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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 日本

『 映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城 』 -より現代的・教育的なリメイク-

Posted on 2026年3月2日2026年3月2日 by cool-jupiter

映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城 65点
2026年2月28日 大阪ステーションシティシネマにて鑑賞
出演:水田わさび 大原めぐみ
監督:矢嶋哲生

 

おそらく30年ぶりにドラえもん映画を劇場鑑賞。数あるドラえもん映画の中でも海底鬼岩城と魔界大冒険は個人的な favorite なのだ。

あらすじ

夏休み、山に行くか海に行くかで意見がまとまらない。のび太たちはドラえもんに意見を求めると海底火山でのキャンプを提案する。のび太の宿題を片付け、出発する一行。しかし、ニュースで報じられていた謎の沈没船が突如として行方不明になっており・・・

ポジティブ・サイド

ドラえもんの声ものび太の声も、思ったより違和感を覚えなかった。ジャイアンがあまり暴力的でなかったりするのも時代の変化か。

 

映像は文句なしにきれいだった。水、特に一部のシーンの海面の描写が『 ゴジラ-1.0 』波に、ではなく並みに凄かった。これも技術の進歩か。昔の作品ではバギーが沈黙していた色々な深海生物の名も解説されて、科学の進歩を感じた。同時にそこに現実的・一般的な技術として普及し始めたAIと人間の関係を掘り下げる描写もあった。

 

原作では単に怯えていたせいでバリア内で走行できなかったバギーが、本作では「自己防衛プログラム」だという理由がつけられた。しかし、しずかちゃんの涙に触れたバギーは、プログラムを超えて自己犠牲精神を発揮。過去のプログラムに頑なに従おうとするポセイドンとの対比が際立った。

 

バギーの壮絶な自己犠牲は、どこか『 ターミネーター2 』のT-800の ”I now know why you cry.” に通じると感じた。これはさすがにちょっとほめ過ぎか。ただ、AIの自我の目覚め、シンギュラリティなどはこのような形で観察される可能性もある。そうした学習データを作っていくのが大人の責任であるように思う。

ネガティブ・サイド

序盤、空地の木の下のジャイアンが木漏れ日を受けているシーンは美しかったが、構図的にそこにそんな風に光は当たらないだろうというシーンだった。子ども向けアニメとはいえ、光と影の整合性はしっかりと。

 

国境を越えたら死刑ということだが、まだ国境を越えていないドラえもんたちを補足して死刑を協議するというのはこれいかに。

 

妙なところでフェミニズム的展開があったが、そこは昔通りでよかったのでは?

総評

海底ゴミの問題など妙に教育的な面もあるが、冒険ものとして普通に面白かった。子どもが全くいない時間帯の大阪の上映回のチケットを購入したが、同年代と思しき観客もそこそこいた。大人でもドラえもんを観ていいのだと少し安心させられた。同じように不安なおっさんにはレイトショーでの鑑賞をお勧めする。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

right

正しいの意味。作中では正しいことと正解であることの違いが問われる。right = 正しいとは道徳的に正しいことを指す。ちなみに正解であることは correct という。多肢選択試験の設問ではしばしば Choose the correct answer. のように指示される。使い分けられるようにしておこう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ブゴニア 』
『 射鵰英雄伝 』
『 オーロラの涙 』

 

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, アドベンチャー, アニメ, 大原めぐみ, 日本, 水田わさび, 監督:矢嶋哲生, 配給会社:東宝Leave a Comment on 『 映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城 』 -より現代的・教育的なリメイク-

『 大栗先生の超弦理論入門 』 -読みやすいが入門書ではない-

Posted on 2026年2月27日 by cool-jupiter

大栗先生の超弦理論入門 75点
2026年2月20日~2月25日にかけて読了
著者:大栗博司
発行元:講談社

 

生成AIパスポート試験対策の本を買いにジュンク堂へ。そのついでに本書も買ってしまった。JovianはSFが好きで、昔はNEWTONを定期購読していたし、今でもたまにこういう本を読むのだ。

あらすじ

古代ギリシャ(本書ではギリシア表記)のエウクレイデス(本書ではユークリッド表記)やデモクリトスから、現代のウィッテンやマルダセナに至るまでの極小の点、空間に関する理論の変遷を追う。

 

ポジティブ・サイド

物理学、就中、物質の構成についての人類の考察の歴史的な発展が理論物理学の碩学の手によって活写されている。しかし理系にしか理解できないわけではない。各章の初めに詩人や文学者の素朴な疑問や感想、哲学者の省察などが置かれ、しかもそれが導入として非常に効果的に働いている。天文好きだった宮沢賢治の言葉もあり、賢治ファンならにやりとさせられるかもしれない。

 

本書には超簡単、超有名なものから超絶難解なものまで数式がそれなりに登場するが、難しい数式のせいでページを繰る手が止まるということはない。逆に巻末付録のオイラーの公式の解説には笑ってしまい、そして唸らされるだろう。

 

