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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: アメリカ

『 キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド 』 -ドラマ視聴はなしでもOKかも?-

Posted on 2025年2月19日 by cool-jupiter

キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド 50点
2025年2月15日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:アンソニー・マッキー ダニー・ラミレス ハリソン・フォード 平岳大
監督:ジュリアス・オナー

MCUは卒業したつもりだったが、ハリソン・フォードの最後の作品だということで急遽チケットを購入。

 

あらすじ

新たなキャプテン・アメリカとなったサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)は、二代目ファルコンのホアキン・トレス(ダニー・ラミレス)と共にアダマンチウムを奪取しようとするサーペントを撃退。米大統領のロス(ハリソン・フォード)は国際協調の下、アダマンチウムの精製と分配を呼びかける。しかし、その会議の最中、ロスに対する襲撃が行われ・・・

 

ポジティブ・サイド

ファルコンがシールドとキャプテン・アメリカの称号を引き継いだことは『 アベンジャーズ / エンドゲーム 』で明示されていたが、その後のTVドラマはまったく追いかけていない。それでも何となくその世界に入っていけるのは、キャラがそれだけ立っているからだろう。

 

『 トップガン マーヴェリック 』のダニー・ラミレスが二代目ファルコンというのも興味深い。原作の漫画がどうなっているのかは知らないが、彼が3代目のキャプテン・アメリカを襲名する可能性もあると考えると、白人→黒人→ヒスパニックという米国のマジョリティの変遷と重なるようで面白い。

 

冒頭のサムの格闘シーンも、かなりスティーブ・ロジャーズ寄りで、闘い方までキャップに似せている。しかし強敵とのバトルを経て、一種の強化人間であるスティーブと生身のままのサムの違いに、サムは葛藤する。タイムスリッパ-のスティーブの苦悩とは違い、非常に人間的で、このあたりにも現代的なスーパーヒーローらしさを感じる。また、その懊悩に対して思わぬ人物からのアドバイスも。おそらくドラマを観ていないと背景が分からないが、Jovianの隣の席の若い男性がそのキャラの登場に度肝を抜かれた様子だった。

 

融和協調路線の大統領がレッド・ハルクと化すのも、民主党のバイデン政権から共和党のトランプ政権への移行を見ているようで面白かった。サディアス・ロスという人物も、気難しいことで知られるハリソン・フォードの素を見ているようで楽しかった。ハルクとファルコンでは勝負にならないはずだが、二代目キャプテン・アメリカとレッドハルクなのでそれなりの勝負になっていてもそこまで違和感はなかった。

 

ネガティブ・サイド

『 エターナルズ 』の続きものということで、生まれそうになっていたセレスティアルが石化してそのまま、という世界。そこでヴィブラニウムを超えるアダマンチウムを発見・・・と、ワカンダの超技術を否定するような導入には眉を顰めざるを得ない。キャップから受け継いだ盾よりも強い武器や防具が出てくる?世界観をぶち壊しではないか。

 

平岳大演じる尾崎首相があまりにもファンタジー。流ちょうに英語を操る政治家はちらほらいるが、アメリカ大統領に毅然と立ち向かえる政治家はいない。ロンヤス以降、小泉とブッシュ、安倍とトランプのような蜜月はあったが、決して対等な関係ではなかったし、強気に物申したこともない。加えて日本の自衛隊がアメリカの誤射(と言っていいのかどうか)に対して即座に反撃を決断。艦に防衛大臣が乗っていたとでもいうのか。日本の描かれ方が、いつもとは違う意味でリアリティに欠けていて、はっきり言ってつまらなかった。

 

アベンジャーズの再結成の機運を盛り上げたいのは分かるが、そこでは政治的な意思決定の下で動くべきなのか、それとも自らの正義を執行するために動くのかがテーマになる。それはそのまま『 シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 』のテーマだった。経営者で現代人であるトニー・スタークとは対照的に、独ソ不可侵条約がドイツによって一方的に破られたり、あるいはポツダム宣言が時の日本の内閣によって無視されたりといったことをリアルタイムに目撃し、それらが更なる悲劇につながったこともリアルタイムで経験したスティーブの対立だった。サムにはそうした体験や正義感がないし、対立軸も存在しない。正直なところ、キャプテン・アメリカとしては力不足に感じられて仕方なかった。また、エターナルズという「サノスなんか俺らにかかれば余裕」という連中の後の世界を引き継いだというのも、そうした印象をより強めている。

 

総評

つまらないことはないが、面白くもない。そういう作品である。サム・ウィルソンに欠けている対立軸は、今後登場がほぼ確定のマルチバースの世界のヒーローたちになるのだろうが、マルチバースはもう十分。やるとすればヴィランとの対立ではなく自分との対立ということになるのだろうが、それは『 デッドプール&ウルヴァリン 』でデッドプールが先にやった。続編は見ない可能性の方が高いかな。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

pull the strings

「~について裏で糸を引く」ということ。日本語の慣用表現とそっくりなのは、どちらかがどちらかを訳して取り入れたからか、それとも共通の由来を持つのか。映画やドラマ、小説で ”It was her. She’s been pulling all the strings from the beginning.”  のような感じで普通に使われる表現だが、検定試験には出なさそう。英検準1級または1級の大問1にひょっとしたら出題されるかも?

