Skip to content

英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

  • Contact
  • Privacy Policy
  • 自己紹介 / About me

カテゴリー: 海外

『 インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 』 -アドベンチャー映画の金字塔-

Posted on 2023年6月27日 by cool-jupiter

インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 85点
2023年6月20日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ハリソン・フォード ショーン・コネリー
監督:スティーブン・スピルバーグ

最新作公開前に復習再鑑賞。

 

あらすじ

考古学者のインディ(ハリソン・フォード)は富豪ドノヴァンから、キリストの血を受けたとされる聖杯の捜索を依頼される。半信半疑のインディだったが、前任者が行方不明になり、なおかつそれが父ヘンリー(ショーン・コネリー)だと知らされ、父と聖杯の両方を捜索する旅に出ることなり・・・

 

ポジティブ・サイド

若き日のインディをリバー・フェニックスが好演。また、偏屈なインディの父親を名優ショーン・コネリーが時にコミカルに、時に堂々たる演技で魅せる。確かにこれはインディの父親だわ。インディらの盟友ブロディやサラーもコミックリリーフとして抜群の存在感。アクションの中にもユーモアを織り交ぜてくるスピルバーグの手腕も光っている。

 

聖杯=The Holy Grail を探し求めるという、ある意味で究極のアドベンチャー。日本で言えばオリジナルの三種の神器を探し出そうという試みに匹敵するだろうか。そこにナチスの思惑も絡み、聖杯探しが人類全体の命運を懸けた冒険につながっていくというプロットがこれ以上なくスリリングだ。

 

あのテーマソングと共に夕陽に向かって馬を駆る4人のシルエットは、聖地を去っていく Four Horsemen。人類に対する希望は維持されたのだ。

 

ネガティブ・サイド

インディと聖杯の騎士がラテン語またはギリシャ語で言葉を交わしても良かったのではないか。若き日に、そういう伏線らしきシーンもあったのだから。

 

総評

まさに大冒険。密林から砂漠へ飛び出し、空中戦あり、地上戦あり。馬を駆って戦車と戦う。謎を解いてお宝をゲットする。学者としてのインディと冒険家としてのインディ、頭脳派インディと肉体派インディのバランスは本作が最も優れていると感じる。本シリーズは、ここできれいに幕を引いておくべきだったと再鑑賞してつくづく感じる。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

mark the spot

その場所にマークを付ける、の意。劇中では X never ever marks the spot. =✖印に宝などないのだ、と冒頭の講義で言っていたが、中盤に X marks the spot という展開があって、インディならずともニヤリ。このシーンは実にユーモアたっぷりで、冒険と謎解きの合間に息抜きをさせてくれるのがありがたい。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ザ・フラッシュ 』
『 告白、あるいは完璧な弁護 』
『 インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村    

Posted in 映画, 海外Tagged 1980年代, A Rank, アドベンチャー, アメリカ, ショーン・コネリー, ハリソン・フォード, 監督:スティーブン・スピルバーグ, 配給会社:UIPLeave a Comment on 『 インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 』 -アドベンチャー映画の金字塔-

『 M3GAN/ミーガン 』 -古い革袋に新しい酒-

Posted on 2023年6月22日2023年6月22日 by cool-jupiter

M3GAN/ミーガン 65点
2023年6月17日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:アリソン・ウィリアムズ バイオレント・マッグロウ
監督:ジェラルド・ジョンストン

簡易レビュー。

 

あらすじ

玩具メーカー勤務のジェマ(アリソン・ウィリアムズ)は交通事故で両親を亡くした姪のケイディ(バイオレント・マッグロウ)を引き取った。しかし、仕事に忙殺される自分と両親喪失を乗り越えられないケイディはすれ違うばかり。そこでジェマは密かに開発していたAIロボット、Model 3 Generative ANdroid、通称M3GAN(ミーガン)をケイディに与えて・・・

ポジティブ・サイド

まあ、色んな先行作品のいいとこどりをしているなあ、というのが第一印象。姪っ子ケイディが元々ゲームやおもちゃにハマりやすい性格というのもあるが、対話型インターフェースと違和感なくコミュニケーションが成立するのは『 her 世界でひとつの彼女 』だし、おもちゃが恐怖の対象になるのは言わずもがなの『 チャイルド・プレイ 』、終盤のアクションの某シーンは『 エイリアン2 』&『 リアル・スティール 』そのまんまで、直後のシーンは思いっきり『 ターミネーター 』と『 ターミネーター3 』へのオマージュ。以前からよくある要素を現代風に味付けし直しており、ある意味で非常に鑑賞しやすくなっている。最後のオチも『 エクス・マキナ 』と『 モーガン プロトタイプL-9 』そっくり。

 

アンドロイドが実用化される日は遠そうだが、ChatGPTやGoogle Bard、Bing Chatが人間と verbal communication を取る日は近そう。人型ロボットが暴走する未来は遠いが、本作が提示する世界観は確実に真実味を帯びつつある。

