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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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カテゴリー: 国内

『 ぶぶ漬けどうどす 』 -クソ映画オブ・ザ・イヤー候補-

Posted on 2025年6月16日2025年6月16日 by cool-jupiter

ぶぶ漬けどうどす 20点
2025年6月14日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:深川麻衣
監督:冨永昌敬

 

かつて烏丸御池でスクール責任者を数年務めた身として鑑賞せねばと思いチケット購入。残念ながらクソ駄作だった。

あらすじ

まどか(深川麻衣)はライターとして京都を題材に取り上げようとしていた。夫の実家の老舗や洛中の女将たちを取り上げるために京都に移り住んだまどかは、取材と創作を本格化させていくが・・・

ポジティブ・サイド

京都人の奇妙な歴史感覚は確かに味わえる。100年程度では老舗とは呼べず、200年でやっと老舗。そうした矜持と、京都独特の伝統を維持するための有形無形の努力と圧力はそれなりに映し出されていた。

 

ネガティブ・サイド

まず大前提として知っておきたいことは「京都で茶漬けを勧められたら遠回しに帰れと言われている」というのはフィクションだということ。Jovianは生粋の京都人(それこそ江戸時代から同じ区域に先祖代々住んできた方々)複数名に尋ねたことがある。

 

そもそも本作はテーマは何なのだろうか。京都人の陰湿な一面をさらけ出すこと?それとも、京都人の本音と建前の使い分けをユーモラスに描くこと?それとも、そうした京都を前面に押し出しつつ、東京人のアホさ加減を陰で笑うこと?残念ながら、そのいずれにも失敗している。だいたい制作陣に京都出身者、あるいは京都研究者はいなかったのか?パッと調べた限り見当たらないのだが。

 

京都人に陰湿で排外的な一面があることは事実。そしてそれは洛中から洛外(洛外の人々はしばしば結界の外という言い方もする)に向けての姿勢であることがほとんど。ただ、これは京都に限った話ではない。旧浦和と旧大宮が旧与野を叩いたり、あるいは我が兵庫県で言えば神戸が播州を見下したり、あるいは神戸市中央区が神戸市西区を見下したりしている。関東でも、町田市を神奈川扱いしたり、あるいは北関東(茨城、栃木、群馬)を南東北と呼んだりと、どこの地域、どこの都道府県でも見られる現象である。では洛中と洛外で何が違うのかを本作は掘り下げられたか。そこは一切触れられていなかった。だったら京都を取り上げる意味も意義もない。

 

京都人の本音と建前の使い分けについても監督および脚本家は誤解している。あるいは理解を深めていない。本音と建て前の使い分けは京都人の専売特許ではなく、日本語ネイティブのコミュニケーション技術の一つである。つまり京都人以外も普通に使っている。関西弁では「考えときまっさ」というのはお断りの意味である。またビジネス文脈なら「前向きに検討する」は五分五分くらいに聞こえるが、政治家や役人が同じ表現を使ったら、かなりの見込み薄に聞こえる。タイムリーな例を挙げれば、我が兵庫県知事の言う「重く受け止める」も、本音は「うるさいわ、知らんがな」である。では京都人が使う建前は何がどう異なるのか。それは相手と自分の関係性、もっと言えば上下関係や距離が明確な時に使われるのである。このあたりの描写が、まどかと片岡礼子演じる女将連中の間でかなりちぐはぐだった。

 

そもそも、京都を題材にしようと脱サラして作家活動を始めようとするわりに、まどかは事前の京都調査がまったくといっていいほど出来ていない。これは作家として致命的である。しかも老舗の跡取りになる可能性のある京都出身の夫を持ちながらこの体たらく。つまり、アホなのだ。もうこの時点でこの主人公に共感することが困難になる。また夫や創作パートナー、そして京都に巣食う外来種が皆、東京人で、なおかつ裏の顔の持ち主。本作は京都をディスりたいのか、東京をディスりたいのか。テーマを極力絞るべきである。

 

京都の本質を語る学者先生は『 嗤う蟲 』では夫だった若葉竜也。しかし、彼が語る京都の本質に持ち出されるガジェットが琵琶湖?琵琶湖は滋賀県やで・・・ 『 リバー、流れないでよ 』のように、鴨川を使えばいいではないか。もしくは貴船まで上って貴船川でもいい。なぜ琵琶湖?

 

ストーリーもさして面白くなく、BGMも不快。カメラアングルにも光るものはなかった。そもそも京都人たちが皆、京都弁が下手過ぎる。もうちょっとまじめにやれと言いたい。京都人風に評するなら「伝統を尊重してもろて、はばかりさん」とでもなるだろうか。

 

総評

一言、駄作である。職場の同僚、就中、京都人たちには決して観るなかれと忠告したい。東京人が思いっきりアホに描かれているが、作劇上の演出を飛び越えてナチュラルなアホに見える。『 翔んで埼玉 』の含意するところに気付かないプロの東京の批評家が何名かいたが、そうしたお歴々は本作をどう評するのだろうか。そこには少し興味がある。いずれにせよ、観る必要はない。怖いもの見たさやゲテモノ好きは否定しないが。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

a venerable shop

老舗の私訳。老舗は古い以外にも格式がある、伝統がある、趣きがあるなどの意味も含んでいるが、それに最も近いのが venerable = 由緒正しい、だろうか。老舗企業なら venerable firm で、老舗料亭なら venerable Japanese restaurant となる。英検準1級以上を目指すなら押さえておきたい語彙。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 JUNK WORLD 』
『 リライト 』
『 ラブ・イン・ザ・ビッグシティ 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, E Rank, ブラック・コメディ, 日本, 深川麻衣, 監督:富永昌敬, 配給会社:東京テアトルLeave a Comment on 『 ぶぶ漬けどうどす 』 -クソ映画オブ・ザ・イヤー候補-

『 国宝 』 -歌舞伎役者の人生を活写する傑作-

Posted on 2025年6月15日2025年6月15日 by cool-jupiter

国宝 80点
2025年6月8日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:吉沢亮 横浜流星
監督:李相日

 

李相日監督作品ということでチケット購入。3時間が苦にならない重厚長大なドラマだった。長引く風邪と仕事の突発的な事案のため簡易レビュー。

あらすじ

極道の父親を失った喜久雄(吉沢亮)は、歌舞伎役者の家に引き取られ、そこで兄弟同然の仲となり習性のライバルとなる俊介(横浜流星)と出会う。歌舞伎の道に邁進する二人だったが、やがてある出来事が転機となり、袂を分かつようになり・・・

ポジティブ・サイド

喜久雄が任侠の跡取り息子から国宝に成り上がるまでの50年間は見応え抜群。歌舞伎の良し悪しは判断しかねたが、役者が役者を演じることの重みは十分に伝わってきた。

 

