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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 岡田将生

『 アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 』 -内野聖陽のベストアクト-

Posted on 2024年12月12日 by cool-jupiter

アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 70点
2024年12月8日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:内野聖陽 岡田将生 小澤征悦
監督:上田慎一郎

 

『 カメラを止めるな! 』の上田慎一郎監督作品ということでチケット購入。

あらすじ

税務署員の熊沢(内野聖陽)は詐欺師の氷室(岡田将生)に大金をだまし取られてしまう。親友の刑事の手を借りて氷室を追っているところ、氷室の方から返金と協力の申し出が。熊沢の追っている巨額の脱税犯、橘(岡田征悦)からカネを詐取してやると言って・・・

ポジティブ・サイド

これは内野聖陽のキャリアの中でもベストの演技である。人情味を持った税務署員であり、若手の良き先輩・上席であり、良き夫、良き父であり、友情にも篤い男である。様々な顔を見せつつも、その奥底に秘めた芯の強さが感じられた。すまじきものは宮仕えとは言うが、公務員ながらも上司にくらいつく気概にはサラリーマンとしてしびれた。

 

地面師が世間をにぎわせたのはかなり前だが、そのニュースのインパクトは巨大だった。なので、本作を鑑賞する多くの層も積水ハウスの事件を念頭に置いて鑑賞したはず。つまり、詐欺師側を応援・・・とは言わないまでも、どのような手口で大企業=金持ちを騙すのか、興味津々だったことは間違いない。

 

実際にあの手この手で橘に近づき、旨そうな土地をちらつかせ、その取引の場をでっちあげる。その過程も真剣に、かつ面白おかしく描かれる。特に〇〇〇〇業者の男がポイントで、この男が無邪気に・・・おっと、これ以上はやめておこう。

 

多士済々の詐欺師軍団はさながら『 オーシャンズ11 』のようだが、上田慎一郎監督はここに自身の大好きな芝居の要素をふんだんに盛り込んだ。詐欺師軍団全員で役を演じるのだ。小道具大道具に衣装にエキストラ(友情出演)まで使って、ていねいに相手をはめていく。そのプロセスが小気味よくて楽しい。途中で冷や汗ものの展開もあるが、そこはお約束である。

 

公務員でもサラリーマンでもなんでもいい。組織の中でがんじがらめの人間が、アウトローと組んで勧善懲悪を果たす。そんな物語も時には一服の清涼剤である。

 

ネガティブ・サイド

ある程度、ミステリやクライム・ドラマを観ているなら、トリックもオチも早い段階ですべて読めるだろう。好意的に表現すればフェアだが、ニュートラルに表現させてもらえればチープである。今回のトリックはかなりチープだった。

 

岡田将生は『 ゴールド・ボーイ 』と演技がまったく一緒。特に笑い方。これはもうどうしようもないのか。ある意味、トム・クルーズが常にトム・クルーズを演じるように、岡田将生も常に岡田将生を演じることを目指すべきなのかもしれない。

 

とある秘密の遊興クラブにアングリースクワッドの面々が続々と入りこむが、ここはあまりに非現実的だった。客の素性はまだしも、こういう場所はスタッフの身元こそ何よりも重要なのではないか。あまりにも簡単に入り込めていたのが解せない。または詐欺的なトリックでなんとかしてしまうシーンを挿入しても良かったのではないか。



総評

『 スペシャルアクターズ 』とある意味で同工異曲の作品ながら、主人公の内野聖陽が多面性のあるキャラクターを好演して物語全体を力強く牽引した。ドンデン返しにきれいに騙されるも良し、ドンデン返しの伏線を見破るために目を凝らして鑑賞するも良し。デートムービーにもなるし、ファミリーでの鑑賞も可。しかし実は本作が一番刺さるデモグラフィックは『 トップガン マーヴェリック 』と同じく、仕事に疲れを感じることの多い中年男性なのかもしれない。内野聖陽に自己を投影する男性はきっと多いはず。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

evade

回避する、の意。日常生活ではあまり使わない。戦争ゲームだと “Incoming missile, evade!” =「ミサイル接近、回避せよ!」みたいに使われている。自民党のお歴々はパーティー券の売り上げを申告せず、収入を過少申告し、結果として evade taxes = 脱税をしていた。Many LDP lawmakers are accused of tax evasion connected to political fundraising events. =多くの自民党議員が政治資金パーティー関連の脱税で非難されている、のように使う。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 他人は地獄だ 』
『 対外秘 』
『 地獄でも大丈夫 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, クライムドラマ, 内野聖陽, 小澤征悦, 岡田将生, 日本, 監督:上田慎一郎, 配給会社:JR西日本コミュニケーションズ, 配給会社:ナカチカピクチャーズLeave a Comment on 『 アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 』 -内野聖陽のベストアクト-