ネガティブ・サイド

工業用ロボットあるいは災害救助用ロボットでもないミーガンが、なぜにあれほどパワフルなのか。『 GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 』の草薙素子でもあるまいに。開発者のジェマの設計思想が知りたい。さらにT3のT-Xばりの無敵のハッキング能力。こんなAIを開発できるのなら、玩具メーカー勤務ではなくアメリカの国防総省が直々にスカウトしてくるでしょ。

 

総評

ホラーというよりはSF、サスペンス、スリラーか。暴力的なシーンがいくつかあるが、それよりもミーガンのくねくねダンスが恐怖感を呼ぶ。案外、スカイネットは軍ではなく民間から生まれるのかもしれない。色々と?と感じるシーンはあるものの、緊張感を上手く盛り上げ、最後にはカタルシスと不安の両方を感じさせてくれる。高校生や大学生は、漫画原作の邦画よりも本作のような

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

be off to a good start

幸先の良いスタートを切れている、の意。劇中では、I’m not off to a very good start. のように使われていた。ちなみに「幸先の良いスタートを切る」は get off to a good start と言う。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 水は海に向かって流れる 』
『 ザ・フラッシュ 』
『 告白、あるいは完璧な弁護 』

 

現在、【英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー】に徐々に引っ越し中です。こちらのサイトの更新をストップすることは当面はありません。

I am now slowly phasing over to https://jovianreviews.com. This site will continue to be updated on a regular basis for the time being.

Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, SF, アメリカ, アリソン・ウィリアムズ, サスペンス, スリラー, バイオレント・マッグロウ, 監督:ジェラルド・ジョンストン, 配給会社:ジェラルド・ジョンストンLeave a Comment on 『 M3GAN/ミーガン 』 -古い革袋に新しい酒-

『 インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 』 -王道アドベンチャー映画-

Posted on 2023年6月19日 by cool-jupiter

インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 85点
2023年6月15日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ハリソン・フォード キー・ホイ・クァン ケイト・キャプショー
監督:スティーブン・スピルバーグ

最新作公開前に復習再鑑賞。簡易レビュー。

 

あらすじ

秘宝ヌルハチを巡って上海マフィアとトラブルになったインディ(ハリソン・フォード)は、クラブの歌姫ウィリー(ケイト・キャプショー)と少年ショーティ(キー・ホイ・クァン)と共に辛くも上海を脱出する。しかしマフィアの手により飛行機は墜落。インディたちは辛くも生き延び、インドの山奥の集落に身を寄せる。一行はそこで村の子どもたちが淫祠邪教の集団にさらわれたと聞かされ・・・

 

ポジティブ・サイド

とにかく何もかもがカラフル。ジョージ・ルーカスのモス・アイズリーをスティーブン・スピルバーグが料理すると、このようなクラブになるのかと感心させられた。

 

魔宮たるパンコット宮殿の地下ダンジョンも前作に負けないおどろおどろしさ。そして終盤のトロッコ・チェイスは名場面中の名場面。トルネコが大岩に追われるのはドラクエⅣだったが、このトロッコのアイデアはその後ドラクエⅤで採用された。つくづく影響力の大きいシーンだ。ついでに『 スパイダーマン2 』の暴走列車を止めるシーンは、本作のインディがトロッコを止めるシーンにインスパイアされたのではないかと思っている。

 

ハリソン・フォードが冒険家のインディを好演。ジョン・ウィリアムズのテーマ曲も、もはやキャラクターと言っていいほどの存在感。『 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 』で中年になってしまったキー・ホイ・クァンが本作ではいたいけな少年で、「そら俺もいつの間にかオッサンになってるはずやわ」と感じてしまった。ヒロインのウィリーも負けん気の強さと、その裏返しである繊細さがとても魅力的。I could’ve been your greatest adventure. などと女性に言わせるのだから、ハリソン・フォードもハン・ソロよりインディアナ・ジョーンズの方が好きなキャラやろね。

 

アドベンチャーとしての魅力が全て詰まった傑作である。

 

ネガティブ・サイド

ウィリーは悪いキャラではなかったが、地下ダンジョンではギャグキャラになってしまったのが残念。

 

総評

多分10年ぶりくらいに再鑑賞したが、面白いものは面白い。おそらく10年後に観ても、面白いはず。まさにアドベンチャーの王道だ。上海やインドの描き方が雑に思えるが、これらの土地は当時は英国。猥雑に見えたとしても英国なのだから、アジア人として気にしたら負けである。小難しいことは考えず、インディ一行の冒険を一緒に体験しようではないか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

if memory serves me correctly, 

記憶が正しければ、の意。if memory serves me right とも言う。memory に my のような所有格はつけない。つけてもいいが、普通はつけない。If memory serves me correctly, the capital of Brazil is Brasília, not Rio de Janeiro or São Paulo. = 「僕の記憶が正しければ、ブラジルの首都はブラジリアだ。リオデジャネイロでもサンパウロでもない」のように使う。Jovianも職場でしょっちゅう使っている表現である。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 水は海に向かって流れる 』
『 M3GAN/ミーガン 』
『 ザ・フラッシュ 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村    

