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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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月: 2025年1月

『 アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 』 -知られざるトランプの師を描く-

Posted on 2025年1月27日 by cool-jupiter

アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 70点
2025年1月25日 TOHOシネマズ梅田にて鑑賞
出演:セバスチャン・スタン ジェレミー・ストロング
監督:アリ・アッバシ

 

『 ボーダー 二つの世界 』、『 聖地には蜘蛛が巣を張る 』のアリ・アッバシ監督が、若き日のドナルド・トランプとその師を描くということでチケット購入。

あらすじ

若きビジネスマンのドナルド・トランプ(セバスチャン・スタン)は、父の営む不動産会社が人種差別の疑いで政府に訴えられていたことから、敏腕弁護士ロイ・コーン(ジェレミー・ストロング)に助成を乞う。コーンはトランプに勝利のための3つのルールを教え込んで・・・

ポジティブ・サイド

若き日のドナルド・トランプを描くというだけで興味をそそられる。実際に非常に興味深く観ることができた。

 

まず1980年代のアメリカの経済が、高金利や輸出不振などでボロボロだったことが活写されていたのが新鮮だった。当時の日本がバブル景気を謳歌していたのは、子どもだったJovianも何となく覚えているし、同時代の『 ゴジラvsキングギドラ 』のプロットなどに当時の世界情勢も反映されている。

 

そんな中で若きトランプが父の影から出て、トランプ・タワーの建設に邁進していく様は、ひとつのビルドゥングスロマンのようにも映ったし、悪徳弁護士ロイ・コーンの薫陶を受けて、勤勉なビジネスマンから強欲非道なビジネスマンに変貌していく様は恐ろしくもあった。

 

やはり最も印象に残ったのは、ロイ・コーンの

 

  1. Attack, attack, attack.
  2. Admit nothing and deny everything.
  3. Claim victory and never admit defeat.

 

という勝利への3つのルール。どこかの島国の偏った言論人やネトウヨと呼ばれる人種の行動原理とそっくりではないか。

 

ストーリーはロイ・コーンの助言を基にビジネスを拡大させていくトランプから、中盤以降、トランプの結婚、トランプとロイ・コーンの離反、トランプと兄との確執などが丹念に、しかしテンポよく描かれていく。終盤では、かつての師匠であったロイ・コーンとの再会を果たすトランプだが、彼はもはや強欲非道ではなく、冷酷非情な人間になってしまっていた。

 

本作はトランプを一種の作られた偶像のように描くが、彼を作ったロイ・コーンとのコントラストが面白い。たとえば頭髪と内臓脂肪に対して、師匠のロイ・コーンは禿げ頭を気にせず、運動にもしっかり励むのだが、弟子のトランプはまったく異なるアプローチを選択する。現実のトランプ大統領がスエズ運河やグリーンランド、カナダの領有を主張する理由がなんとなく見えてくる。

 

ロイ・コーンのことは不勉強でよく知らないが、セバスチャン・スタンがどんどんと現実のトランプそっくりになっていくのには笑わされるのと同時に唸らされた。『 バイス 』でチェイニーを演じたクリスチャン・ベールと肩を並べる熱演だった。

 

ネガティブ・サイド

冒頭がニクソンだったのは、前々回の選挙不正疑惑を直接的に批判する意図だろうか。そんな誘導は不要な出来栄えだったと思うのだが。

 

レーガン政権のキャッチフレーズ、Let’s Make America Great Again. の Again の部分が分かりにくかった。序盤の人種差別疑惑から徹底して、自身のそばに有色人種を置かないというトランプの姿をもっと明示的にしていれば、より過激なメッセージになっただろうに。 

 

作中での時間の経過がいまひとつはっきりしなかった。最終盤にトランプの子ども達の姿でも映し出してくれれば、そのあたりも把握しやすくなったと思われる。

 

総評

実に見応えのある伝記映画だった。藍は青より出でて藍より青しと言うが、アメリカを顧客だとうそぶくロイ・コーンの弟子のトランプが、アメリカを従業員だと捉えるかのように成長していく過程がスリリングだった。もちろん、かなりの脚色がされているのだろうが、事実は往々にして小説よりも奇なり。トランプ流の政治や外交が早くも波紋を呼んでいるが、そうしたニュースの背景を知る一つのきっかけとして本作は十分に機能するのではないだろうか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

apprentice

原題の The Apprentice とは「弟子」「徒弟」「見習い」の意。『 スター・ウォーズ 』のファンなら、ジェダイやシスにおけるマスターとアプレンティスの関係をよくよくご存じのはず。IELTSやTOEFL、英検準1級以上を受験するなら知っておこう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 アット・ザ・ベンチ 』
『 怪獣ヤロウ! 』
『 Welcome Back 』