『 ゴールド・ボーイ 』 -韓国でリメイク希望-

Posted on 2024年3月19日 by cool-jupiter

ゴールド・ボーイ 60点
2024年3月17日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:羽村仁成 岡田将生
監督:金子修介

 

『 ガメラ 大怪獣空中決戦 』、『 ガメラ2 レギオン襲来 』、『 ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 』の三部作で名高い金子監督の作品ということでチケット購入。ゴールド・ボーイというのは金子監督の謂いかと思ったが、そうではなかった。

あらすじ

大企業の会長の入り婿である東昇(岡田将生)は、義理の両親の転落事故に偽装して殺害する。しかし、偶然にも安室朝陽(羽村仁成)ら3人の少年少女がその凶行を動画に捉えていた。3人は東を脅迫して、大金をせしめようとするが・・・

 

以下、マイナーなネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

悪 vs 悪という構図は『 最後まで行く 』のように、それ自体はそこまでユニークではない。大人と子どもの対立の構図も『 ぼくらの七日間戦争 』以来のお馴染みのテーマ。ただ、悪 vs 悪の片方を未成年にして、その心の闇を徐々に浮彫にしていくという筋立てはなかなかにユニーク。

 

なにげなくカメラを使っていたら、映ってはいけないものが映ってしまったというのは現代的。不謹慎かもしれないが、本作を鑑賞して天橋立の転落事故(事件と言うべきか?)を思い起こした人も多いことと思う。至る所にカメラがある。あるいは誰もがカメラを持っているという時代であることが冒頭で強く示唆される。この伏線が終盤に効いてくる。

 

舞台が沖縄というのも興味深い。中盤に「どうやってそのアイテムを入手した?」と思わされるシーンがあるが、ここは沖縄。ごくまれに挿入される軍用機の飛行シーンが観る側の想像を膨らませる。

 

未成年3人組が13~14歳という設定も絶妙であると感じた。『 カランコエの花 』の中川監督は、大人は嘘をつく、子どもは嘘をつかないと喝破したが、本作の主人公の朝陽はこの意味ではまったく子どもではない。そこが上手いと感じた。『 終末の探偵 』でもそうだったが、子どもは時に大人の予想を良い意味でも悪い意味でも軽々と超えてくる。さて、本作の子どもは前者なのか、後者なのか。それは実際に鑑賞の上、確認をされたし。

 

ネガティブ・サイド

ストーリー全体のテンポに文句はないが、細部のリアリティがめちゃくちゃである。突っ込みだすときりがないが、特に気になった点だけ挙げれば、まずは浩のカツアゲ。あんなもん、普通は速攻で補導される。高校生が交番に駆け込んだら、おそらくその日のうちに捕まるはず。

 

次に自傷行為。しっかりした監察医が沖縄にいるのかどうかはさておき、警察官もとあるキャラの腕の傷の方向や深さ、犯人と思われる人物の身長や利き手などから、すぐに疑問を抱くに違いない。韓国映画の警察ではないのだから、ここでは明晰とされるそのキャラの頭脳をもっと駆使してほしかった。

 

もう一つはとある死体について。犯行から発見まで1か月半ほど経過していて、あんなにキレイなままでいるか?それ以上に顔がおかしい。なんで無傷?

