Skip to content

英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

  • Contact
  • Privacy Policy
  • 自己紹介 / About me

カテゴリー: 海外

『 モンタナの目撃者 』 -山火事と暗殺者から逃れられるか-

Posted on 2021年9月12日 by cool-jupiter

モンタナの目撃者 65点
2021年9月11日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:アンジェリーナ・ジョリー フィン・リトル ジョン・バーンサル エイダン・ギレン ニコラス・ホルト
監督:テイラー・シェリダン

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210912151400j:plain

テイラー・シェリダン監督の最新作。アメリカの大自然とアメリカ社会の闇の両面を描くという点で『 ウインド・リバー 』の同工異曲だが、クオリティはそこまで及んではいなかった。だからといってホームランと比べると2塁打は確かに劣るが、凡退やシングルヒットよりも全然良い。

あらすじ

森林局のパラシュート隊員であるハンナ(アンジェリーナ・ジョリー)は、過去の消防活動からトラウマを抱えていた。そんな中、小川のほとりでコナー(フィン・リトル)と出くわす。コナーの父が恐るべき陰謀に巻き込まれたことを知ったハンナはコナーを助けると決意する。しかし、そこには追手と彼らが放った火によって起きた森林火災が迫って・・・

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210912151415j:plain

ポジティブ・サイド

アメリカの雄大な自然の森や山々が活写されると共に、それが牙を剥いてきた時の恐ろしさも真正面から捉えられている。山火事の炎は言うに及ばず、雷の恐怖もなかなかのもの。序盤に新人たちの入隊セレモニーが行われているそばで飲んだくれながら、F-words連発で下世話なトークを繰り広げるハンナとその仲間たちに「こいつらが消防隊員で本当に大丈夫か?」と思ったが、実際はこれぐらい図太さと豪胆さがなければ大自然の脅威には立ち向かえないということがよく分かった。

かといってハンナは単に口が悪い、頭のねじが外れた消防士ではない。過去のトラウマに今も苛まれている。そんな彼女がコナーと巡り合うことで、過去のトラウマに決着をつけられる機会を図らずも手に入れる。序盤、いきなり住宅が吹っ飛ばされ、それをニュースで知った男性が息子を連れて逃走するシーンは観る側を置いてけぼりにするが、それを追撃してくる暗殺者ふたりの奇妙なバディっぷりが不気味さを倍増させる。

あるサバイバルスクールで文字通りに役者が揃い、ハンナとコナー、ハンナの元恋人で地元の保安官とその妻、そして山火事の猛威の三つ巴の戦いはまさに手に汗握る展開。「殺される」と感じた瞬間からの逆転や、「勝った」と確信した瞬間からの再逆転など、とことんまでサスペンスを追求した作りに100分という上映時間をもっと短く感じた。

エイダン・ギレンとニコラス・ホルトの暗殺者二人組の容赦のない仕事ぶりと、それゆえの倒され方には納得。ジョン・バーンサルの保安官役も板についていた。子役のフィン・リトルの演技力も堂に入っている。涙を流すのではなく、父の遺志を継いで涙を必死にこらえる姿には脱帽。演出家や演技指導者の腕が良いのか、この子の訳とシーンの解釈が素晴らしいのか。最後にアンジェリーナ・ジョリーを称えないわけにはいかない。豪快さと繊細さ、力強さと優しさの両方を備えている。父子家庭で育ったと思しきコナーが父を失くしたからといって、安易に母親的な存在になろうともしない。相手を子どもではなく一人の人間として、まっすぐに目と目を合わせて話をする。ルックスでデビューして、加齢とともに消えていくどこかの国のアイドル卒の女優たちには、アンジェリーナ・ジョリーの出演作品を10回以上見せてやりたいと思う。

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210912151429j:plain

ネガティブ・サイド

コナーが仔馬と交流するシーンが冒頭近くにあるが、これは何だったのだろう。てっきり終盤に森林の中で馬と出会い、動物と心通わせる力でもって、窮地を脱するのかと思ったらさにあらず。

バーンサルの上官が自身の妻からの電話応答を”Absolutely not.”といって断るシーンは必要だったか。これをやってしまうとそそっかしい人は「保安官は職務中は家族からの電話にも出ないのだな」と思ってしまう。ここは逆に電話に出て、保安官同士で使う隠語で妻に言葉をかけるぐらいが望ましかった。

不満を言わせてもらえば、落雷する平原を駆け抜ける際のハンナの指示にプロフェッショナリズムがもっとあれば良かった。いつ落雷するか分からないような超危険地帯では、雷しゃがみが鉄則。「こんな風にしゃがむのよ」的なことを言っていたが、こここそ「手を地面につかない」とか「かかとを浮かせる」といったことを復唱させる場面であると感じた。

あとは映画そのものの出来とは関係ないが、これまたトレイラーがほとんど全部のプロットを明かしてしまっている。できるだけトレイラーを見ずに臨むのが吉である。

総評

炎の熱がスクリーン越しにこちらに伝わってくるようなヒリヒリ感に満ちた作品である。自然の脅威と人間の追撃者の両方を扱った作品としては『 ローグ 』以上のサスペンスとアクションに満ちている。アンジェリーナ・ジョリーの迫真の演技とテイラー・シェリダンの描く極限的な状況がハイレベルで融合した佳作である。

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

read 

「読む」の意。通常は文字を読むのに使われる表現だが、日本語動揺に実は守備範囲が非常に広い動詞である。

lipreading = 読唇術
mind reading = 読心術
palm reading = 手相見
card reading = カードの読み取り(クレジットカードからタロットカードまで)

劇中では read the wind wrong =「風を読み違えた」という表現が出てきたが、ここまでくれば wind reading = 風読みも、ゴルフをたしなむ人なら分かるだろう。もっと一般的なところでは、正月に凧を揚げる時にどこに注目するかを思い浮かべればいい。それが風読みである。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村 
Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アメリカ, アンジェリーナ・ジョリー, エイダン・ギレン, ジョン・バーンサル, スリラー, ニコラス・ホルト, フィン・リトル, 監督:テイラー・シェリダン, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 モンタナの目撃者 』 -山火事と暗殺者から逃れられるか-

『 シャン・チー テン・リングスの伝説 』 -MCU新フェイズの幕開け-

Posted on 2021年9月11日 by cool-jupiter

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210911214330j:plain

シャンチー テン・リングスの伝説 65点
2021年9月5日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:シム・リウ オークワフィナ ミシェル・ヨー トニー・レオン
監督:デスティン・ダニエル・クレットン

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210911214346j:plain

『 ブラック・ウィドウ 』に続く Marvel Cinematic Universe の新フェイズ。明らかに中国市場を意識した作りになっているが、諸事情あって肝腎の中国では上映されないとか。なかなかの力作だけに実にもったいないと思う。

 

あらすじ

ホテルの駐車係のショーン(シム・リウ)は親友のケイティ(オークワフィナ)との出勤途中のバスで、片腕が剣になっている男に襲われる。ショーンは自らの秘めた力で応戦するが、それは彼の父の組織「テン・リングス」との闘いの幕開けだった・・・

