母から発艦していくF-18だけで、この世界に吸い込まれていく感覚は2度目の鑑賞でも健在。やはり『 スター・ウォーズ 』のオープニング・タイトル映像+ジョン・ウィリアムズのテーマ音楽に匹敵する力を感じた。

 

前作でも戦闘機の疾走感は存分に味わえたが、今作の工夫として大空ではなく低空を飛行するシーンをかなり多めに使うことが挙げられる。これにより景色が流れていくのを目にすることができ、戦闘機の常識外れのスピードを視覚で直接的に体験することができるようになった。Gを感じることはできないが、爽快感は確実に感じられる。

 

初回鑑賞時に見誤っていたのが、ミッション遂行時の条件。最高高度100フィート、最低速度660ノット/時だった。ゲームのAce Combatでこれをやれと言われても無理である。特にハイGクライムからの背面ダイブ、そして精密爆撃からの再度のハイGクライムはメビウス1やサイファーでも不可能に思える。だからこそ、それをシミュレーションでも本番でもやってのけるマーヴェリックに痺れてしまう。

 

ロシアが仮想敵国として描かれているが、コロナによって上映が2年以上遅れ、プーチンがウクライナへ侵攻したことで、本作の持つ意味が偶然にも大きくなった。「抜かずの剣こそ我らの誇り」とは漫画『 ファントム無頼 』の神田の台詞だが、抜かないからといって剣をなまくらにしておいてよい理由はない。マーヴェリックは米海軍のパイロットでトップガンの教官だが、日本の自衛隊の飛行教導群にもマーヴェリックのような凄腕パイロットはいるはずなのだ。日本はロシア、中国、北朝鮮と覇権主義あるいは先軍主義の国に面しており、地政学的に高い防衛力を要求される国である。平和を脅かす真似をするから先制攻撃・・・という考え方には素直に首肯はできかねるが、平和を維持するためには膨大なエネルギーが必要である。

 

コロナ禍によってエッセンシャル・ワーカーという存在が初めて可視化された。ロシアのウクライナ侵攻によって、我々が気付いていないところで平和の維持に従事する人間がいるのだということが本作によって多くの人によって意識されることと思う。しかし、ゆめゆめ本作のメッセージを誤って受け取ることなかれ。マーヴェリックが望むのは、愛する人と共に平和な空を飛ぶことである。決して撃墜王になることではない。

ネガティブ・サイド

映画そのものの出来とは無関係なこと2つ。

 

なぜ4DXやMX4D上映は日本語吹き替えばかりなのか。航空業界の Lingua Franca は英語と決まっているのだが。

 

ハングマンが言われる、あるいは言う “You look good.” や I’m good.” の「調子が良い」というのは誤訳だと思われる。ニュアンスとしては「良い腕してる」の方が近いはず。最後に颯爽と現れて絶体絶命のマーヴェリックとルースターを助けたところで、フェニックスが  “Hangman is good, but Mav is better.” みたいなことを言っていたことから、調子ではなく腕前と解釈すべきだろう。

 

総評

さすがにプロットが全部わかったうえで鑑賞すると、初回の興奮は消えてしまう。しかし逆に本作の映像的に優れた面により集中して鑑賞することができたように思う。すまじきものは宮仕えと言うが、サラリーマン社会よりも遥かに厳しい軍隊において、自分の美学=仲間を見捨てない、死なせないという思いを貫くマーヴェリックに、勇気をもらうオッサン連中は多いはず。さあ、オッサンたちよ。初回を一人で鑑賞したなら、次は前作を配信やレンタルで家族鑑賞だ。そして本作を家族で劇場鑑賞しようではないか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

at the request of ~

「~のリクエストによって」の意。劇中では “You are here at the request of Admiral Kazansky, a.k.a. Iceman.” という形で使われていた。ネット掲示板ではしょっちゅう、This post was deleted at the request of the original poster. という風にも使われている。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, S Rank, アクション, アメリカ, トム・クルーズ, ヒューマンドラマ, マイルズ・テラー, 監督:ジョセフ・コジンスキー, 配給会社:東和ピクチャーズLeave a Comment on 『 トップガン マーヴェリック 』 -劇場再鑑賞-