岡田将生は演技が過剰。羽村仁成は不気味さが不足。金子監督は怪獣は巧みに演出できても、サイコパスは演出できないのだろうか。

 

総評

日本でもだんだんと社会の闇に迫る映画が作られるようになってきたのは好ましい傾向。ただし、本作に関して言えば残念な点も多い。原作は中国のドラマということだが、韓国でもリメイクしてくれないだろうか。彼の国ならもっとバイオレントで、もっとサイコな展開がてんこもりの物語に仕上げてくれそう。某サイトで星4つだが、実際は星3.2といったところだろうか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

chew up the scenery

大げさに演じる、過剰に演技するの意。日常会話で使うかどうかは、その人が芝居や映画、ドラマの話をどれだけするのかによる。使い方としては I love how Nicholas Cage chewed up the scenery in this film. のような感じ。決して岡田将生の演技がニコラス・ケイジのようだと言っているわけではない。念のため。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 デューン 砂の惑星 PART2 』
『 梟ーフクロウー 』
『 12日の殺人 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, クライムドラマ, ノワール, 岡田将生, 日本, 監督:金子修介, 羽村仁成, 配給会社:チームジョイ, 配給会社:東京テアトルLeave a Comment on 『 ゴールド・ボーイ 』 -韓国でリメイク希望-

『 1秒先の彼 』 -リメイク成功-

Posted on 2023年7月16日 by cool-jupiter

1秒先の彼 65点
2023年7月9日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:岡田将生 清原果耶
監督:山下敦弘

 

『 リンダリンダリンダ 』や『 もらとりあむタマ子 』の山下敦弘監督が台湾の『 1秒先の彼女 』をリメイク。まあまあ面白かった。

あらすじ

何事もワンテンポ早いハジメ(岡田将生)に齢30にしてモテキ到来。路上ミュージシャンのサクラコとの宇治での花火大会デートの当日、気が付けばその日は過ぎていた。失くした一日の謎を追い求めるハジメの陰に、何事もワンテンポ遅いレイカ(清原果耶)がいて・・・

ポジティブ・サイド

原作とは主人公たちの性別が逆だが、それはそれで成功していると思う。岡田将生演じる能天気京都人には笑った。まさに「京都人の脳内地図」(←気になる人はググるべし)の持ち主。Jovianは表現者としての岡田将生はあまり評価してこなかったが、本作の演技はまあまあ良かったと感じた。

 

サクラコ役も当然ながら原作とは性別逆転しているが、これも良かった。タチの悪い男よりもタチの悪い女と対比させた方が、真のヒロインの輝きが増す。

 

その真ヒロインを演じた清原果耶は、これまで『 デイアンドナイト 』や『 護られなかった者たちへ 』では社会のダークな一隅に生きる女子だったり、あるいは『 宇宙でいちばんあかるい屋根 』のような人と人との交流ファンタジーや、『 まともじゃないのは君も一緒 』など、一筋縄ではいかないヒロイン像を打ち出すなど、少女漫画の実写化ヒロインを演じてこなかったというところでポイントが高い。

 

原作の肝だった、消失した一日の中での男の純粋な(それゆえにキモイ)行動の数々をしっかり再現したのも素晴らしい。そして純粋さとキモさを両立させたところも特筆できる。今後も、unorthodox なヒロインを演じ続けてほしい。

 

ラブコメとして間違いなく標準以上の面白さ。デートムービーに最も適しているはず。

 

ネガティブ・サイド

原作の弱点、すなわち「今日は月曜日だ」という街の人々の答えがやはり腑に落ちない。その答えはどう考えてもおかしい。

 

また、ハジメの消えた一日に対して、これでもかと説明が加わったのは個人的にはやりすぎだと感じる。またハジメとレイカ以外のキャラが ”そこ” で動いてしまうのにもとんでもない違和感が。一応説明はされるのだが、その理屈で行けばもっと頻繁にタイムストップが起きていることになる(はず)。

 

クドカンの脚本であるため、必要以上にキャラに走りすぎてストーリーがちょっと・・・というところがある。ハジメの家族のサブストーリーはばっさり削ってよい。ハジメとサクラコ、その裏で進むレイカの物語だけに集中した方が、もっと濃密かつ効率的なストーリーテリングができたはず。

総評

ちょうど6月に夫婦で天橋立観光に行ってきたところなので、本作は非常に楽しめた。天橋立を挟むことで、ハジメとレイカの二人が star-crossed lovers であることがより強調されたように思う。突っ込みどころもいっぱいあるのだが、一途な片想いが両想いに変わるという物語そのものは陳腐だが、その過程が極めてユニーク、それゆえに面白い。原作鑑賞済みでもチケット購入の価値はある。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

What day is it today?

