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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 木村文乃

『 ザ・ファブル 殺さない殺し屋 』 -殺すシーンも出てくるよ-

Posted on 2021年7月2日 by cool-jupiter

ザ・ファブル 殺さない殺し屋 65点
2021年6月26日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:岡田准一 木村文乃 堤真一 平手友梨奈
監督:江口カン

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岡田准一ファンのJovianは『 Arc アーク 』よりも、こちらのチケットを購入。平日の仕事量がめちゃくちゃであったため、週末は頭を空っぽにして楽しめるアクション映画を優先。

 

あらすじ

殺し稼業を休業中のファブルは、車椅子の少女、ヒナコ(平手友梨奈)と邂逅する。それはファブルがかつて救えなかった少女だった。だが、ヒナコの背後では、かつてファブルと遺恨のある裏稼業の男、宇津帆(堤真一)が暗躍していた・・・

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ポジティブ・サイド

トレーラーで散々流れていたカーアクションのシーンはクライマックスではなく冒頭だった。これは嬉しい不意打ち。さらにその前には、殺しをやめたはずのファブルが次々に悪党と思しき男どもを殺していくシーンも。これが結構陰惨なシーンで、前作『 ザ・ファブル 』のオープニングは華麗な殺しのオンパレードだったが、今作は血生臭さを感じさせる始まり。期待が高まる。

 

岡田准一のハッピーな笑いに渾身のギャグシーンも微笑ましい。ひらパー兄さんとして数々のネタポスターを枚方市駅周辺で目にするが、そうした岡田のイメージを持っていれば、微妙にすべっているように見えるシーンが、楽しく感じられるようになるはず。

 

アクションシーンの大半はスタント・ダブルだろうが、それでも岡田准一はファブルという役を自分のものにしている。安藤政信との対峙シーンでは貫目の違いを見せつけた。fight choreographerを務めたと言うが、なかなかの創造性。途中で激戦を繰り広げた手練れの相手(プロ格闘家のようだ)との近接格闘戦は『 AVA/エヴァ 』とは比べ物にならない迫力と緊迫感だった。このファブル、荒唐無稽であるが是非とも『 図書館戦争 』の堂上と戦わせてみたい。

 

堤真一の悪役も堂に入っている。血の味に飢えていることとchild predatorであることを同時に見せる演出にはゾッとした。原作漫画でもこうなのか?『 砕け散るところを見せてあげる 』とはまた一味違う悪役。『 39 刑法第三十九条 』を再鑑賞してみるかな、

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ネガティブ・サイド

『 さんかく窓の外側は夜 』でへっぽこだった平手友梨奈は今作では少しマシになった。それでも車椅子の扱い方などがまだまだ下手。2週間ぐらい、車椅子生活を実際に送ってみたりしたのだろうか。また平手その人の落ち度ではないが、足がふっくらしすぎ。骨折したことのある人ならわかると思うが、ちょっと歩かない、動かさないだけで脚の筋肉はびっくりするほど衰えていく。こういう場面こそCGで細い足に見せてしまって良い。

 

最後の「クララが立った!」的なシーンからは冗長に過ぎる。観る者を感動させたいのだろうが、その意図があまりにも透けて見えるような演出はマイナスでしかない。

 

山本美月の中途半端な見せ方にがっかり。貝沼を説得力ある形で退場させるなら、見せるべきものを見せるべきではないか。

 

佐藤二朗のキャラが前作よりもさらに暴走。『 ヲタクに恋は難しい 』の時もそうだが、この役者はちゃんと手綱を締めないと悪ふざけに走る。演技とネタの区別がつかなくなる。「ここはお任せで」ではなく、『 宮本から君へ 』のように、監督がしっかりと演技指導しなければいけない。

 

総評

アクションの派手さはアップしているが、着地で失敗した感じ。悪役は良い感じだが、ファブル側のキャラが深堀されていない。総合的には前作『 ザ・ファブル 』と同程度の面白さか。岡田准一ファンなら見逃す手はない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

picture

「イメージしろ」というセリフの私訳。意外に思われるかもしれないが、日本語で言うところの「イメージする」は imagine よりも picture という動詞の方がふさわしい。Just picture this, blood runs through your veins. または Blood runs through your veins, just picture that. のように文頭か文末に置くことが多い気がする。 

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, アクション, 堤真一, 岡田准一, 平手友梨奈, 日本, 木村文乃, 監督:江口カン, 配給会社:松竹Leave a Comment on 『 ザ・ファブル 殺さない殺し屋 』 -殺すシーンも出てくるよ-

『 BLUE ブルー 』 -生涯一ボクサー-

Posted on 2021年4月19日 by cool-jupiter

BLUE ブルー 70点
2021年4月17日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:松山ケンイチ 東出昌大 木村文乃 柄本時生
監督:吉田恵輔