 

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Posted in 未分類Tagged 2020年代, B Rank, アメリカ, ジェレミー・ストロング, セバスチャン・スタン, 伝記, 監督:アリ・アッバシ, 配給会社:キノフィルムズLeave a Comment on 『 アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 』 -知られざるトランプの師を描く-

『 港に灯がともる 』 -生きやすさを求めて-

Posted on 2025年1月21日 by cool-jupiter

港に灯がともる 80点
2025年1月19日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:富田望生
監督:安達もじり

 

先日、30年目を迎えた阪神淡路大震災と在日韓国人をテーマにした作品ということでチケット購入。

あらすじ

在日3世の金子灯(富田望生)は、震災と国籍に囚われ続ける父と、帰化に前向きな姉や母との間で苦悩した結果、心を病んでしまう。友人の紹介で訪れた診療所で様々な思いを吐露する人々に接することで、灯は少しずつ自分を客観視できるようになり・・・

以下、ややネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

主人公の灯は在日3世、Jovianは帰化した在日3.5世(母が2世、父が3世)なので、主人公の灯の苦悩はよくわかった。一方でJovian妻は劇場が明るくなってからの第一声が「意味わからん」だった。このコントラストよ。

 

Jovianの母方はコテコテの在日だったので、甲本雅裕演じる父の苦悩や、妻より母を優先してしまう気質がなんとなく理解できる。韓国の歴史ドラマを観る人なら、王の間に母親が来ると、王が上座を譲ったりするが、あれがまさに韓国人の気質である。その一方で、在日という”異人性”を捨てて、日本生まれ日本育ちなのだから帰化しようという父以外の家族の気持ちもよく理解できる。主人公の灯はその中間にあって、まさにアイデンティティ・クライシスを経験するところから物語は始まる。

 

父と母の別居の話や、姉の日本人との結婚、また弟は妙な動画に傾倒しつつあるなど、家族の離散の危機をもろに感じ取ってダメージを受けてしまう灯の描写が非常に具体的で切実だ。ただ『 焼肉ドラゴン 』でも描かれていたように、家族とはいずれ離散するもの。灯も最終的にはそのことを受け入れていく。そこに至るまでの数多くの事件が、彼女を弱らせ、また強くもしていく。

 

印象的だったのは診療所での別の在日の患者。彼が言い放つ「常に自分で自分に嘘をついている」という感覚は、在日でなくとも感じたことのある人はいるはず。たとえばJovianの中学時代の同級生は、両親が離婚して苗字が変わってしまったが、学校ではそのまま過ごしていた。しかし、彼が苗字を変えられない自分に対して苦悩していたことを今でもよく覚えている。

 

自身が経験することのなかった震災だが、東日本大震災やコロナ禍、そしてロシアによるウクライナ侵攻と、その結果としての難民問題など、社会問題に触れていくことで灯は成長していく。ロングのワンカットを多用し、灯の表情や立ち居振る舞いから彼女の心情を語らせたのは正解だった。というのも、本作のテーマは想像力とその欠如だからだ。少しずつ他者に思いを馳せられるようになった灯が、ついに父と対話するシーンは『 風の電話 』のクライマックスを思い起こさせた。

 

灯を演じたのは『 チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話 』で毒親に向かって「月に一万だけでいいから寄越せ」と啖呵を切った女子高生。甲本雅裕演じる父との対話シーンは、映画ではなく舞台演劇のような臨場感だった。また渡辺真起子の出演作にはハズレが少ないというジンクスは今作でも健在。ぜひ多くの人に観ていただき、困惑し、そして何かを考え始めるきっかけとしてほしい。

 

ネガティブ・サイド

帰化申請時の法務局の役人との面接をもっとリアルに作れなかったか。いや、お役人さんから「ここでの問答は絶対に秘密にしてください」と言われるのだが、そこは取材すれば語ってくれる人もそれなりにいるはず。ちなみに1990年代半ばだと、いじめ、あるいは本気度の確認なのか、平日の夕方に電話で「明日の朝に法務局に来てください」みたいな対応だったな。そして面談で尋ねられたことが「あなたは●●●を●●できますか」、「あなたは将来〇〇〇〇と◇◇◇しますか」だったな・・・ あほらし。

 