本書の読みやすさにはイラストや似顔絵の豊富さも貢献している。それらすべてが著者の手書きによるものだというから驚き。これにより紙面がぐっと柔らかくなっている。また有名な光の干渉縞を文庫本二冊で目視する方法というのは本書で初めて知った。実際にこの方法を試してみて干渉縞を見て感激した。こういうトリビアはありがたい。

 

本書の読みやすさのもう一つの特徴として、編年体形式と列伝体形式が巧みにミックスされていることが挙げられる。特にエドワード・ウィッテンはアイザック・ニュートン、アルバート・アインシュタイン級の天才なのではないだろうか。またフアン・マルダセナはスティーブン・ホーキング級だと思われる。

 

ちなみにコスミック・フロントやコズミック・フロントNEXTによく出ていた超天才の誉れ高い村山斉が後輩だとのこと。正直なところ、素粒子物理学やら超弦理論の真髄は浅いレベルでしか理解できないが、データと数字、そして想像力と直観の世界で戦うのが数理・理論物理学者という生き物だということはよくわかった。

 

著者自身が特定の章の読み飛ばしを推奨しているので、しんどいと思ったらそこは飛ばそう。SFファンなら、たまにはこういう本を読むのもいいだろう。

 

ネガティブ・サイド

入門とタイトルに入っているが、これを入門書に選んで「確かに入門書だった」と言える人は理系の学部生レベルの素養がある人だろう。天才が入門書を書いてみたものの、実際は中級者向けぐらいか。これは著者の責任というよりも編集者の方か。UCLAバークレーのPhysics 101は日本の普通の大学だと200番台、場合によっては300番台になるのだろうな。

 

もし子のレビューによって本書に興味がわいたという奇特な向きには

『 面白すぎて時間を忘れる宇宙の話 』ISBN:978-4837930914

『 決定版 量子論のすべてがわかる本 』ISBN:978-4054067493

あたりを先に読めばよいだろう。特に『 量子論のすべてがわかる本 』ではぼやかされた「くりこみ理論」が本書では図解と共に鮮やかに解説され、文字通り理解の次元が上がる。

 

総評

裏表紙にある「類のない平易な説明」というのは、ちょっとミスリーディングかな。分かりやすいこと、あるいはなんとなくわかった気にさせてくれることと、その説明が平易であることは必ずしもイコールではない。ただ、ある程度の予備知識や、あるいはSFというジャンルへの興味や好奇心があれば、読み進めることは決して苦痛ではない。たまに大人の読書をしたいという向きは、本屋で見かけたら数ページ立ち読みの上、購入の決定をされたし。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

-on 

接尾辞、つまり語幹の後にくっついて別の意味を与える形態素である。本書にもフェルミンやボゾンやらが出てくるが、このオンとは微小粒子のこと。プロトンは陽子、エレクトロンは電子、フォトンは光子である。最近、グラビトン発見に近づいたというニュースが国内であった。科学的な発見に心躍らせるようになれれば、心が若さを取り戻したと言えるのではないだろうか。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ブゴニア 』
『 映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城 』
『 射鵰英雄伝 』

 

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Posted in 国内, 書籍Tagged 2010年代, 日本, 発行元:講談社, 著者:大栗博司Leave a Comment on 『 大栗先生の超弦理論入門 』 -読みやすいが入門書ではない-

『 ここにひとつの▢ がある 』 -眩暈を覚える連作短編集-

Posted on 2026年2月22日2026年2月22日 by cool-jupiter

ここにひとつの▢ がある 70点
2026年2月16日~2月20日にかけて読了
著者:梨
発行元:株式会社KADOKAWA

 

最寄り駅の中の本屋で暇つぶし目的に購入。電車の中、あるいは寝る前の10分、20分を使って読了。

ポジティブ・サイド

小説家志望の大学生あたりが腕試し、あるいはアイデア試しに書いてみたような作品の集まり。しかし、そのクオリティはどれも高い。

 

個人的には第三章の「カシル様専用」が読中そして読後にもたらす「え?」という感覚が非常に気持ち悪かった。気持ち悪かったというか居心地が悪かったという方が正確か。これは誉め言葉である。

 

第四章の「練習問題」では趣がガラリと異なり、様々な算数や数学の例題が列挙される。別に解いても解かくなくてもよい。それらの例題が何を意味するのか、徐々に明らかになってくる時の気持ち悪さが特徴的。しかしページを繰る手が止まらない。この作者、かなりの手練れだ。

 

第六章の「穴埋め作業」も同工異曲のゲテモノ的な面白さ。こちらはクロスワードが提示され、それらを二人のキャラクターが対話を通じて解いていく。このあたりから本のタイトルの▢に(はこ)というルビが振られている意味が見えてくる。(ます)や(しかく)ではなく(はこ)なのだ。

 

第八章の「箱庭」で開陳される哲学的な思弁、そして最終ページの見開きをもって、読者は▢(はこ)の意味するところを知る。

 

ネガティブ・サイド

第二章の「放課」は正直なところ微妙に感じた。いや、自分も小学生の時にこれをやったことがあるが、何も起きなかったぞ(起きるわけがないのだが)。また、この怪異はおそらく今の30代未満にはほとんど通じないのでは?第五章の鮮やかさとキレの良さとは正反対である。

 

第六章の「穴埋め作業」のキャラ二人のアイデンティティもぼかしたままで良かったのでは?