『 ザ・スイッチ 』 -コメディ・ホラーの良作-

Posted on 2022年6月5日 by cool-jupiter

ザ・スイッチ 70点
2022年6月1日 レンタルBlu rayにて鑑賞
出演:ヴィンス・ヴォーン キャスリン・ニュートン
監督:クリストファー・ランドン

公開時、MOVIXあまがさきで見逃してしまった作品。コメディ色の強いヴィンス・ヴォーンが殺人鬼・・・ではなく殺人鬼の体に乗り移った女子高生を演じる。この設定だけで惹きつけられるではないか。

 

あらすじ

冴えない女子高生ミリー(キャスリン・ニュートン)は、ホームカミングの夜に伝説の殺人鬼ブッチャー(ヴィンス・ヴォーン)に襲われる。しかし、不思議な短剣がミリーの肩に突き立てられた瞬間、二人の体が入れ替わってしまい・・・

 

ポジティブ・サイド

冒頭から夏恒例の糞ホラー映画そのままの展開。酒を飲みながら怪談に興じ、セックスに耽る。これは100%死ぬサインである。ここでの殺しのシーンもなかなかグロテスクで見応えがある。内気な少女が運悪く連続殺人鬼に襲われるところまではあらすじにある通りだが、そこに至るまでにミリーの家族関係、学校での人間関係、そして物語上の重要な伏線の全てが無理なく詰め込まれている。なかなか練られた脚本である。

 

入れ替わり後は、ミリーのパートはホラーに、ブッチャーのパートはコメディとなる。ここでの主役二人の演技は見物である。見る者すべてを獲物として捉えるサイコパスの目をしたミリーは、あらゆる場面で惨劇の予感をもたらす。一方で巨大中年殺人鬼のブッチャーは、その表情、しゃべり、所作、立ち居振る舞いの全てが女子校生で、その一挙手一投足に笑ってしまう。この入れ替わってしまった二人が元に戻るためにスラップスティック・コメディとスプラッター・ホラー的な展開が同時進行するというところが独特で秀逸。特にブッチャーの体に入ってしまったミリー/ブッチャーが、親友のナイラとジョシュに自分こそがミリーだと信じてもらうために奮闘する一連の流れには笑わずにはいられない。一方で、ブッチャー/ミリーが気に食わない教師を殺害するシーンは、まさに『 13日の金曜日 』。

 

24時間以内に儀式を行わないと、両者の魂は入れ替わったまま。儀式のために奮闘するミリー/ブッチャーとナイラ、ジョシュの3人と、その周囲の人間も巻き込んで物語は加速する。友情あり、恋愛あり、見失っていた家族愛の再発見ありと、これでもかと詰め込みつつも、軽妙なテンポで物語は進んでいく。序盤のちょっとした一言が大きな伏線になっているなど芸も細かい。最後の最後まで観る側を飽きさせはしないぞ、というサービス精神も嬉しい。

 

設定だけで勝負しているように見せて、さにあらず。ヴィンス・ヴォーンは思いっきり女子校生になりきっているし、キャスリン・ニュートンはシリアルキラーが憑依したかのような鬼気迫る演技を見せる。映画を良作にするのは、脚本と演技の両方だなとあらためて得心した。

 

ネガティブ・サイド

冒頭以外の殺害シーンにゴア要素が足りない。いけ好かない技術の教師をブッチャー/ミリーが殺すシーンは、それこそ精巧な人体模型を作って撮影してほしかった。『 ザ・ハント 』のような低予算映画でも内臓やら血しぶきやらが飛び散るシーンには力を入れていたのだから、本作でも頑張って欲しかった。パーティーの裏で殺される男子3人も同様。あまりやりすぎると、ミリーがミリーの体に戻った時にピンチに陥ってしまうのは分かるが、そんなことまで気にする視聴者はいない。

 

終盤でダンス・パーティーが中止にされてしまうが「廃工場でやればいい」というブッチャー/ミリーのアイデアにまるで全校生徒が乗ったのかというぐらいに人が集まったが、あれだと兄弟姉妹や友人などを通じて一発で親や警察にばれるだろう。魂の入れ替わりという非現実な設定のためにも、その他のプロットは極力現実的にすべきだった。

 

