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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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カテゴリー: 海外

『 NOPE / ノープ 』 -ジョーダン・ピール世界へようこそ-

Posted on 2022年8月28日 by cool-jupiter

NOPE  / ノープ 70点
2022年8月27日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ダニエル・カルーヤ キキ・パーマー スティーブン・ユアン ブランドン・ペレア
監督:ジョーダン・ピール

Jovianは矢追純一世代だったので、UFOには一時期かなりハマっていた。そのUFOをジョーダン・ピールが料理するというのだから、観ないわけにはいかない。

 

あらすじ

馬の飼育と調教を生業にするヘイウッド家の父が、謎の死を遂げる。長男OJ(ダニエル・カルーヤ)は、父の死と空に一瞬見えた謎の飛行物体が関連していると確信。妹のエム(キキ・パーマー)と共に、謎の物体をカメラに収めようと考えるが・・・

ポジティブ・サイド

予告や内容紹介の段階では、M・ナイト・シャマランの『 サイン 』のようなストーリーなのかと思った人は多くいそう。実際に似ているところもあったし、そうでないところもあった。いずれにせよ確実なのは、ジョーダン・ピールがまたしても非常にオリジナル作品を送り出してくれたことだ。

 

オープニングのTVショーはまったくもって意味不明。また映画の各段階で馬の名前が画面に大々的に表示される。これもこの段階では意図が見えない。しかし、後々これらが本作のテーマとダイレクトにつながっていることが分かる。

 

ハリウッドのはずれのはずれにある広大な馬の飼育場、その上空の雲の中に得体の知れない存在がいる。そして、それはどうやら人や馬を襲う。この正体不明の存在との闘争・・・ではなく、とにかくこいつを写真や映像にしてビッグになってやろう、というところが現代風で面白い。また、その奇妙なモチベーションに対しても、歴史的な説明が付け加えられているのが興味深い。

 

主人公OJを演じるダニエル・カルーヤは、『 ゲット・アウト 』とはガラリと異なる寡黙な男。しかし馬および野生動物に対する造詣が深く、そのことが物語上で大きな意味を持っている。また馬の調教師であるというバックグラウンドに対しても、歴史的な説明が付け加えられているのは興味深い。映画産業の初期の初期から現代に至るまで、我々は物語(往々にしてそれは事件)をカメラという媒体で撮られ、スクリーンという媒体に映写されるものだと思ってきた。しかし、本当の事件が自分の身にリアルに起きた時、人はどう対応するのか。これが本作の裏テーマなのではないかと思う。

 

徐々に正体を現すUFOと、それをカメラに収めようとするOJとMの兄妹や、奇妙な協力者エンジェル、自身の経験が裏目に出て被害に遭ってしまうジュープなど、それぞれの登場人物が物語に意味と味わいを与えている。個人的に最も印象に残るのは、後半に登場する老カメラマン。常にPCモニターで「あるもの」を見ているのだが、本作ではそれは痛烈な皮肉に見えてくる。UFOで始まり、ハリウッドの新たな神話の誕生で終わる。何を言っているのか分からない?だったら劇場で観るべし。

以下、マイナーなネタバレあり

 

ネガティブ・サイド

序盤から中盤にかけての展開がスリリングだったのに対して、終盤にかけての展開は少しテンポが落ちたと感じる。「あれは何だ?」、「もっとちゃんと見せろ」という中盤までのテンションが、後半にまで持ち越されていない。謎の存在をカメラに収めるというミッションに、途中で別キャラが入り込んでくるからだろう。もしも牧場の倉庫に主導のフィルムカメラが眠っていて「ひいひいひいお爺ちゃん、ありがとう!」という展開であれば、また異なる印象を受けたと思う。

 

これはトレーラーの罪なのだろうが、Mがしきりに “Don’t look, don’t look.” と言いながら歩くシーンは盛大なネタバレだった。

 

UFOが『 ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒 』的な変形を見せるのはちょっといただけない。もっと無機質なままで良かったのにと思う。写真に収めるべきは馬に乗ったOJであるべきだったと思う。

 

総評

『 ゲット・アウト 』のような意表を突いたSF的な要素もありながら、常に社会批判も盛り込んでくるのがジョーダン・ピール流。今作でも伝統的な映画業界やパパラッチ、YouTuber を皮肉る一方で、エンターテイメントとしての面白さもしっかり追求できている。ジャンルとしてはSF+ホラーになるのだろうが、このホラー映画は観る人を選ばない。ある意味で、『 ゲット・アウト 』や『 アス 』よりも、本作の方がジョーダン・ピール世界への入門編としては適しているかもしれない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Nope

No のくだけた言い方。No をクイックに歯切れよく発音すると、語尾に p の音がついてくる。同じことは Yes にも言える。これをインフォーマルに言うと Yep となる。いずれの表現もかなりカジュアルな表現なので、ビジネスの場では使わないようにしたい。

 

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2020年代, B Rank, SF, アメリカ, キキ・パーマー, スティーブン・ユアン, ダニエル・カルーヤ, ブランドン・ペレア, ホラー, 監督:ジョーダン・ピール, 配給会社:東宝東和Leave a Comment on 『 NOPE / ノープ 』 -ジョーダン・ピール世界へようこそ-

『 トップガン マーヴェリック 』 -追いトップガン5回目-

Posted on 2022年8月21日2022年12月31日 by cool-jupiter

トップガン マーヴェリック 90点
2022年8月21日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:トム・クルーズ マイルズ・テラー
監督:ジョセフ・コジンスキー

「追いトップガン」なる言葉が生まれていたことを最近知った。Jovianも5度目の追いトップガンである。

 

あらすじ

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、予定されていたダークスターのテスト飛行がキャンセルされると聞いたが、クルーと共にフライトを強行し、マッハ10を達成する。処罰の対象になるかと思われたマーヴェリックだが、盟友であり提督となったアイスマンの取り計らいにより、トップガンにおいて難関ミッションに挑む若きパイロットたちの教官となる。しかし、そこにはかつての相棒グースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)も加わっており・・・

ポジティブ・サイド

2週間前の西宮ガーデンズも凄い入りだったが、今日のMOVIXあまがさきもかなりの混雑。座席は8~9割は埋まっていた。中高年が多いが、10代男子や20代カップルもちらほら。コロナは高止まりしているが、映画館に人は帰ってきているなと強く印象付けられた。

 

多くの人々が大画面と大音響の中毒になっているのだろう。冒頭の Top Gun Anthem と Danger Zone でノリノリになっているオッサンが数名見受けられた(頭や肩がヒョコヒョコ動いているのが見えるのだ)。彼らもきっと追いトップガン組だろう。

 

5度目の鑑賞となると、字幕に目をやらず、役者のセリフに集中することができる。ハングマンとフェニックスのやりとり(フェニックスがこっそり中指を立てるところなど)は観ていて毎回とても面白いが、今回新たな発見が。

 

Maverick: Leaving your wingman? That’s a strategy I haven’t seen in a while.
僚機(ウィングマン)を見捨てる?こんな戦法を見るのは久しぶりだ。

Hangman: He called you a man, Phoenix. You’re gonna take that?
フェニックス、マーヴェリックが man だと言ってるぞ?受け入れるか?