Posted in 映画, 海外Tagged 1980年代, A Rank, アドベンチャー, アメリカ, キー・ホイ・クァン, ケイト・キャプショー, ハリソン・フォード, 監督:スティーブン・スピルバーグ, 配給会社:CICLeave a Comment on 『 インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 』 -王道アドベンチャー映画-

『 M:I-2 』 -バイオテロを防げ-

Posted on 2023年6月19日 by cool-jupiter

M:I-2 70点
2023年6月12日 レンタルBlu rayにて鑑賞
出演:トム・クルーズ ダンディ・ニュートン ダグレイ・スコット
監督:ジョン・ウー

最新作公開前に復習のため再鑑賞。簡易レビュー。

 

あらすじ

IMFのエージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)の次なる任務は、元IMF諜報員であるアンブローズ(ダグレイ・スコット)の持つ殺人ウィルスと解毒剤を奪取すること。魅力的な女泥棒ナイア(ダンディ・ニュートン)と共にミッションに挑むハントだが・・・

 

ポジティブ・サイド

殺人ウィルスによるバイオテロは映画や小説ではお馴染み過ぎるネタだが、コロナ禍を経験した今の目で見ることで、逆に新鮮味が増している。

 

真の英雄を求めんとするなら、その対極に位置に来る悪役が必要という考え方には説得力がある。最も強力な例は『 ダークナイト 』におけるジョーカーだろう。彼の言う You complete me. という台詞は、実はバットマンからジョーカーに向けて言っても成立してしまうセリフだ。

 

スパイvs元スパイというのは、漫画『 ゴルゴ13 』でお馴染みの構図だし、最近でも『 グレイマン 』の序盤がそうだった。本作はスパイ同士のスペシャリスト対決で、巧みに施設に侵入するハントと、ド派手なアクションで敵を倒していくハントの二つの面が味わえる。人間同士の飽くなき闘争の根源を追求するジョン・ウー監督とアクション俳優トム・クルーズの面目躍如たる快作。

 

ネガティブ・サイド

ナイアの立ち位置がころころ変わる(ように見える)のはややこしい。

 

ヴィランたるアンブローズがかなり間抜け。元IMFのエージェントなら、そこはもっと早く気付けよと言いたくなるシーンが終盤にある。

 

総評

The pharmaceutical industry does not create cures, they create customers. = 製薬業界は治療法を作り出すのではない。奴らは顧客を生み出しているのだ、という言説は定期的に取り上げられてきたし、実際にコロナ禍、特にワクチン開発の前後にこの言葉が再び注目を集めた。まさにそうした製薬業界の闇に娯楽要素をけれんみたっぷりに加えて出来上がったのが本作である。20年以上前の作品だが、再鑑賞するなら今だろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

a walk in the park

公園内をひと歩き、転じて「極めて簡単なこと」の意。アンソニー・ホプキンスが劇中で言う “Well, this is not mission difficult, Mr. Hunt. It’s mission impossible. Difficult should be a walk in the park for you.” = これは困難なミッションではないのだよ、ハント君。これは不可能なミッションなのだ。困難は君にとっては簡単だろう、という台詞がイーサン・ハントのプライドをくすぐる。ちなみにこの a walk in the park は『 トップガン 』の冒頭でマーベリックがクーガーに対して言うセリフでもある。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 水は海に向かって流れる 』
『 M3GAN/ミーガン 』
『 ザ・フラッシュ 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村    

Posted in 映画, 海外Tagged 2000年代, B Rank, アクション, アメリカ, ダグレイ・スコット, ダンディ・ニュートン, トム・クルーズ, 監督:ジョン・ウー, 配給会社:UIPLeave a Comment on 『 M:I-2 』 -バイオテロを防げ-

『 The Witch 魔女 増殖 』 -魔女バトルはパワーアップ-

Posted on 2023年6月15日 by cool-jupiter

The Witch 魔女 増殖 65点
2023年6月10日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:シン・シア キム・ダミ
監督:パク・フンジョン

 

『 The Witch 魔女 』の続編。簡易レビュー。

あらすじ

ある秘密研究所が慰安旅行のバスを拉致した。狙いはとある妊婦。実は、彼女の宿している胎児には恐るべき魔力が秘められていた。時は流れ、研究所から一人の少女が脱出する。彼女はヤクザ者に拉致された女性ギョンヒをひょんなことから助けたことで、共に暮らすようになるが・・・

 

ポジティブ・サイド

主役の魔女を演じるシン・シアが前作のキム・ダミと容姿も雰囲気も非常によく似ている。姉妹と言われても納得。

 

前作では何の変哲もない少女が一気に魔女として覚醒し、ヤクザものたちを血祭りあげるシーンに戦慄させられたが、今作はその逆に魔女が徐々に人間らしくなっていく過程が面白い。韓国人の俳優は、食べ物をおいしそうに食べる演技が日本人とは違うなと感じる。