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210911214403j:plain

ポジティブ・サイド

冒頭からトニー・レオンが荒ぶる。テン・リングスという、まさに仙術武具とも言うべき武器の威力を見せつける。元ネタはやはり乾坤圏なのだろうか。非常にアジア的で、MCUの新フェイズを強く印象付ける。最初から最後まで悪役なのだが、MCUにちらほら出てくる小物的な悪ではなく、カリスマ的な悪のオーラを放っている。それもこれも愛する妻のためだというのが、陳腐ながら説得力あり。

 

ショーンことシャン・チーの実力発揮までも簡潔でよろしい。オークワフィナ演じるケイティとのバディっぷりを見せながら、バスの中でのいきなり格闘戦の始まりまでに無駄がない。アクロバティックな体術ながら、確かにこれなら鍛錬を極限まで積んだ人間なら出来そうなムーブで敵モブを蹴散らすのは爽快だった。ブルース・リーやジャッキー・チェンなら実際にできただろう。シム・リウには悪いが、彼らの顔を思い浮かべながら楽しませてもらった。

 

妹シャーリンとの再会と共闘もどこか『 フェアウェル 』的で、中国を市場として大いに意識しつつも、西洋文化に回収してやろうという意識を読み取れないでもない。シャン・チーとシャーリンの叔母にミシェル・ヨーがキャスティングされているのはその表れだろうと思う。CGとスタントダブル全開ながら、そのミシェル・ヨーもアクションで魅せる。とにかく一時期のWWEかと思うほど、ストーリーの緩急の緩に差し掛かると、無理やりにバトルである。ここまで開き直った作りは嫌いではない。

 

クライマックスのシャン・チー勢力 vs 父率いるテン・リングスの激突に第三勢力の登場、そしてスペクタクル満載のフィナーレへ。深く考えてはならない。『 ゴジラ FINAL WARS 』のようなものだと思うべし。人間同士のバトルと、怪物同士のバトル。つまりは派手なお祭りである。祭りなら楽しんだ者の勝ちである。

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210911214418j:plain

ネガティブ・サイド

さすがにMCU映画も作りすぎてしまったか、映像やアクション面で新境地は少しは開かれているものの、構図がどれも似たり寄ったりになっていると感じる。バス車内でのバトルは『 デッドプール 』の乗用車内でのバトルを彷彿させるし、家族内の争いがそのまま世界の命運につながってしまうというのは、まんま『 ブラック・ウィドウ 』である。建設中のビルの足場でのバトルは残念ながら『 ザ・ファブル 殺さない殺し屋 』の方が先に映像化および公開をしてしまった。

ラストのバトルも、後から思い起こすと『 千と千尋の神隠し 』+『 モンスターハンター 』+『 アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 』の足し算に見えてしまった。パッと見には真新しく見えるけれど、実は古い革袋に新しい酒ならぬ、新しい革袋に古い酒になっている。

 

未見だが、ディズニーの実写『 ムーラン 』もこんな感じなのだろうか。アジアのスーパーヒーローのMCU参戦は大歓迎だが、シャン・チーが『 ドクター・ストレンジ 』のエンシェント・ワン並みにユニークな闘い方の特徴を今後見せられるかが少し不安になってしまった。

 

総評

往年のブルース・リーの名作の数々から『 ベスト・キッド 』までの流れを汲みつつも、『 クレイジー・リッチ! 』や『 フェアウェル 』のような家族ドラマの要素も強い。アクション全開かつ満載で、何も考えなければ一気に最後までノッて行けるが、「どっかで観た構図だな、これ」とか考え出すとドツボにはまる。『 ドラゴンボール超 』のアニメ映画を観るつもりで鑑賞すべきだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

90% confident

劇中で「90%自信がある」というふうに使われていた。ここで知っておいてほしいと思うのは、【 数字+(単位)+形容詞 】という構造。最も一般的なのは I am 20 years old. や She is 155 centimeters tall. のような使い方だろう。ところがどういうわけか英会話スクール講師(日本人)の中にすら、Your student, 〇〇 san, will be late for 10 minutes. のような文章をメモやメールで使う者が多い。正しくは、〇〇 san will be 10 minutes late. である。ちなみにJovianの前の職場の日本人英会話講師は全員 late for 10 minutes を正しい英語だと判断する困った方々であった。

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村   

Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アクション, アメリカ, オークワフィナ, シム・リウ, トニー・レオン, ミシェル・ヨー, 監督:デスティン・ダニエル・クレットン, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 シャン・チー テン・リングスの伝説 』 -MCU新フェイズの幕開け-

『 サムジンカンパニー1995 』 -モデルはサムソンではない-

Posted on 2021年9月8日 by cool-jupiter

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210908012556j:plain

サムジンカンパニー1995 80点
2021年9月4日 塚口サンサン劇場にて鑑賞
出演:コ・アソン イ・ソム パク・ヘス
監督:イ・ジョンピル

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210908012532j:plain

 

Jovianは前職では英語・英会話講師、現職では企業・学校向け英語レッスンの教務担当である。今春に本作の紹介記事を読んで「TOEICのスコアアップに奮闘するOLたちの物語」と早合点していたが、どうしてなかなか骨太の社会はエンターテインメントであった。

 

あらすじ

サムジン電子に勤める生産管理のジャヨン(コ・アソン)、マーケティングのユナ(イ・ソム)、会計のボラム(パク・ヘス)は高卒というだけで制服を着せられ、小間使いばかりに従事させられていた。ある日、ジャヨンは近くの河川で魚が大量に死んでいるのを目撃、その後、自社工場から汚染水が排出されているのを目撃する。会社の不正行為に立ち向かおうとするジャヨン達であるが・・・

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210908012617j:plain

ポジティブ・サイド

Jovian妻は大学新卒から東証一部上場企業の事務職であるが、旧態依然たる制服勤務、ファイリング、データ入力などに従事する毎日で、当然分厚いガラスの天井がある職場である。その妻が本作のオープニング映像に痛く感銘を受けていた。詳しくは見てもらえれば分かるのだが、とにかく男の仕事がいかにいい加減で、しかも縁の下の力持ちの存在に全く気が付いていないことが分かるだろう。1990年代の韓国企業を舞台にしたストーリーであるが、これが2021年の東証一部上場企業の中身にそっくりなところがいっぱいあるということに、我々はもっと衝撃を受けねばならない。

 

TOEICスコアが600点に達すれば「代理」になれるというお達しに色めき立つジャヨン達であるが、その一方で目撃してしまった自社工場からの汚染水の放出。これに目をつぶってTOEICスコアと共に栄達を目指すのか、それとも自身の正義感に忠実に行動するのか。このあたりの分かれ目がリアルに感じられた。当然彼女らは後者。持ち前の行動力と、長年の事務作業で培ってきた事務知識と事務処理能力を駆使して『 ミッション・インポッシブル 』的な潜入や調査を行っていく。FAXと電話番号の関係や、電話機の操作、オフィス用品の意外な用途など、知っている人であれば納得できる行動だろうし、知らない人が見れば「すごい!」と素直に感心できるだろう。

