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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

『 28年後… 』 -ツッコミどころ満載-

Posted on 2025年7月2日 by cool-jupiter

28年後… 30点
2025年6月29日 TOHOシネマズ梅田にて鑑賞
出演:アルフィー・ウィリアムズ アーロン・テイラー=ジョンソン ジョディ・カマー レイフ・ファインズ
監督:ダニー・ボイル

 

『 28日後… 』と『 28週後… 』の続編ということでチケット購入。

あらすじ

レイジウィルスによってイギリス全土が隔離されて以来、28年。ある島で細々と生き残っていた人々がいた。ジェイミー(アーロン・テイラー=ジョンソン)は12歳の息子スパイク(アルフィー・ウィリアムズ)を連れて、本土のゾンビ刈りに同行させるが・・・

以下、ネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

新型ゾンビ・・・ではなく感染者が環境に適応しているというのは、それはそれで面白かった。森に生きる感染者と平原で生きる感染者が異なった生態を示していたのは説得力があった。また異種感染しないという『 28週後… 』の設定も引き継がれていたことが確認できた。感染者を生化学的に分析・攻略するシーンもあり、人間が生きるためにはサイエンスが物を言うことを再確認した。

 

アルファというボスゾンビ・・・ではなくボス的感染者はゲーム『 バイオハザード 』のタイラントあるいはネメシスみたいな感じで、割とすんなり受け入れられた。

 

ネガティブ・サイド

いくら前作で米軍が同士討ちもあって壊滅したとはいえ、世界がイギリスをここまで放置するか?いや、本土はいいとして、離島で生き残った人は保護されてしかるべきだろう。それとも、多くのブリティッシュが自認するようにイギリスは嫌われていることを殊更に明示しているのか。

 

島の人々が Tom Jones の Delilah の大合唱をしていたが、いったい時代はいつなのか。仮に2025年だとしても、さすがに60年前の歌を年寄りだけではなくそれなりに若い世代まで歌えるのか?レコードなどの機械はいっさい見当たらなかったが。

 

そもそも何故に安全な島から出て、本土を目指すのか。もちろん医薬品やら衣料品やら日用品やら使える物は色々と見つかるだろうが、28年も経過してしまうとそれも望み薄だろう。だったら男子のイニシエーションなのか?学校はなくても、子どもを軍事教練に駆り出しているシーンがあったが、学校でこそ感染者の実態を教え込むべきだろう。ジェイミーが実地でスパイクに色々と教え込んでいたのは、フィールドワークならありだが、サバイバルでは愚の骨頂。

 

島そのものが天然の要害になっているが、干潮時の防御がなにもないとはこれ如何に。アルファが矢を10本食らっても倒れなかったというデータがあるなら、矢を20本打つとか、あるいはボーガンを作って威力を上げる、トラバサミのような罠を使うなど、色々と対策はあったはず。それが全くなかったというのは28年あれば人間はアホになるということか。

 

感染者の妊娠というのは中盤で明示されていたし、アイデアとしては誰でも思いつく。漫画『 寄生獣 』で似たようなアイデアはすでに出ていたし。問題はその子どもが〇〇〇だということ。胎盤の奇跡とは・・・仮に胎盤がウィルスをシャットアウト(できるわけないが)したとして、普通に分娩時に経産道感染するはず・・・ なので子どもは『 28週後… 』同様に無症候型キャリアで良かった。また、子どもの父親はアルファであると暗示されていたので、それを元に280年後あるいは28世紀後の地球をゾンビ・・・じゃなかった多数の感染者と本当に細々とだけ残った原始人的人類の物語につなげられただろうに。

 

スパイクが医者を求めてドクター・ケルソンのもとを目指すのは分からんでもないが、まともな教育を一切受けていないスパイクがケルソン先生の診察過程や診断内容を理解できたようには到底思えない。にもかかわらず、あの結末を母親だけではなくスパイクが受け入れる?ちょっと考えづらいのだが。

 

というかケルソン先生も感染者に効くモルヒネとかを、どこでどう調達して28年も維持できたのか。医者というよりも薬学者、それも西洋ではなく漢方薬寄りの学者である。トリカブトやらスズランやら、普通に感染者を安全に殺せそうな毒をこの先生なら調合できそうだが、そういうわけでもないらしい。というか、アルファをストップさせたのなら、そこでもっと大量にモルヒネをぶち込んで殺さんかい、と思ってしまう。

 

島民以外の人間の存在も示唆されていたが、それがラストのあいつら?いくらなんでもあの世紀末軍団があんな見せしめ的な行為に走るだろうか。というか、感染者とのバトルで使う武器が貧相で泣けてくる。普通に体液をまき散らす武器および戦い方で、よくこれで生き延びてこれたなと感心した。

 

続編がありそうな雰囲気だが、たとえ制作されても見ない。コレジャナイ感が非常に強い作品だった。

 

総評

当初から各方面のレビューが賛否両論だった。ということは波長が合えば面白く、波長が合わなければ面白くないわけで、こういう丁半を賭けたばくちも時には必要だ。英語レビューでも賞賛はたくさんあるので、本当に監督や脚本家との相性次第だと思う。ひとつ言えるのはデートムービーではないということ。またファミリーで観るのもお勧めできない。カップルあるいはお一人様での鑑賞が無難である。

 