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 メイクアガール 』
『 Welcome Back 』
『 大きな玉ねぎの下で 』

 

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Posted in 未分類Tagged 2020年代, D Rank, アクション, アメリカ, アンソニー・マッキー, ダニー・ラミレス, ハリソン・フォード, 平岳大, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド 』 -ドラマ視聴はなしでもOKかも?-

『 アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 』 -知られざるトランプの師を描く-

Posted on 2025年1月27日 by cool-jupiter

アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 70点
2025年1月25日 TOHOシネマズ梅田にて鑑賞
出演:セバスチャン・スタン ジェレミー・ストロング
監督:アリ・アッバシ

 

『 ボーダー 二つの世界 』、『 聖地には蜘蛛が巣を張る 』のアリ・アッバシ監督が、若き日のドナルド・トランプとその師を描くということでチケット購入。

あらすじ

若きビジネスマンのドナルド・トランプ(セバスチャン・スタン)は、父の営む不動産会社が人種差別の疑いで政府に訴えられていたことから、敏腕弁護士ロイ・コーン(ジェレミー・ストロング)に助成を乞う。コーンはトランプに勝利のための3つのルールを教え込んで・・・

ポジティブ・サイド

若き日のドナルド・トランプを描くというだけで興味をそそられる。実際に非常に興味深く観ることができた。

 

まず1980年代のアメリカの経済が、高金利や輸出不振などでボロボロだったことが活写されていたのが新鮮だった。当時の日本がバブル景気を謳歌していたのは、子どもだったJovianも何となく覚えているし、同時代の『 ゴジラvsキングギドラ 』のプロットなどに当時の世界情勢も反映されている。

 

そんな中で若きトランプが父の影から出て、トランプ・タワーの建設に邁進していく様は、ひとつのビルドゥングスロマンのようにも映ったし、悪徳弁護士ロイ・コーンの薫陶を受けて、勤勉なビジネスマンから強欲非道なビジネスマンに変貌していく様は恐ろしくもあった。

 

やはり最も印象に残ったのは、ロイ・コーンの

 

  1. Attack, attack, attack.
  2. Admit nothing and deny everything.
  3. Claim victory and never admit defeat.

 

という勝利への3つのルール。どこかの島国の偏った言論人やネトウヨと呼ばれる人種の行動原理とそっくりではないか。

 

ストーリーはロイ・コーンの助言を基にビジネスを拡大させていくトランプから、中盤以降、トランプの結婚、トランプとロイ・コーンの離反、トランプと兄との確執などが丹念に、しかしテンポよく描かれていく。終盤では、かつての師匠であったロイ・コーンとの再会を果たすトランプだが、彼はもはや強欲非道ではなく、冷酷非情な人間になってしまっていた。

 

本作はトランプを一種の作られた偶像のように描くが、彼を作ったロイ・コーンとのコントラストが面白い。たとえば頭髪と内臓脂肪に対して、師匠のロイ・コーンは禿げ頭を気にせず、運動にもしっかり励むのだが、弟子のトランプはまったく異なるアプローチを選択する。現実のトランプ大統領がスエズ運河やグリーンランド、カナダの領有を主張する理由がなんとなく見えてくる。

 

ロイ・コーンのことは不勉強でよく知らないが、セバスチャン・スタンがどんどんと現実のトランプそっくりになっていくのには笑わされるのと同時に唸らされた。『 バイス 』でチェイニーを演じたクリスチャン・ベールと肩を並べる熱演だった。

 

ネガティブ・サイド

冒頭がニクソンだったのは、前々回の選挙不正疑惑を直接的に批判する意図だろうか。そんな誘導は不要な出来栄えだったと思うのだが。

 

レーガン政権のキャッチフレーズ、Let’s Make America Great Again. の Again の部分が分かりにくかった。序盤の人種差別疑惑から徹底して、自身のそばに有色人種を置かないというトランプの姿をもっと明示的にしていれば、より過激なメッセージになっただろうに。 

 

作中での時間の経過がいまひとつはっきりしなかった。最終盤にトランプの子ども達の姿でも映し出してくれれば、そのあたりも把握しやすくなったと思われる。

 

総評

実に見応えのある伝記映画だった。藍は青より出でて藍より青しと言うが、アメリカを顧客だとうそぶくロイ・コーンの弟子のトランプが、アメリカを従業員だと捉えるかのように成長していく過程がスリリングだった。もちろん、かなりの脚色がされているのだろうが、事実は往々にして小説よりも奇なり。トランプ流の政治や外交が早くも波紋を呼んでいるが、そうしたニュースの背景を知る一つのきっかけとして本作は十分に機能するのではないだろうか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

apprentice

原題の The Apprentice とは「弟子」「徒弟」「見習い」の意。『 スター・ウォーズ 』のファンなら、ジェダイやシスにおけるマスターとアプレンティスの関係をよくよくご存じのはず。IELTSやTOEFL、英検準1級以上を受験するなら知っておこう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 アット・ザ・ベンチ 』
『 怪獣ヤロウ! 』
『 Welcome Back 』

 

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Posted in 未分類Tagged 2020年代, B Rank, アメリカ, ジェレミー・ストロング, セバスチャン・スタン, 伝記, 監督:アリ・アッバシ, 配給会社:キノフィルムズLeave a Comment on 『 アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 』 -知られざるトランプの師を描く-

『 ライオン・キング:ムファサ 』 -凡庸な前日譚-

Posted on 2024年12月30日 by cool-jupiter

ライオン・キング:ムファサ 50点
2024年12月29日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:アーロン・ピエール ケルビン・ハリソン・Jr
監督:バリー・ジェンキンス

 

『 ライオンキング(2019) 』前日譚ということでチケット購入。

あらすじ

シンバは息子キアラの世話を旧知のラフィキ、ティロン、プンバァに託す。ラフィキはそこで、偉大な王ムファサの物語をキアラに語り掛けて・・・

ポジティブ・サイド

CGの美しさは言わずもがな。風景に至っては、最早一部は実写と見分けがつかない。水のシーンは『 ゴジラ-1.0 』の海のクオリティにも決して劣らない。

 

前日譚ではあるが、前作のキャラも大量に登場。やはりプンバァとティロンが出るだけで『 ライオンキング 』の世界という感じがする。ザズーとムファサの出会いが描かれていたのも個人的にはポイントが高い。

 

ライオンの習性というか、オスの旅立ちとはぐれライオンによるプライドの乗っ取り、まったく赤の他人のオス同士が広大なサバンナでたまたま出会い、パートナーになっていくなど、近年の調査で明らかになりつつあるライオンの実像を盛り込んだストーリー構成も悪くない。

 

随所に「おお、これがあれにつながるのか」というシーンが盛り込まれていて、前作ファンへのサービスも忘れていない。

 

