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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 配給会社:SPOTTED PRODUCTIONS

『 オアシス 』 -乾いた心を潤すものは-

Posted on 2024年11月21日 by cool-jupiter

オアシス 70点
2024年11月17日 テアトル梅田にて鑑賞
出演:清水尋也 高杉真宙 伊藤万理華
監督:岩谷拓郎

 

兵庫県知事選の結果がショッキングだったので、簡易レビュー。

あらすじ

ヤクザのヒロト(清水尋也)がクスリの売人を締めたことで、半グレ集団と一触即発になってしまう。そこにはヒロトの幼馴染みの金森(高杉真宙)も属していた。しかし、二人の共通の幼馴染みの紅花(伊藤万理華)が戻ってきたことが事件につながってしまい・・・

 

ポジティブ・サイド

『 さがす 』で鮮烈な印象を残した清水尋也がヤクザ者を好演。歩き方、目つき、タバコの吸い方など時代錯誤と思えるほどにステレオタイプなヤクザで、令和の今となっては逆に新鮮だった。また痩せ型の長身なのもプラス。無言の威圧感がある。『 クローズ 』でまったく怖くない不良を演じていた東出昌大とは対照的。高杉真宙も『 ギャングース 』同様の軽いチンピラ役が板についていた。

 

かなり血なまぐさいシーンが多いのも個人的にはプラス。『 終末の探偵 』ではギャグにしか見えなかったヤクザ者同士の果たし合いも、本作はドラマチックに見せることに成功していた。

 

ネガティブ・サイド

組長の息子が警察にとっ捕まっていないのが不思議でしょうがない。白昼堂々とあんな犯行を過去に行っていたら、いくらなんでも逃げ切れるものではないと思うが。それとも日本も『 チェイサー 』で描かれたように、場末の風俗嬢が消えてもほとんど誰も気づかない社会になりつつあるという意味なのだろうか。

 

総評

欲しいものなどない。今を生きていられればいい、という若者たちの刹那的なドラマが悲しくもあり、羨ましくもある。はっきり言って未来も何もない終わり方なのだが、中年Jovianは何故か清々しさを感じた。生きた証を残す、生きた実感を得るために必要なのは、生きた年数ではなく生きた密度なのかもしれない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

stab

刺すの意。刃物で刺す時はだいたい stab を使えば間違いない。stab someone in the back と言えば、「人の背中を刺す」と「背後から刺す=裏切る」の意味がある。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 他人は地獄だ 』
『 最後の乗客 』
『 ドリーム・シナリオ 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, 伊藤万理華, 日本, 清水尋也, 監督:岩谷拓郎, 配給会社:SPOTTED PRODUCTIONS, 青春, 高杉真宙Leave a Comment on 『 オアシス 』 -乾いた心を潤すものは-

『 新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! 』 -学園系ジャーナリスト物語-

Posted on 2024年8月17日 by cool-jupiter

新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! 55点
2024年8月16日 テアトル梅田にて鑑賞
出演:藤吉夏鈴 髙石あかり 
監督:小林啓一

 

『 殺さない彼と死なない彼女 』の小林啓一監督の作品ということで食指が動き、チケット購入。

あらすじ

文学少女の所結衣(藤吉夏鈴)は、あこがれの作家・緑町このはが在籍する櫻葉学園高校に入学する。しかし緑町このはは覆面作家で、かつ入部試験中のアクシデントで結衣は文芸部に入部できなくなった。しかし、このはの情報を持つという新聞部への入部と捜査を文系部部長は提案してきて・・・

ポジティブ・サイド

誰でも文章を書けて、手軽に写真や動画を撮影し、それらをネットで発表できる時代に、記事は足で拾うというタイプの古き良きジャーナリスト精神を感じさせる新聞部。ホームページやメルマガ形式ではなくザラ紙にこだわる点も買い。

 

結衣あらためトロッ子のこのは探しと新聞部の活動がパラレルに進んでいく中、新聞部は順調に教師のスキャンダルをスクープし、やがて学園の最深部の闇に近づいていくという構成もテンポが良い。

 

学生間の対立もありながら、巨悪を大人にすることで青春映画としても成立している。一方で、子どもに味方をしてくれる大人も設定されており、そのバランス感覚も良い。

 