Jovian先生のワンポイントラテン語レッスン

Memento amare

直訳すると、Remember to love となる。Memento は singular の imperative で、amare は to love という英語のto不定詞的な形。合わせて Remeber to love となる。有名な Memento mori は Remember to die だが、ラテン語には形は受動態しかないが意味は能動態という動詞が、loquor, sequor, morior, utorなど、いくつもある。20年以上前の授業の内容でも結構覚えているもので、自分でもびっくりしている。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 フロントライン 』
『 この夏の星を見る 』
『 愛されなくても別に 』

 

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アーロン・テイラー=ジョンソン, アメリカ, アルフィー・ウィリアムズ, イギリス, ジョディ・カマー, ホラー, レイフ・ファインズ, 監督:ダニー・ボイル, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメントLeave a Comment on 『 28年後… 』 -ツッコミどころ満載-

『 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン 』 -陰謀論を呵々と笑う-

Posted on 2024年7月29日 by cool-jupiter

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン 65点
2024年7月21日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:スカーレット・ジョハンソン チャニング・テイタム ウッディ・ハレルソン
監督:グレッグ・バーランティ

『 THE MOON 』のエンディングで流れた “Fly Me To The Moon” と原題を同じくする映画。アポロの月面着陸はなかったという陰謀論を笑い飛ばす一作になっている。 

 

あらすじ

敏腕マーケターのケリー(スカーレット・ジョハンソン)は、政府筋で働いているという謎の男モー(ウッディ・ハレルソン)にスカウトされ、NASAで働くことになる。NASA職員のインタビューや宇宙飛行士の企業タイアップなどでNASAのイメージ改善に邁進するケリーだが、ロケット発射のディレクターであるコール(チャニング・テイタム)は彼女の手法を快く思わず・・・

ポジティブ・サイド

アポロ11号の月面着陸は真実かフェイクかというのは、Jovianが子どもの頃からあった。というか、おそらくリアルタイムであった話なのだろう。本作はそこを主眼にしつつも、それ以外の面でストーリーを作り上げていく。

 

最初に面白いと感じたのは、主役の一人ケリー・ジョーンズ。NASAと言えば『 ドリーム 』や『 アポロ13 』のような技術部門の職員の奮闘を描く作品が多いが、本作はそこにビジネス要素を盛り込んできたところが極めて新鮮。すなわち、NASAのポスターボーイたちを商品のコマーシャルに起用したり、NASA職員(のふりをした役者)に美辞麗句溢れるインタビューへの受け答えをさせたりという、非常に現代的なマーケティングが1960年代にすでに行われていた、そしてそれを仕切っていたのが才気煥発の女性マーケターだという点がユニーク。しかもケリー・ジョーンズには実際のモデル(当然ながら女性)がいたというのだから、さらに驚く。

 

そのケリーのやり方を苦々しく思いながらも、着実に成果を上げる彼女に対して徐々に素直になっていく発射ディレクターのコールの描き方も独特。往々にしてこうしたキャラは『 ドリーム 』のケビン・コスナーよろしく堅物でありながら徐々に人間性を滲ませてくるものだが、彼はケリーとの初対面でいきなり愛のポエムを献上してしまうようなキャラクター。この描写があることで、彼の奥底にあるプロフェッショナリズムが引き立ち、さらにケリーに対するアンビバレントな感情が観客にも共有されやすくなっている。

 

月面着陸がフェイクだったのかどうか、そのフェイクをどのように撮影したのか。そこについて本作はかなりコミカルに描いている。フィクサー然として振る舞うウッディ・ハレルソン演じるモーの胡散臭さが、そのまま陰謀論に対する胡散臭さに見える。映画はこの点に触れないが、NASAの敷地内で立ち入り禁止の棟が突如現れ、正体不明の人員(フェイク映像の撮影部隊)と正体不明の小道具大道具が常に出入りしているという状況を当時のメディアや他のNASA職員が見逃す、あるいは黙認するかどうか。

 

少しネタバレになるが、ケリーの助手の ”This is what happens when you vote for Nixon” という台詞が本作の政治的な主張であると思われる。ニクソン=ウォーターゲート=盗聴、ということはやはり月面着陸もでっち上げ?と早まるなかれ。今年(2024年)は米大統領選挙イヤー。スカーレット・ヨハンソンが主演だけではなくプロデューサーも努めたということは、これは彼女なりの選挙キャンペーンなのだろう。そういう見方も本作はできるのだ。ぜひ鑑賞して、自分なりの真実を見つけようではないか。

 

ネガティブ・サイド

ケリーとコールのロマンスの部分は不要だったと感じた。互いが互いのプロフェッショナリズムを一定の距離を置きつつ尊重するような関係の方がこの二人には似合っていたのでは?コールが不幸にも亡くなってしまった宇宙飛行士たちへの追慕を忘れない男でありながら、女に現を抜かすキャラクターというのは、やや不自然に見えた。

 

本作では発射直前にトンデモ行動が取られる。そして実際の月面映像とスタジオのフェイク映像の見分けがつかなくなるシーンがあるが、果たしてそんなことがありうるだろうか。アポロ11号は常に地球と電波でつながっているわけで、音声は宇宙船から受信しているが、映像は別のところから受信していて、それをNASAや関係基地局の誰も気が付かないなどということはありうるのだろうか。ここらへんの説明を(フェイクでいいので)入れておいてほしかった。