 

傭兵チーフのチョ・ヒョンが魔女とは対極の生身の強い女を体現した。素晴らしく品のない英語を使いこなし、韓国語でも卑罵語を連発。これまた韓国映画と邦画の違いやね。

 

ヤクザ者、研究所アークが入り乱れて繰り広げられるバトルロイヤルはハリウッド映画的で、エンタメ性が抜群。

 

ネガティブ・サイド

前作の超絶サイキック・アクションが悪い意味でパワーアップ。パワーがインフレを起こしている。この調子でいくと次回作の魔女は、『 SEOBOK ソボク 』の超能力人造人間ソボクすらも瞬殺してしまいそう。あまりにも強さのレベルを上げてしまうと人間ドラマが陳腐化すると思うのだが。

 

前作の魔女ジャユンの登場のタイミングが遅すぎる。まるで『 ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 』でキャサリン・ウォーターストンが最後の最後にちょっとだけ出演した時のようにガッカリした。

 

総評

第三作がいつ公開されるのかはわからないが、ジャユンは敵になるのか、味方になるのか。母親の復活がテーマなのだろうが、魔女連合軍と人間の争いになるのか、それとも魔女vs魔女なのか、または魔女の三つ巴の争いになるのか。謎が解けないモヤモヤ感は残るが、次回作への興味にはつながっている。

 

Jovian先生のワンポイント韓国語レッスン

チンチャ

『 コンジアム 』でも紹介した表現。意味は「本当」。形容詞としても副詞としても使うようだ。本作に限らず、韓国映画ではチンチャという語は本当によく聞こえてくる。まあ、邦画も「本当に」を使いまくっているのだろうけど。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 渇水 』
『 水は海に向かって流れる 』
『 M3GAN/ミーガン 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村    

Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アクション, キム・ダミ, シン・シア, 監督:パク・フンジョン, 配給会社:ツイン, 韓国Leave a Comment on 『 The Witch 魔女 増殖 』 -魔女バトルはパワーアップ-

『 レイダース 失われたアーク《聖櫃》 』 -インディ・ジョーンズの誕生-

Posted on 2023年6月11日 by cool-jupiter

レイダース 失われたアーク《聖櫃》 80点
2023年6月6日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ハリソン・フォード カレン・アレン
監督:スティーブン・スピルバーグ

 

最新作『 インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 』に向けて復習鑑賞。

あらすじ

考古学者インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)は南米の遺跡を調査していたところ、ライバルであるべロックに妨害されてしまう。辛くも逃れたインディの元にアメリカ軍将校が訪れる。ナチスが契約の箱、聖櫃に秘められた力を求めて動き出していると言う。その情報の中に、かつての恋人であるマリオン(カレン・アレン)の名前を聞いたインディはエジプトに向かうことになり・・・

 

ポジティブ・サイド

南米の密林の遺跡に侵入し、罠を見破り、お宝ゲット。と思いきや・・・という展開だけでインディ・ジョーンズ博士というキャラクターとシリーズの全てが描かれている。ドラクエⅣをリアルタイムでプレーしていた時には本作観鑑賞(Jovianは二作目をVHSで観たのが本シリーズ初鑑賞)だったが、トルネコが岩に追いかけられるのはどう見ても本作へのオマージュ。鞭を使う冒険者というのも斬新だった。

 

南米からアメリカ、ネパール、エジプトとまさに世界を股にかけた大冒険だが、アクションと謎解きのバランスが素晴らしいのも本作の特徴。古代の遺跡に超自然的な力が宿っていると信じられていた時代の産物で、歴史に対する畏怖が感じられる。

 

要所で響き渡るジョン・ウィリアムスのテーマ曲も一種のキャラクターと言えるだろう。特に冒頭のファンファーレを聞くと、それだけで血沸き肉踊るインディの冒険活劇シーンが脳裏に浮かんでくる。

 

ネガティブ・サイド

オープニングが最も胸躍るのは何故なのだろう。盛り上がりは後半に持ってくるべきだった。

 

いくら1930年代のエジプトとはいえ、外国人があそこまで大立ち回りして、当局にしょっ引かれないというのは理解しがたい。

 

総評

ハリソン・フォードがハン・ソロよりもインディ・ジョーンズを好きなのも分かる。こちらは主役で善人。インテリで腕っぷしも強く、美女にモテる。つまり男の願望の結実なのだ。その後の多くのメディアにも影響を与えた作品そしてキャラクターだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

beyond your wildest aspirations

普通は beyond one’s wildest dreams = 「夢にも思わないほど」が最も一般的な表現だが、こちらも当時は使われていたのだろうか。意味は「どんな願いも超えた」だろうか。劇中では treasures beyond your wildest aspirations のように使われていた。日常だと、The scenery was beautiful beyond my wildest dreams. = その景色は想像を絶する美しさだった、のように使うことが多い。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 The Witch 魔女 増殖 』
『 渇水 』
『 水は海に向かって流れる 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村    