「今日は何曜日ですか?」の意味。夜勤だったり、土日勤務があるような仕事の人が使う印象がある。Jovianのように大学の授業に携わったりしている場合もたまに使うかな。曜日ごとに授業の内容が決まっているクライアントもあるので。自分が使わなくても、いきなり尋ねられることもあるかもしれないので、とりあえず知っておくべき表現。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 探偵マリコの生涯で一番悲惨な日 』
『 君たちはどう生きるか 』
『 交換ウソ日記 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, ファンタジー, ラブコメディ, 岡田将生, 日本, 清原果耶, 監督:山下敦弘, 配給会社:ビターズ・エンドLeave a Comment on 『 1秒先の彼 』 -リメイク成功-

『 Arc アーク 』 -メッセージの伝え方をもっと工夫せよ-

Posted on 2021年7月9日2021年7月9日 by cool-jupiter

Arc アーク 35点
2021年7月3日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:芳根京子 寺島しのぶ 岡田将生
監督:石川慶

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SF小説界を席巻している『 三体 』を翻訳したケン・リュウの短編を石川慶が映像化。しかし、『 夏への扉 -キミのいる未来へ-  』同様に換骨奪胎に失敗したという印象。

 

あらすじ

17歳で出産したリナ(芳根京子)は、息子を捨てて自暴自棄に生きていた。ある地下クラブで偶然出会ったエマ(寺島しのぶ)と出会う。そこでリナは死体を芸術品として半永久的に保存する「ボディワークス」という技術を学ぶ。そしてエマの弟、天音(岡田将生)と出会う。彼は不老不死の研究者で、その技術の完成は目前に迫っていた・・・

 

以下、ネタバレあり

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ポジティブ・サイド

最近の邦画ではなかなか見ないシュールな画がいっぱいである。冒頭の剣呑な雰囲気のダンスシーンから、ボディワークスを操って展示品に仕立て上げるところまで、静謐ながらもダイナミックな色彩の使い方が、かしこで見て取れる。『 Diner ダイナー 』の蜷川実花に近い感覚を受ける。キャラクターに何でもかんでもしゃべらせたがる邦画の悪い癖があまり出ておらず、映像そのものに語らしめようとしている。前半の色使いが後半で突如モノクロに転調することで、いっそうコントラストが際立っている。

 

不老となり、見た目は若々しいままだが、実際は老人(高齢と言うべきか)のリナ。白と黒の濃淡で表現されることで、若さと年齢、老いと年齢の境目がグレーになっている。そうした世界観が視覚的に構築されており、この試みは上手いと感じた。だからこそ、ある時突然スクリーンに色彩が戻る瞬間に、観る側はリナの内面の重大な変化を悟ることができる。これも邦画らしくない技法で、非常に好ましい。

 

劇中でとある人物が「250年ローン」と口にする。仮に年に100万円払うとして2億5千万円。利子を差っ引くと2億円ぐらい?頭金として一割を拠出するとなると2000万円となり、日本で老後に必要とされる資金となるのは不気味であるが、リアルでもある。

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ネガティブ・サイド

トレイラーでしつこく「これは あなたの わたしの 物語」と喧伝されていたが、とてもそうは思えなかった。少なくとも「世界に触れる」という感覚は得られなかった。というのも、リナ自身の変化も社会そのものの変化も描写が極めて不足していたからだ。

 

リナ個人の変化として、見た目が変化しないということは一目で分かる。問題は、体の中が生理学的にどうなっているのかである。リナは80歳過ぎに子どもを産んだわけだが、それは凍結精子によるものである。問題は卵子の方。凍結卵子なのか、それとも生ものの卵子なのか。様々な細胞のテロメアを延々と初期化し続けることで、卵子を作る機能も復活するのか。というよりも、卵子の元となる細胞は生まれてきた時にすでに作り終えていて、そこから先は増えないはずだが・・・ 閉経というのは年齢ではなく、卵子が尽きることで起きる生理現象のはず。リナの娘のハルはいったいどうやって生まれたの?