命の輪のつながりを実感させるエンディングは予想通りではあるものの、非常にきれいにまとまった大団円だった。

ネガティブ・サイド

楽曲がどれも弱かった。”He lives in you.” や “Can you feel the love tonight?” は再利用不可能だとしても、せめて “Circle of Life” は聞きたかった。命の輪について劇中で何度も触れるのだから、なおさらそう感じた。

 

若き日のスカーであるタカが色々な意味で可哀そう。Like father, like son.という言葉があるが、父親のオバシのある意味で過保護と歪な愛情がタカを作ったわけで、タカそのものは悪戯好きな、よくいる子どもに過ぎない。また母のエシェもムファサに向ける愛情のいくらかを実子のタカに向けられなかったのか。子どもにとって親から信頼されることと親から愛されることは似て非なるもので、前者よりも後者の方が必要なはず。

 

ムファサもタカに命を救ってもらい、プライドにも(中途半端ながら)加入させてもらったことに一度もありがとうと言っていないところも気になった。タカの傷にしても、なにか辻褄合わせのように見えた。Let’s get in trouble もっと幼少期のムファサとの遊びの中で、ムファサの不注意で、あるいはムファサをかばったことで負った傷という設定にはできなかったか。

 

総評

鑑賞後のJovian妻の第一声は「タカが可哀そう」だった。Jovianもこれに同意する。詳しくは鑑賞してもらうしかないが、このストーリーは賛否の両方を呼ぶと思われる。ただし誰にとっても楽しい場面はあるし、楽曲のレベルも低いわけではない。家族で見に行くにはちょうどいい塩梅の物語とも言える。チケット代を損したという気分にはならないはずだ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

steal one’s thunder

直訳すれば雷を盗むだが、実際は「お株を奪う」、「出し抜く」の意。

You’re closing deals with companies A, B, and even C? You’re stealing my thunder!
A社、B社、さらにC社とも契約を結べそうだって?俺の出番を奪わないでくれよ!

のように使う。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ 』
『 #彼女が死んだ 』
『 アット・ザ・ベンチ 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アーロン・ピエール, アメリカ, ケルビン・ハリソン・Jr., ミュージカル, 監督:バリー・ジェンキンス, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 ライオン・キング:ムファサ 』 -凡庸な前日譚-

『 トラップ 』 -シャマランらしさはあまり無し-

Posted on 2024年11月4日 by cool-jupiter

トラップ 50点
2024年11月2日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ジョシュ・ハートネット
監督:M・ナイト・シャマラン

 

Jovianのカナダ人の友人は ”I gave up on him.” と語ったが、Jovian自身はまだ少しシャマランに期待しているためチケット購入。

あらすじ

クーパー(ジョシュ・ハートネット)は愛娘ライリーが学校で好成績を収めたご褒美に、人気の歌姫レディ・レイブンの追加コンサートに連れて行く。しかし、会場は異様なまでの厳重警備。実はコンサートそのものが連続殺人鬼ブッチャーを捉えるための仕掛けだったのだ・・・

以下、逆説的なネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

あまりに色々と感想を書くと、それだけでネタバレに近づく。なのでJovianが鑑賞前に予想していたプロットをいくつか下に紹介してみたい。

 

1.実はサイコパスは父親ではなく娘の方。父親は何も知らない娘を必死で逃がそうとしているだけ。

2.実はトレイラーにある口の軽い従業員の話はジョーク。レディ・レイブンが用心深い人物なので本当に会場が厳重に警備されているだけで、クーパーは独り相撲を取っている。

3.実は『 デビル 』と同じ世界で、シリアル・キラーが悪魔に追い詰められていく。 

 

仮説1はたいていの人が思いつきそう。2はフレドリック・ブラウンのとある小説とそっくり。興味のある人は短編以外の中から探してみよう。3は『 アイム・ノット・シリアルキラー 』に着想を得た。

 

本作は視点操作がユニークで、スマホやカメラ、果ては銃のスコープなど、何かを通じて何かを見るという行為の危うさが示唆されている。また『 ザ・サークル 』のようなSNSの力がこれでもかと示されるのも現代的。

 

サスペンスとして観れば間違いなくアベレージ以上の作品。

 

ネガティブ・サイド

警察がかなり無能。というか、現場に入る心理学の博士が無能というべきか。もちろん、そうしないことには脱出は無理ゲーになるのだが、クーパーが機転を利かすというよりは博士の手腕に疑問符が付くという展開が多かったと感じた。

 

娘の同級生とその母親とのいざこざのくだりはバッサリとカットしてよかったのでは?

 

コンサート会場以外にも、車や家などからも脱出しまくる。ここまで来るとギャグの領域。

 

総評

映画や小説を楽しむ方法は、1)事前にストーリーを予測する、と2)事前情報一切なしで臨む、の二つに大別される。本作はどちらのアプローチも可能だが、できれば2)の方が望ましいのかな。理想は本作がシャマラン映画の初体験であること。まあ、そんな観客は圧倒的少数派だろうけれど。楽しむためにはシャマランらしさ=大どんでん返しを期待しないことが肝要である。できるだけ頭を空っぽにして、深く考えずライトに楽しもう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

crispy

元々は食べ物がサクサク、パリパリのような意味で、Longman Dictionary では food that is crispy is pleasantly hard on the outside = クリスピーな食べ物は外側が心地よい硬さであると定義されている。一方、urban dictionary では if something or an act that someone does is good or looks cool (by BigSexyBuffalo April 3, 2017)となっている。Jovianは大学でも教えていたので、現代日本の若者言葉にはそれなりについていけていたが、英語の現代スラングとなると少々弱い。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 破墓 パミョ 』
『 スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム 』
『 ヴェノム:ザ・ラスト・ダンス 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アメリカ, サスペンス, ジョシュ・ハートネット, 監督:M・ナイト・シャマラン, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 トラップ 』 -シャマランらしさはあまり無し-

『 ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ 』 -フォーカスが散逸している-

Posted on 2024年10月16日 by cool-jupiter

ジョーカー:フォリ ア ドゥ 40点
2024年10月12日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ホアキン・フェニックス レディー・ガガ
監督:トッド・フィリップス

 