子どもが大人を権力の座から追い落とすのに必要なのは「正義」ではなく「真実」という信念が貫かれている。正義は往々にして独りよがりになりがちだが、真実は見る方向さえ誤らなければ万人に届くものだ。軽い気持ちで鑑賞したが、硬骨なジャーナリズムを感じ取ることができた。

 

ネガティブ・サイド

主演の藤吉夏鈴のしゃべりがかなりボソボソかつ平板。演技力の無さなのか、それともそういう演出なのか。共演の髙石あかりとの差が目立った。

 

とある小道具があまりにこれ見よがしだったので、すぐに先が読めてしまった。また、肝心の緑町このはの正体もすぐに分かってしまった。

 

学園の文系部に関する諸問題のひとつに特進科と普通科の格差があるというが、そうしたところをもっと描写すべきだった。たとえば茶道部の主体は普通科なのに文芸部の一声で茶室を明け渡さざるを得ない、のような場面がほしかった。

 

総評

『 新聞記者 』をもっとライトに、かつ巨悪を打倒して大団円で締めくくる学園系・・・と言うと語弊があるが、ストーリーとしてはそんな感じである。Jovianはつい最近まで大学の語学系クラスの教務スタッフだったので、大学と出版社の固い結びつきというものは肌で感じてきた。本作のような不正の構図は決して荒唐無稽ではないと感じた。政治とカネの問題がまたもや有耶無耶にされようとしているが、教育とカネは有耶無耶にしてほしくない。その意味で本作には大いにカタルシスを感じた。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

cross the line

特定の線を横切る=一線を越えるの意。なにかをやりすぎてしまった時、言動などが許容範囲を超えてしまった時に使われる表現。Take a step back before you cross the line. のように使う。割とよく出てくる表現なので知っておこう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 #スージー・サーチ 』
『 ポライト・ソサエティ 』
『 ニューノーマル 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, ミステリ, 日本, 監督:小林啓一, 藤吉夏鈴, 配給会社:SPOTTED PRODUCTIONS, 配給会社:東映ビデオ, 青春, 髙石あかりLeave a Comment on 『 新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! 』 -学園系ジャーナリスト物語-

『 まなみ100% 』 -単純一途な男の恋心-

Posted on 2023年10月10日2023年10月10日 by cool-jupiter

まなみ100% 65点
2023年10月8日 シネ・リーブル梅田にて鑑賞
出演:青木柚 中村守里 
監督:川北ゆめき

 

世間は三連休でもJovianは仕事であった。ゆえに簡易レビュー。

あらすじ

バク転ができれば女の子にモテると思ったボク(青木柚)は、高校で器械体操部に入部する。そこで出会ったまなみ(中村守里)に恋をしたボクは、ことあるごとにまなみちゃんに求婚するのだが・・・

 

ポジティブ・サイド

アホな高校生がアホな浪人生になりアホな大学生になりアホな社会人になる。その間、ボクは様々な女性遍歴を重ねていく。もうこの時点で凡百の邦画とは一線を画している。まなみちゃんがずっと心にありながら、他の女を平気で口説き、抱いていく。実にリアルだ。事実、どれだけの人間が中学高校の頃のような純粋な恋心に忠実なままでいられようか。本作はそういう意味では『 僕の好きな女の子 』や『 神回 』とは真逆に見えて、実は同じ系列に連なる作品なのである。

 

青木柚は『 終末の探偵 』の時と同じく、どこにでもいそうな少年~青年を好演。特徴のない顔立ちのおかげで、純粋に演技力でキャラを立たせることができている。Jovianも小学生の頃だけ器械体操をやっていたが、バク転はできなかったな。飛び込み前転とかはやっていたけど。

 

ヒロインのまなみも、クラスで2番目ぐらいに可愛いと感じられるところがリアル。『 アルプススタンドのはしの方 』のメガネっ子が、器械体操選手に化けるのだから、まさに女優という感じ。ルックスだけで同じような役ばかり演じて、それでいて全然上達しない女優も多い中、中村守里は本物の女優の卵という印象を受ける。

 

大好きな女の子との距離感に悩む男性、あるいはその逆でもいい。大好きな男との距離感に悩む女性が観ても楽しめるはず。夢見る少年でいられるのは幸せなこと。けれど青春の終わりを自覚できるのは、もっと幸せなことだと思う。

 