 

リナは自分よりも年下の人間にも、見た目が自分よりも上というだけで敬語で接するが、これはリナ個人の癖のようなものなのか。それとも不老化手術を受けた人間全般がそうなのか、あるいは日本だけなのか。外国では見た目の年齢ではなく実年齢によって序列が決まるのか。そういった社会の変化もさっぱり伝わってこなかった。別に世界的なスケールでなくともよい。しかし、少なくとも日本というスケールの社会の変化を構想し、それを描くべきだった。不老化の手術を受ける人たちが一定数おり、そうした人々が確実に社会に根付いているということが伝わってこなかった。たとえば、テレビのニュースキャスターが不老となって、30代のリナも80代のリナもテレビで同じニュースキャスターを観ている、というシーンがあれば、社会は確実に変化しているということが非常にわかりやすく伝わる。実際の作品の後半はほとんどすべてが島の中で完結しているせいで、リナが不老であると言われてもまるでピンとこない。

 

その島のシーンで、エキストラの素人を使ったインタビュー集が挿入されるが、そこに突然有名俳優が使われる。ミスキャストとは言わないが、ちょっとしたすれっからしなら、「ああ、この人は特別なキャラだな。性別がこうで年齢はこれぐらい?ということは該当するのは・・・」と考えて、あっという間に正体に気が付いてしまう。このキャラは俳優ではなく素人に演じさせるべきだった。『 ノマドランド 』に出来たのだから、日本でも出来るはずだ。

 

アートな映画を志向したのは分かるが、根本のメッセージの伝え方がなにかちぐはぐしている。死は克服するものではなく、性を成就させるものであるという結論は、陳腐ではあるが、この上ない真理である。問題はその結論に至る過程だ。死への抵抗としてのプラスティネーションとボディワークスが、不老となったリナの生き様とコントラストになっていない。生きたままの肌の質感を保った死体と若いままの肌の質感を保った老人という対比が物語に反映されていない。死を克服した時代における生の意味を自分の生き様で証明すると宣言したリナだが、老健的な施設で入所者の穏やかな死を見つめ続けるのは、別に不老でなくてもできること。それこそ劇中で言われているように、時間をかけてやりたいことをなんでもやれるのだから、本当にそれに取り組む姿勢を見せればよかった。たとえば40歳で絵画を始めて70歳でいっぱしの画家並みの腕前になっただとか、数十年の間に数千点の編み物をこしらえただとか、「締め切りがあるからこそ人は行動する」ではなく、本当に主体的に生きているというリナ像を呈示しないことには、最後のリナの決断に説得力がない。惰性で生きているだけに見えてしまう。それこそ最後の最後にリナが自分の体に巻き付いている糸を自ら切り離し、自分は誰かのボディワークスだったのだ、と悟るシーンでもあればまだマシだったのだが。

 

総評

映像作品として観れば及第だが、物語として観れば穴だらけ。来るべき世界への予感もなく、死生観の変化をダイレクトに描くこともなかった。仮にもSF作品なのだから、文明社会というものの変化を映し出すことに取り組まなければいけない。芳根京子の演技力に頼りすぎである感は否めない。芳根のファンなら必見だろうが、カジュアルな映画ファンのデートムービーにお勧めできる作品ではない。かといってSFファンをうならせる出来にもなっていない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

immortal 

不死、不滅の意味。生物学的な意味だけではなく、その他の比喩的な意味でも使う。earn immortal fame = 不朽の名声を得る、などのように使われることが多い。逆にmortal = いつか死ぬ、という意味。今まさに上映中の『 モータルコンバット 』は直訳すれば、死につながる戦い=負けた方は絶対死ぬ戦い、のような意味となる。元々、ラテン語の死=morsから派生した語。お仲間にはmortuaryやmortgageなどがある。英検準1級以上を目指すなら知っておこう。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, E Rank, SF, 寺島しのぶ, 岡田将生, 日本, 監督:石川慶, 芳根京子, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 Arc アーク 』 -メッセージの伝え方をもっと工夫せよ-

『 さんかく窓の外側は夜 』 -ホラーならホラー路線に振り切れ-

Posted on 2021年1月25日 by cool-jupiter

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さんかく窓の外側は夜 45点
2021年1月23日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:岡田将生 志尊淳 平手友梨奈 滝藤賢一
監督:森ガキ侑大

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『 シン・ゴジラ 』で布告された緊急事態宣言も、現実の日本では二度目の発出。慣れとは怖いものだ。「コロナより怖いのは、私たち人間ね」と言いたくなるニュースがこの半年は多かった。「呪いよりも怖いのは人間なのか?」との問いを立てて本作を鑑賞した。

 