Phoenix: As long as he doesn’t call you a man.
あんたを man と呼ばなければね。

 

めちゃくちゃ痛快なやりとりである。『 エイリアン2 』の

ハドソン:Hey Vasquez, have you ever been mistaken for a man? 

バスケス:No. Have you? 

並みに面白い。字幕がどう表示されたかは覚えていないが、wingman は確かに男に聞こえる。余談だが、アメリカでは定期的に大学一年生を freshman ではなく freshperson と呼ぶようにしよう、という運動が起きると聞いたことがある。けれど毎回 fizzle out するようだ。fisherman や fireman も同じらしい。映画やドラマでも firefighter より fireman の方が圧倒的に使われている頻度は高いと感じる。きっと wingman もいつまでも wingman なのだろう。

 

閑話休題。本作はリリースのタイミングもある意味で絶妙だった。ロシアによるウクライナ侵攻によって、世界は戦争を抑止するシステムが膨大な力によって成立していることを図らずも知ってしまった。同時に「死ぬのも仕事のうち」だという人々が存在するということも。たた、死ぬのが仕事のうちだからといって必ず死ななければならないわけではない。死なないに越したことはない。本作や前作『 トップガン 』で戦闘機や軍事そのものに興味を持ったという若い世代には、ぜひとも漫画『 ファントム無頼 』をお勧めしたい。日本の空にもマーヴェリックのような自衛官が飛んでいると思えるようになるだろう。

ネガティブ・サイド

マーヴェリックが単騎でミッション演習コースを駆け抜けるシーンで、峡谷を飛ぶマーヴェリックの機ではない機体の影が一瞬だけ映っている。最初の頃の鑑賞では気のせいかと思っていたが、何度見てもやはり映っている。マーヴェリックのF-18の機影ならまっすぐ動くはずだが、その影の元になった機体は上昇しているっぽい。画面に映るのは1秒ほどだが、誠に惜しいシーンである。

 

総評

何度見てもやっぱり面白い。ターミネーター=A・シュワルツェネッガー、ハン・ソロ=ハリソン・フォード、ロッキー=シルベスター・スタローンと同じレベルで、ピート・”マーヴェリック”・ミッチェル=トム・クルーズであると感じる。今年の最優秀海外俳優の座は彼のものである。『 ミッション:インポッシブル 』シリーズは4作目か5作目で観るのをやめてしまったが、やっぱり観たいと思えてきた。トム・クルーズのスターパワー、恐るべしである。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

None of your business.

「お前には関係ない」の意。結構きつい表現なので職場などでは使わない方が吉。ほぼ同じ意味とニュアンスの表現に Mind your own business. がある。これらを正しく使えれば、それだけでコミュニケーションの上級者である。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, S Rank, アクション, アメリカ, トム・クルーズ, ヒューマンドラマ, マイルズ・テラー, 監督:ジョセフ・コジンスキー, 配給会社:東和ピクチャーズLeave a Comment on 『 トップガン マーヴェリック 』 -追いトップガン5回目-

『 フェイク 我は神なり 』 -信じる者は救われる?-

Posted on 2022年8月21日 by cool-jupiter

フェイク 我は神なり 70点
2022年8月19日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ヤン・イクチュン
監督:ヨン・サンホ

待てど暮らせど返却されない『 マインド・ゲーム 』。しゃーないので、前々から気になっていた本作をセレクト。

 

あらすじ

韓国の田舎の村。ダム建設のために近く水没する予定のこの村に、ミンチョル(ヤン・イクチュン)が帰ってきた。村では若いソン牧師が村人から崇敬を集めていた。しかし、その傍らには村人から補償金を巻き上げようとする詐欺師ギョンソクの姿があり・・・

 

ポジティブ・サイド

アニメではあるが、韓国映画の容赦ないテイストがこれでもかと詰め込まれている。『 はちどり 』の父親よりも暴力的なミンチョル。それを『 息もできない 』のヤン・イクチュンがけれんみタップリに演じるのだから笑おうにも笑えない。いや、笑ってしまうようなストーリーではないのだが、韓国の伝統的な父親像を体現するダメ親父が、確立された宗教的権威に挑むというのだから、普通は笑ってしまうだろう。しかし、この無茶なプロットを成立させるのも韓国映画の剛腕っぷりと言えようか。

 

能弁家のギョンソクと若い牧師のソンが立ち退き料を受け取った村人に、あの手この手で浄財をさせようという序盤が目を引く。「こんな馬鹿な手口に引っかかるとは、さすが韓国の田舎者」と感じたら、それだけで負けである。日本でも毎年のように数億円規模の詐欺集団が検挙されているが、逆に言えば野放しの詐欺集団もたくさんいるということである。個人を悪く言うものではないが、2021年に死去した細木数子などはギョンソクと同種の人間だろう。彼女がテレビで「地獄に落ちるぞ」と言うたびに、ああ、室町時代の坊主はこんな感じで庶民を食い物にしてたんやろなあ、と思っていたものである。

 

閑話休題。本作は、ろくでなしが語る真実と聖人君子がもたらすまやかしのどちらを信じるのかを我々に問いかけてくる。『 沈黙 サイレンス 』そのままに、神は黙して語らない。だからこそ、その代弁者としてのソン牧師や、そのスポークスマンであるギョンソクの言葉に村人は耳を傾ける。このあたりのイライラ感と、他人に対して粗野にしか振る舞えないミンチョルのイライラ感が合わさって、観ていて非常にストレスが溜まる。警察もとことん無能で、こいつら仕事する気あんのかいな?とイライラさせられる。このイライラが最高潮に達する時、すべてが破滅に向かって動き出す。この救いの無さは『 ソウル・ステーション パンデミック 』でも明らかだったヨン・サンホ監督の持ち味か。何を信じるのかではなく、信じるという営為そのものが持つ危うさが本作の肝である。

 

ネガティブ・サイド

アニメではなく実写でやるべきテーマ、かつストーリーだろう。ミンチョルのような粗野で暴力的な中年を演じられる俳優も、韓国にはいくらでも存在するだろう。『 息もできない 』のヤン・イクチュンが、そのまま本作のミンチョルを演じるところを是非とも見たかった。

 

これは一種のネタバレだが、字幕に問題ありである。おそらく翻訳者は気を利かせて、ある簡単な韓国語を別の言い方に訳してしまっているが、これによって終盤のあるシーンの驚きが減じてしまうことにつながっている。小さな親切が余計なお世話になることもある。

 