順調にキャリアを積み上げてきた喜久雄が、思いがけず転落していく最中で見せた屋上での踊りは『 ジョーカー 』を髣髴させた。

 

本作のテーマは、芸とは才か血かというもの。もちろん、この命題に絶対の答えなどない。ただ本作は、才の極みが血を残すのかどうかについて興味深い視点を提供したとは言える。

 

劇中劇の中でも特に『 曾根崎心中 』が良かった。Jovianの出身地の尼崎は近松門左衛門と縁が深く、近松公園は散歩コースかつ時々縁台将棋にも参加させてもらっている。また、死ぬことになる遊女のお初は、梅田近辺にオフィスを持つ企業のサラリーマンなら、露天神社で一度は目にしたことがあるはず。舞台も大阪だし、大阪人や大阪近辺の人間こそ鑑賞すべき作品である。

ネガティブ・サイド

時代のせいだと言えばそれまでだが、女性キャラがそろいもそろって物語上のガジェットのようだった。なぜそこでその男に惚れる?なぜそこでその男についていく?そんな疑問だらけ。

 

また糖尿病もある意味で大活躍。確かに1980年代、1990年代は40代以上の男性の10人に1人(100人に1人ではない)は糖尿病予備軍だと言われていたが、糖尿病悪化で吐血?会社員ではないが、お前ら年に一度の健康診断ぐらいは自腹で受けろ、と感じた。

総評

ある意味、顔で生きてきた吉沢亮が、遂に本物の代表作を手に入れた。歌舞伎という誰もが知りながら、誰も知らない世界をこれほど活写した作品はこれまでなかったし、これからも出てこないだろう。『 ハルカの陶 』の国宝はあまり国宝らしくなかったが、本作の描く人間国宝は国宝の輝きを放っている。ぜひとも大画面、大音響の劇場で鑑賞を。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Living National Treasure

ナショナル・トレジャーといえばニコラス・ケイジを思い出すが、これに living をつけることで、生きている国宝、すなわち人間国宝を意味する。Jovianが知っている人間国宝は中村吉右衛門以外では桂米朝、金重陶陽、藤原啓ぐらい。皆さんが思い浮かべる Living National Treasure は誰だろうか。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 金子差入店 』
『 ぶぶ漬けどうどす 』
『 JUNK WORLD 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, A Rank, ヒューマンドラマ, 吉沢亮, 日本, 横浜流星, 監督:李相日, 配給会社:東宝Leave a Comment on 『 国宝 』 -歌舞伎役者の人生を活写する傑作-

『 か「」く「」し「」ご「」と「 』  -看板に偽りあり-

Posted on 2025年6月4日2025年6月4日 by cool-jupiter

『 か「」く「」し「」ご「」と「 』 50点
2025年5月31日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:奥平大兼 出口夏希
監督:中川駿

 

『 君の膵臓をたべたい 』の住野よる原作、『 カランコエの花 』の中川駿監督ということでチケット購入。期待はやや裏切られた感じ。

あらすじ

大塚京(奥平大兼)は三木直子(出口夏希)に恋心を抱いていた。しかし、一方で単なるクラスメイトの男子としてのポジションにも満足していた。しかし、不登校だったとあるクラスメイトが学校に帰ってきたことで、京の周囲の人間関係が少しずつ動き出し始めて・・・

ポジティブ・サイド

はっきりとは覚えていないが、Jovianは保育園の年長ぐらいまでは、自分の気持ちも他人の気持ちも目に見えていた。より正確に言うと、AがBに怒っていると、AからBに赤い光線が走る、CがDに感謝しているとCからDに白い光線が走る、のように見えていた。まあ、イマジナリーフレンドのようなもので、自分だけに見えて、自分だけにリアルに感じられるものだったのだろう。小学校に入学したとたんに一切見えなくなったが、特にそれでショックを受けたような記憶もない。けれど、そうした見方をする子どもがいて、その子がそのまま成長したら・・・という想像は容易。なので、本作のキャラクターたちの「他人の気持ちが視覚化されて見える」という隠し事には素直に共感できた。

 

単に主人公とヒロイン、じゃなかったヒーローの二人の関係だけを追求する物語ではなく、5人組がアンサンブルキャストになっている点が良かった。若さとは省みないことたが、逆に省みすぎてしまうことでもある。青春時代、好きになってしまった相手に猪突猛進した人もいれば、好きになってしまったがゆえにその相手に対して身動きが取れなくなってしまった、なぜなら自分は相手にまったくふさわしくないから、と信じ込んでしまった人もいるだろう。本作は後者の集まりで出来ている。それが心理的な駆け引きではなく、それぞれの隠し事によるものだという点が興味深かった。

 

好きという感情もあれば、その反対に嫌いという感情もある。いや、マザー・テレサ風に言えば好きの反対は無関心か。誰かを嫌いになれるのも、それだけ相手を気に掛けているから。あるキャラがやや屈折した考え方(考え方であり、決して感じ方ではない点に注意)から一歩引いたところにいるのだが、これは古典的でありながらも現代的。『 カランコエの花 』のような価値観は本当に遠くのものになってしまったのだとしみじみ実感する。

ネガティブ・サイド

京のしゃべりがボソボソ、モゴモゴで聞き取りにくかった。監督の演出なのだろうか。はっきりとボソボソしゃべってこそ演技と言える。

 

ヅカにはパラ相手の見せ場はあったものの、一人だけ掘り下げが圧倒的に少なかったのは、原作がそうだからなのか、それとも脚本でそうなってしまったのか、はたまた編集の都合なのか。

 

主人公二人の特殊能力が、特に何もドラマを生まないのが一番の不満。他人の心理がある程度わかってしまう。だからこそ自分を抑えてしまうというのは、個人的には若さよりも老いを感じさせる。

 

ミッキーと京の距離が縮まるのがあまりにも唐突過ぎ。なんなら、不登校だったエルと京の間のドラマこそ盛り上がるべきだった。というか、女子からしたら男子にシャンプーを変えたことに気付いてもらえるというのは、メチャクチャ嬉しいか、メチャクチャ気持ち悪いかの二択。だからこそ、そこを追求するサブプロットがあってしかるべきだった。

 

全体的に5人が非常に閉じた世界に敢えて引きこもっているという印象を受けた。何の変哲もないクラスメイトの女子または男子が「お前らの両想い、バレバレだぜ?」みたいに一瞬だけ割り込んでくれば、もっとリアルになったように思う。

 