 

総評

NASA、メディア、そして米政府に関するお仕事ムービーでありながら、シリアスさとコミカルさを併せ持った良作。フェイク映像やフェイク投稿が横行する現代だからこそインパクトが大きい。本作の持つ政治的なメッセージに思いを馳せながら観るのもいいだろうし、単純に科学と歴史を題材にしたロマンティック・コメディとして鑑賞するのもいいだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

a feast for the eyes

feast とは「ごちそう」の意。目にとってのごちそう=目の保養となる。劇中ではテイタム演じるコールがハンサムだということで He is feast for the eyes. と言われていたが、人間だけではなく景色や絵画についても使うことができる表現である。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 デッドプール&ウルヴァリン 』
『 大いなる不在 』
『 ツイスターズ 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アメリカ, スカーレット・ジョハンソン, チャニング・テイタム, ラブコメディ, 歴史, 監督:グレッグ・バーランティ, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメントLeave a Comment on 『 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン 』 -陰謀論を呵々と笑う-

『 キングダム 大将軍の帰還 』 -大沢たかおの独擅場-

Posted on 2024年7月24日 by cool-jupiter

キングダム 大将軍の帰還 65点
2024年7月20日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:山崎賢人 大沢たかお
監督:佐藤信介

 

『 キングダム 運命の炎 』の続編。ますますキャラ映画になってきたが、大沢たかおはついに代表作と言えるものを手にしたようである。

あらすじ

突如、自陣に現れた龐煖によって窮地に陥る飛信隊。退却するしかなくなった飛信隊だが、尾到と尾平は気絶した信(山崎賢人)を安全に逃がすために、他の部隊の面々とは異なる方向に逃げていくが・・・

ポジティブ・サイド

本作で賞賛すべきポイントはほぼ一点に絞られる。それは王騎将軍。

 

副題の「大将軍」とは大沢たかお演じる王騎将軍のこと。『 キングダム 』の初登場時からコスプレ&なりきり演技だったが、今作で大沢たかおは王騎将軍と完全にシンクロした。原作の数々の名場面と名台詞をこれでもかと繰り出してくるが、まるで第一作目や前作はあえて抑制した演技をしていたのだろうか。まるでリアルタイムで読んでいた連載漫画の王騎将軍の声がそのまま劇場内で聞こえた。こんな体験はめったにない。とにかく本作は大沢たかお=王騎将軍の大沢たかお=王騎将軍による大沢たかお=王騎将軍のための作品になっていると感じた。

 

原作に忠実ながらも「全軍、前進」を上手くアレンジするなど、ここで本シリーズが完結となってもいいようにきれいにまとめてもいる。興行成績次第だろうが、続編があっても驚きはない。

ネガティブ・サイド

BGMを使いすぎ。尾到と信の夜の語らいのシーンは原作でもかなり上位に来る名シーン。あそこはBGMなしで、ふたりの台詞だけを静謐な夜の山の中でじっくりと聞かせるべきだった。

 

あとは少し長すぎか。2時間10分に編集できなかっただろうか。

 

総評

コスプレ大会であることに変わりはないが、とにかく原作屈指の人気キャラ王騎将軍の完成度が高すぎて、それだけでチケット代の元は充分に取れていると感じる。できれば続編も観てみたいので、できるだけ多くの人に劇場鑑賞してほしい。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

This is your turf.

劇中の「これが貴様の土俵だ」の私訳。turfはゴルファーにはお馴染みの言葉。芝、あるいは芝地の意。転じて、比喩的に「専門領域」や「有利な地形」のような意味で用いられることもある。英検1級を目指すのなら知っておいても良い。そうでなければ覚える必要は特にない。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン 』
『 デッドプール&ウルヴァリン 』
『 大いなる不在 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, アクション, 大沢たかお, 山崎賢人, 日本, 歴史, 監督:佐藤信介, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント, 配給会社:東宝Leave a Comment on 『 キングダム 大将軍の帰還 』 -大沢たかおの独擅場-

『 ナポレオン 』 -人間ナポレオンに迫る-

Posted on 2023年12月27日2023年12月28日 by cool-jupiter

ナポレオン 70点
2023年12月23日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ホアキン・フェニックス ヴァネッサ・カービー
監督:リドリー・スコット

簡易レビュー。

 

あらすじ

砲兵長ナポレオン(ホアキン・フェニックス)は英国軍の撃退などで軍人として昇進していく。その中で未亡人のジョゼフィーヌ(ヴァネッサ・カービー)と出会い、結婚する。戦争の中で頭角を現し、出世を重ねるナポレオンだが、ジョゼフィーヌの浮気が判明して・・・

ポジティブ・サイド

大学時代にフランス人、ドイツ人と一緒に暮らしていた時、ドイツ人が冗談めかして「ヒトラーさえいなかったら、ヨーロッパの嫌われ者はナポレオンを生んだフランスだったのに」と言ったところ、フランス人が「だろうな」と応じたことがあった。本作を見れば、ナポレオンがいかにヨーロッパ中で戦争していたのかが分かる。

 