ネガティブ・サイド

ボクの高校の時のガールフレンド(菊地姫奈)と大学の時の彼女?セフレ?(宮崎優)と社会人になってからの彼女?セフレ?(新谷姫加)の顔の系統が似すぎている。全員を同系統の顔にするなら、まなみ系の顔にできなかったのだろうか。『 町田くんの世界 』の日比美思とか、『 交換ウソ日記 』の茅島みずきとか、色々候補はいたはずだ。もしくは、全員違う系統の顔にするとか。俺が年とって、若い子の顔の区別ができないだけ?いや、そんなはずはない(一応、教え子の大学生たちの顔の見分けはつく)。

 

ボクが作る映画の中身をもっと知りたかった。どう見ても監督自身の体験を映画にした本作をさらに映画にするという入れ子構造なのだから、それによってあまり見えてこないボクの内面を逆に一気にそこに吐き出すという作りにはできなかったのだろうか。夜の校舎でホラーっぽい絵面も悪くはないが、ボクの内面に迫る映像世界を見たかった。

 

総評

劇場の入りはまあまあ。客層も10代後半ぐらいから結構な中年層まで幅広くいた。映画監督は自分の中の語りたいという衝動や欲求を美意識をもって作品に反映させるものだと思うが、本作は衝動や欲求を映画に吐き出したい、この想いを昇華させたいという川北ゆめき監督の思いが画面に溢れている。私小説を読むつもりでチケットを購入するとよい。壮大なドラマを期待するとガッカリするかもしれないので、ちょっとユニークな小市民の青春物語だと思って鑑賞のこと。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Will you marry me?

『 ちょっと思い出しただけ 』と『 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 』でも紹介した表現。普通は falling tone で言うのだが、今作でのボクの求婚はどれも rising tone であるように感じた。本気度が感じられないのだ。英語話者に本気でプロポーズするなら、下がり調子で言うこと!!!

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 オクス駅お化け 』
『 リゾート・バイト 』
『 沈黙の艦隊 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, ラブロマンス, 中村守里, 日本, 監督:川北ゆめき, 配給会社:SPOTTED PRODUCTIONS, 青木柚Leave a Comment on 『 まなみ100% 』 -単純一途な男の恋心-

『 愛なのに 』 -不思議な愛の物語-

Posted on 2022年5月13日 by cool-jupiter

愛なのに 75点
2022年5月8日 塚口サンサン劇場にて鑑賞
出演:瀬戸康史 さとうほなみ 河合優実 中島歩
監督:城定秀夫

テアトル梅田で見逃してしまった作品。塚口サンサン劇場にて上映中。R15作品だからなのかどうか知らないが、観客の中高年男性率が非常に高かった。

 

あらすじ

古本屋を営む多田(瀬戸康史)は女子高生の岬(河合優実)に突如プロポーズされる。「自分には好きな人がいるから」と丁重に断る多田だが、岬はあきらめない。一方、ただの想い人である一花(さとうほなみ)は婚約者の亮介の浮気を知ってしまい・・・

ポジティブ・サイド

事実は小説より奇なりと言うが、この脚本は実際にはなかなか現実にはならないだろう。アラサー男が女子高生に求婚される。丁重にお断りする。またまた求婚される。丁重にお断りする。その理由は他に好きな人がいるから。しかし、その好きな人は婚約者に浮気をされていた。しかも浮気相手が自分たちの結婚式のプランナー・・・。よくこんな人間模様を構想できるなと感心する。この設定だけで面白いと感じられる。

 

女子高生を演じる河合優実が本作でも鮮やかな存在感を放つ。恋に恋する女子高生で、多田にストレートに「結婚してください」と伝える。「そんなこと(=淫行)したら俺、逮捕されちゃう」という多田に、「あ、そういうのは無しで」とぬけぬけと言ってのける。もうこれだけで笑えてしまう。微笑ましい気分になる。その後も同級生男子と多田の間を行きかい、さらには親まで出張らせる始末。まさにおぼこさと小悪魔さの両方を遺憾なく発揮している。

 