総評

コロナ禍の最中に劇場公開されたホラー映画という点で『 ウィッチサマー 』と重なるが、完成度はこちらの方がはるかに上。ゴアに課題を残すも、ティーンの友情や家族愛もしっかり描写されるし、若い男女の淡い恋愛を、少年と中年オヤジの形で描いてしまうのには、笑ってしまいつつも感動してしまう。コメディ色が薄れつつあった近年のヴィンス・ヴォーンが原点に立ち返った面白コメディである。冒頭の血みどろの殺人シーンさえクリアできれば、ティーンの友情物語を堪能できるだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Que Será, Será

What will be, will be. の意。英語スペイン語とでも言おうか。意味としては「なるようになる」で ”Let it be” に近い。元々のスペイン語にはない表現。その意味では『 ターミネーター2 』の ”No problemo” 的であるとも言える。「ケセラセラ」自体は日本語にもなっているはずだが、大学生ぐらいの若者にはまったく通じない。これは世代のせいなのか、それとも時代のせいなのか。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, B Rank, アメリカ, ヴィンス・ヴォーン, キャスリン・ニュートン, コメディ, ホラー, 監督:クリストファー・ランドン, 配給会社:東宝東和Leave a Comment on 『 ザ・スイッチ 』 -コメディ・ホラーの良作-

『 トップガン マーヴェリック 』 -The sky is the limit-

Posted on 2022年5月29日2022年12月31日 by cool-jupiter

トップガン マーヴェリック 90点
2022年5月28日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:トム・クルーズ マイルズ・テラー
監督:ジョセフ・コジンスキー

 

『 トップガン 』の続編。待ちに待たされた作品だが、This film is worth the wait! 前作の世界観を見事に受け継ぎ、人間ドラマとエンタメ性を高いレベルで融合させた。今年のベストと言っていいだろう。

あらすじ

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、予定されていたダークスターのテスト飛行がキャンセルされると聞いたが、クルーと共にフライトを強行し、マッハ10を達成する。処罰の対象になるかと思われたマーヴェリックだが、盟友であり提督となったアイスマンの取り計らいにより、トップガンにおいて難関ミッションに挑む若きパイロットたちの教官となる。しかし、そこにはかつての相棒グースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)も加わっており・・・

 

以下、軽微なネタバレあり

ポジティブ・サイド

オープニングからF-18が空母から発艦していく圧巻の映像、それと共に流れる『 トップガン・アンセム 』が郷愁を誘いつつ飛翔も予感させる。そしてケニー・ロギンスの “Danger Zone” で一気に大空へと舞い上がる。これによって『 トップガン 』の世界が一挙に再構築された。『 スター・ウォーズ 』もテーマ音楽だけで一気にその世界に引き込まれるが、『 トップガン 』にもその力がある。また『 スター・ウォーズ 』同様に効果音も脳に刻み付けられている。一時期、”You can’t hear a picture” というミームが流行ったが、映像だけで戦闘機のエンジン音や滑空音が脳内で再生されるというトップガンのファンは多いのではないだろうか。

 

前作へのオマージュを随所にちりばめつつ、現代的な視点も盛り込まれている。ゲーム『 エースコンバット7 スカイズ・アンノウン 』が本作とのコラボ機体をリリースしたのは2019年だったが、思えばよくも待ったものである。ゲームと同じく現実世界でもドローンによる戦争が行われるようになってしまったが、それは取りも直さず人間が航空機に乗り込んでの操縦は不要になることを意味する。つまりパイロットはお払い箱である。そのことは『 エースコンバット6 解放への戦火 』や『 エースコンバット7 スカイズ・アンノウン 』といったゲームでもしきりに言及されていた。その人間不要論を見事に打ち破ったのが本作だと言える。

 

まず、トップガンが挑むミッションがまんまフライトシミュレーターのゲームのミッションそのものである。いや、ある意味ではゲームよりも難易度が高いミッションだろう。Jovianが一時期ハマっていた Ace Combat シリーズは渓谷などの狭いエリアを飛ぶ ミッションが恒例だったが、ゲームでこれをやれと言われても ( ゚Д゚)ハァ? と反応するだろう。下限速度が時速400ノットで上限高度が1000フィート、そして高G加速で山肌に沿って上昇し、背面飛行で下降に転じ、施設を精密爆撃せよというのだから。マスコミあるいは映画評論家は、ぜひ航空自衛隊、できればブルーインパルスのパイロットにこのミッションが達成可能かどうか尋ねてほしい。おそらく答えは否だろう。実際にトップガンの面々もバンバン Mission Failed を連発する。最早このミッションそのものがダメかと思われたところで、マーヴェリックが実演でミッションは achievable と証明するシークエンスは最高に痺れた。 