総評

日本の代議士、特に政権与党が旧統一教会(&創価学会)に汚染されまくっていて、なおかつ「知らなかった、今後は気を付ける」で済ませようとする国会議員の多さ、その神経の図太さには呆れるばかりである。そんな状況なものだから「旧統一教会によって救われた人もいる」という発言も大いにバッシングを浴びるわけだが、日本人はそもそも宗教とは何か、信仰とは何かを知らない。「日本人に哲学なし」とは中江兆民の言だが、これは「日本人に宗教なし」とも言い換えられるかもしれない。では宗教とは何か?その問いに対するひとつの答えが本作にはある。

 

Jovian先生のワンポイント韓国語レッスン

カ

Ka is go, Ke is stay. と昔、Korean American の非常勤講師に教わったことがある。さよなら=アンニョンヒ「カ」セヨは相手が去る時、アンニョンヒ「ケ」セヨは自分が去る(=相手が残る)時だ、と。本作では「カ」の一言で「帰れ」のように使っていた。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, B Rank, アニメ, サスペンス, ヤン・イクチュン, 監督:ヨン・サンホ, 配給会社:ブロードウェイ, 韓国Leave a Comment on 『 フェイク 我は神なり 』 -信じる者は救われる?-

『 グレイマン 』 -頭を空っぽにして楽しむべし-

Posted on 2022年8月18日 by cool-jupiter

グレイマン 65点
2022年8月15日 シネ・リーブル梅田にて鑑賞
出演:ライアン・ゴズリング クリス・エヴァンス アナ・デ・アルマス
監督:アンソニー・ルッソ ジョー・ルッソ

 

Netflix製作・配給の映画。典型的な popcorn flick である。アクション満載なのは楽しいが、すべてがどこかで観た構図なのが玉に瑕。

 

あらすじ

長期服役中だったが、CIAの工作員としてスカウトされたコードネーム、シエラ・シックス(ライアン・ゴズリング)。ある時、タイのバンコクでターゲットを暗殺するが、その男は自らを元シエラ・フォーだと言い、シックスにとある機密情報を託す。シックスは同作戦に従事したミランダ(アナ・デ・アルマス)にフォーのことを告げる。同時に、CIA本部では、冷酷非情な工作員ロイド・ハンセン(クリス・エヴァンス)がシックス暗殺に向けて動き始めて・・・

ポジティブ・サイド

とにかく最初から最後までど派手なアクションの連続。格闘戦あり、ナイフ使いあり、銃撃あり、カーチェイスあり、爆発ありと何でもござれ。戦闘の舞台もバンコクから始まり、ウィーン、プラハ、クロアチアなど正に世界を股にかける工作員たちのスーパーバトル。CGと実写の両方が使われているが、どちらにも相当のカネが費やされている。アクションを期待するなら、You will get your money’s worth. その期待は裏切られることはないだろう。

 

はじめはブレードランナーVSキャプテン・アメリカぐらいに思っていたが、とんでもない。シエラ・シックスは『 ブラック・ウィドウ 』よりも強いのではないか。観る側にそう思わせるだけのド派手なアクションのオンパレードである。

 

カナダでは「ライアンと言えばゴズリング」と言われるぐらいの人気俳優だが、ライアン・ゴズリングの北米大陸どころか、名実ともに世界的スーパースターになった。本作でもその地位を更に固めることになったと言えるだろう。『 ナイスガイズ! 』のようなコメディ・アクションから、本作のようなシリアス・アクションまで、その演技ボキャブラリーは巨大。わずか数秒だけしか画面に映らないが、ムキムキの体も作ってきた。

 

悲しい過去を背負った男が、友情、そして新たな愛情の対象を見つけ、それを命がけで守る姿は美しい。ライアン・ゴズリングのファンなら本作は必見だろう。『 アメリカン・アサシン 』が面白かったと感じた向きにもお勧めだ。スペシャリストvsスペシャリストという分野に新たな快作が送り出されてきた。次回作への期待も膨らむ。Netflix限定配信などと言わず、ぜひ劇場公開を!

ネガティブ・サイド

アクションの規模は空前絶後だが、全てのシーンに既視感を覚える。『 ミッション:インポッシブル 』シリーズからジェイソン・ボーンのシリーズまで、どこかで観た銃撃戦だったりカーチェイスだったり、肉弾戦だったりする。観ている最中は手に汗握るが、観終わって少し時間が経つと、興奮したことは覚えていても感銘を受けたシーンがほとんどなかったことに気付く。

 

また悲しい過去を背負った男が少女を守るために闘うというプロットでは『 アジョシ 』が先行している。アクションのスケールでは本作の勝ちだが、チャ・テシクとシエラ・シックスが素手もしくはナイフで戦えば、チャ・テシクが勝つ構図しか見えない。本作はそういう感想を抱かせる作品である。

 

悪役のクリス・エヴァンスはそれなりに新鮮だったが、劇中で盛んに sociopath と形容される悪役そのまんま。予想通りの悪でしかない。爪をはぎとっていく拷問シーンはまあまあの迫力だが、それとても『 ただ悪より救いたまえ 』のインナムが錆びた極太ばさみで拷問相手の指を切り落としていくシーンと比較してしまうと、非常に小物っぽくなってしまう。それこそエヴァンス演じるロイドは、それこそ『 ただ悪より救いたまえ 』のレイ以上の狂気を放つ極悪人であるべきだった。このあたり、監督の演出の弱さか、それともエヴァンスがキャプテン・アメリカの殻を破れないのか。

 

最大の問題は、あれだけ他国で大暴れしておきながら、肝心のCIAがまったく揺らいでいないところである。他国であれだけ警察官や一般市民を殺傷すれば、CIA長官どころかアメリカ大統領の首が飛ぶだろう。エンディングで( ゚Д゚)ハァ?となること請け合いである。

 

総評

シネ・リーブル梅田の新音響を利用したodessa上映回に行ってきたが、Netflix配信=個人用デバイスでの鑑賞では味わえない音響と音圧だった。odessa上映ではなくても、大画面かつ大音響を堪能する価値のあるアクション巨編である。頭を空っぽにして、とにかく2時間ハラハラドキドキを味わいたいなら、本作鑑賞は must だろう。ぜひ劇場鑑賞を。 

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Heads will roll.