総評

羊頭狗肉は言い過ぎかもしれないが、「君の秘密を知ったとき、純度100%の涙が溢れ出す。」という宣伝文句は、看板に偽りありとの誹りは免れない。原作小説はしっかりしているのだろうか。中川駿監督の得意とするウソが下手な若者の像は描き出せている。ただ住野よるのテイストが出ていたかというと疑問。鑑賞するなら期待しすぎず、普通の青春群像劇でも観るか、ぐらいのノリでいた方が良い。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

dry up

干上がるという意味以外にも「言葉が出なくなる」という意味もある。He suddenly dried up in the middle of the presentation. =彼はプレゼンの最中に突然黙ってしまった、のように使う。プレゼン中でも商談中でも授業中でも、dry up は怖いものである。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 金子差入店 』
『 国宝 』
『 ぶぶ漬けどうどす 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, 出口夏希, 奥平大兼, 日本, 監督:中川駿, 配給会社:松竹, 青春Leave a Comment on 『 か「」く「」し「」ご「」と「 』  -看板に偽りあり-

『 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 』 -青春の痛々しさが爆発する-

Posted on 2025年5月14日2025年5月14日 by cool-jupiter

今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 75点
2025年5月10日 テアトル梅田にて鑑賞
出演:萩原利久 河合優実 伊東蒼
監督:大九明子

 

『 勝手にふるえてろ 』や『 私をくいとめて 』の大九明子監督の作品ということでチケット購入。

 

あらすじ

友人がほとんどいない大学生の小西徹(萩原利久)は、ふとしたことから気になっていた桜田花(河合優実)に声をかける。二人は瞬く間に意気投合し、仲を深めていくが・・・

 

 

ポジティブ・サイド

全然キラキラしていない大学生を見ると、つい自分を思い出す・・・というわけでもないが、萩原利久演じる小西は非常に感情移入しやすい。おもいっきり乱暴に彼のキャラを例えるなら、『 新世紀エヴァンゲリオン 』の碇シンジと、ゲーム『 ファイナルファンタジーVIII  』のスコールを足したような奴である。

 

そこに同級生の桜田花と、バイト先の仲間であるさっちゃんが絡み、甘酸っぱい青春の始まりを予感させながら、物語は急遽暗転する。ある程度予想通りだが、緩急のつけ方が上手い。

 

大九明子監督の作品の中ででは、『 勝手にふるえてろ 』の松岡茉優然り、『 私をくいとめて 』能年玲奈然り、とことんまで物語る女性キャラが出てくるものが当たりである。そして本作は当たり。今回物語るのは伊東蒼。表情やしぐさがわざとらしすぎる女の子なのだが、あるシーンでは表情を一切見せずに独白しきるシーンは圧巻の一語に尽きる。『 さがす 』や『 世界の終わりから 』で見せた独特の存在感を、本作でもいかんなく発揮している。

 

本作はところどころで不可思議な映像が挿入されるが、数々の伏線と共にその意味が明らかになる展開には唸らされた。これは脚本の勝利。伏線については、ぜひ目だけではなく耳も済ませてほしい。

ネガティブ・サイド

よくわからない点が二つ。1つはさっちゃんの大学。出町柳が最寄り駅ということは京都大学?あの交差点は、あの交差点やし・・・ 偏見かもしれないが、京大生が銭湯でバイトするというのは現実離れしているような。

 

2つには、洗濯機の埃やら何やらを回収するメッシュの袋。あれを好きな女子の前に持って来ることができる感性にドン引き。いや、その気持ちを否定しているのではなく、なぜこのアイテムを原作者はわざわざ選んだのか。キモイにもほどがある。

 

総評

傑作とまではいかないが良作であるのは間違いない。チケット購入時はスカスカだったのに、当日は完売していた。そして観客の大半が若いカップル。おそらくほとんど全員関大生だったのだろう。表情から満足度の高さが読み取れた。実はJovian妻も関西大学の卒業生で、法学部と文学部があるから法文坂というような蘊蓄を色々と教えてもらった。別に関大生である必要はない。若い世代、あるいはかつての青っちょろい自分が嫌いではないという人にお勧めできる作品に仕上がっている。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

I know you haven’t the slightest interest in me.

直訳すれば「あなたが私に一切興味がないことを知っている」となる。劇中で非常に印象的なセリフの一つ。普通は you don’t have the slightest interest と言うが、ブリティッシュは割とhave動詞を今でも使うし、アメリカ人でもこのような表現を好む者(作家のマイケル・ルイスなど)もいる。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 新世紀ロマンティクス 』
『 サンダーボルツ* 』
『 金子差入店 』

 

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Posted in テレビ, 国内Tagged 2020年代, B Rank, ラブロマンス, 伊東蒼, 日本, 河合優実, 監督:大九明子, 萩原利久, 配給会社:日活, 青春Leave a Comment on 『 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 』 -青春の痛々しさが爆発する-

『 うぉっしゅ 』 -認知症との向き合い方-

Posted on 2025年5月6日 by cool-jupiter

うぉっしゅ 65点
2025年5月2日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:中尾有伽 研ナオコ
監督:岡﨑育之介

 

『 異端者の家 』を観るはずが、レイトショーがやっておらず、急遽こちらのチケットを購入。意外にしっかりした作りだった。

あらすじ

ソープで働く加那(中尾有伽)は、母の突然の入院治療のため、遠方の祖母、紀江(研ナオコ)の介護を一週間だけ引き受けることになる。しかし紀江は認知症のため加那のことを覚えておらず、毎回初対面のように振る舞う。そうして昼は介護、夜はソープという加那の奇妙な生活が始まって・・・

ポジティブ・サイド

めちゃくちゃ久しぶりに研ナオコを見た気がする。おそらく10年ぶりぐらいか?ナチュラルに老人になっていて、自分自身が年を取ったと実感する。そして研ナオコ演じる紀江の認知症は母方の祖母の認知症とそっくり。祖母も90過ぎてからは会うたびに「誰?どこから来た?仕事は?」と聞いてきたっけか。最初は少なからずショックを受けたが、おふくろからとある話を聞いて納得した。そしてその話とほとんど同じことを劇中でとある人物が語ってくれた。

 

本作で真に迫っていたのは紀江だけではない。他のキャラクター、特に隣家のおばさんと風俗店のボーイは際立っていると感じた。他にもホストに入れ込むソープ嬢仲間や、ソープ業界から足を洗おうという仲間も印象的だった。ああいう業界の人間関係はドライに見えてウェット、ウェットに見えてドライだと想像するが、現実もきっとそうなのだろう。

 

介護の場面でも、入浴介助のシーンだけ生き生きする加那には説得力があったし、介護のあれこれを動画で学ぶのも『 アマチュア 』と同じく現代っぽさを感じさせた。特に薬を飲むことを拒否する高齢者というのは、看護の現場でもあるあるだった。

 

加那がソープ嬢として客に忘れられること、そして孫として祖母に忘れられることの痛みを受け入れる転機は生々しかったし、それだけに説得力があった。会いに来るのを待つというのと、こちらから会いに行くということの違いをこれだけ鮮明に打ち出した作品は、ロマンスものですら珍しいと思う。

 