 

総評

ジャンルとしてはメタミステリとなるだろうか。山口雅也や竹本健治のファンならば買いだろう。どことなく『 近畿地方のある場所について 』にも通じるテイストだが、竜頭蛇尾で終わるどころか、軽い吐き気を催させるような終わり方をする本作の方が面白さでは上。ぜひ梨の他の作品も渉猟してみたいと思う。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

a bother

迷惑や邪魔の意。第一章のタイトルだが、これは「お邪魔します/お邪魔しました」の邪魔と解釈すべきなのだろう。英語では「お邪魔します」は Excuse me. だが、「お邪魔しました」はちょっと難しい。I hope I wasn’t a bother. が近いか。ボスのパーティーなどに招かれた際の帰り際などに使ってみよう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 トゥギャザー 』
『 ブゴニア 』
『 映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城 』

 

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Posted in 国内, 書籍Tagged 2020年代, 日本, 発行元:株式会社KADOKAWA, 著者:梨Leave a Comment on 『 ここにひとつの▢ がある 』 -眩暈を覚える連作短編集-

『 禍禍女 』 -クレイジーな三角関係-

Posted on 2026年2月11日2026年2月11日 by cool-jupiter

禍禍女 40点
2026年2月7日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:南沙良
監督:ゆりやんレトリィバァ

最初のトレーラーが出た時にはスルー予定だったが、南沙良主演と知り、チケット購入。

あらすじ

早苗(南沙良)は同じ大学の宏に恋焦がれるも、彼は別の女の子に夢中で振り向いてくれない。なんとか宏に好かれようとする早苗だが、その宏が謎の怪異、禍禍女に取りつかれてしまい・・・

ポジティブ・サイド

『 もみの家 』の頃から切に願っていたこと、すなわち南沙良のハンドラーたちは彼女に決して凡百の恋愛漫画の映像化のキャラを演じさせないでほしい、という願いは確実に届いているようである。南沙良がまたもエキセントリックな役を見事に演じきった。ストーカー気質女子にして、変態プレゼントを作成してしまう、かつ言葉そのままの意味で芸術的な自慰行為に耽るというキャラで、この役をオファーされて引き受ける女優は日本には10人もいないのではないか。本人およびハンドラーたちにはぜひともこの路線を継続してもらいたい。

説明台詞に頼るのではなく、わざとらしいキャラの配置で物語の方向性を示すというのは悪くない。田中麗奈が『 ナイトフラワー 』とほとんど変わらない役柄だったが、なっちゃんはしばらくこの路線で安泰か。

ネガティブ・サイド

何もかもが中途半端に感じられた。禍禍女が好いた相手を100パーセント殺し、両目を持ち去るのが怖いのか。それとも想い人が死んでなお思い続け、あまつさえ怪異に対して復讐を果たそうとする早苗が怖いのか。それとも呪いの力をほしいままにしようとする人間が怖いのか。二兎どころか三兎を追って、バランスを崩したか。

南沙良への追い込みも足りない。アトリエで宏の像相手に壮大な自慰行為(あくまで比喩だが)をさらすシーンはロングのワンショットで観たかった。また宏へのとんでもないプレゼントを作るシーンも見せるべきだった。イッた目であれを処理する女子大生を演じられるのは南沙良ぐらいしかいないのだから、そこに彼女を追いこむべき。

食べ物への異物混入は社会情勢的にありなのか?近年は「本作撮影時に動物に危害は加えられていない」云々の宣言が出るが、本作がきっかけで「本作の撮影に際して食べ物を粗末に扱うようなことはしておりません」という表示が出るようになる、というのは考えすぎか。

色々なホラー・ジャパネスクに対するオマージュが盛り込まれていたが、それらがオマージュではなくクリシェになっていた。オマージュは敬意から来る遊び心であって、定番のシーンや構図を入れておけばいいというものではない。クズ男が怪異に無残に殺される、さらに霊能者もあっさり殺されるというのは『 来る 』で見た。禍禍女そのものも『 リゾートバイト 』でそっくりのやつがいた。

独自の恐怖のセンス、たとえば禍禍女が人間に変化する、あるいは人間が禍禍女に変化する。そのスイッチが好かれている側の気持ちではなく、そのことに嫉妬する者の気持ちだったら?そうしたプロットに集中すれば、呪いの女と異常な恋心の女のバトルという新しい路線を生み出せたのでは?これは監督ではなく脚本家への注文か。

爆破エンドですっきりするのは監督以外にいるのか?