その一方で、本作が本当に描き出したかったのは、英雄や悪魔としてのナポレオンではなく、一人の男性としてのナポレオン。もっと言えば、女に弱いナポレオン。英雄色を好むと言われるが、ナポレオンも例外ではない。一方で、意外なほどにジョゼフィーヌ一筋で、ヨーロッパ史にまあまあ詳しいJovianも知らないエピソードがあって面白かった。

 

『 her 世界でひとつの彼女 』や『 ジョーカー 』で隙のある男というか、今風に言えば弱者男性を演じたホアキン・フェニックスが、稀代の快男児のナポレオンを演じるとともに、どこまでジョゼフィーヌに執着するキモ男も同時に好演。これは配役の勝利。個人的にはウェリントン卿がイメージそのままで、クライマックスのワーテルローの戦いは非常に楽しめた。もう一つの見どころは戴冠式。ルイ・ダヴィッドも一瞬だけ映る。

 

『 最後の決闘裁判 』には及ばないが、人間、就中、男と女の真実(≠事実)を明らかにせんとするリドリー・スコットの哲学が開陳された一作。

 

ネガティブ・サイド

トラファルガーの海戦がスルーされたのは何故?もちろん撮影はしたのだろうが、ここをバッサリと切ってしまうと「英国は海戦は知っていても陸戦は知らない」というナポレオンの言葉に説得力がなかったように思う。

 

今でこそロシアとウクライナが戦争していたり、イスラエルとパレスチナが戦争していたりして、為政者が戦争を起こす、あるいは国民が戦争を強く支持してしまうという構図があるので、本作の社会的意義も見出せるが、それがなければ単なるエンタメ作品では?というと、エンタメとしてはちょっと弱い気がする。戦争シーンに迫力はあるが、大砲で人がバタバタ倒れていくシーンには迫真性はなかった。『 プライベート・ライアン 』とは言わないが、『 エイリアン 』並みのグロ描写があっても良かったのでは?最初の馬のシーンで期待をさせておいて、えらく尻すぼみだなと感じられた。

 

総評

ヨーロッパ史にある程度の造詣がないと鑑賞はお勧めできない。逆に言えばナポレオンおよびその周辺の歴史をある程度知っているなら楽しめる。また人間としてのナポレオンに注目するのだと割り切って鑑賞するのもありだろう。そんな向きはいないと思うが、デートムービーにするのは禁物である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

a close-run thing

「紙一重の出来事」の意。劇中では使われなかったが、ウェリントン卿がワーテルローの戦いの後に言ったとされる言葉。ただし、実際は a damn nice thing もしくは the nearest-run thing が正しい言葉だとも言われる。ナポレオンの「吾輩の辞書云々」と同じで、一種の伝説のようなもの。同僚ブリティッシュによると British Englishでは今日でも使われるとのこと。危機一髪の状況をなんとか生き残ったら、That was a close-run thing. と表現してみよう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 TALK TO ME トーク・トゥ・ミー 』
『 PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ 』
『 きっと、それは愛じゃない 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, B Rank, アメリカ, ヴァネッサ・カービー, ホアキン・フェニックス, 伝記, 歴史, 監督:リドリー・スコット, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメントLeave a Comment on 『 ナポレオン 』 -人間ナポレオンに迫る-

『 BAD LANDS バッド・ランズ 』  -社会の底辺の連帯-

Posted on 2023年10月1日2023年10月1日 by cool-jupiter

BAD LANDS バッド・ランズ 55点
2023年9月30日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:安藤サクラ 山田涼介 生瀬勝久
監督:原田眞人

 

安藤サクラ主演ということでチケット購入。

あらすじ

大阪で特殊詐欺グループで三塁コーチ役を務めるネリ(安藤サクラ)は、大阪・西成で底辺の人々と暮らしていた。彼女は組織の番頭、高城(生瀬勝久)の元で警察の捜査をかいくぐって生きてきた。ある時、弟のジョー(山田涼介)と共にネリはある賭場に向かうことになり・・・

ポジティブ・サイド

個人的には冒頭のシーンが楽しめた。映画の中で職場近くの風景がたくさん観られるというのは面白い。Jovianはよく大川沿いを散歩していたりする。大阪都心部で働く人にはお馴染みの淀屋橋、難波、天王寺などの景色を観ると、架空のストーリーにもリアリティが付与される。

 

社会の下層民の描き方もいい。単なる怠惰な人間の集団ではなく、適度にインテリが混じっていたり、あるいはお上に対する反骨精神からの連帯感を発揮したりと、現代性と大阪らしさの両方が盛り込まれている。

 

安藤サクラはまさにインテリ下層民の代表。とある事情により東京から逃げてきた。そして番頭の高城の庇護のもとで詐欺の片棒を担いでいる。当然のように警察からマークされる。また東京の富豪からも常に監視をされている。そんなネリが、弟ジョーと共に起こした事件により、大金を得たものの警察とヤクザを相手に逃走する羽目になる。その過程が堪えられないサスペンスを生み出している。

 

『 さがす 』に続く、大阪社会のダークサイドと、ウェットな人間関係にあふれた作品。大阪人、関西人ならぜひ鑑賞を。

ネガティブ・サイド

生瀬勝久の大阪弁はパーフェクトだが、安藤サクラはやはりネイティブからは遠い。山田涼介は論外。大阪弁の要諦である小さい「ァ」、「ィ」、「ゥ」、「ェ」、「ォ」ができていない。「血」ではなく「血ィ」みたいに発音するのが大阪弁。誰か指導できるスタッフはおらんかったんかいな。