認知症は認知機能の衰えであって、感情は残るとされている。徘徊老人という言葉は数十年前からあるが、彼ら彼女らがどこに向かっているのかを追究しようとした作品としても本作はユニーク。昔の研ナオコを知っているオールドファンからすれば、一瞬だけだが非常に気分がアゲなショットも用意されている。

 

職業に貴賎なし。スティーブ・ジョブズの言葉を借りれば、Love what you do となるだろうか。自分を肯定できれば、相手も肯定できるのだ。

 

ネガティブ・サイド

ベッドで上半身を持ち上げてからの端座位への移行が、ぶっちゃけ下手くそだった。腕力を使ってはダメ、きゃしゃな女性なら尚更。最初にうまく行かず、そこでプロの指導動画を観る、のような流れであれば自然だった。ちなみに実践的には、自分から遠い方の相手の肩を抱いて少し自分側に引いてやり、その反動で相手を少し押す。そこで生まれた遠心力を使って、相手の尻を起点にサッと回してやるのがコツである。

 

名取さんのご高説は興味深かったものの、介護業が長かったのなら、家族が一番というのは必ずしも現実ではないと分かるはず。たとえば『 博士と彼女のセオリー 』などからも明らかだし、実際にそうだからこそ直接の家族でなくとも介護の貢献が認められた者にも相続権が認められる特別寄与制度も整備された。家族論には色々あるし、それは大いに語られるべきだが、本作のそれは少し的外れに感じられた。

 

総評

ソープと介護という一見して共通点がなさそうなものを見事に結び付けた珍品。だからといって程度が低い作品ではない。サブキャラのサブプロットも無理のない範囲で掘り下げられているし、それが主人公キャラに深みを与えている。セクシーなシーンはあっても、エロいシーンはないので、高校生、大学生のカップルでも鑑賞に支障なし。親が上手に説明できるならという条件付きで、ファミリーで鑑賞するのもありだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Nice to meet you.

はじめまして、の意。初対面の相手には、まずはこれを言おう。SlackやZoomで話したことはあっても、直接に合うのは初めてという場合は、Nice to meet you in person. や Nice to meet you face to face. のように言おう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 異端者の家 』
『 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 』
『 ゴーストキラー 』

 

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, コメディ, ヒューマンドラマ, 中尾有伽, 日本, 監督:岡崎育之介, 研ナオコ, 配給会社:ナカチカピクチャーズLeave a Comment on 『 うぉっしゅ 』 -認知症との向き合い方-

『 片思い世界 』 -余計な設定は不要-

Posted on 2025年4月21日2025年4月21日 by cool-jupiter

片思い世界 40点
2025年4月18日 T・ジョイ梅田にて鑑賞
出演:広瀬すず 杉咲花 清原果耶
監督:土井裕泰

 

『 花束みたいな恋をした 』の土井裕康監督作品ということでチケット購入。事前情報はほとんど仕入れずに臨んだが、思っていた作品ではなかった。

あらすじ

美咲(広瀬すず)、優花(杉咲花)、さくら(清原果耶)の3人は仕事、大学生活、アルバイトに勤しみながら、共同生活を送っていた。ある日、美咲が心寄せる幼馴染みの男性を見つけたことから、優花とさくらは美咲に告白を促すが・・・

 

以下、わずかなネタバレあり

ポジティブ・サイド

設定自体は割とありふれている。パッと思いつくだけでも



『 A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー 』

『 アザーズ 』

『 ザ・メッセージ 』

 

などが思い浮かぶ。本作のユニークなところは、それを3人娘の物語にしたところ。美咲、優花、さくらの三人が異なるパーソナリティを持っていて、それぞれに愛する人、会いたい人、憎むべき人を追っていくというサブプロットも悪くない。

 

魂魄この世にとどまりて怨み晴らさでおくべきかと言うが、生きていればどうしたって未練が残る。それは思慕の念であったり怨念であったりする。それを昇華して生きることの難しさや美しさが本作では存分に描き出される。

 

ストーリーに没入してもいいし、単純に目の保養のためにチケット購入するのもいいだろう。

ネガティブ・サイド

冒頭の回想シーンで「イマジナリーフレンドかな?」と思い、清原果耶の帰宅シーンで「ん、〇〇か?」と予感し、的中。もう少し導入部分を上手く組み立てられなかったか。

 

設定を必要以上に説明しようとするのは完全に蛇足であると感じた。おそらく『 TENET テネット 』にインスパイアされたのだと思われるが、脚本家は量子力学と素粒子物理学を弁別できていない。前者はミクロのレベルでは物理現象は量子化(離散的な値しか取れない)されるという前提に立つ学問で、後者は超ミクロの粒子は様々な力によって相互に作用することを研究する学問。両者は等価ではない。にもかかわらず、他世界解釈的な描写(それ自体が矛盾しているのだが)があったりと釈然としない。また素粒子物理の講義なのにシュレディンガー方程式を扱ったハンドアウトが配布されたりしている。何故だ?

 

また、3人が互いには触れ合えるのに他人に対してそうではないというのは、素粒子物理学で言うところの斥力のように感じられて興味深かったが、そうであれば3人は一定の距離以上には離れられないといった制約があればより説得力があった。

 

ラジオ放送も意味不明。ここのサブプロットは不要だった。もしくはここを追求するのであれば、合唱コンクールを録画あるいは録音した音声に子どもたち以外の声があった、という方がプロット上はより整合性が感じられるのではないだろうか。

 

優花の母の暴走を母の愛以上に描けたはずだが、そうしなかったのか、できなかったのか。「理由を知りたい」というのは実はエゴで、理由ではなく、理由を知ろうとすることそのものが自分の生きる理由になる。『 ゼロ・ダーク・サーティ 』でも、憎むべき敵をついに追い詰めた時、主人公の胸に去来したのは充実感ではなく喪失感だった。人間とは往々にしてそういうもの。もっと人間のドロドロの情念に踏み込んでほしかった。

 

美咲の書いたオペラは美しいのは美しいが、10代前半で可能な描写ではない。

 

総評

不条理な世界の設定を詩や戯曲を通じて語るのはよい。しかし、サイエンスを絡ませるのならそこも徹底すべきである。あるいはサイエンスはすべて排除すべきだった。物語世界の設定は悪くないのだから、そこに生きるキャラを徹底的に描写すべきで、世界がどうなっているのかを追究するのは不要だった。鑑賞する際は、キャラクター達だけに集中のこと。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

relocate

引っ越しする、の意味。moveよりも少しフォーマル。I am scheduled to relocate to Tokyo due to my job transfer. のように使う。語彙力増強のためには類義語を覚えるのが早道だが、その際、レジスター(カジュアルな表現なのかフォーマルな表現なのか)を意識できれば中級者以上である。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 RRR:ビハインド&ビヨンド 』
『 異端者の家 』
『 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, ラブロマンス, 広瀬すず, 日本, 杉咲花, 清原果耶, 監督:土井裕泰, 配給会社:リトルモア, 配給会社:東京テアトルLeave a Comment on 『 片思い世界 』 -余計な設定は不要-