極めて対照的なのがさとうほなみ演じる一花。こちらはトップレスを披露し、妖艶な濡れ場も熱演。『 RED 』の夏帆を上回る色気を存分に堪能させてもらった。多分、劇場に来ていた中高年たちも、さとうほなみを見に来ていたのだと思われる。いや、それにしても河合優実が小悪魔なら、こちらは悪魔というか魔女、いや魔性の女?婚約者に浮気されたからと、自分も同じことをしてやろうという発想もなかなかユニークだし、その相手に自分を一途に想い続ける男を選ぶというのも、ナチュラルに鬼畜だ。元々ミュージシャンということだが、表現方法が独特。無表情なようで表情がある。感情の起伏に乏しそうで、しかし感情が時に爆発する。自然体と言おうか、演技が上手いなあと感じない。等身大の悩めるアラサー女子を act しているのではなく、等身大の悩めるアラサー女子に be しているからだろう。素晴らしいとしか言いようのない performance である。

 

本作のテーマはタイトル通りに「愛」なのだが、『 愛なのに 』という逆接の通りに、きれいに成就することがない。愛する相手から愛のない求められ方をされることがどれほど酷なことか。それでいて、その求めに応じざるを得ないというジレンマ。瀬戸康史の渾身の演技に我あらず感情移入してしまった。男性の99%は恋を引きずった経験があるはずだが、そうした気持ちがわずかでもあれば、きっとこの多田という男とシンクロできはずだ。

 

本作の撮影はおそらく三鷹市だろう。Jovianの母校は三鷹市の国際基督教大学で、見覚えのある街並みがいくつかあった。おそらくゲーセン(芸術文化センター)あたりなのではないかと思う。上連鳥というバス停にも思わず笑ってしまった。上連雀など、まさにかつての庭である。さらに物語終盤の神父様の説教が笑える。Jovianは霊肉一致の神学論を打ち出した関根正雄の弟子の並木浩一門下だったので、この神父の説教が何であるのかよく理解できた。なので一花が盛大な勘違いをしているのをニヤニヤしながら映画を鑑賞していた。おそらく濃厚なベッドシーン目的にチケットを購入していたどのオッサン連中よりも、Jovianの方がキモイ表情をしていたはずだ。まあ、それだけ刺さる人には刺さる作品になっているということである。

ネガティブ・サイド

現代風のLINEと古風な手紙。昔からの想い人である一花とのやりとりがスマホで、Z世代の女子校生の岬とのやりとりが手紙というコントラストが十全に追究されていたとは言い難かった。このあたりを愛のないセックスとセックスのない結婚との対比にまでつなげられていれば、年間ベスト級に仕上がったのではないだろうか。

 

終盤近くの多田のある台詞があまりにも陳腐である。ここはそれこそタイトル通りの「愛なのに!」でよかった。

 

総評

R15ということは、場合によっては高校生や大学生のカップルでも鑑賞できるわけだが、子どものデート向きではない。むしろ30代以上の夫婦で余裕をもって鑑賞するべき作品であると思う。愛の形はそれぞれで、何が正解というものでもない(不正解はありうるが)。男女のあれやこれやを赤裸々に語り、男にとっては非常にショッキングなセリフも聞こえてくるが、世の男性諸賢に提案したい。逆にそうしたシーンこそ呵々と笑ってしまおうではないか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

To err is human, to forgive divine. 

「過つは人の常、許すは神の業」の意。確か高校生の時に学校で配られた『 WORD BANK 4000 』という単語帳で初めて見たと記憶している。大学の寮生活でネイティブ連中が何度か ”To err is human” と言って自己弁護しているのを聞いて「ああ、ホンマに使うんやなあ」と感動したのも覚えている。今度、仕事でミスった時に同僚ネイティブ相手に使ってみようと思う。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, さとうほなみ, ラブロマンス, 中島歩, 日本, 河合優実, 瀬戸康史, 監督:城定秀夫, 配給会社:SPOTTED PRODUCTIONSLeave a Comment on 『 愛なのに 』 -不思議な愛の物語-

『 アルプススタンドのはしの方 』 -異色の青春群像劇-

Posted on 2020年7月28日2021年1月21日 by cool-jupiter

アルプススタンドのはしの方 70点
2020年7月26日 梅田ブルク7にて鑑賞
出演:小野莉奈 平井亜門 西本まりん 中村守里
監督:城定秀夫

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これは快作である。『 カメラを止めるな! 』のようなインパクトがある、というのはほめ過ぎだが、非常にユニークなフォームの映画である。『 セトウツミ 』の亜種にして、ついに現れた『 キサラギ 』の後継作品でもある。

 