『 ジョーカー 』の続編。ただし前作の良かった点を薄め、さらに物語の焦点がぼやけてしまったという意味で非常に残念な出来に仕上がっている。

あらすじ

裁判を前に州立病院に収容されたアーサー・フレック(ホアキン・フェニックス)は模範囚であるとして音楽療法への参加が認められた。そこでハーリーン・クィンゼル(レディー・ガガ)と出会ったアーサーは、すぐに彼女に惹かれていき・・・

以下、前作と本作の軽微なネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

最初は何故かアニメで始まるが、これは大いなる伏線なので、飽きずに鑑賞してほしい。

 

不気味で不安感を煽り立てるBGMという前作からの特徴は踏襲。暗澹かつ陰鬱な病院の中でも、時折見られる極彩色の色遣いが、アーサーという凡人とジョーカーという悪の道化の二面性をうかがわせる。

 

ホアキン・フェニックスの怪演も健在。ギスギスにやせ細った体と、笑いたくないのに笑ってしまう症状。見るからに哀れな男で、だからこそ観る側も同情しやすい。いや、もっと踏み込んで言えば、自身と同一視しやすい。かかる弱さがアーサーの魅力で、フェニックスはその弱さを前作に続いて完璧に体現している。そんなアーサーが世間ではアニメ化され、偶像化され、裁判を前に熱狂的なシンパも形成されている。前作で生まれた救世主はその後も健在だったのだ。

 

レディー・ガガ演じるハーリーン・クィンゼルとのデュエットやダンスはそれなりにシネマティック。ビージーズの “To Love Somebody” のデュエットは特に良かった。また劇中で『 ザッツ・エンターテインメント 』も上映される。これも小学生ぐらいの時に自宅でVHSで観たのを懐かしく思い出した。前作のアーサーのカメラに向かってのセリフが “That’s life!” だったとすれば、今作のテーマは That’s entertainment というわけかと期待が膨らむ。

 

が、楽しめたのは作品の中盤までだった。

ネガティブ・サイド

まあ、結局は作り手と受け手の波長が合うかどうかなのだが、Jovianには本作は合わなかった。前作と監督も主演俳優も同じなので、少し裏切られた気分である。

 

まず本作はフォーカスがはっきりしない。州立病院の劣悪な環境に置かれるアーサーの苦痛を描くのか。その州立病院内でのハーレイ・クインの誕生と彼女との関係の進展を描くのか。それともジョーカーの裁判とジョーカー信奉者の暴走を描くのか。本作はこれらの全てを等しく扱おうとして、全体的なトーンがバラバラになってしまっている。

 

Jovianはミュージカルは好物ジャンルで、本作の楽曲やダンスもそれなりに楽しめた。ただ本作がミュージカル形式を導入した動機が、前作で分かりにくいとされた現実と妄想の境目をはっきりさせることだとすれば、それは余計なお世話というもの。厳しい言い方をすれば、アーサーの妄想(全部でなくともよい)を読み解けなかった方のリテラシーの問題。もう一つは、前作でアーサーが若者3人を殺害した直後、トイレで踊ったダンスや、マレー・フランクリンのショーに出演する直前の階段でのダンスが好評だったからというのも理由にありそう。だったらアーサーが個室や食堂で悲哀のダンスや喜びのダンスを踊ればいいではないか。また妄想シーンも前作を予習していれば何がそうで何が現実か、見分けるのは容易いはずだ。

 

ハーリーン・クィンゼルとの関係の描き方も中途半端。彼女の語る話の内容を、それこそアーサーの妄想にしてしまえばいい。弁護士からハーリーン・クィンゼルの真実を聞かされて茫然自失するアーサーだが、そのショックをもっと大きくする方法はあったはずなのだ。

 

また裁判のシーンも冗長というか、争点がつまらない。弁護士はアーサーとジョーカーを別人格ということにしようとするが、前作から我々はアーサーとジョーカーは同一人格だということを知っている。幼少期のトラウマは確かに事実だろうが、それがすべてDID = Dissociative Identity Disorder につながるわけでもない。弁護士もそれは無理筋だと分かっていて半ば誘導尋問しようとするが、そもそもそんな事実はないのだから、そのプロットは追求しようがない。

 

結局アーサーは弁護士をクビにして、自分で自分を弁護することになる。ジョーカーのコスチュームとメイクアップで法廷に臨むアーサーに、裁判そのものを前作と同じくショーに変えてしまうのかという期待が盛り上がったが、そうはならず。唯一、面白くなりそうだったのは前作のミジェットのゲイリーの登場シーン。彼はアーサーと同じく、社会に存在を認識されない男。その男の叫びをアーサーは遂に・・・ おっと、これはさすがにネタバレが過ぎるが、ここで観る側は壮大な肩透かしを食らわされる。というか、その先の展開はもはや漫画。最後の最後に全てをうっちゃる展開に開いた口が塞がらない。フォリ・ア・ドゥって、そっちの意味かい。

 

総評

悪い作品ではないが、良作とは到底言えない。前作を観ることなく本作を観れば意味不明だろうし、前作を観たうえで本作を観れば、肩透かしを食うだろう。アーサーが支持されたのは社会への復讐を果たしたから。そのアーサーがさらに社会を擾乱するのを期待すると本作には裏切られる。これが『 ジョーカー 』の看板を背負わず、B級C級映画なら感想はかなり異なるのだろうが、残念ながら『 ジョーカー 』映画であるからには、ジョーカーのジョーカー性を否定してはならないのである。その点が非常に残念でならない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

You’re fired.