総評

観終わった直後、「何じゃこりゃ?」だった。ちょっと無理をして詰め込み過ぎ、かつホラーなのか、コメディなのか、リベンジスリラーなのか、ジャンルもはっきりしなかった。シェアハウスはノイズ。狂った女はストーリーの中では早苗だけでいい。本当は30点だが、南沙良の演技で10点おまけしておく。南沙良ファンなら必見。

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

banned words

職業側、使ってはいけない言葉を受講生に教えていたが、よくよく考えるとこれは矛盾している。近年のAIキャラと会話できるアプリの進化は凄まじいが、そこで使用禁止語句が設定されているものは実は結構珍しい。そうした禁止語句は banned words と呼ぶことが多い。本作では南沙良がとんでもない banned words を連発するシーンが白眉である。

次に劇場鑑賞したい映画

『 ペンギン・レッスン 』
『 安楽死特区 』
『 マーズ・エクスプレス 』

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, コメディ, スリラー, ホラー, 南沙良, 日本, 配給会社:K2 PicturesLeave a Comment on 『 禍禍女 』 -クレイジーな三角関係-

『 利休にたずねよ 』 -想像の利休伝記-

Posted on 2026年2月7日2026年2月7日 by cool-jupiter

利休にたずねよ 65点
2026年2月4日 DVDにて鑑賞
出演:市川海老蔵
監督:田中光敏

 

公開当時、TOHOシネマズかブルク7で観たんだったか。近所で中古DVD市があったので購入。

あらすじ

茶人の千宗易(市川海老蔵)は独自の美を追求する茶道でもって織田信長、羽柴秀吉といった天下人に認められ、名を成していく。しかし、宗易が世に認められていくほどに、秀吉から疎まれるようになり・・・

 

ポジティブ・サイド

海老蔵は着物の着こなしがよく、所作も美しい。袱紗捌きも見事の一語に尽きる。『 国宝 』の喜久雄もかくやである。当たり前か。青年期から老境までを演じきったのは見事。利休というと茶の湯御政道のプロモーター兼アドバイザーであると考えられているが、その前半生を大胆に解釈した点は評価に値する。

 

壮年期の利休が口にする美徳、美学、哲学が若き日の利休の体験から来ているというのは面白かったし、説得力もあった。三つ子の魂百までと言うが、若い頃の強烈な体験には程度の差こそあれ、誰もが影響を受けている。利休の場合、その対象が異国人だったというのも大胆だが、荒唐無稽とまでは言えない。利休の茶の湯の精神に一期一会があるが、本当に一度きりしか出会えない相手とは誰か。なぜ一度しか出会えないのか。本作をそこを突き詰めたと言える。

 

筆談シーンは非常に美しい。言葉は通じないが、漢字でなら通じる。逆に今だと通じないというところが惜しい。利休の死にたいけれど死ねない、死んではならないという想いにフォーカスすることで、利休が切腹を命じられた理由は何であったのかというミステリーをすべて包括する物語になったことは歴史ものとして評価したい。

 

ネガティブ・サイド

邦画の悪いところが時代劇でも出てしまった。なにもかも台詞で説明するのは本当に必要か?秀吉と宗易の付き人同士の会話、瓦職人が茶壷を手に取った時の感想。中谷美紀演じる利休の妻の心の声も微妙にノイズ。こういったものは感嘆の声と表情、所作で表現するものではないか。

 

躙り口など、利休の茶室の特徴の起源は説明されたが、黄金の茶室とは結局何だったのか。

 

総評

まあまあ面白い作品。公開当時はえらい叩かれた記憶があるが、茶の湯の起源を某国に求めたわけではないことは明白。利休の美意識の原体験とはどんなものだったのかを大胆に想像した作品。時代劇ではなくロマンスとして鑑賞すればよい。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

tea ceremony

茶道の意。日本人なら誰でもたしなむものと誤解した留学生が20数年前にはたくさんいた。ceremonyはラテン語のcaerimonia由来で、ポルトガル語はラテン語に非常に近い。同時代にはカステラや天ぷらが日本に伝わった。日本古来の伝統の多くは外国由来なのだ。茶の起源も中国。異なるものを排斥するのではなく、それらを上手く取り込むことだ。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 安楽死特区 』
『 マーズ・エクスプレス 』
『 禍々女 』

 

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, C Rank, ラブロマンス, 伝記, 市川海老蔵, 日本, 歴史, 監督:田中光敏, 配給会社:東映Leave a Comment on 『 利休にたずねよ 』 -想像の利休伝記-

『とれ! 』 -平均以上の青春ホラーコメディ-

Posted on 2026年1月18日2026年1月18日 by cool-jupiter

どれ! 60点
2026年1月17日 テアトル梅田にて鑑賞
出演:中島瑠菜 まいきち
監督:コウイチ

 

『 蔵のある街 』の中島瑠菜主演ということでチケット購入。

あらすじ

母親と二人暮らしの美咲(中島瑠菜)は高校卒業後の進路として心ならずも就職を希望していた。ある日、親友の皐月(まいきち)に触発されて撮影した動画に心霊現象と思しきものを捉えていたことからバズってしまう。これが収益になると思った二人は、さらなる心霊動画を撮ろうと画策して・・・