あらすじ

幼いころから幽霊が見えてしまう三角(志尊淳)は、ひょんなことから除霊ができる冷川(岡田将生)の相棒として仕事をすることになる。ある時、冷川の馴染みの刑事・半澤(滝藤賢一)から持ち込まれた事件を捜査しているうちに、ヒウラエリカ(平手友梨奈)という謎の女子高生の存在が浮上し・・・

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ポジティブ・サイド 

完全に偏見なのだが、『 ストレイヤーズ・クロニクル 』および『 秘密 THE TOP SECRET 』が超絶駄作(特に前者)だったため、岡田将生が主役級という作品は避けていた。が、『 星の子 』での演技はなかなかのものだったので、もうそろそろ無意味な偏見から解放されてもよい頃合いと思い、本作を鑑賞。演じやすい=特徴を出しやすいキャラクターという面に救われている面はあるものの、冷川という癖のある男を好演できていた。さわやかなイケメンというのは時と共に消費されつくして次世代に取って代わられるもの。今後は自信満々で鼻持ちならない系のキャラを極めていくのもいいだろう。『 君が君で君だ 』の向井理のようなチンピラ役にも挑戦してもらいたい。

 

除霊する時に、その霊の生前をうかがい知れるイメージを挿入するのは、なかなか親切な演出だと感じた。バディものの変形とはいえ、これほどあからさまに野郎同士の身体接触を決めのシーンとして描くのは、今日の目で見ると違和感というか、逆に新鮮味が感じあれる。

 

呪いや幽霊一辺倒になるのではなく、滝藤賢一演じる「信じない」キャラという存在が物語を引き締めている。J・ピール監督の『 ゲット・アウト 』でも主人公の親友が極めて堅実かつ現実路線の男(ギャグやユーモア担当でもある)だったおかげで、荒唐無稽なストーリーが“現実”と上手く対比された。滝藤演じる半澤刑事は、同じような作用を本作にもたらしている。

 

「簡単な除霊作業」の先に壮大な陰謀が隠されている、という展開も王道でよろしい。超自然的な現象の根本を人知の及ばない領域に求めるのではなく、そうした超自然的な現象をも人間の業の一部に組み込んでしまうというのは現代的である。カルトの存在を真正面から描くという意味では、本作は邦画の中では珍しいと言える。近年では『 スペシャルアクターズ 』や『 星の子 』ぐらいだろうか。本作のシリアスさは、これらの中間ぐらいである。

 

目に見えない存在が人間に害をなす。これまではそうした存在の代表は幽霊だった。今ではウィルスが大きく存在感を増してきており、こうした現実がフィクションである物語の奥行きを深めている。そうした見方をすれば、単なる中途半端なBL物語以上のものとして鑑賞することができる。

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ネガティブ・サイド

最初に劇場で予告編を観た時は、「すわ、オリジナル脚本か?」と思ったのだが、これもやはり漫画原作だった。そのせいか、各エピソードやキャラの背景描写が非常に底浅い、もしくはつながりやまとまりに欠ける。最も気になったのは、志尊淳演じる三角。幼少の頃に同級生が川で幽霊に襲われる(多分、死んだ)という経験がトラウマになっているのではないのか。にもかかわらず、冷川と組んでの最初の除霊作業で自身も水難事故に遭いかけるとか、おかしいだろう。さらに冷川から「霊はたいていは無害」とか説明されて反論もしないのは何故だ?例を見るたびに「うわっ」と驚くのも妙だ。散々見てきたでのははないのか。自身のトラウマ体験と折り合いをつけられずに生きてきたという背景が全く活かされていない。また、逆にラストの母親とのシーンでは空回りになってしまっている。原作の漫画はおそらく大部のエピソードでもってこのあたりの流れを描いているのだろうが、2時間足らずの映画では完全に描写不足。志尊淳の芝居(特に涙のシーン)は全編を通じてかなり良かっただけに、なおのこと物語とキャラと演技者の乖離が悪い意味で目立ってしまった。

 

平手友梨奈は『 響き-HIBIKI- 』の主人公役でインパクトを残したが、本作ではさっぱりだった。ミステリアスな雰囲気を出したいのは分かるが、それはその異能性ゆえに周囲から浮いてしまうことで放たれるもの。女子高生と言いながら、学校や同級生の描写がほとんどと言っていいほど存在しない本作では、その属性は不要だったのでは?むしろ『 ジオラマボーイ・パノラマガール 』の神奈川ケンイチのように、学校に行かず日夜街を徘徊して、人間の悪意をばらまいている、あるいは吸収している存在に描いた方が面白かったのではないか。