お前はクビだ、の意。fire には様々な意味があるが、ここでは解雇の意味となる。I fire you. または I’m firing you. よりも、You’re fired. が圧倒的に多く使われる。WWEの元会長の瓶ス・マクマホンおよび彼とのプロレスで名を一気に売ったドナルド・トランプの得意とする台詞でもある。サラリーマンとしては言われたくない言葉の筆頭だろう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ぼくのお日さま 』
『 若き見知らぬ者たち 』
『 破墓 パミョ 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アメリカ, サスペンス, ホアキン・フェニックス, ミュージカル, レディー・ガガ, 監督:トッド・フィリップス, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ 』 -フォーカスが散逸している-

『 シビル・ウォー アメリカ最後の日 』 -ロードムービー&戦争ドキュメンタリー-

Posted on 2024年10月8日 by cool-jupiter

シビル・ウォー アメリカ最後の日 70点
2024年10月5日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:キルステン・ダンスト ケイリー・スピーニー
監督:アレックス・ガーランド

 

2023年から楽しみにしていた作品。事前情報は極力仕入れずにチケット購入。イメージとは違ったが、これはこれでありだと思えた。

あらすじ

内戦勃発から14か月、一度もメディアの取材を受けない大統領にインタビューを試みるため、戦場カメラマンのリー(キルステン・ダンスト)は仲間と共にワシントンDCを目指していた。ふとしたことから知り合ったカメラマン志望のジェシー(ケイリー・スピーニー)と旅路を共にするが、道中では分断されたアメリカの現実を目の当たりにすることになり・・・

 

ポジティブ・サイド

キルステン・ダンスト演じるリーと、彼女にあこがれるケイリー・スピーニー演じるジェシーのロード・トリップが前半、後半は戦闘の最前線を行く従軍カメラマンの師弟の物語だった。

 

ワシントンに向かう途上で出会うアメリカ人たちが、同胞であるはずのアメリカ人を虐待する、あるいは訳も分からず殺し合う風景に遭遇していく。ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルのガザ地区やレバノンへの攻撃が思い起こされるが、これを同国人同士でやってしまうのが内戦の恐ろしいところであると慄然とさせられる。

 

トレーラーにもあった、”We are American.” に対するジェシー・プレモンス演じる不気味な兵士の ”What kind of American are you?” という問いが剣呑だ。これに対する一定の答えがあるのだが、それはまさに多くの近代国家の歴史そのもの。日本とて例外ではない。もう一度、アメリカ合衆国は United States of America であるということを思い起こそう。我が兵庫県も五か国連合(摂津、丹波、但馬、播磨、淡路)で、時にヒョーゴスラビア連邦などと言われるぐらいにバラバラである。もちろん内戦をジョークにはできないが、国家としての一体感よりも、個人の収入や生活の方が大事なのだ、という局面にアメリカ、そして先進国が至っていることは間違いない。そうした状況では、分断が分裂に至ることもありえるだろうと感じる。

 

後半から終盤はワシントンの市街戦、そしてホワイトハウス陥落を描く。詳細は観てもらうしかないが、米国はアブグレイブ刑務所から特に何も学んでいないことを感じさせるものだった。それがアレックス・ガーランド監督の抱える問題意識なのだろう。銃撃戦の迫力は文句なし。砲塔を戦車で吹っ飛ばすシーンの迫力も文句なし。容赦のない破壊の行き着く先はどこになるのか。やはりアメリカ人はウサーマ・ビン・ラーディンの暗殺と死体遺棄を反省していないようである。これもアレックス・ガーランド監督の問題意識の表れなのだろう。

 

civil war とは内戦を指すが、特に the Civil War と表記すると、アメリカの南北戦争を指す。『 アンテベラム 』でも描かれたように、南北戦争は奴隷制度の有無および保護貿易(北の合衆国= United States of America)と自由貿易(南の連合国= Confederate States of America)が主な対立軸だった。

 

本作では、カリフォルニア州とテキサス州を中心とするWF(Western Forces)が連邦政府軍を相手に戦っているという、東西戦争の様相を呈している。その原因は分からないし、明示もされない。ただ、D・トランプが大統領に就任した2017年、世間では盛んにアメリカは United States ではなく Divided States になったと言われていたのは多くの人の記憶に新しいはず。また彼の支持者が選挙不正の疑いを不満に思って連邦議事堂に大挙して乗り込んだ事案は、先進国の民衆が暴徒化したという意味で衝撃的でもあった。それこそ『 ジョーカー 』のように、何かきっかけがあれば民衆は一挙に暴徒化しうるのである。

 

そういった意味で本作は確かに現代アメリカ的である。そして現代アメリカ的ということは、数年もしくは数十年後の日本的でもあるということである。

ネガティブ・サイド

途中で合流してくるジャーナリスト仲間は、もう少しプロフェッショナルに描けなかったのか。それまで筋金入りのジャーナリストとして描かれてきたジョエルやリーが、急に薄っぺらく見えてしまった。

 

最後の最後にリーが見せた行動は、従軍記者としてのキャリアの長いリーらしからぬ動作。行動については旅路の中で経験した喪失と悲嘆で説明がつく。問題はその動作。ここに説得力がなかったので、最後の最後にやや白けてしまった。

 

総評

インタビュー記事などを読むに、キルステン・ダンスト自身もメリー・コルビンを意識していたようである。本作も面白いとは感じたが、残念ながら『 プライベート・ウォー 』ほどではなかった。随所に流れる能天気なオールディーズと波長が合うかどうか。案外、本作の評価はそこで決まるようにも感じる。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

secede

分離する、の意。ラテン語では se = apart、cedere = to go である。つまり「離れて行く」ということ。Brexit の際のニュースで使われることが多かったので、BBCやCNNの視聴者なら耳にした、あるいは記事で見たことがあるだろう。secessionist secessionist = 分離独立運動のように使う。cede = 行くだと理解していれば、precede = 先行する、proceed = 前進する、exceed = 超過する、succeed = 成功する(どんどん行く)、concede = 譲歩する(共に行く)などもパッと整理して理解できるだろう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 犯罪都市 PUNISHMENT 』
『 ぼくのお日さま 』
『 花嫁はどこへ? 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, B Rank, アメリカ, キルステン・ダンスト, ケイリー・スピーニー, スリラー, 監督:アレックス・ガーランド, 配給会社:ハピネットファントム・スタジオLeave a Comment on 『 シビル・ウォー アメリカ最後の日 』 -ロードムービー&戦争ドキュメンタリー-