 

さらにこのジョーというキャラクターの設定がブレまくり。自分で自分をサイコパスと言いながら、中盤に友情出演している某キャラにあっさりと撃退される。かと思えば、最終盤にはガンガン人を殺しまくり。強いのか弱いのか、サイコなのかチキンなのか、よう分からん。山田涼介の出てくるシーン全般はノイズに感じられた。

 

後は特殊詐欺組織の脆さか。そこであっさりとそんなこと喋るか?高城の教育はどないなってんの?なんか番頭と聞くと漫画『 魔風が吹く 』の番頭を思い浮かべるのだが・・・ いくら高城が裏社会の大物でも、使っている手下がこんなアホでは、あっという間に警察に摘発されているはず。ここらあたりの警察捜査の過程はかなりご都合主義に感じられた。

 

総評

ストーリーは文句なしに良い。大阪を舞台にしたところや、大道具・小道具に衣装などのプロダクションデザインも素晴らしい。問題はジョーというキャラ、そして天童よしみや江口のりこといった、いくらでもサブプロットを生み出せそうなキャラを多数出しながら、特に彼ら彼女らが活かされなかったところ。それでも、このような社会の暗い一隅を照らそうとするエンタメ作品が日本でも作られ、公開されたということは歓迎したい。関西人はもちろんのこと、日本中の人に観てもらいたい。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

rotten edge

劇中で腐れ縁の訳語としてネリが挙げた表現。なのだが、これは腐れ縁というよりは悪縁や険悪な仲を指す言葉で、日本語の「腐れ縁」が持つ、切れそうで切れない縁というニュアンスはない。腐れ縁は on and off relationship または on/off relationship が最も当てはまりそう。ちなみに rotten edge は

Our love for each other became a rotten edge.
私たちの愛情は剣呑なものになってしまいました。

のように使う。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 アリスとテレスのまぼろし工場 』
『 ほつれる 』
『 オクス駅お化け 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, クライムドラマ, 安藤サクラ, 山田涼介, 日本, 生瀬勝久, 監督:原田眞人, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント, 配給会社:東映Leave a Comment on 『 BAD LANDS バッド・ランズ 』  -社会の底辺の連帯-

『 グランツーリスモ 』 -壮大なインフォマーシャル-

Posted on 2023年9月25日 by cool-jupiter

グランツーリスモ 30点
2023年9月23日 TOHOシネマズ伊丹にて鑑賞
出演:アーチー・マデクウィ デビッド・ハーパー オーランド・ブルーム
監督:ニール・ブロムカンプ

鑑賞する気は毛頭なかったが。世評では本作は『 RRR 』や『 トップガン マーヴェリック 』に比肩すると言われている。ならばとチケットを購入。

 

あらすじ

小さな頃からクルマが大好きだったヤン・マーデンポロー(アーチー・マデクウィ)は、PlayStationゲーム『 グランツーリスモ 』で抜群の腕前を誇るゲーマーになっていた。同作のトップゲーマーたちを集めて、現実のレーシング・ドライバーに育成するというGTアカデミーが発足。ヤンも招集されるが、そこで出会ったコーチは、ゲーマーがレーサーになれるわけがないと思っているジャック・ソルター(デビッド・ハーパー)だった・・・

 

ポジティブ・サイド

主人公のヤンのバックグラウンドを丁寧に描いている点には好感を抱いた。元サッカー選手の父にサッカー選手として花開いた弟、憧れの女の子オードリーとの絶妙な距離感など、ゲーマーとしてだけではなく一人の人間としての個別性がしっかり確立されていて、そのことがストーリーの要所要所のイベントとリンクしていく。愛したいのに愛せない父親と憎らしいけれど愛すべきコーチの対比も映える。

 

これが実話(をベースにした物語)だというのだから恐れ入る。VRが教育に徐々に取り入れられていっているが、各種の技能の訓練にシミュレーターがどんどんと使用されるようになっていく、という近未来を予感させてくれたのも、教育業界人の端くれとして thought-provoking だと感じた。

 

日本発のゲームが基になっており、開発者も日本人なので、日本(東京)の描き方に問題はなかった。よくあるハリウッド映画だと床の間に掛け軸のようなトンチンカンな日本家屋ではなく、ネオンサインに彩られたガヤガヤしたアジア的あるいは無国籍な繁華街の雰囲気は良かった。

 

ネガティブ・サイド

『 トップガン マーヴェリック 』や『 RRR 』に並ぶ面白さは感じなかった。もちろん、何を面白いと思うのかは個人の感性なので、そういうレビューをする人はそういう感性の持ち主なのだと納得するしかない。ただ、比較するなら『 トップガン 』の方だろう。複雑な家庭出身の主人公がアカデミー入りを果たし、大きな事故を経ながらも大活躍。新しい仲間を得て、自分の選んだキャリアを全うしようと決意する・・・って、まんま『 トップガン 』のプロットと同じやんけ。さらにエンヤとケニー・Gの楽曲が随所で挿入されるのも、80年代のイケイケ音楽と同時のオールディーズをふんだんに取り入れた『 トップガン 』ともよく似ている。つまり、オリジナリティはない。ニール・ブロムカンプといえば『 第9地区 』や『 エリジウム 』のように、差別や格差といった社会問題をうまくエンタメに昇華する監督だが、今作で彼の持ち味が発揮されたかというと、やや疑問。こういう構成にするなら、エドガー・ライトやジョセフ・コジンスキーの方が明らかに上手だろうと思う。