総評

兵庫県民、特に神戸の住人なら、よく知る景色がいっぱいなので、ぜひご当地映画として観てほしいと思う。Jovianも近いうちに『 リバー、流れないでよ 』以来の聖地巡礼として、丸五市場にも行ってみようと思う。街にも職場にも学校にも、なんか目に見えて外国人が増えてきたなと感じる人は本作を観て、想像しようとしてみてほしい。その想像が正しくある必要などない。求められるのは想像しようという姿勢だけである。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

naturalize

「帰化する」の意。She is a naturalized citizen of the United States. = 彼女は合衆国への帰化人です、のように使う。今後十年、日本の各地で様々な『 マイスモールランド 』が現れ、その後の十年で日本への帰化者が増えることだろう。その先は・・・推して知るべし。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 アット・ザ・ベンチ 』
『 怪獣ヤロウ! 』
『 Welcome Back 』

 

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Posted in 未分類Tagged 2020年代, A Rank, ヒューマンドラマ, 富田望生, 日本, 監督:安達もじり, 配給会社:太秦Leave a Comment on 『 港に灯がともる 』 -生きやすさを求めて-

『 #彼女が死んだ 』 -社会の闇の一端を覗く-

Posted on 2025年1月19日 by cool-jupiter

#彼女が死んだ 70点
2025年1月18日 kino cinéma 心斎橋にて鑑賞
出演:ピョン・ヨハン シン・ヘソン イエル
監督:キム・セフィ

 

予告編が面白そうだったのでチケット購入。

あらすじ

不動産業を営むク・ジョンテ(ピョン・ヨハン)は顧客から預かった鍵で家に入り込み、最も不要そうなものを失敬するという趣味の持ち主。彼はある時、インフルエンサーとして振る舞うハン・ソラ(シン・ヘソン)に興味を抱く。そのハン・ソラが引っ越しするということで、ジョンテは部屋の鍵を託される。留守を見計らって侵入したジョンテが見たのは、腹部から大量出血してピクリとも動かないソラだった・・・

 

ポジティブ・サイド

不動産屋に対しての信頼がゼロになりそうな冒頭ながら、他人のスマホやSNSを覗き込む主人公ジョンテに対して、徐々にシンクロしてしまうという現代人は多いのではないだろうか。そのような巧みな掴みから、ハン・ソラの死亡シーンの遭遇、そして消えた死体と刻々送られてくる謎めいた脅迫状と、中盤まで怒涛のスピードで展開される疾走感は、まさしく韓国映画。

 

中盤以降、ハン・ソラの見えざる顔が見えてくるあたりから、社会の闇が浮かび上がってくる。そんな中でも、極めて異質な個人として浮かびあってくるのは・・・おっと、ここから先は言ってはいけない。

 

中盤から登場するオ刑事の存在感が素晴らしい。本邦だと『 ドクター・デスの遺産 BLACK FILE 』で北川景子が長髪をくくりもせずに捜査現場に出向いていたが、無能揃いで知られる韓国警察も、女性刑事となるとリアリティが格段に増す。いかつい顔、長身、肩幅広い、気が強い、結構な武闘派という刑事で、彼女の登場シーンは一か所を除いて全てが絵になっていた。

 

それにしても韓国映画は、女優の発狂シーンを描くのが本当にうまい。人間の感情を視覚的に表現することにかけては韓国の俳優陣は世界でもトップレベルではないだろうか。そしてエンタメ作品ながらも、最後に苦味を残すのも『 目撃者 』同様に、韓国映画のお約束。主演の二人は『 エンドレス 繰り返される悪夢 』でも共演していた。確かに、二人ともうっすらと記憶にあった。

 

ネガティブ・サイド

お客さんから預かっている鍵の保管方法が緩すぎではないだろうか。ダイヤル式の金庫に入れておいてもいいと思うのだが。

 

詳しくは書けない(何故なら詳しく描写されていない)が、現代社会において取り扱いに厳重な注意を要する二つの対象が abuse されていたというのが本作の一つの肝。しかし、その部分の描写が必要最低限を下回っているように見えた。『 トガニ 幼き瞳の告発 』とまでは言わないが、1~2分で良いので、とある対象への虐待シーンは入れてほしかった。

 

とある殺人シーンがあまりにも非合理的。滑車が使われていたわけでもあるまいに、あそこまで物理的な力が作用するか?

 

総評

陰鬱かつ凄惨なサスペンスである。以下、ビミョーにネタバレっぽく言うなら、ビル・S・バリンジャーの小説『 歯と爪 』と、デビッド・フィンチャー監督の映画『 ゴーン・ガール 』、アニーシュ・チャガンティ監督の『 search サーチ 』に韓国テイストを加えたような感じと言えば伝わるだろうか。つまり、古典的・典型的な要素を盛り込みながらも、現代風にアップデートされた作品ということ。観て損はしない一作。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Love what you do