あらすじ

夏の高校野球県大会のアルプススタンドのはしの方で、演劇部員のあすは(小野莉奈)とひかる(西本まりん)は野球のルールもよく分からないままに応援していた。そこに補習上がりの元野球部の藤野(平井亜門)と学校一の優等生、宮下(中村守里)も徐々に加わり・・・

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ポジティブ・サイド

正にタイトルの通り、アルプススタンドのはしの方だけで展開される会話劇である。『 キサラギ 』の密室での推理談義、そして『 セトウツミ 』の川辺の階段での他愛のない雑談に続く作品だと言えるだろう。高校や大学の映研が本作の模倣作品を作り始めるのは間違いない。アイデア次第で、演劇をそのまま映画にできるし、なおかつ面白さも保てるのだ。

 

本作をユニークにしているものはいくつかあるが、一つには野球を一切映すことなく野球を見せていることである。彼女たちのスタンドでの位置や立ち居振る舞いだけでも彼女たちがスクール・カーストの上位者でないことが分かるし、野球のことをよく知らない女子というだけで男子と“活発に交流する”タイプでないことも伝わってくる。娯楽やスポーツの多様化が進んで久しいが、それでも野球は日本ではまだまだメインストリームの球技である。

 

そんな彼女たち+男子一人+時々教師一名が繰り広げる会話劇がべらぼうに面白い。女子高生同士の他愛のない野球に関わるトークに男子が一人加わることで奥行きが生まれ、優等生が加わることで深みも生まれた。元は兵庫県の高校生の演劇脚本のようだが、資金も道具も人員もないからこそ生まれる面白さが本作にはある。Jovianがあっさりとプロットを見破った『 ソウ 』も、資金不足から大部分をスタジオ内=監禁部屋で撮影したことで、面白さが増したと言われている。同じように、会話劇から徐々に明らかになる様々な背景情報、そして目に見える形で変わっていく登場人物同士の距離。それが、すぐそこで行われている野球の試合展開と奇妙にシンクロしている。強豪に立ち向かう自校のチームと、人生の壁にぶつかっているあすはや藤野。決して青春群像劇の主人公的なキャラクターたちではないが、それゆえに我々一般人の共感を得やすい。少女漫画原作の青春映画の主役キャラに「ああ、俺にもこんな青春があったな」と感じられる人間はごく少数だろうし、そうした人間はそもそも青春映画など見ないだろう。普通の大人が普通に共感できる邦画が生まれたと評してもいいだろう。

 

本作は『 桐島、部活やめるってよ 』の亜種でもある。本作で桐島にあたるのは矢野である。といっても、矢野はスクール・カーストの上位者ではないし、野球部のレギュラーでもない。(オーディエンスに)姿は見えないが、その存在が他者に絶大な影響を及ぼしていくところが桐島と共通している。矢野とはどんな男か。「うおおおおお、矢野ーー!!!大好きだーーー!!!俺はお前を応援するぞおおおおおお!!」と叫びたい気持ちにさせてくれる男である。何がそうさせるのか。アルプススタンドのはしの方にいるキャラクターたちは、みな自己効力感が低い。けれど、彼女たちが徐々に自身を信じ、一歩を踏み出す勇気を得て、他者に声援を送るようになる過程が丹念に描かれることで、我々も知らず知らずのうちに物語世界に引き込まれていく。その過程は劇場で体験してほしい。

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ネガティブ・サイド

城定監督は真夏の炎天下、野球場で野球を見たことがないのだろうか。あんなピーカンだと、ステンレスの手すりに両手を乗せていた宮下のてのひらは軽度の火傷を負うぞ。あすはとひかるも同じ。座っていられない。尻の下にタオルを敷くのが定石である。妙な陽炎を後から映像に加えていたようだが、完全なる蛇足。「日焼け止め持ってたりする?」のようなセリフが一つあれば、暑さも伝えられたはず。会話劇なのだから、会話で堂々と気温や日差しに言及してもよかった。

 

藤野はいくら投手だとはいっても、バッティングフォームが窮屈すぎる。完全なる手打ちフォームで、とても野球経験者には見えない。ここはもっと演出や演技指導が必要だった。

 