 

その過程で明るみになっていく数々の事実。それに関わるサムジン電子社内の複雑な権力構造と人間関係。ジャヨンたちが真実に迫り、それを社会に向けて告発しようと、まさに『 記者たち 畏怖と衝撃の真実 』や『 オフィシャル・シークレット 』のような展開が見えた瞬間に、韓国社会の無情な現実が立ちはだかる。『 トガニ 幼き瞳の告発 』のような胸糞バッドエンドなのか・・・と思わせてからの大逆転劇が愉快・痛快・爽快だ。韓国映画が近代史実を料理すると『 国家が破産する日 』のような展開かつエンディングを普通に作ったりするので油断できない。そうした自国映画の特徴までも伏線にした傑作である。

 

グローバル化、そして英語がキーワードの本作であるが、TOEIC対策のために会社で皆が勉強するという風景がどこか前時代的なのだが、これすらも伏線にしてしまうのだからイ・ジョンピル監督の手腕には恐れ入る。ジェットコースター的な展開の連続で「これはいける!」と思った瞬間からの転落劇や、どん底からの逆転劇が、行きつく間もなく繰り広げられる。社内の意外な人物が敵だったり、あるいは味方だったり、そうした人間たちを相手に虚々実々の駆け引きが行われ、観る側を決して飽きさせない。恋愛要素ゼロで突っ走るという、邦画では絶対に企画時点で却下されそうな脚本で最後まで全力疾走する。2020年代の韓国社会(日本社会も同様だ)の旧弊を公然と非難し、それを呵呵と笑い飛ばす会心の韓流コメディである。

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210908012632j:plain

ネガティブ・サイド

出てくる男性キャラクターが一人を除いてアホ、鈍感、悪人のいずれかである。いや、根っからの悪人というのは少数なのだが、ある意味で自分の愚かしさや行動原理の醜悪さに気づかないアホや鈍感なので、同じ男としていたたまれない気持ちになってしまった。人の振り見て我が振り直せである。まあ、これは減点対象となるところではない。

 

英語クラスで自らに English name をつけるのだが、ジャヨンが自分につけたのはDorothy = ドロシー。「これは『 オズの魔法使 』へのオマージュか」と感じさせたが、特にそういった工夫はなし。Ma belleであるMichelleの過去が名前の意味と合っていただけに、SilviaやDorothyという名前にも、もっと意味を持たせて欲しかった。

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210908012648j:plain

総評

痛快の一語に尽きる傑作である。シリアスでありながらコメディ、コメディでありながらシリアス。エンタメ性と社会性のバランス配分も素晴らしい。TVドラマの『 ショムニ 』のようだというレビューをちらほら見かけるが、全然違うだろう。片や、欲望のままに動いて結果的に会社の利益に。片や、正義感と信念に突き動かされて社会の利益に。本作は韓流『 エリン・ブロコビッチ 』であり『 女神の見えざる手 』であり『 ドリーム 』と評すべきだろう。遅くに上映してくれた塚口サンサン劇場に感謝。多くの方に劇場またはレンタルや配信でご覧いただきたい傑作である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Even a worm will turn.

「一寸の虫にも五分の魂」・・・よりも「なめくじにも角」の方がニュアンス的には近いように思う。作中ではTOEICによく出る英語の格言・諺の一つとして扱われていたが、主人公たちが一貫して見せつける意地を表す言葉にもなっている。TOEICには英語の格言や慣用表現というのはあまり出ないはず。イディオムについては、どちらかと言うとTOEFL ITPを受験しなければならない大学生が知っておくべきか。

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村   

Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, A Rank, イ・ソム, コ・アソン, コメディ, パク・ヘス, 監督:イ・ジョンピル, 配給会社:ツイン, 韓国Leave a Comment on 『 サムジンカンパニー1995 』 -モデルはサムソンではない-

『 フィールド・オブ・ドリームス 』 -He lives in you-

Posted on 2021年9月5日 by cool-jupiter

フィールド・オブ・ドリームス 80点
2021年8月30日 NHK BSプレミアムにて鑑賞
出演:ケビン・コスナー ジェームズ・アール・ジョーンズ レイ・リオッタ バート・ランカスター
監督:フィル・アルデン・ロビンソン

 

たしか中学生の時にVHSで父親と一緒に観た。世にスポーツは数多いが、特定の国々では野球に格別のドラマを見出すようである。

 

あらすじ

トウモロコシ農場を営むレイ(ケビン・コスナー)は、ある日「それを作れば、彼はやって来る」という謎の声を聴く。”それ”を野球場だと解釈したレイは、畑の一部をつぶして野球場を作る。するとそこに、スキャンダルでMLBを追放された往年の名選手、シューレス・ジョーが現われて・・・

 

ポジティブ・サイド

初めて観た頃に、ちょうど中学の授業で赤瀬川準の『 一塁手の生還 』を読んでいたと記憶している。同作を読んで、「時代と共に変わってしまうもの、時代を経ても変わらないものがあるのだな」と感じていたので、本作品でしばしば言及される60年代が何のことやら分からなくても、それが物語の理解の妨げにはならなかった。今の目で観返してみると色々と見えてくる。戦争とそれに続く反戦運動は『 シカゴ7裁判 』に描かれている通りだし、親世代と子世代の断絶は普遍的なテーマである。

 

ケビン・コスナーが作った野球場にシューレス・ジョー・ジャクソンが現われるのは、日本で言えば沢村栄治が復活するぐらいのインパクトだろうか。ちょっと違うか。いや、戦争への道を歩む前、牧歌的に野球をしていた頃の日本の野球人だという意味では合っているかもしれない。

 

ジェームズ・アール・ジョーンズの声を聴くと、どうしても『 スター・ウォーズ 』のダース・ベイダーを思い起こすし、『 ライオン・キング 』のムファサの声も印象に残っている。父親をテーマにする本作のベストキャスティングではないかと思う。

 

レイが60年代の象徴たるテレンス・マンと共に全米を奔走し、それどころか過去と現代を行き来して、悲運のメジャーリーガーとついに巡り合う。しかし、アイオワに連れてくることが叶わないシーンには胸が潰れそうになってしまった。そこへ現われる時を超えてきた青年に思わず息を飲んでしまった。そして、その青年の因果にも。

 

最後の最後に現われる「彼」との邂逅は、野球が普及していない地域や文化圏の人が見ても、その美しさと尊さは伝わることだろう。Jovianは自宅の居間で不覚にも涙してしまった。過去と現在は断絶しない。愛と絆があれば、再び人は寄り添い合うことができる。ベタにも程があるストーリーなのだが、中年になった今、あらためてその素晴らしさを堪能することができた。

 