スティーブ・ジョブズのスピーチの一節として知られる。当時はこれをどう訳すのかで英語界隈で結構な議論が巻き起こった。loveは愛せ、大好きになれ、惚れ込め、などで良いのだろうが、what you do を果たして仕事と訳してよいのかどうか。文脈的には仕事で問題ない。ただし、 What do you do? = お仕事は何ですか?と暗記するのは間違い。中学の同級生と10年ぶりに再会して、「久しぶり、今は何してるの?」というのが、What do you do?の意味。答えは「大学院に通ってる」かもしれないし、「サラリーマンやってる」かもしれないし、「バイトしながら投資の勉強してる」かもしれない。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 アット・ザ・ベンチ 』
『 港に灯がともる 』
『 怪獣ヤロウ! 』

 

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Posted in 未分類Tagged 2020年代, B Rank, イエル, サスペンス, シン・ヘソン, ピョン・ヨハン, 監督:キム・セフィ, 配給会社:クロックワークス, 韓国Leave a Comment on 『 #彼女が死んだ 』 -社会の闇の一端を覗く-

ジョン・ウィリアムズ:フルオーケストラコンサート

Posted on 2025年1月16日2025年1月16日 by cool-jupiter

ジョン・ウィリアムズ:フルオーケストラコンサート
2025年1月13日 フェスティバルホールにて鑑賞
演奏:大阪交響楽団
指揮:山下一史

 

たまには映画以外の記事をば。たまたま大阪駅で見かけたジョン・ウィリアムズ御大のコンサート(本人の出演は無し)を見かけてチケットを購入。



スーパーマン・マーチ 「スーパーマン」より

 

言わずと知れたテーマ音楽。ジョン・ウィリアムズの代名詞でもある浮遊感とスーパーマンの力強さが融合した名曲。一発目の楽曲ということで、楽団自体の音があまり乗っていなかったかなという印象。

 

JFKのテーマ 「JFK」より

 

高校生の時に見てハマった作品。非常に速いテンポのドラムが印象的で、それを生で味わことで映画の情景が浮かび上がってきた。アメリカ社会の闇と、そこに切り込む人間の力強さの両方が表現された逸品。

 

ジョーズのテーマ 「ジョーズ」より

 

すべてのコンサートの中でこれが最も良かった。不穏なビルドアップをたった二音だけで描き切る感性と、そこからジョーズのもたらす惨劇を視覚化ならぬ聴覚化したようなオーケストラにつなげていくのは神品としか言えない。各種の弦楽器のテンポが恐ろしいほどに一致していた。

 

ネバーランドへの飛行 「フック」より

 

これはその昔にTSUTAYAで借りて観たっけ。ウィリアムズの得意とする浮遊感と疾走感のある曲で、目をつぶりながらネバーランドに飛んでいくところを思い浮かべた。

 

追憶 「シンドラーのリスト」より

 

一種のホラー映画、『 シンドラーのリスト 』からの名曲。この曲だけ何故かゲスト・ヴァイオリニストが来ていた。ヴァイオリンの物悲しい音色がユダヤ人の死を思わせ、さらに彼ら彼女らの持っていた大切な記憶の喪失までをも想起させる。全然知らない弾き手だったが、曲の持つメッセージを具体的に表現できる力の持ち主だった。

 

さゆりのテーマ 「SAYURI」より

 

『 SAYURI 』は恥ずかしながら未鑑賞。ただ、チャン・ツィーやミシェル・ヨーが出ているので近いうちに鑑賞してみようと思う。オーケストラではあるが、要所で鳴らされる笛やハープの音色は確かにオリエンタルだった(日本的とは感じなかったが)。

 

地上の冒険 「E.T.」より

 

確か三十数年前に2回だけ観たが、有名な自転車が飛び立つシーンからクライマックスのファンファーレ=宇宙船が空に航跡を残して消えていくシーンまで鮮明に思い起こすことができた。映画を観たことはなくても、サビのメロディーだけは知っているという若い世代は多いはず。

 

ジュラシック・パークのテーマ 「ジュラシック・パーク」より

 

公開当時、劇場でリアルタイムに鑑賞したことを今でも鮮明に覚えている。当時はバイオテクノロジーの進歩が急激に進んでいた時代で、生物の教科書に書かれていた内容が新聞記事によって修正されるような時代だった。静かな立ち上がりから、見上げるとそこには食事中のブロントサウルス、アップテンポへの転調=振り返れば恐竜たちの群れが走っていたり憩っていたりという映画の流れが再視覚化された。

 

小惑星の原野 「スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲」より

 

ミレニアムファルコン号が小惑星帯でタイファイターを振り切るシーンの音楽。ハン・ソロの自信満々の無鉄砲さとC-3POの冷静な計算をしながらパニックになるというコントラストが、不安と混乱と力強さを同居させた曲調によくよく表現されていた。

 