2024年総括と2025年展望

Posted on 2025年1月1日 by cool-jupiter

2024年総括

今年は部署異動もあったり、副業(と呼べるほどのものでもないが)があったりで、例年ほどは映画を観ることができなかった。邦画はあいかわらず小説や漫画の映像化に血道を上げていたが、インドや韓国などの映画輸出大国にひと頃の勢いが感じられないのは、コロナの影響を今も引きずっていると見るべきか。ハリウッドに関して言えば、MCUのメインストリームから離脱できたのは幸なのか不幸なのか。

2024年は米大統領選挙と兵庫県知事選で、いわゆるオールドメディアとSNSの対照性が際立った年だったと感じる。映画レビューについては、かなり以前から同様の事象が起きていて、今では一部のインフルエンサーと呼ばれるようなお歴々の方が、下手なプロのレビュワーよりも影響力を行使できているように見える(同じことは英語学習界隈にも言えるが、あの世界は狭すぎ、かつ浅すぎて話にならない)。

大切なことは、意見は意見であって、事実でもなんでもないということ、そして真実とは事実を自分なりに解釈した先に見えてくるものであると自覚することだ。ある作品が面白い、あるいはつまらないと感じたのであれば、その理由は大いに発信してよい。ただし自分と意見を異にする相手を否定してはならない。同じことは政治的な信条に関しても当てはまる。分断はしてもいい。ただし共存はせねばならない。映画に関しても色んな見方があっていい。ただしレビュワーがレビュワーを否定することは望ましくない。気に入らなければ無視するだけでよい。一部の界隈の不毛な論争は何も生み出していないと思う。

2024年最優秀海外映画
『 ソウルメイト 』

リメイクながらオリジナルを超える大傑作に仕上がった。キム・ダミはチョウ・ドンユイに勝るとも劣らない演技を見せた。生きることは生かすことという『 ルックバック 』同様の哲学を、まさにその生き様で証明するという凄絶な友情の物語。日本でもリメイクしてほしいという願望と、そのリメイクが駄作になってしまったら・・・という不安の両方を感じている。いずれにせ大傑作。シスターフッド映画のひとつの到達点と評したい。

 

次点
『 ブルーバック あの海を見ていた 』

犬と人間の絆というのは割とありふれているが、魚と人間の絆は相当に珍しい。そこに無類の映像美と人間ドラマ、そして社会的・環境問題的なメッセージが込められつつも、全体のバランスが整っているという傑作。

次々点

『 YOLO 百元の恋 』

こちらもリメイクながらオリジナル超えの傑作。監督兼主演のジア・リンの、力石徹も真っ青のまさに骨身を削る減量の様子が “Gonna Fly Now” と完璧にマッチしていた。青は藍より出でて藍より青し。中国映画の今後の躍進を予感させる逸品。

2024年最優秀国内映画

『 夜明けのすべて 』

現代社会が失いつつある「連帯」を描いた貴重な作品。同病相憐れむのではなく、同病相攻撃する=自己憐憫の度合いを競うような言説がSNSでよく見かけるが、そうした人々にこそ観てほしい作品。Even after the darkest nights, morning always comes.

次点

『 侍タイムスリッパ- 』

時代劇への愛情、さらに social misfits に対する温かく柔らかな眼差しに満ちた作品。生きることの意味を見失いがちな現代において、高坂新左衛門の生き様はそれ自体が強烈なメッセージになっている。太秦のスタッフが手弁当で撮影をアシストしてくれたという逸話があるが、それほど強烈な脚本で、その脚本の内容を適切に演出した監督、確かな演技で描き出した役者陣、そして裏方スタッフたちが一体で世に送り出した逸品。円盤化を待ち望むファンは数多い。

次々点

『 マリの話 』

こちらも低予算映画ながら、ホン・サンスの影響が色濃く反映された作品。ステージで監督自身が語っていた通りに、監督の願望や恋愛観や恋愛(失恋)体験も盛り込まれていて、陳腐ながらも非常に面白い。ロングのワンカットが多用されていて、まるで自分もその空間にいるかのように感じられたり、あるいは引きの視点から人物が小さく映され、二人っきりであることが強調されたりと、カメラワークも巧みで良かった。

2024年最優秀海外俳優

バンジャマン・ラベルネ

『 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 』でのラ・ボルドを、まさに血肉の通った人間として描出した演技を評価する。宮廷という、ある意味で魑魅魍魎が跋扈する伏魔殿に放り込まれた市井の女が生き残れたのは、王の寵愛以上にラ・ボルドの献身と奇妙な友情があったればこそ。

次点

ワン・イーボー

日本でも確実にマダムのファンを増やしつつある俊英。『 ボーン・トゥ・フライ 』と『 熱烈 』の両作品で、超が付くほどアクの濃いおっさんキャラと共演しながらも、自らのキャラをクールに演じきった点を評価する。

次々点

ラビ・キシャン

『 花嫁はどこへ? 』で小悪党的な警部補を怪演。アメリカの警察=汚職、韓国の警察=無能だが、インドの警察=汚職×有能という新しいイメージを創出したところがユニーク。

 

2024年最優秀国内俳優

山口馬木也

『 侍タイムスリッパ- 』で演じた高坂新左衛門というキャラクターの血肉化は素晴らしかった。武田鉄矢=金八先生、織部金次郎、西田敏行=浜崎伝助のような、代名詞とも言えるキャラクターを生み出せたのは、ひとえにそのシンクロ率ゆえ。今後、邦画における character study の代表として教材化されるに違いない。

次点

河合優実

『 あんのこと 』、『 ナミビアの砂漠 』での演技を評価する。薄幸の佳人のイメージが強く、本人もそうした役を好んで演じている点に好感を抱く。『 水は海に向かって流れる 』も、広瀬すずではなく河合優実で作り直してみてほしい。

次々点

内野聖陽

『 アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 』でキャリア最高ともいえる演技を披露した。抑圧された公務員の姿はサラリーマンにも通じる。2024年はオッサンのファンを増やした年になったのではないか。

2024年最優秀海外監督

キム・ソンス

韓国議会のねじれ、その延長線上にある(らしい)戒厳令の発令で再び注目を集めることになった『 ソウルの春 』の演出を高く評価したい。権謀術数オンパレードで全編息継ぎする間もなく進んでいく圧倒的なスピード感と、結末で訪れる言いようのない虚無感は演技、撮影、音楽・音響、編集などをすべて統括した監督の手腕に他ならない。

次点

竹内亮

濃密なドキュメンタリー『 劇場版 再会長江 』のクオリティを評価したい。中国という、ある意味でアメリカやインドにも劣らない他民族国家の源流に迫ろうという試みの雄大さには、残念ながら日本の映画界では比べられるものがない。