ネガティブ・サイド

ケビン・コスナーが各地を奔走して、「彼」を探す旅路と、自宅でそれを待つ家族という構図にアンビバレントな気持ちを抱かされる。チューリップの『 虹とスニーカーの頃 』で「わがままは男の罪、それを許さないのは女の罪」と歌った時代で、2020年代にそんな菓子の歌をリリースすればバッシングの嵐だろう。時代が違うとはいえ、この部分だけは「おいおい、レイ、もうちょっと察してやれよ」と感じてしまった。

 

散々指摘されていることだが、シューレス・ジョーは左利きである。P・A・ロビンソン監督がレイ・リオッタを御しきれなかったのか。

 

総評

WOWOWで夜更かししながらNBAを観ていたJovian少年はマイケル・ジョーダンの突然の引退と野球への転向ニュースに大いに驚いた。今にして思えば、MJも野球を通じて父親ともう一度つながりたかったのかもしれない。『 ドリーム 』や『 モリーズ・ゲーム 』で厳しいながらも温かみのある父親的人物像を打ち出すケビン・コスナーの演技が光る本作を観れば、親孝行したくなってくる。コロナ禍が収まったら、親父と一緒に映画館に行きたいな。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

take in something

スポーツ観戦は watch または see を使うのがほとんどだが、野球は take in a baseball game という表現がしばしば使われる。Cambridge Dictionaryでは take in = to go to see something of interest となっており、面白いと感じられるもの全般に使うことが分かる。実際に take in a beautiful sunset というのは travel blog などでよく使われる。映画ファンならば、take in a movie という表現も知っておきたい。

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村   

Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 1980年代, A Rank, アメリカ, ケビン・コスナー, ジェームズ・アール・ジョーンズ, バート・ランカスター, ファンタジー, レイ・リオッタ, 監督:フィル・アルデン・ロビンソン, 配給会社:東宝東和Leave a Comment on 『 フィールド・オブ・ドリームス 』 -He lives in you-

『 白頭山大噴火 』 -韓流ディザスタームービーの佳作-

Posted on 2021年9月3日 by cool-jupiter

白頭山大噴火 75点
2021年8月29日 大阪ステーションシティシネマにて鑑賞
出演:ハ・ジョンウ イ・ビョンホン マ・ドンソク ペ・スジ
監督:イ・ヘジュン キム・ビョンソ

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210903224429j:plain

仕事が多忙を極めているため簡易レビューを。

 

あらすじ

白頭山の巨大噴火を阻止しようと奮闘する者たちの物語。

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210903224452j:plain

ポジティブ・サイド

邦画で火山がフィーチャーされた作品というと『 日本沈没 』ぐらいしか思いつかない。しかも火山がテーマではない。他には火山噴火が導入になっている『 ドラゴンヘッド 』か、あるいは火山噴火が味付けになっている『 火口のふたり 』ぐらいか。ハリウッドはこの分野で傑作から駄作まで一通り作ってきたが、火山大国である日本からではなく韓国から火山噴火映画が出てきた。喜ぶべきか、嘆くべきか。

 

白頭山の噴火というのは、それなりに現実的な設定。しかし、それを食い止める、あるいは噴火の規模を抑えるための策が、地下での核爆発、しかもその核を北朝鮮から奪おうというのだから、荒唐無稽もいいところである。まるで1970~1980年代にかけてブライアン・フリーマントルの謀略小説のようである。あるいは 『 鷲は舞い降りた 』のような不可能ミッションのようである。そんなプロットをとにもかくにも成立させてしまうのは、主演のハ・ジョンウとイ・ビョンホンの力によるところが大きい。

 

ハ・ジョンウの頼りなさげな指揮官と、イ・ビョンホンの不穏極まりないオーラを放つ工作員の対比が、物語に奇妙なユーモアとシリアスさを同居させ、それがいつの間にやら極上のバディ・ムービーへと変貌していく。特にイ・ビョンホンはその演技ボキャブラリーの多彩さを本作でも見せつけて、他を圧倒している。デビューの頃から自慰シーンを見せたり、『 王になった男 』では下品な腰使いに排便シーンも見せてくれたが、今作でも野糞と立小便を披露。同年代である竹野内豊や西島秀俊が同じことをやれるだろうか?まず無理だろう。

 

米中露の政治的な駆け引きと思惑あり、ファミリードラマあり、アクションありと、面白一本鎗志向の中にもリアルな要素と鉄板の感動要素を盛り込んでくるのが韓国映画で、本作もその点ではずれなし。核を本当にぶっ放す映画としては『 アメリカン・アサシン 』や『 PMC ザ・バンカー 』よりも面白い。今夏、劇場でカタルシスを求めるなら、本作で決まりだろう。

 

ネガティブ・サイド

序盤のカーアクションのシーンは不要。CGで注力すべきは、地震による建造物の倒壊であるべきだった。

 

マ・ドンソクのインテリ役には少々違和感があった。ハ・ジョンウの嫁を保護するシーンで、多少は腕力を披露してくれても良かったのではないだろうか。

 

ジェット機が飛べなくなるほど上空に火山灰が舞い散っているのに、北朝鮮国内の、しかも北方の白頭山に近いエリアにほとんど灰が降り積もっていなかったのは多大なる違和感。同日にNHKのサイエンスZEROで『 富士山 噴火の歴史を読み解け 』を観たので、なおさら不自然に感じた。

 

総評

韓国映画の勢いはまだまだ止まらない。北朝鮮が国家として存在している以上、ドラマは無限に生み出せる。羨ましいような羨ましくないような状況だが、それすらもエンタメのネタにしてしまうところは邦画も見習うべきなのだろう。火山の国としても、また核を持たない軍事的な小国という立場からも、日本の映画ファンに幅広く鑑賞してもらいたい佳作である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

erupt

噴火する、噴出するの意。ex + rupt = 外に + 破れる というのが語源になったラテン語の意味である。rupt = 破れる だと理解すれば、interruptやbankrupt, disrupt, abruptなどの意味を把握するのは容易だろう。

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村   

Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, B Rank, アクション, イ・ビョンホン, ハ・ジョンウ, パニック, ペ・スジ, マ・ドンソク, 監督:イ・ヘジュン, 監督:キム・ビョンソ, 配給会社:ツイン, 韓国Leave a Comment on 『 白頭山大噴火 』 -韓流ディザスタームービーの佳作-

『 オールド 』 -時間スリラーの不発作(シャマラン基準)-

Posted on 2021年8月30日 by cool-jupiter

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210830001236j:plain

オールド 60点
2021年8月27日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル ヴィッキー・クリープス アレックス・ウルフ トマシン・マッケンジー 
監督:M・ナイト・シャマラン

 

その名前だけでチケット購入が決定する監督は何人かいる。シャマランはその一人である

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210830001309j:plain

あらすじ

ガイ(ガエル・ガルシア・ベルナル)とプリスカ(ヴィッキー・クリープス)の夫妻は、子どもたちをバカンスに連れてきていた。リゾート・ホテルからプライベートビーチを案内された一家はもう一組の家族と共にそこへ向かう。美しいビーチで過ごす彼らは、しかし、そこで女性の水死体を発見する。さらに、自分たちの子どもたちが異様な速度で成長していることまで分かり・・・