また吹奏楽部やベンチ入りできなかった野球部連中が試合を観ている時の顔の向きとあすはたちが試合を観ている時の顔の向きが一致していない。いや、一致はしないのだが、どう考えてもそっちはピッチャーマウンドまたはホームベースの方向ではないだろうというシーンのつなぎが何度かあった。一塁側アルプススタンドの外野側のはしの方にいるあすはたちが左45度を剥いているのに、スタンドの野球部連中が真正面を向いていたりする。いったいどこのどんなプレーを見ているのか。

 

打球音からホームランの弾着までの時間が異様に短かったのは弾丸ライナーだったからと納得はできても、藤野がナイスキャッチしたファウルボールはおかしい。打球音と打球の軌道、さらに打球のスピードのどれ一つとして一致していない不思議なボールが飛んできた。監督もしくは助監督は、アルプススタンドで野球観戦することを、もう少し綿密に取材すべきだった、あるいは自身で体感してみるべきだった。

 

総評

こうしたユニークな映画が日本でもっと生みされてほしい。久しぶりに邦画を応援したくなった。本作はそういう気持ちにさせてくれる映画である。Jovianはやたら藤野にもひかるに宮下にも、やたら大声を張り上げる教師にも共感できた。もっとこの世界を見守りたいと感じた。2020年は映画にとって不幸な年だが、本作はその中でも異色の面白さを持った映画である。中年映画ファンも劇場へGoだ。高校生や大学生のデートムービーにも最適である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

make a catch

野球やアメフトでボールをキャッチすることをmake a catchと言う。do a catchとは言わない。~する=do ~と理解している人が多いが、実際にはmake ~もよく使われる。do homework, do laundry, do the dishes。make a mistake, make a speech, make a catch. do は手順や対象がすでに定まっていることを「する」、一方でmakeは自分で一から生み出すようなものを「する」。このように理解しよう。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, 中村守里, 小野莉奈, 平井亜門, 日本, 監督:城定秀夫, 西本まりん, 配給会社:SPOTTED PRODUCTIONS, 青春Leave a Comment on 『 アルプススタンドのはしの方 』 -異色の青春群像劇-

『 月極オトコトモダチ 』 -男女の友情は成立するか-

Posted on 2020年5月14日 by cool-jupiter

月極オトコトモダチ 55点
2020年5月12日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:徳永えり 橋本淳
監督:穐山茉由

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男女の友情は成立するか否か。こうした問いそのものに、個人的的には意味がないと思っている。これが普遍的な命題になりうるとはJovianは思わない。男女というのは何歳の男女なのか。友情の定義とは何か。セックスフレンドとは友達なのか愛人関係なのかそれ以外の関係なのか。正解はない。だが、答えは様々にありうる。

 

あらすじ

WEBメディライターの望月那沙(徳永えり)は、レンタル友だち柳瀬草太(橋本淳)と出会う。そして二人の関係を記事にしていく。一方で、那沙のルームメイトの珠希は音楽を通じて草太と距離を縮めていく。那沙は草太との関係をどうすべき悩み苦しみ・・・

 

ポジティブ・サイド

何とも不思議なリアリティに満ちている。それは男女の友情をテーマにした物語から生じているのではなく、アラサー女子のそれらしい立ち居振る舞いやルームメイトとの関係性、仕事への打ち込み具合、そうしたものがとてもリアルに感じられる。それは徳永えりが正に等身大の、結婚願望がなさそうである、かつバリキャリになりきれないアラサー女子を自然体に見える形で演じているからだろう。そして、そうしたキャラクター同士の掛け合いをごくナチュラルな視点から撮影し、かつごくナチュラルに発生する対話に巻き込んでいく。映画というよりは演劇的である。この演劇的な演出がストーリーテリングの上で奏功している。

 

「コントロールできたら恋じゃない」、「コントロールできたら、それは愛」といった格言めいたセリフが飛び交うのもドラマ的だ。Jovianがあまり滔々と堂々と女性論をぶつと妻に殺されるので、ごく一般的な男性論だけを語らせてもらえれば、男は脳で考えている。だが、脳内の思考のおよそ3~4割は下半身由来であると思われる。これが中学生や高校生だと脳内思考の7~8割は下半身由来だろうか。どうすれば、この下半身からの支配から逃れられるのか。その答えの一つが草太の言うスイッチなのだろう。そのスイッチがどういったものであるのか、興味のある男性はぜひ本作を鑑賞されたい。

 