『 エイリアン:ロムルス 』 -シリーズ作品全部乗せ-

Posted on 2024年9月7日 by cool-jupiter

エイリアン:ロムルス 75点
2024年9月6日 TOHOシネマズ梅田にて鑑賞
出演:ケイリー・スピーニー デビッド・ジョンソン
監督:フェデ・アルバレス

『 エイリアン 』後、かつ『 エイリアン2 』以前を描く『 エイリアン 』シリーズの最新作。オープニング・デーのレイトショーにて鑑賞。

 

あらすじ

ウェイランド・ユタニ社との契約で辺境の星で働くレイン(ケイリー・スピーニー)と、その弟的な存在のアンドロイド、アンディ(デビッド・ジョンソン)は、仲間が偶然に見つけた廃船で新天地を目指すことに。しかし、その船の研究棟ロムルスでは過去に「完璧な生命体」が研究をされていて・・・

ポジティブ・サイド

冒頭の巨大宇宙船からして第一作目のオマージュ(それ自体も『 2001年宇宙の旅 』へのオマージュだが)。そして映し出される一部が欠けたノストロモ号の表記。『 エイリアン 』の惨劇の舞台に帰ってきたなという感慨が得られる最高の導入部だった。

 

その後に映し出される、どこか『 ブレードランナー 』を髣髴させるジャクソン星は、リドリー・スコット御大への忖度か、それともオマージュか。いずれにせよ、こんな環境からは脱出したくなる。一瞬だけ映し出される炭鉱のカナリヤの姿がレインたちのその後を暗示しているようで、惨劇への期待が高まる。

 

乗り込んだ廃船のプロダクションデザインは完璧に近い。ノストロモ号の油臭さに黴臭さと埃っぽさを加え、2で強烈な印象を残した赤のストロボを本作ではオレンジに変更。似て非なる世界ではあるが、確かにエイリアン世界だった。今では古めかしい文字表示型のコンピューターのマザーも、テキスト生成AIのおかげでより現実感が増している。そしてアンドロイドという存在も、現在のボストン・ダイナミクス社製のロボットなどを見ていると100年後には実在しているように感じられる。色々な意味で本作はリリースのタイミングに恵まれた。

 

ストーリーはとにかく全部乗せ。フェイスハガーにチェストバスター、ゼノモーフに、暴走するアンドロイドに人間を守るアンドロイド。そして人間の果てなき欲望。エイリアンの1、2、3、4への数々のオマージュに加え、『 プロメテウス 』への直接的な言及や『 エイリアン:コヴェナント 』のプロット再現もあるなど、とにかく作り手のシリーズへの愛情愛着がひしひしと感じられるし、伝わってくる。『 エイリアン:コヴェナント 』で示されたエンジニア ⇒ 人類 ⇒ アンドロイド ⇒ エイリアン ⇒ エンジニアという奇妙な連関も、ある意味で本作の中で一気に凝縮されていて、小さな舞台ではあるが、世界観は確実に広かった。

 

クライマックスは凄惨の一語。『 エイリアン2 』や『 プロメテウス 』で特に顕著だったが、エイリアンというフランチャイズは母性の追求であるとも言える。一つには、言うまでもなく女性の生殖能力。もう一つは「女は弱し、されど母は強し」。ここで言う母とは必ずしも生物学的な母ではなく、強烈な母性の持ち主ということ。慈母と鬼子母神の両方を体現するレインは、『 スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け 』のデイジー・リドリーのようになアイコニックな役を手に入れた(そのせいで役者として伸び悩むかもしれないが・・・)。

 

あらゆるシーンがオマージュで、あらゆる展開が予想通り。しかし、その展開が期待を超える描写をもってなされるところに本作の価値がある。1、2、プロメテウス、コヴェナントだけをチラッと観たことがあるJovian妻は鑑賞中、常に恐怖と緊張感で細目になっていたとのこと。予備知識なしでも鑑賞可能だが、ぜひ予習を行って(最低でも1、できれば1と2を観て)劇場鑑賞されたい。

 

ネガティブ・サイド

途中で一瞬、『 ドント・ブリーズ 』が混ざったのは個人的にはイマイチだった。もしフェイスハガーが〇〇と■■を捉えているのなら、『 エイリアン2 』でリプリーあるいはニュートは犠牲になってしまっていたはず。

 

重力と無重力が重要なキーになるのだが、終盤のシーンはいくらなんでもご都合主義的過ぎる。また無重力状態でスイスイ動くレインにも違和感。慣れない状態で、ぎこちない動きの方がサスペンスは絶対に増したと思われる。

 

総評

こうした作品は往々にして「ぼくのかんがえたさいきょうのエイリアン」のようになってしまうが、そうならなかったというだけでも素晴らしい。シリーズ全作品へのオマージュを取り入れつつ、予想通りなのに期待以上の作品に仕上げるという職人芸をフェデ・アルバレスは成し遂げた。1と2には及ぶべくもないが、シリーズ中では間違いなく堂々の第3位。往年のファンも納得の出来栄えである。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

get away from ~

~から離れる、の意。『 エイリアン2 』のあの台詞が意外なシチュエーションで使われるが、これはファンサービスとして素直に受け取っておこう。繰り返しになるが、本作そのものが大予算の公式同人作品なのである。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ポライト・ソサエティ 』
『 愛に乱暴 』
『 ナミビアの砂漠 』

 

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2020年代, B Rank, SF, アクション, アメリカ, ケイリー・スピーニー, デビッド・ジョンソン, 監督:フェデ・アルバレス, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 エイリアン:ロムルス 』 -シリーズ作品全部乗せ-

『 赤ずきん 』 -童話の再解釈に失敗-

Posted on 2024年9月7日 by cool-jupiter

赤ずきん 30点
2024年9月2日 レンタルBlu rayにて鑑賞
出演:アマンダ・セイフライド ゲイリー・オールドマン
監督:キャサリン・ハードウィック

 

近所のTSUTAYAでパッと目についたんのでレンタル。

あらすじ

ヴァレリー(アマンダ・セイフライド)は、幼馴染のピーターと密かに愛をはぐくんでいた。しかし、母親はヴァレリーのあずかり知らぬところで婚約者を決めてしまう。ピーターを駆け落ちしようとしていた矢先に、ヴァレリーの姉が変死を遂げる。それは、20年間生け贄を捧げることでおとなしくしていた狼によるもので・・・