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210830001334j:plain

ポジティブ・サイド

冒頭でM・ナイト・シャマランから直々にオーディエンスにメッセージがある。シャマランと家ば・・・ではなく言えば、『 ヴィジット 』、そして『 ミスター・ガラス 』を作る際に、自分の家を抵当に入れて資金を捻出したことが知られている。そんな彼がコロナ禍において映画を劇場で公開できることを心から喜んでいることが伝わってくる映像だ。『 パラサイト 半地下の家族 』でもポン・ジュノが映像を冒頭に挟んでいたが、こうした試みはもっと多くの監督も採用して良いのではないだろうか。

 

アイデア一発勝負の本作であるが、そのアイデアがなかなか秀逸。特定のシチュエーションでは時間がどんどん速く過ぎていくというのは、SFでは真新しくもなんともない(例『 ナビゲイター 』など)が、それをスリラーに当てはめてしまうところを評価したい。そうすることで現実に急速な老化が自身に、あるいは家族に起こったらという想像が働く。最初から虚構の色合いの強いSFではなく、ひょっとしたら現実にあり得るかもしれないと思わせるスリラーというジャンルに本作のアイデアを持ってきたのは良かった。

 

子どもにとっての成長とは身体の変化であるし、大人にとっての成長とは老化=身体の衰えである。そのことを分かりやすく映像化できていた。特に出産シーンのサスペンスは異様だ。ようやく高速老化現象の種明かしを大人たちが始めたところでは展開の遅さに少々閉口したが、この妊娠・出産のシークエンスだけで一気に興味を取り戻した感がある。

 

ラストのドンデン返しも悪くない。おそらくコロナ禍がなければ ( ゚Д゚)ハァ? となって終わりだったと思われるが、コロナ禍およびそれに伴っての人類初の複数種類のmRNAワクチンの開発及びその実践投入という現実世界の事実により、本作の面白さと価値は間違いなくアップした。本当は55点だが、ネタのタイムリーさを考慮して5点プラスしておく。

 

以下、ややネタバレあり

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210830001356j:plain

ネガティブ・サイド

序盤の車内での家族の会話は、あまりにも露骨すぎた。時間の感覚や年齢、成長に関する言葉が短時間の中で不自然なまでに盛り込まれていて、かえって説明的すぎると感じた。

 

一方で、初日の夜のガイとプリスカの夫婦喧嘩のセリフの字幕は、さらに輪をかけて説明的。英語でそこまで言っていないのだが、物分かりが悪い観客に”忖度”して、敢えてこのような訳にしたのだろう。逆に車内での会話もこれぐらい曖昧なセリフの応酬で良かった。このあたりの説明的なセリフの有無、そのトーンのちぐはぐさ jarring だった。

 

ラッパーの男性は血友病か何かの血液凝固に問題がある病気で、現に鼻血が止まっていなかったが、だったら何故にナイフ傷がすぐに治ったのかが分からない。また普通に考えれば急速に老化する=新陳代謝が異常に亢進しているわけで、子どもであろうと大人であろうとめちゃくちゃ腹が減るはずである。そのあたりの説明を一切行わなかったのは賢明だが、それならビーチに面した岩壁が云々のような科学的な説明も不要である。どこかにサイエンスを持ち出すと、全体にサイエンスを適用しなければならなくなる。やるとすれば極限までリアリティを追求して、ごくごく一部でだけ嘘をつくべきだ。その成功例として『 シン・ゴジラ 』がある。本作はリアリティを感じさせる演出面では中途半端になってしまい失敗している。

 

プリスカの腫瘍切除の場面や出産シーンは、もっと直接的な描写を目指してほしかった。カメラがパンして返ってきたり終わり、というのは拍子抜けもいいところである。また終盤近くの osteoporosis 絡みの恐怖シーンも、もっと直接的な描写をしてほしかった。ある意味でリアル『 エクソシスト 』的なシーンにできるチャンスだったはずだ。恐怖を感じさせる演出がどれもこれも弱かったと感じられたのは残念であった。

 

総評

シャマランのクオリティを期待すると少々拍子抜けさせられる。逆に言えば、それほど期待値を上げずに臨めば、それなりに楽しめるはず。イチローでも大谷でもそうだが「こいつはヒットを打つ!」と信じてしまうと、凡退時に通常よりもガッカリさせられる。それは相手へのリスペクトの証明でもある。シャマランのファンならばチケットを買うべし。そしてガッカリしよう。そうすることでシャマランの次回作をより楽しめるようになるはずだ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Ready or not, here I come.

鬼ごっこ(hide and seek)の鬼(it)が「今から探しに行くぞ」と教える時の言葉。これは実際にかつての同僚アメリカ人主催イベントで子どもたちと鬼ごっこをした時に聞いたことがある。初めてこの表現を聞いたのは中学生の頃、VHSで『 NBA スーパースターズ2 』を観たとき。Tim Hardaway と Chris Mullin のやりとりだった。ちょうどこの動画でも確認できる。

 にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村 

Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, アメリカ, アレックス・ウルフ, ヴィッキー・クリープス, ガエル・ガルシア・ベルナル, スリラー, トマシン・マッケンジー, 監督:M・ナイト・シャマラン, 配給会社:東宝東和Leave a Comment on 『 オールド 』 -時間スリラーの不発作(シャマラン基準)-

『 ザ・ハント 』 -D・トランプが問題視した良作-

Posted on 2021年8月29日 by cool-jupiter

ザ・ハント 70点
2021年8月23日 レンタル Blu rayにて鑑賞 
出演:ベティ・ギルピン ヒラリー・スワンク エマ・ロバーツ
監督:クレイグ・ゾベル

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210829021551j:plain

 

近所のTSUTAYAで発見。「全米が封印した問題作」とは大層なキャッチフレーズである。敢えてそれに乗ってみたが、なかなかのB級作品であった。

 

あらすじ

ある日、突然見知らぬ場所に集められた12人の男女。草原の真ん中で武器を発見した途端に銃撃されてしまう。どうやらそこはマナーゲートの中で、セレブが娯楽のために庶民をさらってきて「狩り」をする場所らしく・・・

 

ポジティブ・サイド

冒頭から優雅に上級民がくつろいでいる。そこへ下層民の闖入者。いきなり無残に殺されてしまい、「なるほど、これが本作のテーマか」と納得した。いきなりの血液ドバドバ描写は、確かに一部の映画ファンにはきついだろう。だが逆に言えば、一部の映画ファンには好評であるに違いない。現実で忌避されるからこそ、グロとバイオレンスは小説や映画などのフィクションでは根強い人気があるジャンルである。本作もそういう映画であることが開始2分で分かる。これは親切な introduction である。

 

