ネタニヤフ調書 汚職と戦争 65点
2025年12月5日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ベンヤミン・ネタニヤフ
監督:アレクシス・ブルーム
簡易レビュー。

あらすじ
イスラエルで長期政権を築くベンヤミン・ネタニヤフ。しかし数々の贈収賄疑惑から当局による取り調べを受けていた。彼自身への尋問およびネタニヤフの妻サラやその他多くの関係者の取り調べから見えてきた構図とは・・・

ポジティブ・サイド
日本では国会議員はごくまれにしょっ引かれるが、ほとんど不起訴。それと同じことがイスラエルでも起きているらしい。元大統領がほとんど逮捕・起訴される韓国はたいしたものだと感心させられる。
本邦で言えば安倍晋三あたりから明らかに権力者のふるまいが変質したが、彼もある意味で妻に翻弄されていたところがネタニヤフとの共通点。そして贈収賄の疑いが非常に濃かった点も似通っている。困ったときの北朝鮮頼みと、困ったときのハマス叩きというのも共通点だと言えよう。
民主主義がポピュリズムと結びつき、さらに仮想的を見つけた時にどのような悲劇が起こりえるのか。まさに我々はそれをリアルタイムで目撃させられていると言える。
ネガティブ・サイド
アメリカ議会でのネタニヤフの演説をフルで、とは言わないまでも、もっと長く見せてほしかった。そうすることでアメリカがいかに恣意的に敵と味方を区別しているのかがもっとわかりやすくなったはず。
警察の質問の仕方が直球過ぎ。それでは落とせるものも落とせない。それに、もっときわどい質問や、威嚇するような取り調べもあったはずだが、そういった部分をカットしてしまったのは腰が引けていると言わざるを得ない。
総評
某極東の島国でも首相が「そんなことより~」と答弁したのが話題になったが、彼女とネタニヤフのやり口は同じ。すなわち国民の内政面への不満を外敵に向けるというもの(そんなことより発言はその文脈で発せられたものではなかったが)。賢明なる映画ファンは、現政権が利益誘導万歳の麻生派によって支えられ、かつ裏金議員万歳の高市による組閣で行政が動いていることと、また自民党のDNAに刻み込まれていると言ってよい献金万歳主義とネタニヤフ政権の共通点の多さに慄然とすることだろう。
Jovian先生のワンポイント英会話レッスン
turn ~ upside down
~を(上下逆さまに)ひっくり返すの意。物理的な意味でも比ゆ的な意味でも使う。This news will turn the current administration upside down. = このニュースが明るみに出れば、現政権は上を下への大騒ぎとなるだろう、のように使う。
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