ポジティブ・サイド

主な登場人物は美咲、皐月、美咲の母、霊能者、これだけ。舞台も学校、家庭、廃墟だけ。非常にコンパクトで、人間関係も理解しやすい。

また物語もシンプル。将来に悩む女子高生が、その悩みは金で解決できると思い、動画収益で一攫千金狙いというもの。バカバカしいがリアルでもある。中島瑠菜とまいきちはそろって童顔なので女子高生っぽさがあった。

 

廃墟のシーンはそれなりに怖さの演出があった。貼り紙はけっこう古典的なネタだが、凝りすぎておらず女子高生が考え付きそうにも思える。神と悪霊、両方が憑くのは珍しい。しかも、悪霊はサラリーマンで、いかにもサラリーマンという無念と呪いに満ちている。それが滑稽というか哀れというか。悪霊に同情して、神様に怒ってしまうというのもユニークだ。

 

最後はちゃんと美咲の成長物語になっていて、ホラーっぽいオチもついた。

 

ネガティブ・サイド

ネタバレぎりぎりのラインで言えば、神様の元ネタは『 千と千尋の神隠し 』のカオナシかな。神様が憑くというアイデアは間違いなく希少性が高いのだから、そのアイデアはもっと独自に発展させてほしかった。

 

看護師の母がいて、看護師の知り合い多数のJovianからすると、奥菜恵演じる美咲の母はかなりエキセントリックに感じられた。普通の会社勤務の女性と比べると、女性看護師の未婚・独身率の低さ、かつ離婚率の高さには驚くべきものがある。さっさと結婚して、気に入らなければすぐに離婚するのが看護師である。そうした多くの看護師の中で、美咲母は草々なマイノリティだろう。

 

子どもが家の経済状態を心配するのは有難迷惑だが、ちょっとネットで看護師の収入を調べれば、音大や美大には行けなくとも、地元の公立なら十分行かせてくれると思うはずだが・・・

 

総評

ホラー風味の青春映画 feat. 家族 という映画である。インディーズっぽさ全開だが、それなりに趣向を凝らしていて楽しめる。霊能者が有能なのも珍しい。また神様が日本的な八百万の神という感じなのも個人的にはポイントが高い。個人的には中島瑠菜で本格ホラーが見たい。というか、誰か中島瑠菜で『 富江 』の新作を撮ってみてはくれないだろうか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Evil spirit, be gone!

悪霊退散の意。たしか『 パラノーマル・アクティビティ 』で使われていた。直訳すれば「邪悪な霊よ、消え失せろ」となる。除霊系のホラーでそれなりに使われている表現と思われる。ハロウィーンの時期にホラー映画マラソンをする向きは、この表現が聞こえてくるかどうか耳を澄まされたい。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 28年後...白骨の神殿 』
『 MERCY マーシー AI裁判 』
『 長安のライチ 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, コメディ, ホラー, まいきち, 中島瑠菜, 日本, 監督:コウイチ, 配給会社:KADOKAWA, 青春Leave a Comment on 『とれ! 』 -平均以上の青春ホラーコメディ-

『 万事快調 オール・グリーンズ 』 -閉塞感を吹っ飛ばせ-

Posted on 2026年1月17日 by cool-jupiter

万事快調 オール・グリーンズ 75点
2026年1月16日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:南沙良 出口夏希 吉田美月喜
監督:児山隆

 

南沙良主演ということでチケット購入。

あらすじ

家ではなく路上のラップバトルに居場所を見出す朴秀美(南沙良)。母親との関係に問題を抱えるシネフィルの矢口美流紅(出口夏希)。漫画という夢を追うことためらう岩隈真子(吉田美月喜)。彼女たちは現状から脱出するために、あるビジネスに手を染めて・・・

ポジティブ・サイド

南沙良が単なる女子高生を演じていないことに安堵。本人もハンドラーたちも、少女漫画の映画化作品に主演することは演技のキャリア的に無意味であることをよくわかっている。家庭環境に問題大あり、本人の性格にも問題大ありというキャラを演じきった。小説好きとしては彼女のビブリオフィルな面は好ましいが、結局それは現実からの逃避。そのネガティブさを夜の路上でラップの即興で吐き出すという、健全とは言い難い方法でのバランスの取り方は痛々しい。が、現実的でもある。ちなみにPG12なのは、彼女が童貞や包茎というワードを口にするからではない。

 

スクールカーストのトップから転落した美流紅のキャラも好ましい。しれっと『 キャリー 』や『 哀れなるものたち 』の軽微なネタバレを挟んでくるのは微笑ましい。「TSUTAYAがなくなったら困る」というのは、最近、近所のTSUTAYAがついに閉店予定というニュースに触れたJovianに刺さった。単に知識豊富なだけではなく、しっかりと映画の台詞も自分のものにしている点がこのキャラの素晴らしいところ。『 ファイト・クラブ 』の台詞をもじって言うシーンには唸らされた。彼女のようなシネフィルが現実に存在すると信じて、Jovian先生のワンポイント英会話レッスンは続けていこうと思う。

 