 

トップガンとの最大の違い、かつ本作の最大の弱点は、ゲームと現実の絶対的な境目である加速やターン時のGフォースをあまり描けていなかったこと、なおかつそのGをどのように克服していったのかという過程が思いっきりすっ飛ばされていたこと。そしてゲームではリセットできても、実際の運転ではリセットは不可能という絶対的な現実を乗り越える過程もなかった。序盤にヤンがパトカーを振り切る運転を見せたが、これなどはコーチのソルターが最も嫌う行動ではないか。現実にこんな anecdote があったとも思えない。映画化にあたっての脚色なのだろうが、個人的には蛇足に感じた。

 

本来描かれるべきゲームと現実の絶対的な相違を克服する過程の代わりに、本作はこれでもかと音楽を売り込んでくる。別にそれはそれで構わないし、それがヤン・マーデンボローという人物を正確に描くには欠かせないのは分かる。問題はそのことがストーリーに特に深みを与えていないこと。GTアカデミーの仲間たちがヤンのヘッドホンからの音漏れで夜中に目を覚ましてしまうシーンがあったが、もしもその後に一度は袂を分かった仲間たちが、ヤンの影響を受けて、自分なりのキラーソングを見つけて活躍するようになった、というひとかけらの描写や説明があれば良かったのだが、それもなし。よくできたミュージック・プロモーション・ビデオだとは言えるが、レーサーとしての成長を描くドラマとしては微妙と言わざるを得ない。

 

最後の最後でとあるプレゼントが大きな役割を果たすが、「おいおい、完全に使いこなしてるやんけ」と突っ込みを入れざるを得なかった。SONYのウォークマンはJovianも愛用しているが、ソルターがブルートゥース接続をするというのがまず想像できないのだが・・・

 

総評

正直なところ期待外れ。ストーリーも陳腐で細部も突っ込みどころだらけ。しかし、Jovian妻は「まあまあ面白い」とのことだった。さらに鑑賞後のトイレで若い男性二人が「あのゲーム、やりたくなった」と話していたりで、大傑作とは言わないまでも佳作とは言えるかもしれない。どんな作品でも最後は作り手と受け取り手の波長の問題となる。Jovianは無線の音声が印象に残ったので、『 グランツーリスモ 』よりも Ace Combat シリーズをもう一度プレーしてみようかな、と感じた。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

podium

表彰台の意。ラテン語では pod = 足、ium=場所である。足の乗る場所なので表彰台となる。pod は ped にもなり、ペダルやペディキュアといった語からも足の意味が読み取れる。英語に自信のある人なら centipede =百足=ムカデ、arthropod =節足動物などを思い起こすかもしれない。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 キリング・オブ・ケネス・チェンバレン 』
『 アリスとテレスのまぼろし工場 』
『 ほつれる 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アーチー・マデクウィ, アメリカ, オーランド・ブルーム, スポーツ, デビッド・ハーパー, 伝記, 監督:ニール・ブロムカンプ, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメントLeave a Comment on 『 グランツーリスモ 』 -壮大なインフォマーシャル-

『 キングダム 運命の炎 』 -キャラ映画になってきた- 

Posted on 2023年8月5日 by cool-jupiter

キングダム 運命の炎 65点
2023年7月29日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:山崎賢人 吉沢亮 大沢たかお 杏
監督:佐藤信介

同僚の突然死やら自分自身のMRSA感染などもあり、簡易レビュー。

あらすじ

秦軍主力の韓への侵攻の隙を突いて趙が秦に侵攻。秦は大将軍・王騎(大沢たかお)を総大将に任命。その王騎から中華統一の動機を問われた秦王政(吉沢亮)は、かつての恩人・紫夏(杏)と果たした約束を語り・・・

ポジティブ・サイド

原作で最も面白い馬陽防衛戦とそこに至るまでの過程がきっちり実写化されている。山崎や吉沢、大沢たかおのキャラ再現度は相変わらず高い。飛信隊の面々もなかなか。ひょうきんだが熱情があり、そして思いやりもある。続編では・・・

趙の面々も濃い。原作ではかなり粘った馮忌をあっさりと料理したのは英断。

闇商の紫夏に杏がはまり役。漫画の実写化もここまで忠実にやると、それはそれで面白い。

ネガティブ・サイド

蒙武の見せ場が少なすぎ。

李牧の配役だけはちょっと違和感。もともとこの役者が演じるという噂はあったが、ここで実写御用達俳優を起用するのはちょっと違うのでは?龐煖を演じる役者もなんか違うような気がする。鵜堂刃衛(白字)はめちゃくちゃ似合っていたのだが。

総評

すべては続編の馬陽防衛戦の後半次第か。原作で最もドラマチックな戦いとなるが、「俺たちの戦いはこれからだ!」になるのか、それとも更なる続編製作に舵を切るのか。単純な漫画の実写化として見れば、キャラの再現度が非常に高いので、そこは評価できる。

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

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人から受けた恩を別の人に返す、の意。上方芸人の世界では、師匠やベテランは弟子や後輩に気前よく芸事を教えたり、あるいは飯をおごったりする。それを次世代につなげていく伝統がある。まさに pay it forward だ。Jovianは大学時代に寮で暮らしていて、まさにそういう伝統を体験してきた。廃寮になるまで、我が第一男子寮には pay it forward の精神は生きていたのだろうか。

次に劇場鑑賞したい映画

『 イノセンツ 』
『 658km、陽子の旅 』
『 神回 』

現在、【英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー】に徐々に引っ越し中です。こちらのサイトの更新をストップすることは当面はありません。

I am now slowly phasing over to https://jovianreviews.com. This site will continue to be updated on a regular basis for the time being.

Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, アクション, 吉沢亮, 大沢たかお, 山崎賢人, 日本, 杏, 監督:佐藤信介, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント, 配給会社:東宝Leave a Comment on 『 キングダム 運命の炎 』 -キャラ映画になってきた- 

『 65 シックスティ・ファイブ 』 -オリジナリティが弱い-

Posted on 2023年6月10日2023年6月10日 by cool-jupiter

65 シックスティ・ファイブ 40点
2023年6月4日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:アダム・ドライバー アリアナ・グリーンブラット
監督:スコット・ベック ブライアン・ウッズ

 

簡易レビュー。

あらすじ

恒星間宇宙船が小惑星帯と衝突し、未知の惑星に墜落した。辛くも生き延びたパイロットのミルズ(アダム・ドライバー)は、脱出船を探す過程で生き残りの少女コア(アリアナ・グリーンブラット)を見つけ出す。2人はともに脱出船を目指すが、そこは恐竜の闊歩する地球で、しかも小惑星が刻々と迫っていた・・・

ポジティブ・サイド

言葉の通じない少女と異星からの脱出を目指す、といえばあの名作が思い浮かぶ。その異星が実は地球だった、といえばどうしたってあの古典的作品を思い起こさずにはいられない。長い旅路の果てに娘に愛想をつかされる父親といえば、近年の巨匠の某SFとそっくりである。まあ、テンプレまみれの作品で、ある意味で非常に安心して観ることができる。ここでこれを見せるということは、45分後ぐらいにこういう展開かな?という予想が当たること当たること。90分という短い中で、アダム・ドライバーと子役の二人のドラマをそれなりに堪能できた。



ネガティブ・サイド

いくら何でも6500万年前の地球近傍にやってきて、小惑星帯にぶつかって、そのまま地球に不時着してしまうというのはご都合主義もいいところ。もう少し何らかの必然性があっても良かったのではないか。

 

未知の惑星で「空気が呼吸可能」という理由だけでヘルメットを脱ぐか?このあたり

『 エイリアン: コヴェナント 』とそっくり。ホンマに恒星間飛行を当たり前のように行う文明のパイロットなのか?

 

ミルズが銃器で恐竜を撃退するというのはあまりにも陳腐。それこそバリアのようなものでも持っているのなら、不用意にヘルメットを外す行為も説明できるのだが。

 

総評

『 エイリアン2 』と『 インターステラー 』と『 猿の惑星 』を足して10で割ったような作品。頭を空っぽにして鑑賞する分には良いのだろう。ポイントやシネマイレージが貯まっているなら、本作で消費するのも手かもしれない。アダム・ドライバーの熱烈ファンなら劇場へ。そうでないなら配信やレンタルを待つのもあり。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

asteroid

アステロイド=小惑星である。asterはギリシャ語で星のこと。日本語だとアスタリスクやアストロ球団などでお馴染みだろう。英語だと astronaut や astronomy が派生語となっている。接尾辞 oid は「似たもの」という意味を生む。アンドロイドは男に似たものという意味(アンドロギュヌスで両性具有、gynusの派生語はgynecology=婦人科)となる。つまり、アステロイド=星のようなもの=小惑星である。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 The Witch 魔女 増殖 』
『 渇水 』
『 水は海に向かって流れる 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, SF, アダム・ドライバー, アメリカ, アリアナ・グリーンブラット, 監督:スコット・ベック, 監督:ブライアン・ウッズ, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメントLeave a Comment on 『 65 シックスティ・ファイブ 』 -オリジナリティが弱い-

『 search #サーチ2 』 -珠玉のスリラー-

Posted on 2023年4月21日 by cool-jupiter

search #サーチ2 75点
2023年4月16日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ストーム・リード
監督:ウィル・メリック ニック・ジョンソン

簡易レビュー。

 

あらすじ

ジューン(ストーム・リード)は、恋人とコロンビア旅行に出かけた母が予定日に帰国しないことから、犯罪に巻き込まれたことを危惧し、連邦警察に連絡する。一方でジューンはSNSや各種ネットの情報を使い独自に母を探そうとするが・・・

ポジティブ・サイド

『 search サーチ 』の続編的な作品。正直なところ、同じ手法でもう一度びっくりさせるのは無理だろうと思っていたが、こちら側のそうした予想を軽く超えてきた。

 

コロナ禍で一気に浸透したZoomやGoogle Meetのおかげで、PC画面上で様々な事象が展開されることに全く違和感を覚えなくなった。前作は今思えば、少々強引な自宅内のショットや音声もあったが、今作のPCカメラ映像や音声には不自然なところは一切ない。

 