直訳すれば「首が転がるだろう」の意。転じて「リストラが行われるだろう」ということを意味するが、劇中では文字通りの意味で、首が転がる=死人が出るの意味で使われていた。実際のセリフでは Heads would roll. と仮定法だったが、 普通の学習者であれば「リストラが計画されている」という意味だけ押さえておけばよい。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アクション, アナ・デ・アルマス, アメリカ, クリス・エヴァンス, ライアン・ゴズリング, 監督:アンソニー・ルッソ, 監督:ジョー・ルッソ, 配給会社:NetflixLeave a Comment on 『 グレイマン 』 -頭を空っぽにして楽しむべし-

『 サイレントヒル リベレーション 』 -残念な続編-

Posted on 2022年8月16日 by cool-jupiter

サイレントヒル リベレーション 30点
2022年8月13日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:アデレイド・クレメンス キット・ハリングトン キャリー=アン・モス ショーン・ビーン
監督:マイケル・J・バセット

『 マインド・ゲーム 』がまだレンタル中。なので『 サイレントヒル 』の続編を借りてくる。ホラー色が薄まり、宗教色が最初から色濃く出ていたのは色々と残念だった。

 

あらすじ

ヘザー(アデレイド・クレメンス)は、ある事情から父親クリス(ショーン・ビーン)と共に各地を転々としながら生活していた。しかし、18歳の誕生日を目前にして、ヘザーの前に謎の人物が現れ、また父親も姿を消してしまう。家には「サイレントヒルに来い」という血文字が残されていた。ヘザーは同級生ヴィンセント(キット・ハリングトン)と共にサイレントヒルに向かうが・・・

 

ポジティブ・サイド

出るわ出るわのクリーチャーたち。ゲームと映画の『 サイレントヒル 』のugly系のクリーチャーは本作でも見事に表現されている。一押しは人体マネキンパーツで出来た蜘蛛のようなクリーチャー。まるでスティーブン・キング作品に出てきそうな雰囲気。また前作で描かれなかったセクシー看護師アーミーの残虐殺戮描写も本作ではたっぷり登場。グロ描写ファンを喜ばせてくれた。

 

父親クリストファーの尽きることのない娘、そして妻への愛は感動的ですらある。それがヴァルティエル派の信徒の狂信性と鮮やかなコントラストになっている。どちらも人間本来の姿なのが皮肉なところ。クリーチャー(非人間) vs 人間という単純な二項対立ではなく、人間そのものが一種の分裂的な気質を備えた生き物なのだろう。アレッサという虐げられた個人を通して、本作はそのことを強く訴えかけているようである。

 

ネガティブ・サイド

ゲーム、そして前作の大きな特徴でもあった静寂の中に突如混ざる雑音という演出がなくなった。割と速いテンポで次から次へとクリーチャーが出てくるのは良いが、そこにお約束的演出がなくなってしまったのはいただけない。サイレントヒルのサイレントという部分がごっそりそぎ落とされたのは残念至極である。

 

またサイレントヒルに迷い込むことはあっても、サイレントヒルからは逃れられないという前作の悲劇的な結末を、割とご都合主義的に破ってくるのもいかがなものか。前作でクリスタベラを失った教団が、前作以上の影響力を保持しているのも説明がつけがたい。指導者を失った教団に優秀な跡継ぎ(イエスに対するペテロなど)がいれば何とかなる。前作にはそのような描写はなかったし、今作でも一切フォローがなかった。

 

看護師アーミーは個人的にはツボだが、ウッフーン、アッハーンみたいな声は必要か?ゲームを実際にプレーしていないのだが、無言でサクサク相手を滅多刺しにしていく方が共感を呼び起こすと思うが。

 

最大の恐怖のひとつだった三角頭がアレッサの守護者というのは、何か拍子抜けに感じた。二大クリーチャー同士の一騎打ちはアクション映画としては面白いが、ホラー映画としては「なんだかなあ・・」である。

 

最大の問題は、前作が非常に巧みに展開した、怪異に浸食された街とそこで狂信者として生きる集団の恐ろしさの見せ方のバランスが壊れてしまっていることだろう。本作は最初から最後まで怖いのは人間というスタンスである。いや別にそれでもいいのだが、だったらサイレントヒルをタイトルに冠する必要はないわけで。そもそも続編自体が不要だったのかな。それともプロデューサーの監督や脚本家の人選がイマイチだったか。

 

総評

舞台はアメリカだがゲーム制作自体は日本。その日本的な静謐なテイストを良い意味でも悪い意味でもアメリカナイズして映像化したのが本作である。前作を楽しめたのなら、本作は鑑賞不要。まさか本作から鑑賞する奇特な向きはないだろうが、本作から鑑賞したなら、楽しめた楽しめなかったに依らず、前作『 サイレントヒル 』を鑑賞されたい。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

sanctuary

「聖域」や「聖堂」の意。一定以上の年齢層であれば漫画『 聖闘士星矢 』でお馴染みだろう。animal sanctuary = 動物保護区、wildlife sanctuary = 野生動物保護区のような使われ方をすることも多い。英検準1級やTOEFL、IELTSで言って以上のスコアを目指すのなら知っておきたい。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, E Rank, アデレイド・クレメンス, アメリカ, キット・ハリングトン, キャリー=アン・モス, ショーン・ビーン, ホラー, 監督:マイケル・J・バセット, 配給会社:プレシディオLeave a Comment on 『 サイレントヒル リベレーション 』 -残念な続編-

『 サイレントヒル 』 -ゲーム原作の王道ホラー-

Posted on 2022年8月14日 by cool-jupiter

サイレントヒル 70点
2022年8月12日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ラダ・ミッチェル ショーン・ビーン ローリー・ホールデン デボラ・カーラ・アンガー
監督:クリストフ・ガンズ

『 マインド・ゲーム 』がずっと借りられっぱなし。『 女神の継承 』の恐怖体験から回復するためにも普通のホラーを観ようと本作をセレクト。

 

あらすじ

娘のシャロンは夢遊病の中でサイレントヒルという地名を口にする。ローズ(ラダ・ミッチェル)はアメリカ・ウエストバージニア州にサイレントヒルという街があることを探り当て、シャロンと共にそこを訪れる。しかし、謎の人影を避けようとしたことで交通事故を起こす。目覚めた時、車内にはシャロンの姿がなかった。ローズはシャロンを探すために、廃墟となったサイレントヒルに立ち入るが・・・

 

ポジティブ・サイド

Jovianはプレーしなかったが、大学寮の先輩や同級生が本作と『 バイオハザード3 』をプレーしていた。なので本作の世界観やキャラは何となく知っている。映画化されたのは知っていたが、観るのはこれが初めてである。

 

まず雰囲気が素晴らしい。序盤、暗い夜のシャロンの奇行。明るい日中のサイレントヒル行きの話。そして切りと煙に包まれたサイレントヒルの昼とも夜とも言い難い空気感がゲームの世界観とマッチしていた。もったいつけずにあっという間にシャロンとローズがサイレントヒルに着くのもスピーディーで良い。

 

シャロンを探すローズと、そのローズとシャロンを探すクリスという二つの視点で物語が進む。内部からサイレントヒルの謎に迫るローズと、外部からシャロンの出自とサイレントヒルの謎に迫るクリス。この二つの軸により、ホラー要素とミステリ要素が程よい塩梅でミックスされている。

 

ゲームに出てくる異形のクリーチャーの再現度も高い。Jovianは上半身も下半身も脚というクリーチャーに震えあがった記憶があるが、腕がない、目がないクリーチャーたちは普通にキモイし怖い。三角頭の再現度も非常に高く、とあるキャラの内臓を引きずりだして殺すシーンは震えた。無駄にセクシーな看護師軍団も怖い。CG的には粗いのだが、元々がPlayStationのゲームなので気にならない。