Posted in 映画, 海外Tagged 1980年代, A Rank, アドベンチャー, アメリカ, カレン・アレン, ハリソン・フォード, 監督:スティーブン・スピルバーグ, 配給会社:ユナイテッド・シネマLeave a Comment on 『 レイダース 失われたアーク《聖櫃》 』 -インディ・ジョーンズの誕生-

『 クリード 過去の逆襲 』 -父親殺しに失敗-

Posted on 2023年6月4日 by cool-jupiter

クリード 過去の逆襲 50点
2023年5月28日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:マイケル・B・ジョーダン ジョナサン・メジャース テッサ・トンプソン
監督:マイケル・B・ジョーダン

好物のボクシングもの。スタローンが出演しないのが吉と出るか凶と出るか。

 

あらすじ

アドニス・クリード(マイケル・B・ジョーダン)は世界王者として引退し、家族と共に幸せに暮らしながら、ジムの後輩の面倒を見ていた。ある日、刑務所から出てきた幼なじみのデイム(ジョナサン・メジャース)が現れ、かつての夢だった世界王者を目指したいと言う。負い目のあるアドニスはデイムをジムに招き、世界王者のフェリックスのスパーリングパートナーにするが・・・

 

ポジティブ・サイド

『 クリード 炎の宿敵 』でドラゴの息子との二度の激闘を経て、これ以上語るべきドラマがあるのかなと思っていたところ、確かにあった。『 クリード チャンプを継ぐ男 』で、引き取られる前のアドニスは荒くれ非行少年だった。ここに物語の鉱脈を見出した脚本家は did a good job だろう。

 

デイムを演じたジョナサン・メジャースのヴィランっぷりが素晴らしかった。『 アントマン&ワスプ クアントマニア 』のカーンには「ギャグかな?」と感じたが、本作では根っからの悪人ではなく正当性のある悪人、執念の悪人を演じきった。監督でもあるジョーダンの演出なのか、本人の役作りなのか。凄みのある演技だった。売れてきたところで、いきなりキャリア終了の危機だが・・・ 

 

デイムがいきなり世界戦というのは荒唐無稽にもほどがあるが、作中で述べられていた通り、『 ロッキー 』自体がそういう荒唐無稽な話だったし、その元ネタであるチャック・ウェプナーの経歴がデイムとよく似ている。色々な意味でクリードの物語ながら、ロッキーへのオマージュも忘れていない。

 

スタローンが出てこない=『 ロッキー 』シリーズからの独立、とも言える。もちろん、権利関係でスタローンが色々と主張していて、残念ながらそこに法的根拠がないことは明白。ならばと、アポロ・クリードの息子たるアドニス・クリードが前二作を通じて、アポロという父を失い、ロッキーという父を得て、さらに本作で自らが父となり、そして精神的・文学的な意味でロッキーという父親を敢えて殺すために、自らの少年時代と決別する、つまり完全に大人になる、というプロットは筋が通っていた。

 

ネガティブ・サイド

フェリックスの線が細すぎて、とてもヘビー級とは思えない。せいぜいスーパーミドル級ぐらいにしか見えない。もっといかにもヘビー級然とした役者をキャスティングできなかったのか。

 

少年時代の過ちに決着をつける必要があるというのは分かるが、デイムに耳を傾けてもらう方法がリングの中で戦うことだけだとは思えない。たとえば、アドニスにメディアの前で過去の罪を自白させるとか、あるいはF・メイウェザーがやっていたようなエキシビション・マッチを提案することもできただろう。それでは一般大衆が納得しない、ということでアドニスの現役復帰というストーリーなら納得できたのだが。

 

二人の対決が観客を置き去りにした、監獄の中での殴り合いになる演出は悪くないと思うが、そこに至るまでのドラマがリングの中にない。アドニスが引退試合でデイムから得た観察力を発揮していたり、あるいはデイムが獄中でもアドニスのすべての試合をつぶさに観ていた、ということが感じられるようなシーンがなかった。そうした二人だけが理解できるボクシングの世界から、観客やセコンドを置いてきぼりにした殴り合いの世界に没入するという流れは構築できなかったのか。

 

Going the distance を流すのも中途半端。ロッキーには敬意を表しつつも、クリードの物語だということを徹底して欲しかった。

 

総評

面白いと思える部分と、イマイチだなと感じる部分が同居する作品。スタローンが出てこないことで、あらためて『 ロッキー 』というシリーズの重みが感じられた。ただ、マイケル・B・ジョーダン演じるアドニスというキャラの魅力は全く損なわれていないし、『 トップガン マーヴェリック 』のように次世代への継承を大いに予感させる終わり方も悪くない。20年後にアマラがボクサーになって、『 ケイコ 目を澄ませて 』的なドラマを盛り込みつつ、レイラ・アリ vs ジャッキー・フレイジャー、またはレイラ・アリ vs クリスティ・マーティンのような試合を見せてくれるのなら、それはそれで歓迎したい。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

a Creed

学校では「人名には不定冠詞 a はつけない」と教えるが、実はつけることもある。一番よくあるのは a + 名前 = その一族の一人という意味。『 スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け 』のカイロ・レン “You are a Palpatine.” がその代表例か。他には「そういう名前の人」という用法。I’m looking for a Ken Smith. = ケン・スミスという人を探しているのですが、のように使う。もう一つは「その名前のような偉大な人」という用法。We need a Steve Jobs now. = 我々には今こそスティーブ・ジョブズのような異能の人が必要だ、のように使う。英語教師を目指す人だけ覚えておこう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 The Witch 魔女 増殖 』
『 65 シックスティ・ファイブ 』
『 怪物 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村   

Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2020年代, アメリカ, ジョナサン・メジャース, スポーツ, テッサ・トンプソン, ヒューマンドラマ, ボクシング, マイケル・B・ジョーダン, 監督:マイケル・B・ジョーダン, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 クリード 過去の逆襲 』 -父親殺しに失敗-

『 TAR/ター 』 -虚々実々の指揮者の転落-

Posted on 2023年5月31日 by cool-jupiter

TAR/ター 65点
2023年5月27日 TOHOシネマズ梅田にて鑑賞
出演:ケイト・ブランシェット
監督:トッド・フィールド

『 アイズ・ワイド・シャット 』のトッド・フィールド監督作品。仕事がしばらく繁忙期なので簡易レビュー。

 

あらすじ

ベルリンフィル初の女性首席指揮者となったリディア・ター(ケイト・ブランシェット)は、その地位に見合った数多くの仕事に忙殺されながらも充実した日々を送っていた。しかし、かつての劇団員に関する不穏な情報が入ったことで、彼女のキャリアに曇りが生じ始めて・・・

以下、ネタバレあり

ポジティブ・サイド

ケイト・ブランシェットの演技が光る。キャリアの絶頂からの転落が、公私両面から緻密に描かれており、そのディテールへのこだわりが観る側を引き付ける。

 

途中で加わるロシア人チェリストがなかなかの曲者。一種のスパイなのか、それとも本当にターに心酔する者なのか。そのあたりが虚々実々に描かれていて、ミステリおよびサスペンス要素が大いに盛り上がる。

 

最後の最後がゲーム『 モンスターハンター 』のコンサートなのには笑ってしまった。『 蜜蜂と遠雷 』で触れた通り、Jovianは作曲家の裏谷玲央氏と懇意にさせて頂いているので、モンハンはプレーはしていないが、サントラは買っている。

 

リディア・ターには転落なのかもしれないが、新しい発見の旅への one for the road とも言える展開だろう。ターを英雄的にも悪人としても、一色に染め上げないという両義性に満ちた作品である。

 

ネガティブ・サイド

ピークが序盤のインタビューとジュリアード音楽院でのレクチャーに来ていて、肝心の演奏シーンに来ていない。マーラーでもバーンスタインでも何でもよいので、一曲まるまる聞かせてくれても良かったのではないか。

 

私生活では様々なものがターを蝕んでいくが、メトロノームはやりすぎに思える。こんなもん、犯人1人しかおらんやんけ。それに気付かぬリディア・ターではあるまいに。

 

総評

指揮者ものとしては、個人的には『 セッション 』の方が好きかな。ターという女傑キャラの強烈さだけは『 セッション 』のJ・K・シモンズや『 女神の見えざる手 』のジェシカ・チャステインに匹敵する。ケイト・ブランシェットの演技を存分に堪能すること主目的に鑑賞しよう。

 

Jovian先生のワンポイントドイツ語レッスン

danke

ドイツ語でいうところの thank だが、Danke! となると Thanks! または Thank you! となる。Danke schön! とすれば、Thanks very much! または Thank you very much! である。何語に依らず外国語の語彙学習は「ありがとう」から始めるのが良いように思う。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 The Witch 魔女 増殖 』
『 65 シックスティ・ファイブ 』
『 クリード 過去の逆襲 』

 

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村    

 

Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アメリカ, ケイト・ブランシェット, さすp, ヒューマンドラマ, 監督:トッド・フィールド, 配給会社:ギャガLeave a Comment on 『 TAR/ター 』 -虚々実々の指揮者の転落-

『 最後まで行く 』 -悪徳警官同士のバトル-

Posted on 2023年5月26日2023年5月26日 by cool-jupiter

最後まで行く 65点
2023年5月20日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:イ・ソンギュン チョ・ジヌン チョン・マンシク
監督:キム・ソンフン

 

公開当時に見逃した作品。日本版リメイク鑑賞の前に近所のTSUTAYAでレンタル。

 

あらすじ

殺人課の刑事ゴンス(イ・ソンギュン)は警察署へ向かう途上で、男をはねてしまった。ゴンスは男の遺体をトランクに隠し、母の葬儀場で遺体の隠ぺい工作を図ろうとするが・・・

 