岩隈子(ニックネーム)のシニカルな性格が、危ない橋を渡りたくない気持ちと、自分自身が漫画のストーリー的な世界に足を踏み入れようとするあたりから変わってくるのが心地よい。目立たないが、本作は彼女のビルドゥングスロマンの一面も持っている。活動に対してビジネスや効率化という言葉を使うことで理性的な計算の上でそうしているのだと自分を納得させているが、心が頭を上回った瞬間の笑顔は、まさに THE 笑顔 だった。

 

東海村という日本初の原子力発電所の稼働場所を舞台に、閉塞感あふれる地域と時代の空気を充満させ、それを呵々と打破しようとする女子高生たちの何と愚かで、しかし羨ましいほどに生き生きとしていることか。朴秀美という在日キャラでありながら、そちら方面のストーリーは一切なし。それもまた潔い。彼女たちの無軌道な青春をぜひ劇場で鑑賞し、その行き着く先を想像されたし。

 

ネガティブ・サイド

第4の壁を超える演出は嫌いではないが、使いどころにもっと一貫性が欲しかった。家庭環境の描写だけに使う、あるいは東海村脱出後のビジョンに対してだけ使う、というように。

 

南沙良のリズム感が残念ながらもう一つ。『 愛がなんだ 』の岸井ゆきののラップは上手かったのだと再認識した。

 

火のついた煙草をくわえながら〇〇〇〇をドバドバは無理がありすぎる。

 

総評

南沙良作品はハズレが少ない。本作は当たり。犯罪ではあるのだが、『 ナイトフラワー 』のようなどっぷり裏社会ではなく、あくまで無軌道な青春ものの範囲に収まっている。なので、ある意味、デートムービーにもなりうる。美流紅の岩隈子に教える「恋愛対象にならない男」の見分け方は、映画だけではなく買い物、食事、料理、化粧、着替えなど数多くの事柄に当てはまる。男子諸君は心して学ぶように。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

make money

金儲けする、金を稼ぐの意。仕事を通じて金を得る場合、earn moneyを使う。秀美たちはmake moneyをしたわけだ。earnは earn respect, earn trust, earn credibilityのように、努力や時間を費やして何かを得る場合に使うのだと覚えておこう。make moneyではなく、earn moneyをしたいものである。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 とれ! 』
『 28年後...白骨の神殿 』
『 MERCY マーシー AI裁判 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, クライムドラマ, 出口夏希, 南沙良, 吉田美月喜, 日本, 監督:児山隆, 配給会社:カルチュア・パブリッシャーズ, 青春Leave a Comment on 『 万事快調 オール・グリーンズ 』 -閉塞感を吹っ飛ばせ-

『 白の花実 』  -曖昧模糊もほどほどに-

Posted on 2025年12月31日2025年12月31日 by cool-jupiter

白の花実 35点
2025年12月31日 テアトル梅田にて鑑賞
出演:美絽 池端杏慈 蒼戸虹子 門脇麦
監督:坂本悠花里

 

2025年の締めくくりにテアトル梅田へ。

あらすじ

心ならずも全寮制の女子校に転校してきた杏菜(美絽)は、ルームメイトの莉花(蒼戸虹子)と友達になる。しかし、莉花(蒼戸虹子)はある日、命を絶ってしまう。莉花の日記も見つかり、そこに綴られた思いに触れていく杏菜。そして莉花の魂を目にするようになり・・・

 

ポジティブ・サイド

思春期の女子たち、それも生活を共にする者たち特有の距離感がよく表されている。二人部屋、三人部屋でも互いに立ち入るべきではないパーソナルなスペース(必ずしも人間のそばである必要はない)は確かにある。

 

一人でいることを好む者、集団に属すことを好む者、大人への反抗を旨とする者、そうした少女たちの思いは、それぞれが杏菜の思いの体験者であり、代弁者でもあったのだろう。

 

若いキャストばかりで浮ついた、表面的なストーリーになりそうなところを、門脇麦や河井青葉らが引き締めてくれた。

 

ネガティブ・サイド

杏菜も莉花も栞も、ちょっと演技が薄っぺらい。「発声」と「動き」を同時にできていない。これは監督の演出力の不足のせいか。

 

杏菜が霊感を有するという設定の見せ方が下手すぎるし、ドアがバタンと閉まったぐらいで大袈裟に動揺する寮生たちもどうなのか。人魂もあまりにもチープ。人魂が存在するのが悪いのではなく、それが青白く光る球体というのが陳腐すぎる。

 

女子校の寄宿舎に、仮にも父兄とはいえ、男がずかずかと上がり込めてしまうのはセキュリティ上、どうなっているのか。

 

そもそも生徒が飛び降り自殺しているわけで、そこに出てくるのが警察ではなく第三者委員会というのがおかしい。

 

門脇麦の思わせぶりな台詞や、読めそうで読めない日記の記述など、こちらが知りたいことについて、ほとんど明確な答えを得られないまま物語が閉じてしまうのは残念。もちろん、謎を謎のまま放置するのが悪いわけではない。が、明かすべき謎とそのまま残しておくべき謎の峻別が本作はあまりうまく行えていないという印象を持った。

 