 

徐々に見えてくる教団、そして”アレッサ”の意図。宗教と政治のつながりが云々される現代日本にとって示唆的な内容とも言える。魔女狩りと称して誰かを裁くことで団結するのは古今東西の世の常だが、それによって疎外される側が思想や行動をより先鋭化させるのも歴史的事実。製作から10年以上経て、単なるホラーゲームの実写化という意味以上の意味を帯びるという、何とも数奇な作品である。

 

ネガティブ・サイド

ベネット巡査とローズの奇妙な関係をもう少し深堀できなかったか。反目し合う二人が、いつしか様々な面で同化するというのはありきたりではあるが、王道でもある。王道ホラーの本作には、そうした王道的人間関係の追求と描写が似合ったはず。またその描写が、石頭のグッチ警部とそれに反発し続けるクリスの関係と鮮やかなコントラストになったのではないかとも思う。

 

ゲームでは無線に雑音が入るとクリーチャーが近くにいるということを示していたが、その演出が序盤にしか使われていなかったのは残念である。ベネット巡査の無線やローズの携帯を適宜に使えば、サスペンスやスリルをもっと盛り上げられる場面はあっただろうと思う。ただ、本作で本当に怖いのは人間なので、クリーチャーの登場と人間の業のバランスを考えると、致し方のない選択だったのかもしれない。

 

総評

これは面白い。グロ描写もあるが、なにより霧と灰に覆われた街、そして血と錆に汚された建物内部がホラー映画の真髄を思わせる。超常的な何かが起きるよりも前の雰囲気がたまらなく良い。個人、ひいては地域や集団を忌避し、疎外してしまうことで起こる悲劇の物語が非常に現代的である。ゲームの世界をちょっとだけ知っているJovianは本作を大いに楽しめた。ゲームのハードコアなファンはいざ知らず、予備知識があまり無い状態で鑑賞しても十分に堪能できるホラー映画だろう。特に現代日本の政治と宗教の汚染された関係を下敷きに本作を鑑賞してみるのも一興ではないだろうか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

sleepwalk

寝ながら歩く、の意。しばしば夢遊病を指す。必ずしも歩く必要はない。Jovianも小学校高学年ぐらいの時に、寝ながらパジャマを脱ぐことが何度もあったらしい。もしも夢遊病があまりにも長く続く、あるいはそのせいで怪我をしたということであれば、早めに受診されたし。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2000年代, B Rank, アメリカ, ショーン・ビーン, デボラ・カーラ・アンガー, ホラー, ラダ・ミッチェル, ローリー・ホールデン, 監督:クリストフ・ガンズ, 配給会社:松竹Leave a Comment on 『 サイレントヒル 』 -ゲーム原作の王道ホラー-

『 女神の継承 』 -古今東西のホラーミックスの怪作-

Posted on 2022年8月12日 by cool-jupiter

女神の継承 75点
2022年8月12日 シネ・リーブル梅田にて鑑賞
出演:ナリルヤ・グルモンコルペチ サワニー・ウトーンマ
監督:バンジョン・ピサンタナクーン

 

『 チェイサー 』、『 哭声 コクソン 』のナ・ホンジン監督が原案およびプロデュースを担当。それだけで一筋縄ではいかない映画だとわかる。実際に有名ホラー映画のインターテクスチャリティー満載の作品であった。

 

 

あらすじ

霊媒のニム(サワニー・ウトーンマ)は女神バヤンの依代として、地域住民の悩みや病気の解決の手助けをしていた。彼女の姪のミン(ナリルヤ・グルモンコルペチ)が謎の体調不良に見舞われたことから、ニムは女神バヤンがミンを新たな依代に選んだと考えていたが・・・

 

ポジティブ・サイド

Jovianは大学で宗教学を専攻していた。より詳しく言えば古代東北アジアの思想、特にアニミズムを勉強していた。なので東南アジアのシャーマニズムについては門外漢ではあるものの、感覚的に理解できることがかなりあった。ただし本作を堪能するために専門知識は必要ない。むしろアジア人=多神教やアニミズムを何となく受け入れている民族であれば、それだけで恐怖が倍増するだろうと感じた。

 

全編通じて『 ブレア・ウィッチ・プロジェクト 』的なドキュメンタリー形式で撮影されており、随所に『 カメラを止めるな! 』的な要素もある。序盤のニムへのインタビューや、ニムの霊媒としての仕事ぶりは、ナショジオ的な趣すら感じられた。

 

姪のニムが女神バヤンの新たな継承者の兆候を見せ始めるところから、テレビ番組的な趣は消え、本格ホラーに移行していく。『 エクソシスト 』へのオマージュが散りばめられ、最後には各種ゾンビ映画のごった煮状態に昇華する。

 

その過程で観る側の神経をざわつかせるのは、ニムの変化。最初は体調不良だったのが、子どもに対する乱暴行為、それがエスカレートして大人にも暴言暴行、果てはニムの祈祷に対して緑色の吐しゃ物を出すなど、行為の変化が肉体の変化に起因することを示している。この見せ方は日本のホラーにはあまりないが、もっと取り入れても良いように思う。目が赤く光るとか、口角がありえないほど引きつるといった外見的な描写よりも、血液の色がおかしい、吐しゃ物が異常といった内部の描写に切り込む本作は、かなりの野心作である。

 

いよいよ悪霊祓いとなった時に「はあ?」という事件が発生する。これはなかなかの不意打ちだった。もはやグッドエンドは期待できない中、物語は突き進んでいく。このクライマックスの凄惨さは、映画なのか漫画なのか分からないレベル。一歩間違えればギャグにしか見えないシーンの数々を恐怖映像としてしっかりまとめ上げたピサンタナクーン監督の手腕は見事である。

 

また主演の二人の女優も印象的。ニムはいかにもタイの土着的なおばちゃんで、日本なら沖縄あたりでユタをやっていそうな感じ。ミンを演じたナリルヤ・グルモンコルペチは対照的に、西洋風な面持ちのスレンダー美女。あられもないセックスシーンから、狂乱状態のトップレス披露まで、日本のホラー映画に出てくる女優とは明らかに気合いが違う。各種の動物の形態模写から、血しぶきブシャーの殺戮シーンまで、何でもござれ。ルックスを売りにする日本の若手女優は、ナリルヤの爪の垢を煎じて飲むべきである。

ネガティブ・サイド

ドキュメンタリー風に撮るなら、もっとカメラマンが画面に映ってもいい。あちこちでカメラが切り替わるが、それはそこにカメラ・オペレータがいるから。終盤は撮影者も次々に死んでいくが、中盤あたりから「女神継承」あるいは「悪魔祓いの儀式」をカメラに収める人間たちの存在をもっとアピールしても良いと感じた。『 カメラを止めるな! 』の成功要因の一つに、これは映画を撮っている人たちを撮っている映画、と思い込ませた点がある。実際には、映画を撮っている人たちを撮っている人たちを、さらに撮っている映画だった。そこを強調する仕掛けが本作にあっても良かった。

 

犬が重要なキーワードの本作であるが、その犬の悪霊に憑かれた人間が襲う対象が少々不可解。えーと、その人は犬を〇〇している人だったっけ?むしろ、それを疑問に思っている人だったのでは?