ポジティブ・サイド

『 パラサイト 半地下の家族 』でスタイリッシュな金持ち父さんを好演したイ・ソンギュンが、その数年前には小悪党かつ小市民な刑事を演じている。飲酒運転しているにもかかわらず、自分を刑事だと知った相手の交通課の警察官を、これでもかといじめる。ホンマに警察か?と思わされる。この役者の演技の幅広さと極端さが韓国らしい。対するチョ・ジヌンの強面かつにじみ出る暴力性もすごい。『 悪魔を見た 』のチェ・ミンシクの刑務所仲間的な風貌で、一目見ただけでヤバい奴というオーラが感じられる。この二人があの手この手でやりあうのだが、とても警察官とは思えない。まさにチンピラ同士の対決。そんなもん観て何が面白いの?と思うことなかれ。これがべらぼうに面白い。

 

まず主人公以外の警察官連中も小悪党だらけ。「俺たちは善人じゃない」と嘯きながら、しかし職務はそれなりに忠実に果たしていく。それにより主人公のゴンスが追い詰められていくというサスペンス。さらに自分を脅迫してくるパク警部補との争いもスリリング。男子トイレで乱闘して、便器で窒息させられそうになるなど、邦画では絶対に描かれることのない乱闘シーンも見られる。その後にも「なんじゃそりゃ?」という展開も待っていて、とにかく観る側を飽きさせない。

 

日本だけではなく、様々な国でリメイクされているというのも頷ける。

 

ネガティブ・サイド

匍匐前進人形を使ったトリックは、いくらなんでも無理があるのではないか、死後硬直もあるだろうから、角は曲がれないだろうと思う。

 

また現役の警察官たちが、同僚や上司と音信不通のまま、あれほど色々と行動することができるのだろうか。特にパク警部補は、タクシー運転手に後から通報されてもおかしくないように思うのだが。

 

とある武器のデモンストレーションはあまりにも唐突で、かえって分かりやすすぎる伏線だった。せっかく(?)徴兵制度のある国なのだから、もっと自然な形で武器の類を物語に導入してほしかった。

 

総評

普通に面白い。韓国映画らしく、警察をこれでもかとコケにしながら、笑いとスリルとサスペンスを与えてくれる。とことん運の悪い男が、さらに窮地に追い込まれながら、逆転を求めてあがく姿には悲壮感が漂う。だからこそ観る側はゴンスに感情移入してしまう。彼は最後まで行けるのか?行きついたその先に待つものは?ぜひ見届けてほしい。日本版リメイクも楽しみである。

 

Jovian先生のワンポイント韓国語レッスン

ミヤネ

ごめん、の意。韓国映画でしばしば聞こえてくるし、この言葉が使われるシチュエーションもはっきりしているので、簡単に覚えられる。何語であろうとも、言語は状況・文脈とセットで理解したいものである。

 

現在、【英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー】に徐々に引っ越し中です。こちらのサイトの更新をストップすることは当面はありません。

I am now slowly phasing over to https://jovianreviews.com. This site will continue to be updated on a regular basis for the time being.

Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, C Rank, アクション, イ・ソンギュン, サスペンス, チョ・ジヌン, チョン・マンシク, 監督:キム・ソンフン, 配給会社:アルバトロス・フィルム, 韓国Leave a Comment on 『 最後まで行く 』 -悪徳警官同士のバトル-

『 帰れない山 』 -悠久の山と永遠の友情-

Posted on 2023年5月18日 by cool-jupiter

帰れない山 70点
2023年5月14日 シネ・リーブル梅田にて鑑賞
出演:ルカ・マリネッリ アレッサンドロ・ボルギ
監督:フェリックス・バン・ヒュルーニンゲン シャルロッテ・ファンデルメールシュ



山好きの嫁さんが観たいというのでチケット購入。なかなか見応えのある人間ドラマだった。

 

あらすじ

両親とともに山を訪れた少年ピエトロは、同い年の牛飼いの少年ブルーノと出会い、山を二人で巡るうちに無二の親友となる。しかし運命のいたずらで、二人の別れは唐突に訪れた。時は流れ、大人になった二人は、以前のように友情を育んでいくが・・・



ポジティブ・サイド

男二人の物語といっても『 エゴイスト 』のような関係性ではなく、純粋な友情物語。特に都会育ちで山という大自然に魅せられるピエトロと、山育ちで、それでいて都市への憧憬を秘めているブルーノという、非常に対照的な二人の描き方が秀逸だ。自分の親が自分よりも友人の方を褒めてしまう。そうした経験をしたことのある人は存外に多いはず。本作でも、ピエトロとブルーノは互いにリスペクトしながらも、そうした少し危うい友情を育んでいく様がこの上なくリアルだ。

 