 

その人間の悪意が“言葉”だという点にも正直なところ拍子抜けさせられた。それも『 白ゆき姫殺人事件 』の二番煎じにもなれていないように見えた。言葉が悪意で、それが呪いとして成就しないのは、それを巧みに利用する者が存在するからだという背景はもっと丁寧に、なおかつ説得力のある方法で描けたはずなのだ。

 

クライマックスの“貯金箱”の描写もチープの一語に尽きる。これ以外にも、バラバラ殺人の被害者のパーツを集めて一つの人体に再構成するというサブプロットで、つなぎ合わされた死体が腐敗していない謎が最後まで説明されないなど、色々な要素を置いてきぼりにしたまま物語が進んでいく。続編制作に色気を持たせる終わり方だが、これだけとっちらかった序章では『 ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 』の二の舞を演じることになるだろう。

 

総評

出演者の演技は総じて悪くない。だが、脚本と演出が破綻してしまっている。コロナ禍という現実を下敷きに本作を観るという醍醐味もあるにはあるが、ストーリーを純粋に楽しむ、キャラクターの背景や経験を追体験するという映画的な楽しみ方は難しい。岡田や志尊のファンにならば勧められるか。Jovianは滝藤賢一目当てだったので、彼のパートだけはまあまあ楽しめた。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

cast a curse on ~

~に呪いをかける、の意。普通に考えれば日常生活で使うことはない表現だが。ファンタジーやホラーではたまに聞こえてくる表現。単に“I’ll curse you”または“Curse you”=呪ってやる、とも言うが、日本語でも「呪いをかける」の方が「呪ってやる」よりも本格的に聞こえるように、英語でもcast a curse on ~の方がシリアスに聞こえる。

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, ホラー, 岡田将生, 平手友梨奈, 志尊淳, 日本, 滝藤賢一, 監督:森ガキ侑大, 配給会社:松竹Leave a Comment on 『 さんかく窓の外側は夜 』 -ホラーならホラー路線に振り切れ-

『 星の子 』 -信仰深い少女のビルドゥングスロマン-

Posted on 2020年11月2日2022年9月19日 by cool-jupiter

星の子 65点
2020年10月30日 テアトル梅田にて鑑賞
出演:芦田愛菜 蒔田彩珠 永瀬正敏 原田知世 岡田将生
監督:大森立嗣 

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新興宗教に傾倒する家族、特にその娘にフォーカスした物語。個人的に観ていて精神的に消耗させられた。Jovianの大昔のガールフレンドも、まさに本作のちひろのような感じだったからだ。

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あらすじ

ちひろ(芦田愛菜)は未熟児として生まれ、アレルギーにも苦しんでいた。しかし、「金星のめぐみ」という水の力でちひろが回復したと信じた両親は、その水への傾倒を深めていく。中学3年生とったちひろも水への信仰を持っていたが、学校の数学教師に恋心を抱くようになり、信仰心と恋心の間で揺れ動き始めていた・・・

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ポジティブ・サイド

宗教と聞くと『 スペシャルアクターズ 』のようなインチキ宗教を思い浮かべる向きが多いだろう。日本人は基本的に無宗教だと言われるが、それは「神」や「法」といった抽象概念への信仰が薄いだけで、何かを信じる気持ちは普通に持っている。そして、それは圧倒的多数が往々にしてそのことに無自覚である。テレビでちょっと「納豆がダイエットに良い」、「バナナがダイエットに効く」とやるだけでスーパーから商品が消える。最近でもどこぞのアホな府知事が「イソジンでコロナが消えていく」と大真面目に語ったことで、薬局やドラッグストアでイソジンが品薄になった。こうした日本人の傾向を自覚するか、それとも宗教は胡散臭いし、それを信じる人はキモチワルイと思うか、それによって本作の意味(≠評価)は大きく変わると思われる。

 

最初はかなり良い家に住んでいるちひろの一家が、ちひろが中学生になる頃にはあばら家・・・とは言わないまでも、かなりグレードダウンした家に住んでいることが目につく。寝所を変えなければならないほどに、「金星のめぐみ」にカネを使っているということだろう。ちひろの父親は職場関係の人から勧誘され、その父も妻の兄を勧誘する。我々はこうした勧誘行為にうさん臭さを感じるわけだが、本作に描かれるちひろの両親には悪意は認められない。アレルギーに苦しむ娘を救ってくれた奇跡の水に感謝しているという、善意からの行動なのだ。