総評

タイ映画といえば『 ホームステイ ボクと僕の100日間 』や『 バッド・ジーニアス 危険な天才たち 』など、都市部の若者にフォーカスするイメージを持っていたが、それが見事に覆された。ホラーに耐性がない人はスルーのこと。ホラーに耐性がある人はぜひ鑑賞を。古今東西のホラー映画のエッセンスが詰め込まれた、まるで鍋料理のような融通無碍な味わいが得られることだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

medium

原題は The Medium = 霊媒 である。med から mid 、つまり真ん中がイメージできればOK。マスコミをメディアと呼ぶのは、情報伝達の面で政府や芸能界と一般大衆の中間を担っているから。霊媒も超自然的存在と人間をつなぐ中間的存在であることから英語では medium となる。こんな語彙を知っておくべきなのは好事家だけだろうが。

 

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2020年代, B Rank, サワニー・ウトーンマ, タイ, ナリルヤ・グルモンコルペチ, ホラー, 監督:バンジョン・ピサンタナクーン, 配給会社:シンカ, 韓国Leave a Comment on 『 女神の継承 』 -古今東西のホラーミックスの怪作-

『 トップガン マーヴェリック 』 -IMAX with Laser 鑑賞-

Posted on 2022年8月8日 by cool-jupiter

トップガン マーヴェリック 90点
2022年8月7日 TOHOシネマズ西宮OSにて鑑賞
出演:トム・クルーズ マイルズ・テラー
監督:ジョセフ・コジンスキー

コロナ禍以降、初の実写映画での興行収入100億円超えとのこと。ご祝儀的な意味も込めて、4度目の鑑賞をIMAXレーザーで行うべく隣町へ出向く。

 

あらすじ

マーヴェリック(トム・クルーズ)は、予定されていたダークスターのテスト飛行がキャンセルされると聞いたが、クルーと共にフライトを強行し、マッハ10を達成する。処罰の対象になるかと思われたマーヴェリックだが、盟友であり提督となったアイスマンの取り計らいにより、トップガンにおいて難関ミッションに挑む若きパイロットたちの教官となる。しかし、そこにはかつての相棒グースの息子、ルースター(マイルズ・テラー)も加わっており・・・

ポジティブ・サイド

3度目の鑑賞はMX4Dで、4度目の鑑賞はIMAX with Laser。座席が動いて、本当に飛行機で飛んでいるように感じられる4Dも良いが、IMAXはスクリーン自体の大きさ、映像と音響のクリアさが印象に残った。

 

ウォーロックは見れば見るほど良いキャラ。司令官の片腕的存在で、問題児たるマーヴェリックとも目と目で通じ合う仲。各地を転戦した歴戦の勇者なのだろう。イメージ的には漫画『 沈黙の艦隊 』の山中副長、小説『 銀河英雄伝説 』のジークフリード・キルヒアイスのような組織のナンバー2キャラで、Jovianはこういう渋いキャラが大好きである。

 

本作はとことんオッサン泣かせだ。若い世代に立ちはだかり、若い世代を引っ張り、若い世代に疎まれ、若い世代と和解する。この2年間、Jovianの職場では50代がどんどんと消えていき、20代ばかりがどんどんと増えた。畢竟、自分の職場のオッサン度は相対的に上がっていく。色々と教えたり、教えられたりするが、それでも世代間闘争が生じることはある。そうした時に、オッサン(男に限定しているわけではない、念のため。年長者の意味である)にしか解決できない問題は確かにある。だからといって、若い世代のサポートなしにバリバリと働けるわけではない。老兵とまでは行かないが、確実にオッサン化しつつある自分の心の琴線に触れる物語であることは間違いない。

 

某大学の Academic Reading という授業の指定テキスト『 BBC 英語ものがたり 』の教案や試験を作ったが、その書籍内でアメリカ映画、さらには朝鮮戦争やベトナム戦争に関するニュースが英語を変化させ、さらにはグローバル化させたのが詳細に書かれている。本作の影響により、”Talk to me, 〇〇.” という台詞が『 フォレスト・ガンプ/一期一会 』の “Run, Forrest, run.” のように文化的な意味で口語表現に定着していくのではないかと感じた。それだけの影響力を本国アメリカにも、その他の国にも与えるだけのインパクトが本作にはあると感じる。

ネガティブ・サイド

観るほどに誤訳というか、不適切な訳が目につく。戸田奈津子御大の衰えには目を覆うばかりである。

 

マーヴェリックが空母艦内でチームメンバーを発表する前に言う “It’s been an honor flying with you.” = 一緒に飛べて光栄だ、は「飛べて」の時制が日本語では不明確。「これまでの訓練に感謝する」で良い。

 

また、今生の別れを予感させる出撃直前のマーヴェリックにホンドが言う ”It’s been an honor.” = 名誉に思います、も同様。「素晴らしい日々でした」とか、なにか過去から現在までを包括するような表現が求められる。特に、ホンドは3年前の不祥事による砂漠送りからの仲だったはずで。そうした過去にも思いを馳せられるような訳出がなされるべきだった。

 

総評

TOHOシネマズ西宮OSは、朝の9:00から恐ろしいほどの人出だった。そのうちのかなりの人数が本作の鑑賞に来ていた。それも、高校生同士や20~30代と思しきカップル、オッサン一人だけ、あるいは高齢夫婦など、実に多種多様な客が劇場に詰め掛けていた。もちろん、興収100億突破というニュースそれ自体が大いなる宣伝になっているのだろうが、それ以上に劇場に客を呼ぶ力を本作が持っていることが大きい。そしてその力がオッサン以外にも届いていることが嬉しい。コロナ禍は続いているが、マナーを守った劇場鑑賞で感染対策と経済活動を両立させようではないか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

learn a thing or two

直訳すれば「一つのこと、または二つのことを学ぶ」だが、実際はそれなりの知識・情報・経験などを学ぶことを意味する。劇中では下限高度の修正を文書で申し出たマーヴェリックに “You could learn a thing or two about timing.” = 「もうちょっとタイミングというものを学びたまえ」のように言っていた。tell someone a thing or two という形で使うこともあるが、この場合は「小言を言う」の意。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, S Rank, アクション, アメリカ, トム・クルーズ, マイルズ・テラー, 監督:ジョセフ・コジンスキー, 配給会社:東和ピクチャーズLeave a Comment on 『 トップガン マーヴェリック 』 -IMAX with Laser 鑑賞-