 

そこまでの過程でグースの息子、テラーとの確執も丹念に描かれる。マーヴェリックは序盤から何度か “Talk to me, Goose.” という例のセリフを口にするが、別離から30年を経てもグースが心の中にいることを観る側にしっかりと伝えてくる。息子のルースターがバーのピアノで “Great Balls of Fire” を熱唱するシーンには我あらず涙ぐんでしまった。こんな単純な演出で泣けてしまうとは、Jovianも年を取ったのかねえ・・・ 二人の間の因縁、そこに込められたマーヴェリックの思いの深さは、そのままグースが愛した者への思いの深さになっている。  

 

いざミッションへと飛び立つトップガンの面々。だが、ルースターは逡巡してしまう。まるで前作のマーヴェリックのように。しかし、やはりパイロットを奮い立たせるのは機体の性能ではなく人間の思いなのだということを、本作はここでも高らかに宣言する。ミッションを成功させ、いざ離脱という時に前作同様の悲劇が隊を襲う。マーヴェリックが文字通りに体を張ってルースターを救うシーンにも、やはり涙ぐんでしまった。なぜ自分はこんなに涙もろくなってしまったのか。そこから続く『 エネミー・ライン 』的な展開では「なんでそこにF-14があるの?」とは思ってしまうが、鹵獲された機体を分析・調査するためだと納得した。

 

最終盤のドッグファイトは前作以上の大迫力。 “It’s not the plane, it’s the pilot.” = 「大事なのは機体じゃない、パイロットなんだ」とマーヴェリックを鼓舞するルースターに胸アツにならずにいられようか。普通に考えれば1980年代のクルマと2010年代のクルマ、もしくは1980年代のコンピュータと2010年代のコンピュータで性能を比較すれば前者は絶対に後者に勝てない。実際にマーヴェリックの十八番であるコブラからのオーバーシュート戦法を上回る、クルビット機動でのミサイル回避を披露する敵側の第5世代戦闘機(まあ、Su-57だろう)を相手にド迫力の空戦が繰り広げられる。手に汗握るとはまさにこのこと。自動運転車や無人機が主流になっていく世の流れは変えられないが、それでも “But not today.” と言い切るマーヴェリックの姿に、人間の誇り、尊厳とは何であるのかを教えられた。紛れもない大傑作である。 

ネガティブ・サイド

チャーリーが出てこなかったのは何故なのか、ギャラで折り合わなかったのか。『 クリード 炎の宿敵 』でもブリジット・ニールセンを三十数年ぶりに出演させたことがドラマを一段と盛り上げた。ヴァル・キルマーだけではなくケリー・マクギリスも必要だった。

 

総評

文句なしの傑作である。オリジナルからの続編のクオリティの高さという点では『 エイリアン 』、『 エイリアン2 』に勝るとも劣らない。カメラワークなどは前作よりも進化しており、Jovianの前の座席に座っていた年配女性たちは「ホンマに自分でも飛んでるみたいやったわ」と感想を言い合っていた。劇場の入りは8割ほどで、年配組が多かったように見受けられたが、若い観客もそれなりにいた。ぜひ前作を鑑賞の上、トム・クルーズの雄姿をその目に焼き付けてほしい。そして人間不要となりつつある世の流れに雄々しく抗う人間ドラマ、人間賛歌を多くの人に味わっていただきたいと思う。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

I’ll give you that.

この that はひとつ前の言葉の内容を指す。

A: ”Let’s study in the library.” 
B: “That’s a good idea.”