 

そうした両親に育てられたちひろが「水」の力を信じる一方で、姉のまーちゃんは信仰や宗教に反発し、家を出て、自身の選ぶべき道を模索し、それを掴み取っていく。その過程が詳細に描写されるわけではないが、まーちゃんがどれほど普通を渇望し、それに魅せられているかを幼いちひろに訥々と語る長回しのシーンは、『 真っ赤な星 』での小松未来と桜井ユキの天文観測所での語らいを思い起こさせてくれた。

 

非常に閉じた世界に住むちひろが、岡田将生演じる数学教師に恋をする描写も好ましい。少女漫画原作とは趣が全く異なり、甘酸っぱさを前面に出したりはしない。イケメンだからと言って、内面が素晴らしい人間かと言えば、必ずしもそうではない。見た目に奇行が目立つからと言って、内面的に悪であったり薄汚れていたりするわけでもない。ある意味、常識的な人間社会や人間関係の在り方を見せているだけなのだが、そこにちひろというフィルターを通すだけで、世界の在りようが大きく異なって見える。自分が好きな相手が、自分に対して好意を抱いているわけではない。当たり前のことだ。けれども、そうした当たり前を受け止められないちひろの感情の発露は、見ていてとてもショッキングで痛ましい。逆にそれは、ちひろが両親に注ぎ込まれた愛情の大きさを逆説的に表してもいる。一つひとつの人間関係や事象に安易な善悪のラベリングをしない点で、本作のドラマは深みを増している。高良健吾や黒木華の演じる教団幹部の言動から

 

母を探すちひろ、ちひろを探す母。最終盤の二人のすれ違いは、そのまま彼女らの住む世界が徐々に異なってきていることの表れなのだろう。切れそうで切れない紐帯。それが信仰心によるものなのか、それとも家族愛によるものなのか。大森監督はそこを我々に見極めてもらいたがっている。そのように思えてならない。

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ネガティブ・サイド

岡田将生に両親を変人扱いされたちひろが、混乱のあまりに街を駆けるシーンは、邦画お馴染みのクリシェでもう見飽きた。全力で走る主人公を真横からのアングルで並走するクルマから撮らないと映画人はじんましんでも出るのだろうか。

 

アニメーションで空から落ちていくちひろの描写も、ストーリー全体の流れからするとノイズに感じられた。ちひろの千々に乱れる心象風景を描写するなら、それこそ浜辺で黄昏を見つめるような、映画的な演出がいくらでも考えられたはずだ。

 

『 MOTHER マザー 』で顕著だった、子が親を慕う無条件にも近い愛の描き方が弱かったように思う。自ら家族を捨てたまーちゃんが一報だけを寄こしてくるシーンを映して欲しかった。その報を受けた永瀬なり原田なりが破顔一笑する、または感涙する一瞬を映し出してくれれば、紐帯としての家族というテーマがよりくっきりと浮かび上がってきたことだろう。

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総評

かなり賛否両論が分かれる作品だろう。それは宗教というものに関する嫌悪感が背景にあるからだが、その嫌悪感の裏には無知や無理解、無関心が潜んでいる。本作が今というタイミングで映画化されたことの意義は決して小さくない。宗教=何かを強く信じることだ。停滞・低迷する日本の社会で興隆しつつあるオンラインサロンは一種の教団ではないのか。Jovianは時々そのように感じる。宗教的な背景や信仰心を受容できず、関係を途絶えさせてしまった経験を持つJovianには本作は色々な意味で突き刺さった。ぜひ諸賢も鑑賞されたし。

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Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

put ~ away

『 マリッジ・ストーリー 』でも紹介した「~を片付ける」という表現。「その目障りな水を片付けろ!」という一喝は

Put that goddamn water away!

という感じだろうか。

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, ヒューマンドラマ, 原田知世, 岡田将生, 日本, 永瀬正敏, 監督:大森立嗣, 芦田愛菜, 蒔田彩珠, 配給会社:ヨアケ, 配給会社:東京テアトルLeave a Comment on 『 星の子 』 -信仰深い少女のビルドゥングスロマン-

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