総評

脚本や演出がもう一つなのだろうが、一番の問題はおそらく編集。必要なところをカットし、不要なところをつなげてしまったせいで、全体的に木に竹を接ぐようなシーンの連続になってしまった。美少女たちのやりとりで瞬間瞬間は絵になるが、観終わってみると???となる。この一作で見切りをつけるのは早計。坂本悠花里の次回作に期待をしたい。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

boarding school

寄宿学校の意。日本にはほとんど存在しないのではないか。Jovianは大学時代にキャンパス内の寮に4年間住んでいたので、なんとなく寄宿学校の雰囲気は分かる気がする。本作とも共通する寄宿学校の雰囲気を味わいたい向きは、ヘルマン・ヘッセの『 車輪の下 』がお勧めである。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 星と月は天の穴 』
『 ボディビルダー  』
『 YADANG ヤダン 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, E Rank, サスペンス, 日本, 池端杏慈, 監督:坂本悠花里, 美絽, 蒼戸虹子, 配給会社:ビターズ・エンド, 門脇麦Leave a Comment on 『 白の花実 』  -曖昧模糊もほどほどに-

『 ナイトフラワー 』  -その母性は罪か-

Posted on 2025年12月22日2025年12月22日 by cool-jupiter

ナイトフラワー 70点
2025年12月20日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:北川景子 森田望智
監督:内田英治

 

アングラな雰囲気に惹かれ、チケット購入。

あらすじ

シングルマザーの夏希(北川景子)はバイトを掛け持ちするも生活に困窮。ある夜、違法薬物の売人から偶然に薬物を手に入れた夏希はそれを一万円で売ってしまう。そして、ふとしたことから知り合った格闘家の多摩恵(森田望智)と共に薬物の売人になることを決意して・・・

ポジティブ・サイド

シングルマザーの貧困率が5割だと報じられて久しい。そして(主に)元夫側の養育費未払い率も統計によっては9割に達するという。2024年に法改正され、今年2025年から養育費の未払い・不払いには強制執行がなされるようになったのは、蓋し良い変化だろう。しかし、本作の夏希の夫は逃げた。つまり書類上は夫婦のまま。これでは養育費は取れない。本作はそんな夏希の窮状と子育てのストレスを序盤から存分に見せつける。同じシングルマザーでも『 レッドシューズ 』とはそこが違った。

 

本作の一つのテーマに、貧困家庭と恵まれた家庭、そしてそうした家庭の親と子の関係性の対比がある。貧しい家の子がなんらかの才能に秀でていても、それを伸ばせる環境を与えるには結局財力がものを言う。芸術でも格闘技でもおなじこと。この世は結局カネなのか。本作はそれに対して明確にYesと答えつつも、カネでは決して得られないものがあることも鮮烈に描き出す。『 ヤクザと家族 THE FAMILY 』では現代に昭和的なヤクザの家族観をある意味で復活させたのが新鮮だったが、そうした価値観が普通の人々にまで及んできている、新しい形の連帯が望まれている、あるいは生まれていることを活写したのは本作の貢献の一つ。

 

メインのキャラクターの背景を掘り下げず、観る側の想像に委ねるのは吉と出れば凶と出ることもある。本作は吉。たとえば夏希が高校中退なのは何故か。明確な答えはない。ただし妊娠・出産のために中退したわけではない(年齢的に合わない)ことは分かるし、おそらく『 愛されなくても別に 』の宮田の母的な母親に育てられたであろうことは、実家に頼れないことからも想像がつく。そしてスーパーで働けば日用品や食品が従業員割引で買えることも知らない、つまりそんなバイト経験を持つ同級生や知り合い(地域の気の良いおばちゃんなど)とのつながりも持てなかったことが分かる。

 

そうした想像力を働かせることで、田中麗奈演じるもう一人の母親の心理が逆に手に取るようにわかる。非常に抑制された演技が、逆に過剰に見えるほどだった。このあたりの演出はさすがだと感じた。

 

自分および家族の幸せのためなら他者を不幸にすることを厭わないのは罪なのか。他者を不幸にする者は、別の他者によって不幸にされても文句は言えないのだろうか。そうしてまで追い求める幸福は現実なのか、それとも薬物が生み出す多幸感同様に虚構なのか。答えは月下美人のみぞ知る・・・

 

ネガティブ・サイド

母性をテーマにするのは結構だが、内田監督自身が一種のバイアスを今でもかなり引きずっているのだろうか。母性を婉曲的にではあるが、神話的に扱っているのはどうかと思う。ドラッグ製造と密売のボス的存在が「母親がまともなら自分はこうはならなかった」的に述懐するのは興ざめ。裏を返せば母親のせいで犯罪者になったと言っているのに等しく、それはもう母原病と同じで根拠がない、ただの難癖だ。

 

そんなボス的存在が素人の夏希にアジトの場所や顔を晒す?迂闊すぎるやろ・・・

 

田中麗奈演じる母親も、普通は探偵に調査プラス救出、または自分をそこに連れていってほしいと依頼するのが筋。渋川清彦演じる探偵も、なんでその写真をチョイスするのか。ホンマに元警察かいな・・・

 