の that と同じ。実際の用例としては、

You’re a good tennis player. I’ll give you that. 
君は良いテニス選手だ、認めよう。

のように「~を認めよう」のような意味になる。相手は you に限らない。They are formidable fighter pilots. I’ll give them that. = 「あいつらは手ごわい戦闘機乗りだ、それは認めよう」のようにも言える。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, S Rank, アクション, アメリカ, トム・クルーズ, ヒューマンドラマ, マイルズ・テラー, 監督:ジョセフ・コジンスキー, 配給会社:東和ピクチャーズ『 トップガン マーヴェリック 』 -The sky is the limit- への4件のコメント

『 ザ・メッセージ 』 -B級SF作品-

Posted on 2022年5月20日 by cool-jupiter

ザ・メッセージ 60点
2022年5月18日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ベラ・ソーン リチャード・ハーモン
監督:スコット・スピア

近所のTSUTAYAで目についたので準新作をレンタル。塚口サンサン劇場で『 スターフィッシュ 』のポスターを見て「おお、DVD出てるやんけ」と勘違いして借りてしまった。『 ステータス・アップデート 』と『 ミッドナイト ・サン タイヨウのうた 』のスコット・スピア監督作品だったではないか。

 

あらすじ

シカゴで起きた事故により、世界には残存者と呼ばれる亡霊が存在するようになった。ロニー(ベラ・ソーン)は自宅の浴室の鏡に謎の残存者が「逃げろ」というメッセージを残すところを目撃する。ロニーは転校生のカーク(リチャード・ハーモン)と共に残存者の謎の解明に乗り出すが・・・

 

ポジティブ・サイド

幽霊が見えるというのはネタとしては陳腐である。アメリカ映画では『 シックス・センス 』のような傑作、邦画でも『 さんかく窓の外側は夜 』のような凡作まで、特定の誰かに幽霊が見えるという作品は枚挙にいとまがない。しかし、誰でも幽霊が見える世界というのは結構珍しいのではないか。しかもそれが自由に動き回って人間に害をなす存在ではなく、決められた動きをするだけの残像であるというアイデアはユニーク。

 

ロニーとカークの二人が、謎の残存者からのメッセージの意味を探っていく展開はなかなか引き込まれる。手詰まりと思えるところから思いがけぬ発見があり、物語がダイナミックに動いていくところもいい。特にロニーの父親の読む新聞記事のアイデアは着眼点が非常に良いと感じた。ロニーと母親との関係は物語に若干の影を落としているが、それを効果的に使った脚本の妙が後半にあり、観る側を飽きさせない。

 

生きている人間たち、そして死んでしまった人間たちのそれぞれの思いが交錯する終盤は見応えがある。真犯人に意外性がないと感じられるかもしれないが、本作はミステリーではなくファンタジー、そしてヒューマンドラマとして鑑賞するべし。

 

ネガティブ・サイド

誕生日ネタはもう少しひねりを利かせられなかったか。Jovian母は実はうるう年の2月28日生まれなので、このネタには早い段階でピンと来てしまった。ある目的のために誕生日が重要なファクターなのだが、誕生日ではなくうるう年のうるう日をファクターにする、そのことに(物語世界のルールの中で)合理的な説明をつけられれば、映画世界への没入度がもっと高まったことだろう。

 

ブライアンは言ってみればハリポタにおけるスネイプ先生的なキャラなのだから、必要以上にホラーっぽいCG演出をする必要はなかった。それをせずにブライアンを恐怖の対象に見せるのが演出というものだろう。

 

総評

『 ザ・メッセージ 』という邦題はイマイチ。原題は I Still See You、つまり「私は今もあなたを見ている」ということ。このタイトルから受け取る印象が序盤、中盤、終盤で変わってくる。それは作りが乱暴だからではなく計算されたものだから。低予算映画のにおいがプンプン漂ってくるが、それがマイナスに作用していない。逆にアイデアで勝負する潔い作品になっている。海外レビュワーの評価はイマイチだが、Jovianはそこそこ楽しめた。梅雨時の週末のステイ・ホームのお供にちょうどよいだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

ground zero

爆心地の意。おそらく9.11でこの表現を知った人も多いのではないかと思う。ヒロシマやナガサキは原爆の爆心地だが、爆弾以外でも9.11のような想定外の巨大なインパクトがもたらされた場所にも使われる表現である。

 

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2010年代, C Rank, アメリカ, ファンタジー, ベラ・ソーン, リチャード・ハーモン, 監督:スコット・スピアLeave a Comment on 『 ザ・メッセージ 』 -B級SF作品-

『 ダニエル 』 -イマジナリーフレンドの恐怖-

Posted on 2022年5月14日 by cool-jupiter

ダニエル 65点
2022年5月11日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:マイルズ・ロビンス パトリック・シュワルツェネッガー
監督:アダム・エジプト・モーティマー