本作のテーマは『 はじまりのうた 』のダンとグレタの関係の相似形であり、『 娼年 』の逆バージョンであり、『 “隠れビッチ”やってました。 』の裏バージョンでもある。男女の関係、と言えば、そのまま肉体関係を指すことが多いが、それすなわち関係の進展もしくは破綻とはならない。答えのない問いかけに一定の答えを出そうとしたという意味で、本作のチャレンジは認められるべきである。

 

ネガティブ・サイド

Jovianは映画の長さは1時間30分~1時間55分ぐらいが理想的だと思っている。その意味では本作は1時間18分と少々物足りない。『 生理ちゃん 』も75分と少々物足りなかったが、やはり映画は2時間弱はあって欲しいと思うのである。

 

砂浜でのサッカーシーンはノイズであるように感じた。女性が得意げに球を扱う。男性がドリブルで女性の股抜きをする。その象徴するところは極めて性的である。こうした演出を挿入するなら、それこそ挿入直前まで描いて、しかしやはり未遂に終わりました。これでよかったのではないか。

 

那沙が珠希と衝突するのもクリシェでしかない。ドラマとは意外性から生み出されるべきで、普通に予想される事柄から生み出されるべきではない。気になっている男が、自分の友人と共同で何かをおこなっている。その姿にたまらない嫉妬や焦り、敗北感を募らせる。いったい、いつの時代の少女漫画なのか。那沙の会社の編集長ではないが、いつまで純情ぶっているのか。

 

総評

着眼点は良いと思うが、その後の展開にひねりがない。いつの頃からか、オタク連中は日常系の深夜アニメをありがたがるようになったが、映画がそれをやってはおしまいである。もし、そうした方向に舵を切るなら、例えば『 セトウツミ 』のように、独特の見せ方を追求すべきである。そうした意味では、カジュアルな映画ファン向けではあるが、ディープな映画ファン向けな作りにはなっていない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

How about if we go out?

 

「私たち、付き合ってみる?」「俺たち、付き合ってみる?」の意味である。劇中ではどちらの意味で使われていたか、興味があれば確かめて頂きたい。How about if S + V? = SがVしてみてはどうだろうか? という意味である。How about S + V? でも同じである。TOEFLのリスニングなどでは頻出であるし、TOEICでもたまに聞こえてくる表現である。

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, D Rank, ロマンス, 徳永えり, 日本, 橋本淳, 監督:穐山茉由, 配給会社:SPOTTED PRODUCTIONSLeave a Comment on 『 月極オトコトモダチ 』 -男女の友情は成立するか-

『 無限ファンデーション 』 -眩しく暗い青春の一ページ-

Posted on 2020年4月3日 by cool-jupiter

無限ファンデーション 60点
2020年4月2日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:南沙良 原菜乃華 小野花梨 西山小雨
監督:大崎章

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基本的にはTSUTAYAでは旧作か、あるいはキャンペーン割引料金の準新作しか借りないJovianであるが、劇場に行けない昨今、新作料金でDVDを借りるのもありだろう。嗚呼、南沙良・・・

 

あらすじ

内向的な女子高生・未来(南沙良)は、リサイクル工場から聞こえてくる歌声に惹かれ、不思議な少女・小雨(西山小雨)と邂逅する。学校では、未来のスケッチブックに注目したナノカ(原菜乃華)らに誘われ、演劇部に入部する。新しくできた仲間たちとの関係は、しかし、ある時から思わぬ方向へ向かい始め・・・

 

ポジティブ・サイド

全編これ即興というのは、大昔に大学の寮の先輩が出演していた芝居で見たことがある。下北沢だったか。本作には大まかなプロットが存在し、何度かリハーサルもやったらしい。それはそうだ。

 

冒頭で流れてくる西山小雨の「とべフレ」に、未来ならずとも引き込まれるだろう。あいみょん作曲かつ提供の『 さよならくちびる 』の「さよならくちびる」も良かったが、こちらの劇中歌の「とべフレ」も負けず劣らず美しい。いや、俳優ではなく歌手が歌っているだけあって、歌唱力や表現力はこちらの方が上だと言える。『 ロケットマン 』のタロン・エジャートンのように俳優が歌うことで生まれる味わいもある。一方で、本職の歌い手だから出せる味もある。西山小雨の起用は成功である。

 