目覚めた男女らが次々に訳も分からず殺されていく過程もサクサクと良い感じに進んでいく。「このキャラの目線で物語が進行していくのかな?」というキャラが一人また一人と、ある意味で面白いように倒れていく。『 NERVE 世界で一番危険なゲーム 』で主演も張ったエマ・ロバーツがいきなり死ぬのはかなり度肝を抜かれた。それもなかなかのグロ描写。他には穴に落ちてしまう女子の死に様は必見。どう見ても低予算映画だが、結構な額をこのシーンに費やしたのではと思える力の入れようである。

 

ストーリー展開もなかなか大仰で良い感じである。アメリカだけではなく、ある意味で世界的なスケールでマナーゲートおよびその領内での「ハント」が行われているが、そのことにリアリティがある。日本でも沖縄本島の森林地域のかなりの面積が近年になってようやく米国から返還されたというニュースがあったが、そうした治外法権地帯で何が行われていたかを我々には知る術がない。そしてそうした地域は世界中にある。

 

そうした中で奮闘するベティ・ギルピンがひたすらにクールでかっこいい。アフガン帰りの猛者で、道楽で人をハントする金持ちセレブを知恵と戦闘能力で逆に次々と撃破していく。まさに溜飲が下がる思いがする。大ボスとの対決でもハードなアクションを連発。女は怒らせると怖いのである。低予算映画ながら、バイオレンスに注力した佳作で、好きな人にはたまらなく面白いと感じられることだろう。

 

以下、ややネタバレあり

 

ネガティブ・サイド

冒頭と終盤のコメディ的な要素は確かに笑えるが、中盤にはその色が薄まった。局部ネタはコメディとは言えないだろう。作品全体を通じて乾いた笑いをもたらしてくれる要素が均等に埋め込まれていたら、大傑作になれたかもしれない。

 

マナーゲートを作ろうというエリート集団の動機が弱い。下層民の陰謀論に乗るのではなく、素直に下層民の作り上げた陰謀論が現実を突いていた、で良かったのではないかと思う。人間は本当のことよりも信じたいことの方を信じる生き物なのだから。

 

総評

『 バクラウ 地図から消された村 』と同工異曲のゲテモノ・バイオレンス・グロ映画である。先の米大統領のD・トランプが本作をかなり問題視したらしい。『 パラサイト 半地下の家族 』にケチをつけるという審美眼の持ち主が問題視する=良作と考えて良かろう。事実、Jovianは本作を楽しみながら鑑賞してしまった。謎が謎を呼ぶ展開にアクションも良好。カタルシスもある。人がどんどん死んでいくというストーリーに耐性があるのであれば、是非とも鑑賞されたし。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

No need.

「要らない」、「不要」、「必要なし」の意。

Should I wear a tie? ネクタイはつけるべきでしょうか?

No need. その必要はない

のように使う。『 シン・ゴジラ 』でも石原さとみが”No need.”と切り返す場面があった。割とよく使う表現なので、覚えておいて損はない。

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村   

Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, B Rank, アメリカ, エマ・ロバーツ, スリラー, ヒラリー・スワンク, ベティ・ギルピン, 監督:クレイグ・ゾベル, 配給会社:東宝東和Leave a Comment on 『 ザ・ハント 』 -D・トランプが問題視した良作-

『 ウィッチサマー 』 -凡百の夏ホラー

Posted on 2021年8月27日 by cool-jupiter

ウィッチサマー 50点
2021年8月22日 レンタルBlu rayにて鑑賞
出演:ジョン=ポール・ハワード パイパー・カーダ
監督:ブレット・ピアース ドリュー・T・ピアース

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210827204613j:plain

サム・ライミが絶賛していたと聞いて、期待に胸を躍らせて2021年2月のこと。コロナによって劇場鑑賞の気を逸し、満を持してレンタルにて鑑賞。やはり Don’t get your hopes up.

 

あらすじ

両親が離婚したベン(ジョン=ポール・ハワード)は、ひと夏を父の経営するヨットクラブでのバイトのために費やそうとしていた。ある時、隣家の女性の様子がおかしいことに気付く。調べるうちに、その女性は人間の記憶を消す魔女であることが分かり・・・

 

ポジティブ・サイド

魔女というのは何も『 ウィッチ 』のように中世を舞台にする必要はない。アイデア次第でいくらでも勝負できるジャンルであると感じる。本作も、チャレンジ精神は評価したい。面白いなと感じたのは、魔女の特性。記憶を消すというのはどちらかというと超能力の類に思えるが、それを魔女の力であると納得させてくれる。周りの人間の記憶がどんどん消され、自分だけが記憶と正気を保っているというのは、観ていてかなりスリリングだった。周囲の誰も分かってくれず、自分だけが恐怖の存在に気付いているという点で『 イット・フォローズ 』とよく似ている。

 

魔女という荒唐無稽な存在を対極に、ティーンエイジャーのひと夏の体験要素を盛り込むことで、『 13日の金曜日 』シリーズの初期作品のような空気が流れていた。Campyであるが、たまにはこういう nostalgy も悪くない。

 

魔女そのもののビジュアルもなかなか。それなりに怖いし、けれども何か立ち向かえそうな気もする。魔女の住処にベンが乗り込んでいって対決する終盤は、まんま『 IT 』(特にテレビ映画の方)のクライマックス。これまた懐かしい空気である。

 

最終盤のどんでん返しも、まあまあである。

 

ネガティブ・サイド

80年代の量産型ホラーの雰囲気を漂わせるなら、お色気シーンも作るべきだった。プールのシーンは期待させてくれたが、男の裸を見せてどうする。

 

ジャンプ・スケアをやたらと多用するのはいかがなものか。雰囲気は80年代でもいいが、演出の技法まで昔のものを使ってどうする。とはいうものの、今に至るまでジャンプ・スケアは一つの様式美で、これを使わないホラーというのも考えにくいという皮肉ではあるが。

 

どんでん返しがかなり読みやすい。記憶がなくなるという一種のトリックをミステリならどう料理するかを考えれば、答えはおのずと見えてくる。Jovianお勧めの『 ムゲンのi 』を律儀に読了した人なら、途中でピンと来るはずだ。

 

最大の問題は、ラストシーン。映画の印象のかなりの部分はラストのインパクトあるいは余韻で決まる。本作のようなホラーは、観る側に「え、これってまさかそういうこと?」と考えさせるべきで、「ああ、そうなのね」と納得させるような終わり方は悪手である。そう考えると『 殺人の追憶 』のラストは、インパクトという面でも余韻を残すという面でもパーフェクトだったなあと思い起こされる。

 

総評

「全米で5週連続興収1位」というのは歴然たる事実だが、コロナ禍で映画館がどこも壊滅状態、新作も延期に次ぐ延期という中で達成されたこの記録にまんまと騙されてしまった。クソホラー映画とまでは言わないが、極めて凡庸なホラーとしか言えない。ホラー好きなら、格安レンタルまたは配信まで待つのが吉である。スルーも当然、選択肢である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Don’t forget me.