近所のTSUTAYAの準新作コーナーで発見。100円クーポンで借りてきた。なかなか面白いではないか。

 

あらすじ

家族に問題を抱えるルーク(マイルズ・ロビンス)は、自分の家を出て大学に入学する。しかし、社交性の無さから上手くいかない。ルークは、少年時代に母親によって封じ込められたイマジナリーフレンドのダニエル(パトリック・シュワルツェネッガー)に助けを求める。ダニエルの助言によって前向きになれたルークは友人や恋人もでき、順風満帆な生活を満喫するようになったが・・・

 

ポジティブ・サイド

主演のマイルズ・ロビンスは『 テルマ&ルイーズ 』のスーザン・サランドンと『 ショーシャンクの空に 』のティム・ロビンスの子だという。二世俳優なわけだが、オーラのようなものは一切感じさせない、いわゆる陰キャがよく似合っている。対するは『 ミッドナイト・サン タイヨウのうた 』のパトリック・シュワルツェネッガー、言わずと知れたアーノルド・シュワルツェネッガーの息子で、父親譲りのカリスマ性を見せつつも、影や闇を感じさせるキャラを好演した。

 

イマジナリーフレンドは多重人格と同じく、それ自体が解き明かされるべき謎であることが多いが、本作ではそこから一歩踏み込んで、イマジナリーフレンドに翻弄され、支配される恐怖を描いている。ただし、そこに至るまでにダニエルによってルークが世界へと一歩を踏み出し、様々な人間関係を作り上げていく、信頼や尊敬を得ていく過程が詳細に描かれる。そこにフェアな伏線も張られている。ダニエルはイマジナリーフレンドなのか、それとも何かそれ以上の存在なのか?

 

ダニエルの支配が始まるにつれて、ルークが自身のメンタルを疑い、そのルーツを母親に求める流れも悪くない。二重人格を幼少期の虐待に帰するというのは定番中の定番だが、イマジナリーフレンドを一種の「遺伝性の疾患」だと捉えるのはユニークだと感じた。これによって、築き上げてきたポジティブな人間関係が一気に悩ましいものに転化した。

 

ダニエルの正体が陳腐であることは否めないが、そこに至る過程のサスペンスやホラーの要素は結構楽しめる。体の移り変わりや口を引き裂いての体内侵入シーンなどは、低予算映画にしてはかなり頑張っているほうだろう。最後の対決シーンも客観的に見れば子供騙しだが、そう感じさせない脚本やキャラクター設定の妙がある。万人受けはしないだろうが、ロビンス2世やシュワちゃん2世がもっと売れてくれば、再評価されるようになりそうな作品。

 

ネガティブ・サイド

ちょっとBGMや効果音が過剰だと感じた。特に人間の心理的な弱さを突くタイプのサスペンスやホラーは、音をもっと控えめにして、観る側・聞く側の自己内対話をそこはかとなく促すべきだと思う。

 

ダニエルによる虚々実々のルーク指南にもう少し時間をかけても良かったと感じる。幼少期に封じ込めた友人にしても、ある程度の年齢に達してから打ち解けるというか、受け入れるのがあまりにも早すぎた。序盤でもう少しルークがカウンセラーとダニエルの間でどっちつかずのような状態を呈していれば、ダニエルの悪魔的な魅力やカリスマ性がもっと際立ったはず。

 

総評

色々と甘いところも多いが、作り込まれているところは作り込まれている。予算がないということは、逆に制作側がやりたいことを反映しやすいということなのだろう。『 ドクター・スリープ 』や『 悪魔を憐れむ歌 』、『 シェルター 』を楽しめたという人なら、本作もそれなりに楽しめるに違いない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

nail it

それを釘付けにする、それを釘で打つという意味だが、実際は「上手くいく」、「成功する」という意味。強調する時には nail the shit out of it と言ったりもする。

Matt Reeves directed the new Batman movie and nailed the shit out of it.
マット・リーブスは新しいバットマン映画を監督し、大成功を収めた。

のように使う。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, C Rank, アメリカ, パトリック・シュワルツェネッガー, ホラー, マイルズ・ロビンス, 監督:アダム・エジプト・モーティマー, 配給会社:フラッグLeave a Comment on 『 ダニエル 』 -イマジナリーフレンドの恐怖-

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