 

ポジティブ・サイド

てっきりフェミニスト・セオリーによって再解釈された赤ずきんちゃんだと思っていたが、さにあらず。そういう視点で鑑賞すると、狼の正体には決してたどり着けない作りになっている点は良いと思う。

 

ゲイリー・オールドマンはクソ映画に出演することはあっても、彼自身がクソであることはめったにない俳優だなと再確認できた。

 

ネガティブ・サイド

赤ずきん世界の20年後はちょっと離れすぎ。その設定だと赤ずきんは30代前半にならないだろうか。10年後の20代前半で良かっただろうに。

 

赤ずきんというよりも人狼ゲーム(観たことはないが)で、ファンタジー世界と調和したプロットとは感じられなかった。そもそも20年前に狼の腹を裂いたことがあるのなら、なぜに生け贄を捧げるようになったのか。

 

中盤に出てくる狼も、2010年代とはいえ、あまりにもCGのクオリティが低い。これなら『 ネバーエンディング・ストーリー 』のグモルクの方が実在感があったし、恐怖感もあった。

 

ミステリーとしての見せ方も稚拙。「瞳」が重要なヒントになるのだが、だったら観る側にはそれ以前に伏線となるショットをそれなり提供してくれないと。観終わってから、別バージョンのエンディングを観る前に序中盤をザーッと見直したが、そんな前振りは無し。

 

別バージョンのエンディングも正直なところ、うーむ・・・ おとぎ話を伝統的に解釈するか、それとも古典的に解釈するか、というものでしかなかった。 

 

総評

『 アクアマン 』の脚本家とは思えない、かなり暗い話。かといって、ダークファンタジーとして成立しているというわけでもない。アマンダ・セイフライドの超ファンでもない限り、鑑賞する必要はない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

werewolf

ゲームなどでウェアウルフという言葉に接したことのある人もいるはず。狼男と訳されるが、別に狼人間でも問題はない。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ポライト・ソサエティ 』
『 エイリアン:ロムルス 』
『 愛に乱暴 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, E Rank, アマンダ・セイフライド, アメリカ, ゲイリー・オールドマン, ファンタジー, 監督:キャサリン・ハードウィック, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 赤ずきん 』 -童話の再解釈に失敗-

『 ツイスターズ 』  -ドラマも科学も少々弱い-

Posted on 2024年8月15日 by cool-jupiter

ツイスターズ 55点
2024年8月11日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ グレン・パウエル アンソニー・ラモス
監督:リー・アイザック・チョン

 

『 ツイスター 』の続編。監督は『 ミナリ 』のリー・アイザック・チョン、主演は『 ザリガニの鳴くところ 』のデイジー・エドガー=ジョーンズ。

あらすじ

気象学者のケイト(デイジー・エドガー=ジョーンズ)は、かつての仲間ハビ(アンソニー・ラモス)を手助けするために、オクラホマの竜巻街道に赴く。そこで彼女は型破りな竜巻チェイサーのタイラー(グレン・パウエル)と出会い・・・

 

ポジティブ・サイド

異常気象(extreme weather)は、もはや日本でもおなじみ。関西でも滋賀県などでは竜巻注意報が出るようになった。もちろんアメリカのような超ド級の竜巻が発生する可能性は極めて低いと思われるが、それでも気象予報の重要性は増すことはあっても減ることはない。

 

YouTuberにも色々ある。瞬間的なインプレ増加を狙うだけの低俗なチャンネルやクリエイターが跋扈しているのも事実だが、その一方で市民科学(citizen science)の大いなるプラットフォームとして役立っているものもある。本作に登場するタイラーのチームは実は前者と後者の両方である。

 

前作並みに竜巻が発生し、それが前作以上の映像で猛威を振るう。特に大気のキャップを割って、竜巻の芽が地上に伸びてくるシーンは圧巻の一語。それをフェイズド・アレイ・レーダーで捉えようという試みも悪くない。

 

最終盤ではまさかの形で古典的名作がスクリーンによみがえる。泉下のボリス・カーロフも喜んでいることだろう。また、このシーンは絵的にも非常に秀逸で、目の前でこれを本当に目撃したら一生モノのトラウマになってもおかしくないと思わされた。『 リング 』のクライマックスの逆バージョンと言ってもいいかもしれない。

 

『 オズの魔法使 』関連ネタや “I’m not back!” など、前作へのオマージュもある。が、別にこれらを知らなくても作品を楽しむ妨げにはならない。迫力は満点なので劇場鑑賞の価値は十分にある。

 

ネガティブ・サイド

警報発令から竜巻到着まで3分という時間を15分にできるという前作の成果はどこに行った?15分前に警報を出しつつも、藤原効果(The Fujiwara Effect)のせいで進路の予想ができない、それぐらい竜巻が街道で多発している、という設定を設けられなかっただろうか。

 

タイラーがケイトのモーテルの部屋を訪ねるのは構わんが、実家にまで訪ねてくるとなると話は別。こうなると storm chaser ではなく skirt-chaser ではないか。

 

竜巻を消滅させるメカニズムもよく分からない。いや、湿度を全部吸い取れば竜巻は消滅するでしょ?という理屈は分かる。問題は、竜巻に勢力を供給する積乱雲にはなんらアプローチできていないこと。ここらへんを似非科学でもいいので、それっぽく説明する必要があったはずだ。

 

土地ビジネスもよく分からない。安く買い上げられるのはその通りだろうが、竜巻の通り道という印象が定着した土地を誰が高値で買うのだろうか。

 