「忘れないでね」の意。ディズニー映画の Theme Song に ”Remember Me”というのがあったが、 意味はほとんど同じである。forgetという動詞は「忘れる」以外にも類似の多彩な意味があり、これを使いこなせれば英語中級者以上である。その一例として Forget it. というものがある。気になる人はこちらを参照のこと。

 

 にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村 

Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アメリカ, ジョン=ポール・ハワード, パイパー・カーダ, ホラー, 監督:ドリュー・T・ピアース, 監督:ブレット・ピアース, 配給会社:AMGエンタテインメントLeave a Comment on 『 ウィッチサマー 』 -凡百の夏ホラー

『 王になった男 』 -現代韓国人の歴史意識が垣間見える-

Posted on 2021年8月22日 by cool-jupiter

王になった男 70点
2021年8月21日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:イ・ビョンホン ハン・ヒョジュ リュ・スンリョン チャン・グァン シム・ウンギョン
監督:チュ・チャンミン

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210822223534j:plain


『 白頭山大噴火 』前にイ・ビョンホン出演作を観ておきたくなったので、近所のTSUTAYAでレンタル。韓国映画人の歴史意識がどのようなものなのかが見えてくる良作。

 

あらすじ

光海君(イ・ビョンホン)は何物かに暗殺を企てられたことから人間不信に陥り、自身の影武者となれる者を探していた。そこで自身に瓜二つの道化師ハソン(イ・ビョンホン)をひそかに宮廷入りさせるが、光海君はケシによって意識不明の重体になってしまい・・・

 

ポジティブ・サイド

イ・ビョンホンの一人二役が冴えわたる。下品で粗野な道化師ハソンと人間不信の光海で表情が全く違う。もちろんメイクアップアーティストの力によるところも大きいし、照明の当て方で印象もがらりと変わる。それでもやはり役者本人の力が大きい。最初は簡単に見分けがついたけれども、それが場面によってどちらが本物でどちらが影武者か分からなくなるシーンがある。ハソンが「王になりたい」と言った時に描いた王のイメージ、そして我々が抱く「王様とはかくあるべし」という認識が一致するからこそだろう。本作が呈示する『 王になった男 』という像は、劇中の登場人物たちに向けてではなく、観る側に向けられている。いわばメタ構造の映画になっているのだ。

 

王の影武者として政務にあたるハソンをサポートする都承旨と内官の二人も素晴らしい。都承旨ホギュンを演じたリュ・スンリョンは『 エクストリーム・ジョブ 』の班長。コメディからシリアスまで、その演技ボキャブラリーの広さに脱帽である。宦官でもあるチョ内官は、なんと『 トガニ 幼き瞳の告発 』で一人二役を演じた恐怖の校長先生。人間の皮をかぶった悪魔というキャラが、イ・ビョンホン以外にも本作にはいた。それがまた、なんとも温かみのある宮廷人を演じている。序盤こそホラーなテイストで描かれるシーンもあるが、文字通りの意味で陰に陽に”王”を支える忠臣である。その他にもユーモア満点の立ち居振る舞いからの、あまりにもシリアスな結末を迎えてしまうト部将など、一人一人の役者の演技力の高さが目立つ。

 

名女優のシム・ウンギョンも、宮廷という伏魔殿で翻弄される女官を好演。入れ替わった王様の変化を皆で笑ったり、王様の食べ残しを有難く頂戴する序盤のシーンから、庶民の置かれた苦境、それによって人身売買に等しい行為によって宮廷入りせざるを得なかったという悲哀がダイレクトに伝わってくる。

 

政治の世界とは「1を与えて1を奪う」と都承旨ホギュンは言うが、それでは何も変わらない。持たざる者から奪うな。それが『 ジョーカー 』や『 パラサイト 半地下の家族 』の一面が訴えていたことではなかったか。それを力強く覆していく「王」の姿は感動的ですらある。格差の深刻さを訴える現代韓国映画は多いが、だからこそ平等を一時的にでも施行しようとした光海君を現代(21世紀)に蘇らせようとしたのだろう。それはとりもなおさず、現代の政治が”上級国民”を優遇し、下層民から搾り取っているからに他ならない。このあたりの感覚は、史実かどうかも疑わしいエピソードの再現にばかり凝る日本のドラマや映画製作者も見習うべきだろう。

 

ネガティブ・サイド

前半のコメディタッチが少々強すぎだと感じた。王の排泄物を医官が詳しく調べるのは『 宮廷女官チャングムの誓い 』でもお馴染みだったが、食べて味を確認するシーンは必要だったか・・・ 排泄分云々かんぬんに力を入れるのは『 悪魔を見た 』だけで充分である。

 

政務パートにもう少し力を入れてほしかった。2010年代といえば、すでに国策として映画を作り始めていたはず。ということは外国もマーケットだったわけで、もう少し当時の李氏朝鮮の情勢というものを、実際の政治を通じて見せてくれても良かったのではないか。皆が皆、韓国紙に詳しいわけではないのだから。

 

ハソンが見たくて見たくてたまらなかったハン・ヒョジュの笑顔は見られずじまい。なんたること・・・

 

総評

韓国史、あるいは一般的な王制や封建制度・貴族制度に関する知識がないと、宮廷で何が行われているのかが分からないだろう。逆に言えば、そうした知識がある程度あれば、なぜ韓国映画人が、史実に虚構の要素を交えながら本作を制作したのかが浮かび上がってくる。イ・ビョンホンの迫力やハン・ヒョジュの美貌だけではなく、脇を固めるキャストの確かな演技力が本作の物語性を豊かにしてくれている。韓国の歴史ドラマ好きなら観て損はないだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

チューナー

「殿下」の意。韓国の歴史ドラマを見ると、1話で10回以上使われているのではないかと思う。大昔が舞台、たとえば『 太王四神記 』では為政者はペーハー=陛下と呼ばれている。これは当時の朝鮮半島が中国の冊封体制に組み込まれていたかどうか、早い話が属国だったかどうかで変わる。独立国ならペーハー、属国ならチューナーとなるわけである。

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村   

Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, B Rank, イ・ビョンホン, シム・ウンギョン, チャン・グァン, ハン・ヒョジュ, リュ・スンリョン, 歴史, 監督:チュ・チャンミン, 配給会社:CJ Entertainment Japan, 韓国Leave a Comment on 『 王になった男 』 -現代韓国人の歴史意識が垣間見える-

『 フリー・ガイ 』 -R・レイノルズの代表作になるか-

Posted on 2021年8月21日 by cool-jupiter

フリー・ガイ 75点
2021年8月16日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ライアン・レイノルズ ジョディ・カマー リル・レル・ハウリー タイカ・ワイティティ ジョー・キーリー
監督:ショーン・レヴィ

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210821124400j:plain

ライアン・レイノルズ作品。ほとんどが箸にも棒にも掛からない作品なのだが、たまに傑作が混じっている。本作は個人的には傑作である。ただし、波長が合わない人にとっては間違いなく地雷である。

あらすじ

「フリー・シティ」というオンライン参加型のゲーム内のNPC(Non-Playable Character)であるガイ(ライアン・レイノルズ)は、謎の女性モロトフ(ジョディ・カマー)に一目惚れ。ある時、モロトフのかけている眼鏡をかけることで、ガイは自分の世界がゲームであると認識してしまい・・・

