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『 ジュラシック・ワールド/復活の大地 』 -単なる過去作の焼き直し-

Posted on 2025年8月12日2025年8月12日 by cool-jupiter

ジュラシック・ワールド/復活の大地 20点
2025年8月10日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:スカーレット・ジョハンソン マハーシャラ・アリ
監督:ギャレス・エドワーズ

 

雨で駅まで行く気にならなかったため、徒歩圏内の劇場へ。昼は超絶混雑していたのでレイトショーを選択。

あらすじ

巨大製薬会社は冠状動脈疾患治療のR&Dのために陸海空の巨大恐竜の組織を必要としていた。その任にあたるのはゾーラ(スカーレット・ジョハンソン)は旧知の傭兵ダンカン(マハーシャラ・アリ)らと共に、赤道付近のとある島へと向かうが・・・

ポジティブ・サイド

映像は美しい。特にブロントサウルスの巨大さは圧倒的。『 ジュラシック・パーク 』を劇場で観た時に近い感覚を再体験できた。

 

とある恐竜の水泳シーンは斬新だった。

 

ジョン・ウィリアムズ作曲のテーマ曲が随所(一か所だけ納得はいかなかったものの)で聞けたのもよかった。

ネガティブ・サイド

前作のイナゴは結局どうなった?『 ジュラシック・パーク 』および初期三部作のメッセージだった “Life will find a way.” は残念ながら『 ジュラシック・ワールド 新たなる支配者 』と本作で完全に死んだのだと確認できた。恐竜(翼竜や海生爬虫類も含めて便宜的に総称させてもらう)が現代の環境に適応できず、赤道付近だけで細々と暮らしているとなると、雪山を元気に走り回っていたブルーとは何だったのか。

 

ギャレス・エドワーズが『 ジュラシック・パーク 』の大ファンであることは様々なオマージュから伝わってきた。発煙筒やら手やら、いろいろと懐かしいシーンが思い起こされたが、ある時点から食傷気味に。

 

また、この監督は自分のビジョンを別のキャラクターを借りて何度も再構築しようとする癖がある。巨大生物同士の愛情表現は『 モンスターズ/地球外生命体 』でこそ映えたが、『 GODZILLA ゴジラ 』では少しくどかった。本作に至っては既視感ばかりで感動がなかった(ビジュアル面だけはすごかったが)。

 

そもそも冠状動脈疾患を「治療」したいというのがいかにもアメリカ的。治療ではなく予防しろと言いたい。恐竜を研究対象にするのではなく、食習慣や運動習慣を見直せと言いたい。だいたい体が大きければ大きいほど心臓が大きくなり、心臓が大きければ大きいほど心筋が分厚くなる、ってアホかいな。脚本家は生物の循環器系の特徴を少しでも調べたのだろうか。循環の効率で言えば、大きな動物ほど心臓のサイズ比は小さくなる。犬の心臓が体重に占める割合とクジラの心臓が体重に占める割合を比較してみよ!

 

ゾーラもダンカンも恐竜など相手にしたことがないだろうに、やたら「自分たちは専門家」という態度を見せるのは何故なのか。また船内でかつての傭兵仲間や家族について語るシーンがあるが、ここで例のテーマ曲を流すのは何かが違うように思った。仲間を想うゾーラと、家族と仲間の両方を想うダンカンがそれぞれに漂流家族を守ろうとするのが、どこかちぐはぐに感じた。

 

その家族のパパも大海原に娘たちを連れ出すのもいいが、大自然および動物に対する最低限の教育はしておけと言いたい。野生動物にエサをやるな!野生動物を勝手に移動させるな!

 

生物学者のルーミスは Survival is a long shot. とご高説を垂れ流してくれるが、恐竜たち全般が捕食行動が下手すぎ。特にティラノサウルス。あんなに不器用にかみつき失敗を繰り返されると、ルーミスの演説が無意味に感じられた。またルーミスは人間の知性についても云々してくれたが、17年前にD-Rexを逃がした原因がアホみたいなゴミで、なおかつ施設の構造も人間本位ではなく恐竜本位に作られているというアホっぷり。これで人間の知性が云々と論じるのは無理がある。そのD-Rexも、人為的な変異が加えられている=必ずしも太古の環境でしか生きられない、という危険な存在であるにもかかわらず、駆除されず放置されているとはこれ如何に。

 

苦労して手に入れた恐竜の体液サンプルも全世界に公開するという。そんなことをしても、どこの研究者も受け取らないだろう。違法な手段で入手したこと間違いなしの材料で研究しようとするのはマッドサイエンティストぐらいで、マッドサイエンティストは『 ジュラシック・パーク 』でも『 ジュラシック・ワールド 』でも明確に否定された。スピルバーグやマイケル・クライトンは、何らかのアドバイスはしなかったのだろうか。

 

総評

言葉は悪いがゴミ作品である。頭を空っぽにして2時間をそれなりに楽しく過ごすことはできるかもしれないが、シリーズ、特に最初期の作品にリアルタイムに触れて感動した世代からすると、許しがたい内容だ。というか、ギャレス・エドワーズはまさにそういう世代のはずなのだが・・・ 客の入りはかなりよかったのでライトな層には響くのかもしれないが、シリーズの熱心なファンならスルー推奨である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

If you insist

直訳すれば「もしあなたが主張するなら」だが、実践的には「そこまで言うのなら」といったところ。『 トップガン 』のビーチバレーでグースがマーヴェリックに「もう1ゲームやろうぜ」と強く誘うシーンがある。マーヴェリックが受けるとすれば “If you insist, I’ll play only one more game.” のように言ったはず。飲み会で2軒目3軒目に誘われたなど、仕方ねえなあ的なニュアンスで折れる時に使おう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 桐島です 』
『 エレベーション 絶滅ライン 』
『 あの夏、僕たちが好きだったソナへ 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, E Rank, SF, アクション, アメリカ, スカーレット・ジョハンソン, マハーシャラ・アリ, 監督:ギャレス・エドワーズ, 配給会社:東宝東和

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