少女漫画原作の映画とは異なり、青春、もっと言えば思春期の人間関係の暗い面にフォーカスする。友情とは、しばしば閉じた人間関係で、女子のそれは特にそうである。南沙良演じる未来は、いわゆる陰キャから陽キャへと脱皮する。だが、そのことがもたらす波紋の大きさは、この年代にとっては確かに受け止めづらいものだろう。主要キャストたちは、張り詰めた緊張感の中ですらも即興劇を完遂した。こうした映画撮影の技法は、もっと頻繁に採用されてもよいと思う。故・志村けんはアドリブを生み出すのも受け止めるのも名手だったということだが、役者のポテンシャルを発揮させるのも監督や脚本家、撮影監督や照明、音響の役割の一部でもあるだろう。そうした、良い意味での裏方スタッフと役者のケミストリーを最も強く感じさせたのは、やはり南沙良だった。持ち前の動物的な勘で各シーンを彩ったが、それにしてもこの若き女優の鼻水たら~りは、もはや芸術の域に達している。つくづくそう感じられる。

 

「傷つくのが怖い」というのは、なかなか吐露しづらい。しかし、そうした恐れの気持ちを持ったことのない人は圧倒的な少数派ではないだろうか。本作は、そうした人間関係の近さと遠さ、優しさと痛みの両方を思い起こさせてくれる良作である。

 

ネガティブ・サイド

ところどころでシーンのつながりが変であった。特に(悪い)印象に残ったのはスケッチブックを廊下で見せるシーン。「え、そこで切って、ここにつなげる?」という画の移り変わりがある。このあたりは即興劇の技術的な限界だろう。ただ、欲を言えば別の撮影監督ならばどうなっていただろうか、ということ。例えば『 1917 命をかけた伝令 』のロジャー・ディーキンスは絶対に無理だとしても、『 恋は雨上がりのように 』で小松菜奈の魅力を見事にフレーム内に捉え切った市橋織江なら、どのような画の切り取り方をするのだろうか。そんなことを考えてしまった。

 

また語りの力が弱かったのも気になった。特に演劇部顧問の先生にはもうちょっと頑張ってほしかった。屋上での語りは、抒情的でもなく、かといって叙事的でもなく、とにかく薄かった。陽光溢れる屋上で、ある意味で非常にダークな話を語っているのに、そこのコントラストが際立たなかった。

 

この先生自身が実に中途半端な大人であるせいで、部員同士の衝突を和らげる緩衝材になれていない。もしくは、部員間に蓄積されていたマグマの噴出量をコントロールできていなかった。大人の大人たるゆえん、子どもとの違いの一つは、妥協ができるところだ。青春模様、つまりは子どもの子どもらしさを強調させるためには、大人の大人らしさが対極に必要だった。

 

ラストショットは『 志乃ちゃんは自分の名前が言えない 』と重複している。大崎監督は、もっと違うビジョンを構想できたはずである。

 

総評

青春映画はアホかというぐらいの勢いで陸続と生産されているが、鮮烈な青春映画というのは邦画には存外に少ない。本作はその数少ない一作である。公開中の『 もみの家 』(観に行っていいのだろうか・・・)もそうらしいが、南沙良は居場所を探し求める少女を演じさせれば天下一品である。韓国語をマスターして韓国映画に出るか、あるいは英語をマスターしてアメリカや英国の映画に進出することを考えてみてはどうか。トップレベルのサッカー選手や野球選手が海外に活躍の場を求めるのは当たり前になりつつある。映画人もそうあるべきだ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

You are so good at drawing, aren’t you?

「絵、超うまくない?」というセリフの私訳である。絵を描くというのはdrawやpaintという動詞で表されるが、draw = 固いもので描く、paint = 柔らかいもので描く、と理解しよう。鉛筆やペンで描けばdraw、筆やブラシ、もしくは自分の指(finger-painting)で描けばpaintである。英会話スクールのノン・ネイティブの先生の実力を確かめたければ、英検1級だとかTOEIC975点だとかではなく、上のような質問にその場でスパッと答えてくれるかどうかを目安に考えてみてほしい。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, C Rank, ヒューマンドラマ, 南沙良, 原菜乃華, 小野花梨, 日本, 監督:大崎章, 西山小雨, 配給会社:SPOTTED PRODUCTIONSLeave a Comment on 『 無限ファンデーション 』 -眩しく暗い青春の一ページ-

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