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210821124418j:plain

ポジティブ・サイド

ゲームの世界を舞台にしている点で『 竜とそばかすの姫 』そっくりだが、視点をプレイヤーではなくモブキャラに持ってきたのは割と斬新なアイデアなのではないか。ドラクエやFFで村人に話しかけたら、いつもと違う答えが返ってきたらプレイヤーは腰を抜かすだろう。本作はそうした「NPCの自律」を実はテーマにしている。

ライアン・レイノルズの普通の男っぷりが魅せる。人生に疑問を持たずに生きてきた男が、運命の女性 = Ms. Right を見つけて奮闘する・・・というのはありきたりもいいところのプロット。だが、本作がユニークなのはNPCが色々な経験を積んでレベルアップしていくこと、さらには他のNPCをも巻き込んで、ゲーム全体にまで影響を及ぼしていくところだろう。『 マトリックス 』シリーズとは真逆の発想で、世の中には凄いことを考える人がいるのだなと感心させられる。

ゲーム世界と現実世界のつながりにしっかりと意味がある点も評価できる。『 レディ・プレイヤー1 』のように「ゲームが居場所である」と言いながらも「やっぱり現実サイコー!」になってしまう作品よりも、よっぽど物語の骨格がしっかりしている。モロトフとしてゲームをプレーしているミリーには、ゲームをしなければならない理由があり、そのことがガイというNPCの設定に実は深く結びついているという脚本の妙には痺れた。

単純にアクションとして鑑賞するのも楽しい。ガイがゲームのアイテムを使用してプレイヤーから逃げるシーンは、緊迫感とユーモアが両立する稀有な演出。NPCが大冒険で経験値を積み上げてレベルアップしていくのにも笑ってしまうと同時に、その発想の非凡さに唸らされた。ガイ以外のゲームキャラも楽しい。特にバディを演じたリル・レル・ハウリーは『 ゲット・アウト 』の超面白キャラのノリを保っていて、ガイとの掛け合いは愉快の一言。またゲーム会社のボスであるアントワンも味のある悪役。演じるタイカ・ワイティティは『 ジョジョ・ラビット 』のイマジナリーフレンドのヒトラー役でも怪演したが、今作でもその chew up the scenery な演技は全開であった。

クライマックスはハチャメチャの一語に尽きる。『 ゴジラvs.コング 』のMonsterVerseのように、異なる映画世界を一つにまとめ上げていくのは最早一つのトレンドだが、ここでそう来たか、と。『 レディ・プレイヤー1 』のガンダムとメカゴジラの激突に匹敵する壮絶なパロディが炸裂する。TPPの黒幕である某社の面目躍如である。さあ、大いに笑おう。そして、人生を誰かにコントロールされているかもしれない自分自身を少し顧みてみようではないか。

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210821124435j:plain

ネガティブ・サイド

YouTuberたちや世界の色々なゲーマーたちがガイに注目していっているのに対して。フリー・シティの開発会社の面々が本気で対策に乗り出さない理由の描写が弱かったと思う。アントワンから「奴を消せ、しかし奴の中身のデータは見るな」的な指示によって社内に波紋が広がるようなサブプロットがあっても良かったように思う。

裏の主人公であるキーズの見せ場が少なかったか。アントワンと対峙するも、口論であっさり敗退・・・という強烈なシーンがあれば「男は黙ってコードを書く」的なキャラの印象がもっと強まったはずだ。

総評

ライアン・レイノルズがついに『 デッドプール 』以外の代表作を手に入れたか。同僚カナダ人に”Most of his movies are garbage.”と評されてしまうライアンだが、『 名探偵ピカチュウ 』と本作によって、コメディとシリアスの間を自在に行き来できる役者であることがあらためて証明された。デッドプールの第3作も期待できるかもしれない。ある程度、映画やゲームのバックグラウンドがある人であればかなり楽しめるかもしれないし、逆に「ふざけるな!」と憤慨してしまうかもしれない。いずれにせよ、現状に閉塞感を感じる人にこそ本作は鑑賞してほしい。

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Don’t have a good day. Have a great day!

日本語にするのが難しいが、相手との別れ際の挨拶として”Have a ポジティブな形容詞 + 名詞”というのが定番である。時間帯によっては day = 昼だったり、evening や night も使うし、週末であれば weekend となる。旅行という文脈では Have a nice trip. や Have a nice stay. が定番である。great は good よりも「良い」の意味合いが強い。映画『 エアレース 』でも、”If he’s good, I’m great.” = 「あいつが good なら、俺は great だ」というセリフもあった。great > good なのである。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村

Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, B Rank, アクション, アメリカ, ジョー・キーリー, ジョディ・カマー, タイカ・ワイティティ, ライアン・レイノルズ, リル・レル・ハウリー, 監督:ショーン・レヴィ, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 フリー・ガイ 』 -R・レイノルズの代表作になるか-

投稿ナビゲーション

過去の投稿
新しい投稿

最近の投稿

  • 『 フロントライン 』 -見せ方に一考の余地あり-
  • 『 時限病棟 』 -ピエロの恐怖再び-
  • 『 28年後… 』 -ツッコミどころ満載-
  • 『 ラブ・イン・ザ・ビッグシティ 』 -自分らしさを弱点と思う勿れ-
  • 『 近畿地方のある場所について 』 -やや竜頭蛇尾か-

最近のコメント

  • 『 i 』 -この世界にアイは存在するのか- に 岡潔数学体験館見守りタイ(ヒフミヨ巡礼道) より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に cool-jupiter より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に 匿名 より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に cool-jupiter より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に イワイリツコ より

アーカイブ

  • 2025年7月
  • 2025年6月
  • 2025年5月
  • 2025年4月
  • 2025年3月
  • 2025年2月
  • 2025年1月
  • 2024年12月
  • 2024年11月
  • 2024年10月
  • 2024年9月
  • 2024年8月
  • 2024年7月
  • 2024年6月
  • 2024年5月
  • 2024年4月
  • 2024年3月
  • 2024年2月
  • 2024年1月
  • 2023年12月
  • 2023年11月
  • 2023年10月
  • 2023年9月
  • 2023年8月
  • 2023年7月
  • 2023年6月
  • 2023年5月
  • 2023年4月
  • 2023年3月
  • 2023年2月
  • 2023年1月
  • 2022年12月
  • 2022年11月
  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月
  • 2022年4月
  • 2022年3月
  • 2022年2月
  • 2022年1月
  • 2021年12月
  • 2021年11月
  • 2021年10月
  • 2021年9月
  • 2021年8月
  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月
  • 2020年10月
  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月
  • 2020年2月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月
  • 2018年5月

カテゴリー

  • テレビ
  • 国内
  • 国内
  • 映画
  • 書籍
  • 未分類
  • 海外
  • 英語

メタ情報

  • ログイン
  • 投稿フィード
  • コメントフィード
  • WordPress.org
Powered by Headline WordPress Theme