『 あなたがここにいてほしい 』 -中国映画界の本領発揮-

Posted on 2022年8月3日 by cool-jupiter

あなたがここにいてほしい 80点
2022年7月31日 シネマート心斎橋にて鑑賞
出演:チュー・チューシアオ チャン・ジンイー
監督:シャー・モー

コロナを恐れるJovian妻が何故か心斎橋に行きたいと言う。その答えは本作を観るためであった。塚口サンサン劇場で『 クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち 』を観るつもりだったが、急遽こちらのチケットを購入。

 

あらすじ

リュー・チンヤン(チュー・チューシアオ)は、ふとしたきっかけで同じ高校のリン・イーヤオ(チャン・ジンイー)に恋心を抱く。チンヤンは専門学校に、イーヤオは大学に進むが、二人は愛し合い、幸せだった。しかし、大学院生となったイーヤオがチンヤンを母に紹介したが、母はイーヤオを将来成功する器ではないと気に入らず・・・

ポジティブ・サイド

本作は、元々は中国のネットに投稿された『 十年間一緒にいた彼女は、明日他人の嫁に行く 』というストーリーを映画化したものだと言う。これだけ聞けば、ラノベか何かのタイトルだと勘違いしてしまうが、描き出される物語の純粋さ、美しさ、苦しさ、辛さはまさに圧巻である。ネット投稿を元にした作品ということでは、『 猟奇的な彼女 』や『 ソウルメイト 七月と安生 』と並ぶ傑作だろう。

 

まず主演二人が抜群の存在感かつ演技力を見せる。17歳から27歳を全く違和感なく演じて見せる。これが邦画だと『 東京リベンジャーズ 』の北村匠海のように、17歳と27歳が全く一緒に見えたりする。この差は何故?というよりも中国映画界そのものが数多くの駄作の上に一握りの傑作を生み出すという、そうした構造をついに完成させたのか?

 

ともかく、爽やかではあるが、どこか垢抜けない高校生リュー・チンヤンが、職を持ち、兄貴と慕われ、時に怪我を追いながらも、男としてたくましく成長していく姿が分かりやすく描かれる。また、クライマックスの新疆では日焼けしまくりのむさくるしい作業員と何一つ変わらない風貌になっていた。どの年齢においても説得力ある見た目や立ち居振る舞いになっていて、10年という歳月の重みを感じることができた。

 

ヒロインのチャン・ジンイーも同様で、おさげの似合う素朴な女子高生から大学生、大学院生、銀行員と、人生の各段階での表情や話し方の演じ分けが素晴らしかった。特に印象に残ったのはチンヤンに「しばらく養って」と頼む時の表情。高校生の頃は自転車で自分が先に行き、それをチンヤンが追いかける構図がここで逆転する。ある意味で、幼さの抜けきらないチンヤンを男にした。その表情に潜む切なさと期待の眼差しが素晴らしかった。こんな目で見つめられて、真剣になれない男がいようか。どこかハン・ヒョジュを思わせる顔つきで、いつか邦画にも出演してほしい(無理やろなあ・・・)。

 

一途に愛し合う二人に、社会はこれでもかと問題を吹っ掛けてくる。収入、職業、遠距離恋愛、友人関係。特にリュー・チンヤンの親友がダメ男の極みで、こいつのせいでチンヤンとイーヤオの関係が難しくなってしまう。それでもチンヤンは悪友を見捨てられないし、その悪友が何をしたかをイーヤオに告げることもない。男の友情の複雑さを大いに見せつけてくれた。

 

イーヤオの母親が病気で倒れるシーンでは、男性のジレンマ、すなわち「私と仕事、どっちが大事なの?」的なチョイスを迫られるのか、と感じてしまった。会社の不正と現場監督としての倫理と責任の板挟み、そして恋人の母親のピンチ。ここではリアルに胃が痛くなった。また病院に着いたら着いたで「なんだそりゃ」という展開。この病院の階段で無言で並んで座るチンヤンとイーヤオの姿に、人生や社会の不条理が凝縮されていた。愛し合う二人が、普通に仕事をして、普通に生きていくことが何故これほど難しいのか。背景に中国の経済成長や、腐敗を許容する社会構造があるにはあるが、『 ロミオとジュリエット 』の昔からあるように、愛し合う二人に試練はつきものなのか。

 

チンヤンはしばしば「スニーカー」に言及するが、これは彼がイーヤオを好きになったきっかけにスニーカーがあるからだ。この仕掛けは上手いなと感じた。一目惚れは、普通は顔を見た瞬間に起きる。『 ロミオとジュリエット 』然り、『 ウエスト・サイド物語 』然り。しかし、これらはいずれも顔を見てのもの。チンヤンがイーヤオに惚れたのはカーテン越しに隠れるイーヤオのスニーカーを見てだった。このスニーカーが者がタイの随所でアクセントになっているので、これから鑑賞する方は是非そこに注意を払ってほしい。

 

幸せになりたいと願う二人にこれでもかと試練が降り注ぐ。であるがゆえに、観る側はなおのこと二人の幸せの成就を願う。ただ、あまりにも強く深く愛するがゆえに、愛する人を幸せにできないと悟ってしまったチンヤンの決断、それを受け入れるしかなかったイーヤオの心境。このドラマはあまりにも見る者の胸を締め付ける。最後の5分は涙が止まらなかった、というのは大袈裟だが、大粒の涙を何滴か落としたのは本当である。おっさんになって涙もろくなったのは確かだが、それでも本作が観る側の心を強く揺さぶる力を持っていることは疑いようもない。

ネガティブ・サイド

不満を述べさせてもらうなら、以下の一点。

 

チーヤオがダーチャオと対峙したシーン。ダーチャオがチェンチェンへの愛の深さ、その狂おしさを語る場面で、ダーチャオを目で刺すような演出が欲しかった。それによってダーチャオとの友情の大切さと、それ以上にイーヤオを愛してやまないという気持ちをダーチャオに悟らせる。そんなシーンがあれば完璧だったと思う。

総評

原作小説のタイトルは『 十年間一緒にいた彼女は、明日他人の嫁に行く 』。ここだけ見れば低レベルなラノベとしか思えないが、それを珠玉の逸品に仕立て上げてしまう中国映画界に素直に脱帽するしかない。小説や漫画の映像化(≠映画化)に血道を上げるばかりの邦画界の関係者は本作を研究して、ラブストーリーとは何かについて、もう一度よくよく考えられたし。劇場は中高年だらけだったが、若いカップルにこそ観てほしいラブロマンスの大傑作である。

 

Jovian先生のワンポイント中国語レッスン

公司

会社の意。読みはゴンスゥ。Jovian妻は中国語学習にハマっていて、しょっちゅう「ウォー・ブー・シー・ファン・ゴンスゥ」(私は会社が好きではありません)などと音読している。中国映画の台詞や背景によく出てくる言葉である。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, A Rank, チャン・ジンイー, チュー・チューシアオ, ラブロマンス, 中国, 監督:シャー・モー, 配給会社:リスキットLeave a Comment on 『 あなたがここにいてほしい 』 -中国映画界の本領発揮-