 

次々点

クリストファー・ノーラン

『 オッペンハイマー 』の映像美と、敢えて見せないことでオッペンハイマーの心情を物語る演出を評価する。



2024年最優秀国内監督

安田淳一

『 侍タイムスリッパ- 』のヒットと『 ごはん 』のロングランを評価。映画作りを一種の作業ではなく自己表現や自己実現と捉えている点も併せて評価したい。○○組などと称して、同じスタッフで流れ作業的に映画を作る監督たちとは一線を画したままでいてほしい。

次点

笠井千晶

元々世間では一定の耳目を集めていたが、『 拳と祈り -袴田巌の生涯- 』の製作と公開でもって袴田姉弟の苦闘と日本の警察・司法の問題点をあぶり出した功績は果てしなく大きい。自分の考えを極力画面に映し出さず、丹念に事実と関係者の証言を追っていくスタイルに徹したのも素晴らしい判断だった。

次々点

堀江貴

『 最後の乗客 』の切れ味を評価。プロットには陳腐な箇所が多いが、ストーリーは観る側の心を動かす力を確実に有していた。

2024年海外クソ映画オブ・ザ・イヤー

『 ゴジラxコング 新たなる帝国 』

アメリカに里子に出した息子が文字通りの意味でヤンキーになってしまった。ドハティからはゴジラに対する深い愛着とリスペクトが感じられたが、アダム・ウィンガードはゴジラを条件付きのフリー素材ぐらいにしか感じていないのではないか。

次点

『 トラップ 』

シャマランの作品というだけで観る側は否が応にも期待する。そして予測する。そうした予想をことごとく下回る展開の連続に、さすがに落胆させられてしまった。Is it about time for me to give up on Shyamalan? 

 

次々点

『 破墓 パミョ 』

相対評価ということで本作を選出。嫌悪の根底に恐怖があるのは理解できたが、さすがに「日本的なるもの」を色々と詰め込んでみましたというパッケージングは、韓国国内では通用しても国際的(特に日本)には通用しない。

2024年国内クソ映画オブ・ザ・イヤー

『 変な家 』

序盤はミステリ風ながら、推理がすべて的外れというか、どういう思考回路をしていればそんな論理展開ができるのかと慨嘆させられた。この脚本の出来栄えで企画にゴーサインが出るというのが一番のミステリーである。中盤以降の超展開は、もはや家の間取りが変だとかどうこうとは関係のない、あまりにシュールな狂騒曲。珍品としての価値は認められるが、それは言い換えれば反面教師的な作品にしかならないということである。

 

次点

『 みなに幸あれ 』

一位とデッドヒートを繰り広げたが、僅差でこの位置に。弱者を搾取して生きているという現代社会の構図を生々しく描きたかったのだろうが、横溝正史的な演出がことごとく空振りで、単なる笑えないギャグにしかなっていなかった。

次々点

『 六人の嘘つきな大学生 』

これまた原作小説を単なるフリー素材としてしか見ていないかのような皮相的な作品。ミステリ部分がミステリでも何でもないし、犯行の動機も幼児レベル。そしてリアルであるべき採用活動が茶番(なんでカメラがそのタイミングから回っているんですかねえ・・・)になっているなど、ツッコミどころ満載の珍品。大学の映画サークルが作ったと言われても納得できそうなクオリティだった。

2025年展望

2025年に関してはJovianのオールタイム・フェイバリットの『 オズの魔法使 』の正統的な前日譚『 ウィキッド ふたりの魔女 』が楽しみだ。劇団四季のミュージカルで鑑賞済みだが、映画がこれをどう料理してくるのか。邦画では『 フロントライン 』が、コロナの最前線で闘っていたのは男性がメインであるかのように描かれていることから大いに不安を煽ってくる。

 

生成系AIがますます進化して、物語、音響に音楽、画像に映像まで、個人でもある程度は作れてしまう時代になった。『 カランコエの花 』の中川駿監督の言う通りに「美意識」をしっかり持った人であれば誰でも映画監督になれる時代の到来である。実際、『 8番出口 』のパロディ動画や、各種の怪獣系の動画などが某プラットフォームに続々アップされている。ここから新しい才能が芽生えてくるのは間違いない。一方で『 JUNK HEAD 』の堀貴秀のような才能は出てこなくなるような懸念もある。

 

いずれにせよ2025年が良い年になることを願う。戦争はゲームや映画の中のコンテンツとしてだけ消費したい。

 

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『 はたらく細胞 』 -安易なお涙ちょうだい物語-

Posted on 2024年12月24日 by cool-jupiter

はたらく細胞 45点
2024年12月20日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:阿部サダヲ 芦田愛菜 永野芽郁 佐藤健
監督:武内英樹

 

かつて医療従事者を志した者として興味本位でチケット購入。

あらすじ

漆崎日胡(芦田愛菜)は、父の茂(阿部サダヲ)と2人暮らし。日胡の献身的な料理などにも関わらず、茂は不摂生を繰り返す。そんな茂の体内の細胞たちは労働環境の悪さに不平不満を募らせており・・・

ポジティブ・サイド

『 テルマエ・ロマエ 』や『 翔んで埼玉 』で見られた武内監督のコメディとパロディの卓越した感覚は本作でもいかんなく発揮されている。USJやディズニーランド的なキラキラな日胡の体内世界と、大阪の新世界をとことん薄暗くしたような茂の体内世界のコントラストが映える。コレステロールで閉塞した血管が昔の大阪の新世界あたりの薄暗い、チープな飲み屋街に重なって見えたところは笑えた。

 

白血球が繰り広げる各種のバトルや、キラーT細胞やNK細胞との働きの違いの描写もエンタメ作品としては十分に合格。赤血球が道に迷ったり、クッパー細胞に食われるところも笑える。

 

ある意味、一番の見どころは肛門の括約筋と便のせめぎ合い。トレーラーでもガッツリ映っていたのでネタバレでもなんでもないだろう。このシークエンスを下品と思うことなかれ。便意との戦いを経験したことのない人間などいないのだから。ここは大いに笑わせてもらった。

 

終盤のとある治療のシーンの映像表現には唸った。たしかに見方によっては cosmic ray に見えないこともない。着想としては素晴らしいと思う。

 

佐藤健が終始るろうに剣心のセルフ・パロディをしているのも楽しめた。

ネガティブ・サイド

色々と誤解を生みかねない、危うい表現があった。茂が便潜血陽性に対して「ただの痔だ」と返すが、その血が痔のみに由来するのか、それとも消化管からの出血を含むのか、それは詳しく検査しないと分からない。医学部志望の日胡ならそれぐらいの反論はできそうだがそれもなし。中年サラリーマンが便潜血陽性=痔だと勘違いしなければいいのだが。