総評

前作に劣らぬジェットコースター的展開なので飽きることはない。しかし、最後の最後の終わり方に難ありと言わざるを得ない。あわよくばグレン・パウエルとデイジー・エドガー=ジョーンズのダブル主演で続編を作りたいという製作者側の思惑も透けて見える。エンディングに不満はあれど、そこに至るまでの展開は十分に面白いのは間違いないので、お盆休みに手持ち無沙汰であれば最寄りの映画館までどうぞ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

dandelion

タンポポの意。日本でもなじみの植物なので、その英語名を知っておくのもいいだろう。ちなみに lion は動物のライオンのこと。ちなみに dande の部分は『 恐竜超伝説 劇場版 ダーウィンが来た! 』で紹介したと don=「歯」の派生。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! 』
『 風が吹くとき 』
『 #スージー・サーチ 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アメリカ, アンソニー・ラモス, グレン・パウエル, ディザスター, デイジー・エドガー=ジョーンズ, パニック, 監督:リー・アイザック・チョン, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 ツイスターズ 』  -ドラマも科学も少々弱い-

『 ツイスター 』 -1996年以来の再鑑賞-

Posted on 2024年8月11日 by cool-jupiter

ツイスター 70点
2024年8月11日 Amazon Primeにて鑑賞
出演:ヘレン・ハント ビル・パクストン フィリップ・シーモア・ホフマン
監督:ヤン・デ・ボン

 

これは多分、高1の夏休みに父親と一緒に(旧)岡山メルパで観たような記憶がある。が、話の中身はほとんど忘れていたので『 ツイスターズ 』の前に復習鑑賞。

あらすじ

竜巻チェイサーのジョー(ヘレン・ハント)は、元夫のビル(ビル・パクストン)に離婚届けに直ちにサインしてくれと頼まれる。だがジョーに竜巻観測機のドロシーを見せられたジョーは、一日だけ彼女の竜巻観測に付き添うことになり・・・

 

ポジティブ・サイド

かつて大谷の所属チーム・LAエンゼルスの主砲、マイク・トラウトの趣味が気象観測、特に竜巻観測であることを知っている野球ファンは多いことと思う。本作はそうした竜巻チェイサーの物語。単なる好事家ではなく、竜巻を現地で直に観測し、いち早く注意報や警報を出すという使命感で動く人々のストーリーでもある。

 

竜巻の内側から観測するセンサーの名前がドロシーという点にニヤリ。言わずと知れた『 オズの魔法使 』へのオマージュ。それを飛ばしてデータを受け取るというアイデアは、パソコンや携帯電話が爆発的に普及し始める時代の前夜の脚本としては非常に先見の明があったと言える。

 

とにかく行く先々で竜巻が発生し、ジョーとビルとその仲間たちが狂喜乱舞して突っ込んでいく。あるいは必死に地下に逃げ込む。その繰り返し。常識人のメリッサの ”You are all crazy, and she is the craziest of all!” という悲痛な叫びは決して届かない。『 エイリアン 』のキャッチコピー、”In space, no one hears you scream” ならぬ “In tornadoes, no one hears you scream” である。

 

車にトラックに牛までが飛ばされるが、そうしたCGも迫力満点。本物らしくないという批判はまっとうだが、竜巻を間近で観たことがある人がどれほどいるのか。これこそ作家の想像力がものを言うところ。現代(2020年代)でも『 デス・ストーム 』のように竜巻ものは製作されているが、そうした作品のCGと比べてもまったく見劣りはしていない(『 デス・ストーム 』が人間ドラマに寄せすぎなのもあるが)。

 

劇中での『 シャイニング 』の使い方も絶妙だ。同作で最も有名なシーンであるジャック・ニコルソンが斧で扉を破壊するシーンは、まさに迫りくる竜巻そのもの。こんな怪物に立ち向かっても仕方ない。しかし観測はできる。人に可能な範囲で最善を尽くそうとするジョーとビルの奮闘っぷりには素直に頭が下がる。1990年代は『 アルマゲドン 』や『 ボルケーノ 』のように、天変地異に立ち向かうヒーロー映画が多かったが、本作もそうした系譜に連なる映画。一般人でもヒーローになれるという幻想を与えてくれる、良くも悪くも9.11以前の映画だった。

 

ネガティブ・サイド

ベトナム戦争やら湾岸戦争を経て、PTSDに対する社会的な理解も浸透していたはずの1990年代とは思えない言動をビルがジョーに対して繰り返す様には正直辟易した。フェミニズムがハリウッドに浸透していない時代とはいえ、トラウマに対して「忘れろ!」は禁句だろう。

 

ドロシーを飛ばす手順がめちゃくちゃ。JovianもICT系の部署に異動になり、外部の業者との連携や情報共有が生じるようになったが、エンジニアという人種は作ることばかり考えて、運用することを考えない。そうした日々のちょっとしたフラストレーションが本作を観て増幅してしまった。ドロシーを本当に飛ばしたいなら凧、あるいは風船を使え。

 

最後の最後のシーンも、うーむ。普通にデブリが飛んできて負傷の一つや二つは負わないと不自然だが・・・

 

総評

色々と突っ込みどころはありつつも、テンポの良いストーリーとシンプルな人間関係で魅せる。日本でも竜巻が発生するようになってしまったが、その注意報や警報は誰かが出してくれている、誰かの発明品によって支えられているということを頭の片隅に置いておこう。なにかと叩かれる本邦の気象庁であるが、本当はもっとリスペクトされるべき団体であると思う。本作を観てそう感じた次第である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

bite one’s head off

(人に)食ってかかる、の意。夫婦喧嘩は犬も食わぬと言うが、それは往々にして一方が他方に、あるいは互いが互いに食ってかかるからに違いない。あまり自分から使う表現ではないが、これを使えるということは英語ネイティブの親友もしくは配偶者がいるということだろう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ツイスターズ 』
『 先生の白い嘘 』
『 新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! 』

 

ツイスター [Blu-ray]

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  • ヘレン・ハント
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現在、【英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー】に徐々に引っ越し中です。こちらのサイトの更新をストップすることは当面はありません。

I am now slowly phasing over to https://jovianreviews.com. This site will continue to be updated on a regular basis for the time being.

Posted in 映画, 海外Tagged 1990年代, B Rank, アメリカ, ディザスター, ビル・パクストン, フィリップ・シーモア・ホフマン, ヘレン・ハント, 監督:ヤン・デ・ボン, 配給会社:UIPLeave a Comment on 『 ツイスター 』 -1996年以来の再鑑賞-

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