ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE 60点
2023年7月22日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:トム・クルーズ ヘイリー・アトウェル
監督:クリストファー・マッカリー
繁忙期のため、簡易レビュー。
あらすじ
ロシアの潜水艦が謎の事象により沈没。そこには恐るべき新技術の存在があった。イーサン・ハント(トム・クルーズ)はその技術を手にせんとする者との攻防を繰り広げることになるが、相手はハントがIMFに所属するきっかけを作った因縁の人物で・・・
ポジティブ・サイド
トム・クルーズが走ること、走ること。もはや恒例行事だが、この年齢でここまで出来るということを証明し続けるのは、それだけで尊敬に値する。クルーズがナルシストであるのは間違いないが、自己愛を証明し続けるのは誰にでもできることではない。
序盤の空港でのやりとりは、IT技術も交えた非常に現代的な攻防。さらにそこにエンティティ=人工知能の脅威を持ってくることで、緊迫感をさらにリアルなものにしている。
アクションも相変わらず豪華だが、変装や対話シーンも多く、IMFのエージェントらしい活躍をたくさん目にすることができた。特に孤立無援のはずなのにあれやこれやの物資を調達してくるルーサーに拍手。Guy in the chair でありながら漫画『 エリア88 』のマッコイ爺さんのようだ。Part Twoは間違いなくルーサーがエンティティを解析しているシーンから始まるはず。期待したい。
ハントの過去、就中、IMFのエージェントとなるきっかけを作った人物がヴィランということで、シリーズの総決算になりそうな予感。第一作以来の登場のキトリッジもそれを予感させる。
ネガティブ・サイド
トム・クルーズのエゴが色濃く反映されている気がする。序盤の砂漠のシーンとかは『 ザ・マミー/呪われた砂漠の王女 』のリベンジをしたかったのだろうか。終盤の列車シーンも同作の冒頭の飛行機内シーンとそっくりに見えた。そもそも列車の上で戦うのも『 ミッション:インポッシブル 』へのオマージュというか焼き直し。さらに黄色の小型車でのカーチェイスはさすがにやりすぎ。これなら『 インディ・ジョーンズと運命のダイヤル 』のモロッコのカーチェイスの方が楽しめた。
アクションは凄いことは凄いのだが、どれもこれもシリーズ過去作の焼き直しに見える。トレーラーで盛んに喧伝されていた崖からのダイブも『 ミッション:インポッシブル / フォールアウト 』のパリ上空の軍用機からのダイブに劣る。全体的にイーサン・ハントというキャラクターではなく、トム・クルーズの「これをやりたい」欲求が強く出すぎていると感じた。ここらへんがハリソン・フォードがインディ・ジョーンズを演じる時と、トム・クルーズがイーサン・ハントを演じる時の違いのように思う。
エンティティ(字幕では文字数の関係でそれと訳されている)の脅威が今ひとつ伝わってこないのも惜しい。ロシアの原潜を自滅させ、銀行や政府も容易にハッキングし、無線でベンジーに成りすますというのは確かに多芸だが、オリジナルかと言われればそうでもない。最近だと『 M3GAN / ミーガン 』、古典的なところだと『 2001年宇宙の旅 』がAIの反乱を描いている。本作だけでは、エンティティが世界破滅の序曲だと感じられない。Part Two のオチが『 エクス・マキナ 』にならないことを切に祈る。
総評
やや期待外れか。さすがいつものIMFメンバーも高齢化が激しい。ヘイリー・アトウェルの新加入は良いのだが、『 M:I-2 』のナイアとキャラがかぶっていると感じるのは自分だけか。Part Two が(『 ローン・ガンメン 』+『 ボーン・アルティメイタム 』)÷2にならないことを祈る。
Jovian先生のワンポイント英会話レッスン
state-of-the-art
芸術作品状態の、転じて「最新型の」、「最新鋭の」の意。
In the movie “Top Gun Maverick”, Maverick flew an F-14 and shot down two state-of-the-art SU-57s, which I believe is a feat that nobody can pull.
のような感じで使う。コロナ禍で日本の企業の多くがMS TeamsやZoomといった state-of-the-art technology をなかなか使いこなせなかったのは多くの人の記憶に新しいはず。
次に劇場鑑賞したい映画
『 キングダム 運命の炎 』
『 イノセンツ 』
『 658km、陽子の旅 』