レイア姫のテーマ 「スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望」より

 

MCによるとジョン・ウィリアムズがコンサート用に書き下ろした作品で、映画では一切使われていないという。なるほど。例のレイア姫のメロディが通奏低音になっていた。どことなくキャリー・フィッシャーへのレクイエムにも聞こえた作品。

 

未知との遭遇から抜粋 「未知との遭遇」より

 

中学生ぐらいでVHSで観たが、あまり覚えていない。ただ、ター⤴ター⤴ター→ター⤵というメロディは印象に残っていた。それを生で聴くことができただけでも良かった。

 

ヘドウィグのテーマ/ハリーの不思議な世界 「ハリー・ポッターと賢者の石」より

 

USJでも聞こえることがある曲。イントロを聴くだけでフクロウが思い浮かび、曲がビルドアップしていくと今度はホグワーツが見えてくる。冒険を思わせる曲調だが、インディ・ジョーンズのそれとは違い、どこか幼さという子どもらしさを感じさせる。

 

レイダース・マーチ 「インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》」より

 

インディ・ジョーンズといえばこの曲。この曲といえばインディ・ジョーンズ。シンプルなメロディながら、力強さに圧倒される。おそらくこの日、楽団が一番大きい音を出せていたのがこの曲。フィナーレの前に最高に盛り上げてくれた。

 

王座の間〜エンド・タイトル 「スター・ウォーズ」より

 

コロナ前にシンフォニーホールで尾高忠明指揮の武満徹とジョン・ウィリアムズ特集を聴いた時は、スター・ウォーズのメイン・タイトルで幕を開けた。今回は対照的にエンド・タイトルでフィナーレ。レイアに勲章を授与されるルーク、ハン・ソロ、チューバッカの絵が浮かび上がってきた。そして Binary Sunset のメロディから盛大なファンファーレにつながる様は、叙事詩の終わりと次なる叙事詩の始まりの予感そのもの。これもかなり音が来ていた。

 

アンコール:帝国のマーチ

 

アクの力強さの象徴ともいうべき曲で締めくくり。イントロでダースベイダーが目に浮かび、さらにストームトルーパーの軍団の行進、そしてスターデストロイヤーの艦隊までもが浮かんでくる。ジョーズに次ぐ出来栄えで、満足して家路に着くことができた。

その他の所感

 

MCの野村雅夫はそれなりに良い仕事をしていたが、「映画のサントラにオーケストラを書けるのはジョン・ウィリアムズぐらい」というのは、さすがに贔屓の引き倒しではなかっただろうか。まあ、その後に「イタリアにエンニオ・モリコーネもいますけど」と付け加えたのは自身がイタリアにルーツを持つからか。他にもダニー・エルフマンやハンス・ジマー、ジェームズ・ホーナーなどもオーケストラで映画音楽を作っているし、日本でも久石譲やすぎやまこういち、植松伸夫、小林啓樹などがいるではないか。ただし、オーケストラ≒クラシック音楽で、現代では失われつつあるものであるというのは、『 素晴らしき映画音楽たち 』でヘイター・ペレイラが指摘していたことでもある、とシネフィルらしいことも言ってみる。まあ、オーケストラはジャズと同じで、決して死なないジャンルであると思う。

 

映画のサントラには映画そのものよりも有名なものがいくつもある。『 炎のランナー 』のテーマや、日本だと『 ゴジラ 』のテーマは、おそらく映画を観たことがない人でも、聴いたことがある、あるいは聞けば認識できるはず。映画を観るのは一仕事だが、音楽を聴くのはそれほどでもない。映画そのものは消費しづらいという人も、映画サントラなら消費可能かもしれない。そうした人が100人いれば、20人ぐらいは映画を実際に観てくれるかもしれない。

 

帰宅後、勢いに乗って3月22日の兵庫県立芸術文化センターのジブリコンサートのチケットも購入してしまった。どちらも映画のチケットよりかなり高くつくが、生には生の良さがあると確認できたし、今後も定期的にこうしたコンサートには行ってみたいなと感じた。またジブリコンサートの感想も書いてみたいと思う。

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『 FPU 若き勇者たち 』 -中国の国策映画-

Posted on 2025年1月13日 by cool-jupiter

FPU 若き勇者たち 65点
2025年1月10日 TOHOシネマズ梅田にて鑑賞
出演:ワン・イーボー
監督:リー・タッチウ

 

年末から始まった謎の感冒症状がなかなか治らない。が、本作は少し気になったのでチケット購入。

あらすじ

反政府武装勢力と政権との内戦が続くアフリカ某国に、国連からの要請でFPUが派遣されることになった。任に当たる中国警察の面々は個々の能力には秀でるものの、チームワークに難があった。その中には若き狙撃手ヤン(ワン・イーボー)の姿もあり・・・