 

新米赤血球と先輩赤血球のやりとりはユーモラスだったが、痔からの出血(?)と共に大便と運命を共にした赤血球の台詞には???だった。便の色はビリルビンの色で、ビリルビンの材料は分解された赤血球だ。「脾臓送りにされちまう」みたいな台詞も聞こえたが、赤血球は何をどうやっても最後はほとんど便と一緒に流される運命なのだ。

 

白血球が赤血球から酸素を受け取るシーンも、それが実際に体内で起きている反応だと受け取る人間もいるかもしれない。事実を大袈裟にカリカチュアライズするのは構わないが、事実ではないことをカリカチュアライズするのには細心の注意が必要だ。後述するが、本作の製作者はそのあたりを特に意識せず、取材や考証を綿密には行っていない。

 

好中球やキラーT細胞にヘルパーT細胞、NK細胞まで出てくるのに、ある意味で免疫の主役とも言えるB細胞が一切出てこなかったのは何故?B細胞の産生する「抗体」こそ、ワクチン接種を経験した多くの人々に最もなじみ深い生体防御能力ではないか。それとも、抗体=一種のミサイルという比喩を、別の物に使ってしまったために、B細胞の出番をすべてカットしたとでも言うのか。

 

ある治療後に患者が帽子をかぶっている。それはいい。ただ、特徴的な眉毛が全部残っているのには頭を抱えた。剃れとは言わん。メイクで何とかできるし、そうすべき。問題は、監督その他のスタッフがこの病気の患者に取材も何もしていないと感じられるところ。

 

最後にあまり言いたくはないが、邦画のダメなところが出てしまった。病気で死にそうになるとか、そういう安易なプロットはいらない。最初は「お、特発性血小板減少性紫斑病か?」と思ったが、まさか leukimia とは・・・ いや、別にそれならそれでいい、リアリティさえしっかりしていれば。そのリアリティがお粗末だったのは大きな減点材料。

 

総評

コロナ以降、免疫に関する一般の知識は確実に向上している。法改正以降、どこか緩んでいた人々の意識も、最近のインフルやコロナの流行で少し引き締まっているのではないか。そんな時期に封切りとなったのは配給側の周到な読みが当たったと言えるのかもしれない。観終わって自分の体内の細胞たちに思いを馳せるきっかけにするには良い映画。ただし、本作で描かれている内容が科学的・生物学的に概ね正しいとは決して受け取ってはならない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

neutrophil

ニュートロフィル、つまり好中球を指す。cinephile(発音はシネファイル)が映画好きを指すように中性を好むという意味である。白血球には他にも好酸球や好塩基球があるが、一般に感染症に対して働くのは好中球だと思っておいてよい。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 レッド・ワン 』
『 ライオン・キング:ムファサ 』
『 I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, コメディ, 佐藤健, 日本, 永野芽郁, 監督:武内英樹, 芦田愛菜, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画, 阿部サダヲLeave a Comment on 『 はたらく細胞 』 -安易なお涙ちょうだい物語-

『 アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 』 -内野聖陽のベストアクト-

Posted on 2024年12月12日 by cool-jupiter

アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 70点
2024年12月8日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:内野聖陽 岡田将生 小澤征悦
監督:上田慎一郎

 

『 カメラを止めるな! 』の上田慎一郎監督作品ということでチケット購入。

あらすじ

税務署員の熊沢(内野聖陽)は詐欺師の氷室(岡田将生)に大金をだまし取られてしまう。親友の刑事の手を借りて氷室を追っているところ、氷室の方から返金と協力の申し出が。熊沢の追っている巨額の脱税犯、橘(岡田征悦)からカネを詐取してやると言って・・・

ポジティブ・サイド

これは内野聖陽のキャリアの中でもベストの演技である。人情味を持った税務署員であり、若手の良き先輩・上席であり、良き夫、良き父であり、友情にも篤い男である。様々な顔を見せつつも、その奥底に秘めた芯の強さが感じられた。すまじきものは宮仕えとは言うが、公務員ながらも上司にくらいつく気概にはサラリーマンとしてしびれた。

 

地面師が世間をにぎわせたのはかなり前だが、そのニュースのインパクトは巨大だった。なので、本作を鑑賞する多くの層も積水ハウスの事件を念頭に置いて鑑賞したはず。つまり、詐欺師側を応援・・・とは言わないまでも、どのような手口で大企業=金持ちを騙すのか、興味津々だったことは間違いない。

 

実際にあの手この手で橘に近づき、旨そうな土地をちらつかせ、その取引の場をでっちあげる。その過程も真剣に、かつ面白おかしく描かれる。特に〇〇〇〇業者の男がポイントで、この男が無邪気に・・・おっと、これ以上はやめておこう。

 

多士済々の詐欺師軍団はさながら『 オーシャンズ11 』のようだが、上田慎一郎監督はここに自身の大好きな芝居の要素をふんだんに盛り込んだ。詐欺師軍団全員で役を演じるのだ。小道具大道具に衣装にエキストラ(友情出演)まで使って、ていねいに相手をはめていく。そのプロセスが小気味よくて楽しい。途中で冷や汗ものの展開もあるが、そこはお約束である。

 

公務員でもサラリーマンでもなんでもいい。組織の中でがんじがらめの人間が、アウトローと組んで勧善懲悪を果たす。そんな物語も時には一服の清涼剤である。

 

ネガティブ・サイド

ある程度、ミステリやクライム・ドラマを観ているなら、トリックもオチも早い段階ですべて読めるだろう。好意的に表現すればフェアだが、ニュートラルに表現させてもらえればチープである。今回のトリックはかなりチープだった。

 

岡田将生は『 ゴールド・ボーイ 』と演技がまったく一緒。特に笑い方。これはもうどうしようもないのか。ある意味、トム・クルーズが常にトム・クルーズを演じるように、岡田将生も常に岡田将生を演じることを目指すべきなのかもしれない。

 

とある秘密の遊興クラブにアングリースクワッドの面々が続々と入りこむが、ここはあまりに非現実的だった。客の素性はまだしも、こういう場所はスタッフの身元こそ何よりも重要なのではないか。あまりにも簡単に入り込めていたのが解せない。または詐欺的なトリックでなんとかしてしまうシーンを挿入しても良かったのではないか。