二人が大人になって再会するシーンもリアルである。すぐさま再会を喜んで意気投合・・・しない。互いに一瞥をくれるだけ。これは二人が大人になったということ。小学校、中学校の親友と別々の高校に行くことになり、いつの間にやら疎遠になるのは非常にありふれたこと。それは世界が広がるから。しかし、そうした広い世界で、20代後半以降に友人関係に慣れれば、それは子どもの頃の友人とは全く違う意味での友人になれる。ブルーノとピエトロはまさにそれ。大人になった彼ら二人だが、それでも世界を見聞して教養もあるピエトロと、誰よりも山を知っているが俗世の垢にまみれていないブルーノの対比が際立っていく。奥さんに怒鳴りつけられるブルーノには、ひたすらに感情移入してしまった(Jovianもよく浮世離れしていると言われる)。

 

山小屋を立てるという行為は、一つには山に生きるというマニフェストだろう。もう一つは、その山には帰る場所がある、というメッセージでもあるはずだ。世界に山は数あれど、俺とお前にとっての山とは、ここなんだ。そういうことなのだと思う。

 

それにしても序盤の少年二人が遊ぶ山の美しさに、大人になった二人が対峙する山の厳しさよ。Jovianは新婚旅行で数年前にカナダのバンフに行ったが、ロッキー山脈の氷河は永久不変に見えて、実は年間数センチずつ動いている。同じように山脈も少しずつ削られながらも隆起することで、不変であるように映る。人間関係、就中、友情も様々な変化を経ながらも永続していくのだろう。人間の一生は山の命に比べればとてつもなく短いが、その友情の雄大さや悠久さは山に劣ることはない。

 

ネガティブ・サイド

アスペクト比が4:3だったのは何故だ?通常の2.35:1では不都合があったのだろうか。人間だけを映すなら前者でもいいのだろうが、アルプスの大自然を映し出すには不適切だった。監督あるいは撮影監督にはどのような意図があったのだろう。

 

2時間30分はかなり長く感じた。2時間ちょうどにまとめられなかったか。編集でカットできそうなシーンがいくつかあった。街でのメールチェックのシーンなどはもっと短くするか、あるいはバッサリとカットできただろうと思う。

 

総評

男同士の関係性を描く映画としては『 君の名前で僕を呼んで 』に次ぐかもしれない。大自然の美しさとある意味での残酷さ、その中に垣間見える崇高さを余すところなく映し出した、ヨーロッパらしい作品。デートムービーには向かないが、夫婦でじっくり鑑賞するのはありだろう。

 

Jovian先生のワンポイントイタリア語レッスン

Come stai

コメ・スタイと発音する。意味は How are you? である。おそらく Ciao = チャオと並んで最もポピュラーなイタリア語だろう。知っておいて損はない表現だ。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 放課後アングラーライフ 』
『 高速道路家族 』
『 最後まで行く 』

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村   

Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, B Rank, アレッサンドロ・ボルギ, イタリア, ヒューマンドラマ, フランス, ベルギー, ルカ・マリネッリ, 監督:シャルロッテ・ファンデルメールシュ, 監督:フェリックス・バン・ヒュルーニンゲン, 配給会社:セテラ・インターナショナルLeave a Comment on 『 帰れない山 』 -悠久の山と永遠の友情-

投稿ナビゲーション

過去の投稿
新しい投稿

最近の投稿

  • 『 桐島です 』 -時代遅れの逃亡者-
  • 『 あの夏、僕たちが好きだったソナへ 』 -青春を追体験する物語-
  • 『 ジュラシック・ワールド/復活の大地 』 -単なる過去作の焼き直し-
  • 『 近畿地方のある場所について 』 -見るも無残な映画化-
  • 『 入国審査 』 -移住の勧め・・・?-

最近のコメント

  • 『 i 』 -この世界にアイは存在するのか- に 岡潔数学体験館見守りタイ(ヒフミヨ巡礼道) より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に cool-jupiter より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に 匿名 より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に cool-jupiter より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に イワイリツコ より

アーカイブ

  • 2025年8月
  • 2025年7月
  • 2025年6月
  • 2025年5月
  • 2025年4月
  • 2025年3月
  • 2025年2月
  • 2025年1月
  • 2024年12月
  • 2024年11月
  • 2024年10月
  • 2024年9月
  • 2024年8月
  • 2024年7月
  • 2024年6月
  • 2024年5月
  • 2024年4月
  • 2024年3月
  • 2024年2月
  • 2024年1月
  • 2023年12月
  • 2023年11月
  • 2023年10月
  • 2023年9月
  • 2023年8月
  • 2023年7月
  • 2023年6月
  • 2023年5月
  • 2023年4月
  • 2023年3月
  • 2023年2月
  • 2023年1月
  • 2022年12月
  • 2022年11月
  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月
  • 2022年4月
  • 2022年3月
  • 2022年2月
  • 2022年1月
  • 2021年12月
  • 2021年11月
  • 2021年10月
  • 2021年9月
  • 2021年8月
  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月
  • 2020年10月
  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月
  • 2020年2月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月
  • 2018年5月

カテゴリー

  • テレビ
  • 国内
  • 国内
  • 映画
  • 書籍
  • 未分類
  • 海外
  • 英語

メタ情報

  • ログイン
  • 投稿フィード
  • コメントフィード
  • WordPress.org
Powered by Headline WordPress Theme