総評

公開からしばらく経つのに劇場の入りはなかなか。ほとんどが女性で、10代はゼロ、20代はまばら、30~60代が大勢を占めていた。男性客は非常に少ない。それだけ本作および本作のレビューが訴えかける層がはっきりしているのだろう。社会の不条理と様々な母性を映し出す佳作であることは間違いない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

protect

多摩恵が夏希に言う「守ってやるよ」を英訳すると、I’ll protect you. となる。守るには、defendやguardなどの似た動詞があるが、protectは危険から守る、defendは攻撃から守る、guardは安全のために守るということ。野球の捕手や主審がプロテクターをつけるのは投球や打球が危ないから、サッカーやバスケのディフェンスは敵の攻撃に対する守備、ガードレールは交通安全ためにある、という感じで覚えよう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ナタ 魔童の大暴れ 』
『 星と月は天の穴 』
『 ボディビルダー  』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, ヒューマンドラマ, 北川景子, 日本, 森田望智, 監督:内田英治, 配給会社:松竹Leave a Comment on 『 ナイトフラワー 』  -その母性は罪か-

『 TOKYOタクシー 』 -見え見えの結末とそれなりの感動-

Posted on 2025年12月12日2025年12月12日 by cool-jupiter

TOKYOタクシー 65点
2025年12月7日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:倍賞千恵子 木村拓哉 蒼井優
監督:山田洋次

 

『 こんにちは、母さん 』は吉永小百合だったのでスルーしたが、こちらは倍賞千恵子なのでチケット購入。

あらすじ

タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉)は高野すみれ(倍賞千恵子)を神奈川の施設まで送ることになった。すみれの頼みで道中、二人は東京の各地に寄り道をしていく。そんな中で、すみれは徐々に自らの過去を語り始めて・・・

 

ポジティブ・サイド

東京の柴又から出発するロードムービーというのがいい。『 男はつらいよ 』へのリスペクトになっているではないか。長逗留しては去っていき、また戻ってきては長逗留して、という風来坊の寅さんと、柴又から恒久的に去っていくさくら・・・じゃなかったすみれの姿に、それだけでウルっときてしまった。

 

タクシーの客と運転手が、いつしか人生を振り返り、語り合い、忘れえぬ時間を作っていく。陳腐ではあるが、その人生が激動の昭和そのものと重なったとき、多くの不幸が襲ってくる。Jovianが小学生の時に昭和は終わったが、それでも学校教師などの理不尽な暴力は中学生ぐらいまでは普通にあった。ということは、家庭内では言わずもがな。

 

すみれの若い頃を蒼井優が好演。男に頼って生きるのが既定路線だった時代、女性が自分というものを持てなかった時代に、それでも自分の生きざまを守ろう抗った姿には素直に胸を打たれた。反撃シーンでは観ているこちらの息が止まりそうになった。男性諸氏は、このシーンを息を止めて観られたし。

 

倍賞千恵子の矍鑠とした語り口とたたずまいが、木村拓哉のどこか疲れた中年男との対比を際立たせていて、それがゆえに見え見えの結末ではあるものの、そのインパクトがより強くなっている。終活なる言葉があるが、人生を終えようかという老境に差し掛かると、人はどうしても自分の人生を振り返りたくなるものらしい。自分の人生は、誰かに、あるいはこの世界に何かを残せるだろうか。そんなことを考えさせられた。

 

ネガティブ・サイド

すみれの男を見る目の無さが気になった。どう見ても地雷なのに・・・ 観客の方にも好青年然とした姿を見せておき、結婚後に本性を現す、という形にすべきだったのでは。

 

タクシーの中で若き日のすみれと老いたすみれが向き合うシーンは、正直蛇足に思えた。

 

キムタクが父親として、ちょっとだらしなさすぎ。夫としてだらしないのはいい。ただ、父親として、娘の学費その他もろもろに関してあまりに感度が低い。高校の入学金と授業料でたじろいでどうする?3年後には大学も待っているのに・・・ だからこそ結末が光ると言えば光るのだが。

 

総評

最初の10分でほとんど結末まで見えてしまうのだが、それでもそれなりに心動かされてしまう。脚本の力、もっと言えばオリジナルのフランス映画にそれだけの力があるのだろう。戦後80年というが、ちょっと前まで大学生相手に教えていた身からすると、大学生たちは2000年以降生まれということに衝撃を覚えたものだった。そんな若い世代にこそ観てほしい、時代の移り変わりを見事に切り取った作品だ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

liberation

劇中で語られるウーマン・リブとは Women’s Liberation のこと。1960年代のアメリカから全世界に伝わったとされる。解放の度合いが高いものから順に freedom, liberation, emancipation となる。これらの単語をパッと使って口頭英作ができれば、英検準1級以上である。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ナイトフラワー 』
『 WEAPONS/ウェポンズ 』
『 シェルビー・オークス 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, ヒューマンドラマ, 倍賞千恵子, 日本, 木村拓哉, 蒼井優, 配給会社:松竹Leave a Comment on 『 TOKYOタクシー 』 -見え見えの結末とそれなりの感動-

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