総評

『 スペシャルアクターズ 』とある意味で同工異曲の作品ながら、主人公の内野聖陽が多面性のあるキャラクターを好演して物語全体を力強く牽引した。ドンデン返しにきれいに騙されるも良し、ドンデン返しの伏線を見破るために目を凝らして鑑賞するも良し。デートムービーにもなるし、ファミリーでの鑑賞も可。しかし実は本作が一番刺さるデモグラフィックは『 トップガン マーヴェリック 』と同じく、仕事に疲れを感じることの多い中年男性なのかもしれない。内野聖陽に自己を投影する男性はきっと多いはず。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

evade

回避する、の意。日常生活ではあまり使わない。戦争ゲームだと “Incoming missile, evade!” =「ミサイル接近、回避せよ!」みたいに使われている。自民党のお歴々はパーティー券の売り上げを申告せず、収入を過少申告し、結果として evade taxes = 脱税をしていた。Many LDP lawmakers are accused of tax evasion connected to political fundraising events. =多くの自民党議員が政治資金パーティー関連の脱税で非難されている、のように使う。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 他人は地獄だ 』
『 対外秘 』
『 地獄でも大丈夫 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, クライムドラマ, 内野聖陽, 小澤征悦, 岡田将生, 日本, 監督:上田慎一郎, 配給会社:JR西日本コミュニケーションズ, 配給会社:ナカチカピクチャーズLeave a Comment on 『 アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 』 -内野聖陽のベストアクト-

『 ごはん 』 -米作りと親子の再生-

Posted on 2024年12月4日 by cool-jupiter

ごはん 75点
2024年12月1日 塚口サンサン劇場にて鑑賞
出演:沙倉ゆうの 源八 福本清三
監督:安田淳一

 

『 侍タイムスリッパ- 』の安田淳一監督が同作の沙倉ゆうのを主演に製作した2017年の作品。近所でトークイベント付きで上映されるということでチケット購入。

あらすじ

東京で派遣社員として働くヒカリ(沙倉ゆうの)は京都の叔母から父の訃報を受ける。葬儀のために故郷へ戻ったヒカリは父が30軒分の水田を引き受けていたことを知る。父の弟子、ゲンちゃん(源八)は足を骨折しており、他の面倒を見られる者は誰もおらず・・・

ポジティブ・サイド

米作りの苦労がリアルに伝わってくる作品。同時にその苦労がゲンちゃんというシリアスなコミックリリーフによって笑いに還元され、あるいは西山老人(演じるのは福本清三!)によって労わられることでドラマとしても深みを増している。特にゲンちゃんの気取った発言はどれもこれも笑える。対照的に西山老人の語る言葉はどれも深い。特に彼が開陳する歴史観は、しばしば列伝体で歴史が語られる本邦においては非常に貴重なものである。また「○○の扱いなら任せとけ」という台詞は一種のメタ発言にもなっていたのも面白かった。

 

一方で米作りを通して見えてくる景色も確かにある。特に日本の原風景は山、森、川、海だが、そこに田園を加えてもいいかもしれない。そう思わせるほど本作は田んぼの見せる美しさを活写していた。苗代に始まり、田んぼの稲、そして稲穂と姿を変えていく中で、力強い緑から黄金の輝きまで、季節とともに変わる稲の美しさをとことん追求していた。また音にも注目(注耳?)されたい。緑の稲が風にそよぐ音、出穂した稲が風にそよぐ音も非常に心地よい。その音を聞くだけで稲の色までが目にありありと浮かぶようである。まさにサウンドスケープである。

 

コメを作るには八十八の手間をかける必要があることからコメは米と書くと小学校で習ったが、本作はそうした手間についても一つひとつ丁寧に、しかし決して説明的にならずに解説してくれる。水の出し入れのタイミングやその量、狙いなどはまさに目からうろこだった。

 

故人の仕事を通じて亡き父の想いを知るというプロットはありふれている。しかし、その仕事が農作業だというのはユニーク。そしてヒカリ自身が稲穂を見つめる目線が、そのまま父が自分に注いでいた眼差しだったと知るという筋立ても、ベタベタではあるが美しい。

以下、上映後のトークイベントや今後の展開について

 

米作りは監督自身の経験が反映されているとのこと。そして、80代の農家の後を60代がなんとか継いでいるというのが日本の現状のようで、国が何とかしないと日本の米作りは滅びる恐れがあるとのこと。NHKの『 歴史探偵 』でも米作りの回があったが、農業、就中、米作りについて真剣に考える必要があるようだ。

 

『 侍タイムスリッパ- 』や本作は、まずは年明けから配信、その後に円盤化される方向で話が進んでいるとのこと。Blu rayになったら購入しようかな。

 

実は福本清三の奥様は、旦那の出演作が観たことがないらしく、本作の剛毅朴訥な農民の姿を観て「あれが本物の福本です」と語ったとのこと。『 ラスト サムライ 』のあれが実像に近いわけではなかったのね・・・

 

劇中でヒカリが絶妙なタイミングで吹き出すシーンがあるが、沙倉さん本人に「演技ですか、アドリブですか?」と尋ねたところ、演技だったとのこと。

 

安田監督に今後の展望を尋ねてみたところ「僕はいつか『 男はつらいよ 』(実際は『  フーテンの寅さん 』と言っていた)をリブートしたい」と語ってくれた。令和の時代にあんなキャラを復活させても大丈夫か?と思ったが、寅さんは昭和の時代でも(愛すべき)迷惑キャラだったわけで、キャラの芯さえしっかりしていてスポンサーもつけば、案外うまく行くアイデアかもしれない。

ネガティブ・サイド

稲作以外にも農業といえば重労働のイメージがある。サラリーマンのように一日8時間労働で年間休日124日などと決まっているわけではないからだ。というよりも農繁期と農閑期の差が激しいと考えるべきか。いずれにせよ世の大半のサラリーマンの労働とは大きく異なる。そのあたりのギャップに戸惑い、疲労するヒカリを描くという選択はなかったか。

 

もう一つ気になったのがBGMの多用。風にそよぐ稲の姿とその音だけで十分に映画なのに、なぜかそこにBGMがかぶせられていた。監督は色々と手直しをして、足すべきシーンは足して削るべきは削ったそうだが、絵だけではなく音を削ることも考慮してほしかった。Sometimes, less is more.

総評

Jovianが大昔に引っ越した先の岡山県備前市では三十数年前、小学校低学年が学校の行事として田植えをしていた(Jovianはしなかった)。今思えば、貴重な機会を逃したのかもしれない。米作りを通じて、日本の歴史、日本の原風景を体験できるし、本作を通じて親子の精神的な和解の物語を追体験できる。あちこちで散発的に上映しているようなので、機会があれば鑑賞してみてはどうだろうか。

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

straw hat

麦わら帽子の意。strawとは藁のこと。某漫画のキャラクターだったり、あるいは某歌手のマリーゴールドを思い出す人もいるだろう。Jovianも備前の祖母を思い浮かべると、麦わら帽子がセットで思い出される。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 他人は地獄だ 』
『 アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師 』
『 オン・ザ・ロード 〜不屈の男、金大中〜 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, ヒューマンドラマ, 日本, 沙倉ゆうの, 源八, 監督:安田淳一, 福本清三, 配給会社:未来映画社Leave a Comment on 『 ごはん 』 -米作りと親子の再生-

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