ポジティブ・サイド

アフリカの部族間抗争の延長線上の内戦を描いている。そうした抗争の根っこはほとんどすべて欧米列強のアフリカ支配で、勝手な国境線の取り決めや特定部族の優遇や特定部族の排除の歴史が今につながっている。中国はそうした歴史とは無縁(アフリカでは、という意味。他地域はまた話が別)なので、実際にPKOを行ったり、こうしたプロパガンダ映画を作りたくなるのもむべなるかな。

 

アクションのビルドアップが良い。最初は小競り合い、そこから投石や火炎瓶にエスカレートしていき、そしてスナイパーによる狙撃まで。赴任の Day 1 から打ちのめされるFPUと、そこから徐々に現地住民になじんでいく過程はシンプルながら興味深かった。自衛隊もイラクでこんな感じだったのだろうと想像が膨らんだ。

 

中国語だけでなく、フランス語や英語も飛び交い、近年の韓国映画的でもある。とあるキャラの言う “Justice knows no border.” はまさに cinematic な台詞で、邦画もこれぐらいは頑張ってほしいもの。

 

主役のワン・イーボーと隊長の間に因縁が用意されているのも、ベタではあるがプロットには活きていた。

 

ネガティブ・サイド

『 ボーン・トゥ・フライ 』の隊長や『 熱烈 』のコーチのような、暑苦しいオッサンキャラがいなかった。FPUの隊長が本来そのポジションなのだろうが、ヤンの父親の相棒だったわりには若すぎる。オヤジというよりもアニキというキャラで、隊の中でもプロットの面でも浮いていた。

 

エンドロールが長かった。いや、インド映画だと思えばそれも許容可能だが、メイキング映像と本編の補完映像を同時に流すのはいかがなものか。見せるのならどちらかに統一を。

 

総評

こういうのは往々にして反政府側が善に描かれるものだが、本作はそうではない。中国共産党の国策映画なのだから当たり前といえば当たり前なのだが、それなりに新鮮な視点が提供されていた。ハリウッドのドンパチとは毛色の違うB級アクションだが、深く考えなければ気軽に楽しめる作品に仕上がっている。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

presidential house

大統領官邸の意。presidential palaceとも言うが、これは外装・内装ともに煌びやかなものを指す。ちなみに日本の総理官邸は Prime Minister’s office となる。英字新聞には割と出てくる表現である。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 #彼女が死んだ 』
『 アット・ザ・ベンチ 』
『 港に灯がともる 』

 

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Posted in 未分類Tagged 2020年代, C Rank, アクション, ワン・イーボー, 中国, 監督:リー・タッチウ, 配給会社:ハークLeave a Comment on 『 FPU 若き勇者たち 』 -中国の国策映画-

2024年総括と2025年展望

Posted on 2025年1月1日 by cool-jupiter

2024年総括

今年は部署異動もあったり、副業(と呼べるほどのものでもないが)があったりで、例年ほどは映画を観ることができなかった。邦画はあいかわらず小説や漫画の映像化に血道を上げていたが、インドや韓国などの映画輸出大国にひと頃の勢いが感じられないのは、コロナの影響を今も引きずっていると見るべきか。ハリウッドに関して言えば、MCUのメインストリームから離脱できたのは幸なのか不幸なのか。

2024年は米大統領選挙と兵庫県知事選で、いわゆるオールドメディアとSNSの対照性が際立った年だったと感じる。映画レビューについては、かなり以前から同様の事象が起きていて、今では一部のインフルエンサーと呼ばれるようなお歴々の方が、下手なプロのレビュワーよりも影響力を行使できているように見える(同じことは英語学習界隈にも言えるが、あの世界は狭すぎ、かつ浅すぎて話にならない)。

大切なことは、意見は意見であって、事実でもなんでもないということ、そして真実とは事実を自分なりに解釈した先に見えてくるものであると自覚することだ。ある作品が面白い、あるいはつまらないと感じたのであれば、その理由は大いに発信してよい。ただし自分と意見を異にする相手を否定してはならない。同じことは政治的な信条に関しても当てはまる。分断はしてもいい。ただし共存はせねばならない。映画に関しても色んな見方があっていい。ただしレビュワーがレビュワーを否定することは望ましくない。気に入らなければ無視するだけでよい。一部の界隈の不毛な論争は何も生み出していないと思う。