人間、誰でも秘密を抱えているもの。本作はPCからあらゆるサービスやサイトに侵入していき、様々なキャラの秘密が次々に明かされていく。『 スマホを落としただけなのに 』とは比較にならないサスペンスだ。

 

そんな中でも現地コロンビアの協力者ハビエルがすごく良い人。ネットの先にこそリアルな人間関係がある。

 

ネガティブ・サイド

大活躍のGoogle様だが、普段使っていないデバイスからアクセスされると本人に通知が行くはずだが。ジューンがあそこまで好き勝手できたことに「Google、仕事しろ」と思ってしまった。

 

いくらコロンビアでも、あそこで発砲するか?ここも納得いかなかった。

 

総評

『 search サーチ 』に負けず劣らずの秀作。form は同じながら、content をガラリと変えてきた。あまり書くとネタバレになってしまうが、前作を見た人ほど製作者側の思惑に引っかかってしまうのではないだろうか。Jovianはかなり早い段階で「ああ、黒幕はこいつだろうな」と目星をつけて大失敗。いやはや、こういう感覚は何度味わっても楽しい。本作から鑑賞して、前作に行くのも可能。今春の見逃すべからざる逸品だ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

itinerary

アイティネラリィと発音する。TOEICに頻出する語で、意味は「旅程表」や「旅行の行き先」のこと。普通に実生活でも使うので、ビジネスパーソンならずとも知っておきたい語彙である。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ヴィレッジ 』
『 ザ・ホエール 』
『 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, B Rank, アメリカ, サスペンス, ストーム・リード, スリラー, ミステリ, 監督:ウィル・メリック, 監督:ニック・ジョンソン, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメントLeave a Comment on 『 search #サーチ2 』 -珠玉のスリラー-

『 モービウス 』 -二番煎じのオンパレード-

Posted on 2023年1月28日 by cool-jupiter

モービウス 35点
2023年1月28日 レンタルBlu rayにて鑑賞
出演:ジャレッド・レト マット・スミス アドリア・アルホナ
監督:ダニエル・エスピノーサ

 

劇場公開時にはスルーした作品。近所のTSUTAYAで準新作になったので、クーポン使用でレンタル。

あらすじ

天才医師マイケル・モービウス(ジャレッド・レト)は、自らが患っている血液難病の治療法を探していた。ある時、コウモリの血清を使った治療法を自分自身に試した結果、マイケルは異能の力を授かってしまう。同時に、抑えようのない血液への渇望に苛まされるようになり・・・

 

ポジティブ・サイド

メインのキャラを演じた俳優たちは皆、ハマっていた。ジャレッド・レトは言うに及ばず、親友かつ宿敵となるマイロを演じたマット・スミスも『 ラストナイト・イン・ソーホー 』同様に、心に闇を抱えたキャラを好演した。

 

マイケルの同僚マルティーヌを演じた女優は美人だなと感じた。

 

ネガティブ・サイド

何もかもに既視感を覚えた。キャラもそうだし、ストーリーもそう。オリジナリティが決定的に欠如している。

 

ヴィランと見せかけてヒーローでした、は既に『 ヴェノム 』でやったこと。さらに主人公に立ちはだかるヴィランが主人公と同じパワーを持っているという筋立ても『 インクレディブル・ハルク 』以来、使い古されたプロット。幼い患者を救おうと結成を投与したらヴィランになってしまった。倒すためではなく止めるため、または元に戻して別の治療を施すために自らも結成を投与して患者であった少女と対峙する・・・のようなストーリーなら相当にドラマが盛り上がるはずなのだが。

 

マイケルとマイロのバトルも、まるでファンタビを観ているかのよう。コウモリがバトルをするのかどうかは知らないが、エコーロケーションによって死角からの攻撃も交わしてしまう、あるいは暗闇でも闘えるといった、コウモリらしさが感じられなかった。

 

血の臭いにすこぶる敏感になっていたマイケルだが、街中に出たら混乱するのでは?ちょっと下品かもしれないが、雑踏の中には「現在、生理中です」という女性などいくらでもいただろう。そうした臭いに反応してしまってもすぐに自制できる。しかし、マルティーヌの血の臭いには抗いがたい何かがある・・・といった描写をほんの少し入れてくれれば、それだけでマイケルが一気に人間臭くなり、感情移入しやすくなったと思う。

 

総評

近年のMCUの傾向を中耳になぞるかのように、一つの映画が一つの長大なインフォマーシャルになってしまっている。エンディングのカットシーンを観ても、もはや興奮できない。義理で鑑賞しているように感じ始めたMCUだが、あと1~2年で劇場鑑賞から離脱するのが吉かもしれない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

work

上手く行く、の意。劇中では It worked. = 実験が成功したわ、のように使われていた。日本語でも「このプランは本当にワークするのか?」のように、一部の業界人は日常的に使っているのではないか。しばしば work like a charm = 魔法のように上手く行く = 実に上手く行く、見事に効く、という形で使われる。英会話中級者なら耳にしたことはある表現だろう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 そして僕は途方に暮れる 』
『 ヒトラーのための虐殺会議 』
『 エンドロールの続き 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, E Rank, アクション, アドリア・アルホナ, アメリカ, ジャレッド・レト, マット・スミス, 監督:ダニエル・エスピノーサ, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンタテインメントLeave a Comment on 『 モービウス 』 -二番煎じのオンパレード-

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