『 ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 』 -広げすぎた風呂敷を畳めず-

Posted on 2022年7月31日2022年7月31日 by cool-jupiter

ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 20点
2022年7月30日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:クリス・プラット ブライス・ダラス・ハワード サム・ニール ローラ・ダーン ジェフ・ゴールドブラム イザベラ・サーモン
監督:コリン・トレボロウ

 

『 ジュラシック・ワールド 炎の王国 』で、広げまくった風呂敷をどう畳むのか。関心はそこだったが、製作陣は見事に回避。さらに『 ジュラシック・パーク 』から連綿と続いてきたメッセージもあっさりと放棄。これは一種の詐欺商法ではないのか。

あらすじ

恐竜たちが解き放たれた世界。オーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、クローン少女であるメイジー(イザベラ・サーモン)を守りながら暮らしていた。しかし、そのメイジーがオーウェンの盟友ラプトルのブルーの子と共に謎の男たちに誘拐される。オーウェンとクレアは救出に動き出す。一方、アメリカの穀倉地帯に出現した謎の巨大イナゴを追うサトラー博士(ローラ・ダーン)は、旧知のグラント博士(サム・ニール)と共にバイオシン社を訪れて・・・

 

ポジティブ・サイド

しっかり騙されてしまったというか、乗せられているなと感じるが、やはり『 ジュラシック・パーク 』の面々が集まると、高校生の頃に劇場で鑑賞した時の気持ちが蘇ってくる。『 スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒 』でキャリー・フィッシャーやハリソン・フォード、マーク・ハミルと再会した時のような感傷や、『 トップガン マーヴェリック 』でマーヴェリックと再会した時の感覚に近い。まあ、自分がそれだけオッサンになったということか。

 

パラサウロロフスのような、何とか象レベルで捉えられそうな恐竜から、ギガノトサウルスのような象をおやつに食べそうな化け物に、某大学の教科書に出てきたばかりのケツァルコアトルスなど、新しいモンスターたちはどれもこれも eye-candy だった。羽毛をまとった恐竜の姿も、NHKではなくハリウッド水準のCGで観られたのにも満足。

 

初代の裏切りデブを彷彿させるモブキャラに、発煙筒のシーンの完全オマージュなど、良い意味で壮大なシリーズのフィナーレを飾るにふさわしい ”演出” の数々が堪能できた。

以下、ネタバレあり

 

ネガティブ・サイド

新旧キャラが勢揃いするのは確かに壮観だが、逆に絶対に死なないキャラが増えるということをも意味する。それはストーリーから緊張感を奪い去る。毀誉褒貶の激しい『 スター・ウォーズ 』の新三部作(Jovianは賛の立場)では、旧作のキャラの死亡(役者本人の死亡もあったが)や離脱が相次いだ。これは観る側にかなりの衝撃を与えた。だが本作にはそうした緊張感は一切なし。バイクやクルマのアクションがスリリングだとは感じたが、それはその他多くの映画で何百回と観たやつである。

 

思ったよりも翼竜や首長竜、魚竜が活躍しなかったのはCG予算の限界なのか、アイデア不足なのか。代わりにイナゴネタとは・・・。劇中のデブが言及していたように、聖書の『 出エジプト記 』のビジョンなのだろうが、ここに来て恐竜以外の生き物を持ってくるか?

 

我々が観たかったのは『 ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 』的な世界の続きである。

 

“So, you’d want to make Godzilla our pet?“
「ゴジラを我々のペットにするということかな?」

“No. We will be his.”
「違う。我々が彼のペットになるのだ」

 

という世界観である。それこそが取りも直さず、第一作のアラン・グラント博士の

 

Look… Dinosaurs and man, two species separated by 65 million years of evolution have just been suddenly thrown back into the mix together. How can we possibly have the slightest idea what to expect?

 

という疑問への答えだったはずである。バイオシン=Biosyn=Bio Sin = 生物学の罪。それこそがシリーズが描いてきたものだ。科学には侵してはならない領域があるのだ。そこにコミットしてしまった過去の作品では、すべて人間が痛い目を見ている。本作はその集大成=人間が転落し、恐竜が生態系の頂点に君臨する世界を描くべきだったのに・・・どうしてこうなった。

 

シャーロットのクローンであるメイジーのドラマも拍子抜け。コロナ禍で公開が遅れる不運があったとはいえ、自分の細胞から卵子と精子を作って、それを掛け合わせてマウスが日本で作出されたというのは大きなニュースになった。現実がクローンを通り越して、小説『 リング 』の貞子的な領域に到達してしまった以上、シャーロットのアイデンティティを巡る物語も盛り上がりに欠けてしまう。

 

ヘンリー・ウー博士によるイナゴの遺伝子書き換えにも開いた口が塞がらない。イアン・マルコムを二十数年ぶりに引っ張り出してきたのは、”Life will find a way.” と再度言わせるためではなかったのか。人間が小賢しい真似をしても生命は必ずそれを回避してしまう、というのがジュラシック・シリーズが繰り返し発してきたメッセージではなかったのか。なんで今回は上手く行くことになっているのか?もうこれでロシアによるウクライナ戦争の影響以上のダメージが穀物およびその他の農作物に与えられるのは必定ではないか。何が描きたいんや・・・

 

最後の最後に恐竜、翼竜、首長竜に魚竜までが世界中の生き物と見事に平和裡に共存・・・って、そんなわけあるかーーーー!!!そうした世界を描くなら、恐竜が文明世界を大破壊して、人間も他の動植物も捕食しまくって、生態系の頂点に立った。そこで各種の生き物がしかるべきバランスの中に落ち着いて、恐竜たちも現代の生き物たちと調和(≠共生)して生きるようになった、という世界像をこそ提示すべきだろう。何から何までアメリカ的御都合主義と言うか、白人帝国主義的と言うか、これっぽっちの理解も共感もできない締め括られ方だった。『 ジュラシック・パーク 』だけで終わっておけば、伝説的な作品として22世紀まで残っただろうに。

総評

ハッキリ言って駄作。常にキャラがしゃべりまくり、常に効果音とBGMが鳴り続け、精巧ではあるが現実的な質感に欠けるCG恐竜が画面を覆いつくすばかりの作品。アメリカ人的には大受けするのだろうか。東洋的な世界観からずれまくった思想を一方的に開陳されても、どう受け止めて良いのか分からない。これがアメリカ的な多様性や共生の見本なのだろうか。劇場のお客さんの表情は満足と困惑の半々ぐらいに映った。個人的にはクソ映画・オブ・ザ・イヤー候補を観てしまった、という気持ちである。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Sorry, no lessons. I want to forget about this CGI shitfest as quickly as possible.

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, E Rank, SF, アクション, アメリカ, イザベラ・サーモン, クリス・プラット, ブライス・ダラス・ハワード, 監督:コリン・トレボロウ, 配給会社:東宝東和Leave a Comment on 『 ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 』 -広げすぎた風呂敷を畳めず-

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