2024年最優秀海外映画
『 ソウルメイト 』

リメイクながらオリジナルを超える大傑作に仕上がった。キム・ダミはチョウ・ドンユイに勝るとも劣らない演技を見せた。生きることは生かすことという『 ルックバック 』同様の哲学を、まさにその生き様で証明するという凄絶な友情の物語。日本でもリメイクしてほしいという願望と、そのリメイクが駄作になってしまったら・・・という不安の両方を感じている。いずれにせ大傑作。シスターフッド映画のひとつの到達点と評したい。

 

次点
『 ブルーバック あの海を見ていた 』

犬と人間の絆というのは割とありふれているが、魚と人間の絆は相当に珍しい。そこに無類の映像美と人間ドラマ、そして社会的・環境問題的なメッセージが込められつつも、全体のバランスが整っているという傑作。

次々点

『 YOLO 百元の恋 』

こちらもリメイクながらオリジナル超えの傑作。監督兼主演のジア・リンの、力石徹も真っ青のまさに骨身を削る減量の様子が “Gonna Fly Now” と完璧にマッチしていた。青は藍より出でて藍より青し。中国映画の今後の躍進を予感させる逸品。

2024年最優秀国内映画

『 夜明けのすべて 』

現代社会が失いつつある「連帯」を描いた貴重な作品。同病相憐れむのではなく、同病相攻撃する=自己憐憫の度合いを競うような言説がSNSでよく見かけるが、そうした人々にこそ観てほしい作品。Even after the darkest nights, morning always comes.

次点

『 侍タイムスリッパ- 』

時代劇への愛情、さらに social misfits に対する温かく柔らかな眼差しに満ちた作品。生きることの意味を見失いがちな現代において、高坂新左衛門の生き様はそれ自体が強烈なメッセージになっている。太秦のスタッフが手弁当で撮影をアシストしてくれたという逸話があるが、それほど強烈な脚本で、その脚本の内容を適切に演出した監督、確かな演技で描き出した役者陣、そして裏方スタッフたちが一体で世に送り出した逸品。円盤化を待ち望むファンは数多い。

次々点

『 マリの話 』

こちらも低予算映画ながら、ホン・サンスの影響が色濃く反映された作品。ステージで監督自身が語っていた通りに、監督の願望や恋愛観や恋愛(失恋)体験も盛り込まれていて、陳腐ながらも非常に面白い。ロングのワンカットが多用されていて、まるで自分もその空間にいるかのように感じられたり、あるいは引きの視点から人物が小さく映され、二人っきりであることが強調されたりと、カメラワークも巧みで良かった。

2024年最優秀海外俳優

バンジャマン・ラベルネ

『 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 』でのラ・ボルドを、まさに血肉の通った人間として描出した演技を評価する。宮廷という、ある意味で魑魅魍魎が跋扈する伏魔殿に放り込まれた市井の女が生き残れたのは、王の寵愛以上にラ・ボルドの献身と奇妙な友情があったればこそ。

次点

ワン・イーボー

日本でも確実にマダムのファンを増やしつつある俊英。『 ボーン・トゥ・フライ 』と『 熱烈 』の両作品で、超が付くほどアクの濃いおっさんキャラと共演しながらも、自らのキャラをクールに演じきった点を評価する。

次々点

ラビ・キシャン

『 花嫁はどこへ? 』で小悪党的な警部補を怪演。アメリカの警察=汚職、韓国の警察=無能だが、インドの警察=汚職×有能という新しいイメージを創出したところがユニーク。

 

2024年最優秀国内俳優

山口馬木也

『 侍タイムスリッパ- 』で演じた高坂新左衛門というキャラクターの血肉化は素晴らしかった。武田鉄矢=金八先生、織部金次郎、西田敏行=浜崎伝助のような、代名詞とも言えるキャラクターを生み出せたのは、ひとえにそのシンクロ率ゆえ。今後、邦画における character study の代表として教材化されるに違いない。

次点

河合優実

『 あんのこと 』、『 ナミビアの砂漠 』での演技を評価する。薄幸の佳人のイメージが強く、本人もそうした役を好んで演じている点に好感を抱く。『 水は海に向かって流れる 』も、広瀬すずではなく河合優実で作り直してみてほしい。

次々点

内野聖陽

『 アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 』でキャリア最高ともいえる演技を披露した。抑圧された公務員の姿はサラリーマンにも通じる。2024年はオッサンのファンを増やした年になったのではないか。

2024年最優秀海外監督

キム・ソンス

韓国議会のねじれ、その延長線上にある(らしい)戒厳令の発令で再び注目を集めることになった『 ソウルの春 』の演出を高く評価したい。権謀術数オンパレードで全編息継ぎする間もなく進んでいく圧倒的なスピード感と、結末で訪れる言いようのない虚無感は演技、撮影、音楽・音響、編集などをすべて統括した監督の手腕に他ならない。

次点

竹内亮

濃密なドキュメンタリー『 劇場版 再会長江 』のクオリティを評価したい。中国という、ある意味でアメリカやインドにも劣らない他民族国家の源流に迫ろうという試みの雄大さには、残念ながら日本の映画界では比べられるものがない。

 

次々点

クリストファー・ノーラン

『 オッペンハイマー 』の映像美と、敢えて見せないことでオッペンハイマーの心情を物語る演出を評価する。



2024年最優秀国内監督

安田淳一

『 侍タイムスリッパ- 』のヒットと『 ごはん 』のロングランを評価。映画作りを一種の作業ではなく自己表現や自己実現と捉えている点も併せて評価したい。○○組などと称して、同じスタッフで流れ作業的に映画を作る監督たちとは一線を画したままでいてほしい。

次点

笠井千晶

元々世間では一定の耳目を集めていたが、『 拳と祈り -袴田巌の生涯- 』の製作と公開でもって袴田姉弟の苦闘と日本の警察・司法の問題点をあぶり出した功績は果てしなく大きい。自分の考えを極力画面に映し出さず、丹念に事実と関係者の証言を追っていくスタイルに徹したのも素晴らしい判断だった。

次々点

堀江貴

『 最後の乗客 』の切れ味を評価。プロットには陳腐な箇所が多いが、ストーリーは観る側の心を動かす力を確実に有していた。

2024年海外クソ映画オブ・ザ・イヤー

『 ゴジラxコング 新たなる帝国 』

アメリカに里子に出した息子が文字通りの意味でヤンキーになってしまった。ドハティからはゴジラに対する深い愛着とリスペクトが感じられたが、アダム・ウィンガードはゴジラを条件付きのフリー素材ぐらいにしか感じていないのではないか。

次点

『 トラップ 』

シャマランの作品というだけで観る側は否が応にも期待する。そして予測する。そうした予想をことごとく下回る展開の連続に、さすがに落胆させられてしまった。Is it about time for me to give up on Shyamalan? 

 

次々点

『 破墓 パミョ 』

相対評価ということで本作を選出。嫌悪の根底に恐怖があるのは理解できたが、さすがに「日本的なるもの」を色々と詰め込んでみましたというパッケージングは、韓国国内では通用しても国際的(特に日本)には通用しない。

2024年国内クソ映画オブ・ザ・イヤー

『 変な家 』

序盤はミステリ風ながら、推理がすべて的外れというか、どういう思考回路をしていればそんな論理展開ができるのかと慨嘆させられた。この脚本の出来栄えで企画にゴーサインが出るというのが一番のミステリーである。中盤以降の超展開は、もはや家の間取りが変だとかどうこうとは関係のない、あまりにシュールな狂騒曲。珍品としての価値は認められるが、それは言い換えれば反面教師的な作品にしかならないということである。

 

次点

『 みなに幸あれ 』

一位とデッドヒートを繰り広げたが、僅差でこの位置に。弱者を搾取して生きているという現代社会の構図を生々しく描きたかったのだろうが、横溝正史的な演出がことごとく空振りで、単なる笑えないギャグにしかなっていなかった。

次々点

『 六人の嘘つきな大学生 』

これまた原作小説を単なるフリー素材としてしか見ていないかのような皮相的な作品。ミステリ部分がミステリでも何でもないし、犯行の動機も幼児レベル。そしてリアルであるべき採用活動が茶番(なんでカメラがそのタイミングから回っているんですかねえ・・・)になっているなど、ツッコミどころ満載の珍品。大学の映画サークルが作ったと言われても納得できそうなクオリティだった。

2025年展望

2025年に関してはJovianのオールタイム・フェイバリットの『 オズの魔法使 』の正統的な前日譚『 ウィキッド ふたりの魔女 』が楽しみだ。劇団四季のミュージカルで鑑賞済みだが、映画がこれをどう料理してくるのか。邦画では『 フロントライン 』が、コロナの最前線で闘っていたのは男性がメインであるかのように描かれていることから大いに不安を煽ってくる。

 

生成系AIがますます進化して、物語、音響に音楽、画像に映像まで、個人でもある程度は作れてしまう時代になった。『 カランコエの花 』の中川駿監督の言う通りに「美意識」をしっかり持った人であれば誰でも映画監督になれる時代の到来である。実際、『 8番出口 』のパロディ動画や、各種の怪獣系の動画などが某プラットフォームに続々アップされている。ここから新しい才能が芽生えてくるのは間違いない。一方で『 JUNK HEAD 』の堀貴秀のような才能は出てこなくなるような懸念もある。

 

いずれにせよ2025年が良い年になることを願う。戦争はゲームや映画の中のコンテンツとしてだけ消費したい。

 

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