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『 銀の匙 Silver Spoon 』の吉田恵輔が監督および脚本も務めた作品。『 アンダードッグ 』と同じく、ボクサーの影の部分を直視している点に好感が持てる。Jovianはボクシングは多分1000試合ぐらい観ているが、吉田監督も結構なボクシング通なのではないかと感じた。生涯一書生をもじって生涯一捕手と言ったのは故・野村克也だが、生涯一ボクサーという生き方があってもよいだろう。

 

あらすじ

瓜田(松山ケンイチ)はボクシングへの愛情と情熱は人一倍だが、負けてばかりのプロボクサー。後輩の小川(東出昌大)は日本タイトルマッチを射程に入れ、小川の女友達の千佳(木村文乃)とも結婚を視野に入れた交際をしていた。そんな時、ボクシングをやってる感を出したいという楢崎(柄本時生)がジムに入門をしてきて・・・

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ポジティブ・サイド

松山ケンイチの役への没入感が素晴らしい。ボクシングジムにはこういう人が結構な確率でいる。ボクシングはマイナー過ぎて例えば難しいが、元楽天監督の平石洋介タイプとでも言おうか、選手としてはイマイチでも野球への情熱や競技を勉強する心、同門の仲間とのコミュニケーション能力がずば抜けて高いタイプと言えば伝わるだろうか。縁の下の力持ちで、ジムの風景に溶け込んでいる。いても気が付かないが、いなくなると気が付くタイプ。こういうボクサーはちらほらとだが確実に存在している。日本の9割のボクシングジムの経営は、昼間にやってくるボクササイズのおばちゃんたちによって支えられているが、そんなおばちゃん連中を邪険に扱う会長も、あの年代ならリアルに存在している。なんだかんだでこのジムが成り立っているのは瓜田のおかげなんだなということが理解できる。

 

では、なぜそんな好青年の瓜田がボクシングを始めたのか?そして、負け数ばかりを積み重ねながらもボクシングを続けているのか?その事情が紐解かれていく過程は、心温まる友情物語でもありながら、人間の心のダークサイドが垣間見える展開でもある。このあたりが本作を単なるスポコン友情物語ではなく、リアルな人間ドラマにしている要因である。松山ケンイチの演技力のなせる業である。

 

ボクシングシーンもかなり研究されているなという印象。ボクシング映画における試合のシーンは、どれもこれも現実なら即TKOになっている、あるいはタオルが投入されるような描写が多い。本作も例外ではない。では、どこに感銘を受けたかというと、瓜田と小川の二人だけの作戦会議および練習シーン。瓜田がアッパーを推奨する中で、小川は左フックを提案する。この左フックはおそらくモリソンvsラドックでのモリソンの左フックのパクリ、または井上vsマロニーでの井上の左フックのパクリだろう(ここでいうパクリとは、そこから多大なるインスピレーションを得たものという意味である)。吉田監督がボクシング通であると断言できる根拠がここにある。興味のある向きはYouTubeなどで検索されたし。

 

この二人プラス千佳だけでも成立するストーリーに、柄本演じる楢崎が入ってくること瓜田という男の光と影の部分がより鮮明になっている。ボクシングはある程度練習すると本当に強くなれるし、本当に強くなったと実感すると、もうやめるにやめられないものだ。ヘタレの楢崎がだんだんと強さを手に入れていくサブプロットは、そのまま瓜田が過去にたどった道だと思えるし、楢崎が味わった試合の充実感は、それこそ瓜田が味わった充実感と同じものだったはずだ。ボクサーという生き物は、栄光も金も勝利も求める生き物だ。けれど本当に求めているのは完全燃焼すること。『 あしたのジョー 』風に言えば、真っ白に燃え尽きることだ。楢崎の充実の表情からはそれが如実に伝わってきたし、敗戦後に部屋でひとりコンビニ弁当をほうばる瓜田からは、燃え尽きることができなかった自分への悔恨の念が溢れていた。このコントラストの鮮やかさよ。

 

主人公が栄に浴さないタイプのボクシング映画としては、近年の邦画では『 アンダードッグ 』と双璧である。生きる意味、自分が何者で何をすべきかが問い直されつつある時代だからこそ、多くの映画ファンに見てもらいたいと思う。

 

ネガティブ・サイド

ボクサーはどうしても脳へのダメージが避けられないが、小川にパンチドランカー症状を出すのが性急に過ぎたと思う。日常生活でも仕事でもあれだけ小さなミスやら物忘れを繰り返していて、ジムで会長その他のトレーナーやボクサーが気が付かないというのは腑に落ちない。もしくは、瓜田がジムで小川の異変に気づいていながら、あえてそれに目をつぶるなどの描写があれば良かったのだが。

 

劇中のとある試合でのレフェリーが介入してくるタイミング、およびドクターストップの方法が荒唐無稽であった。あれだけ猛ラッシュをかけていて、そこでドクターチェックを入れるレフェリーなど見たことがないし(レフェリー役に福地使うのはやめようぜ、邦画界よ)、傷を見た瞬間に試合を止めるドクターというのも一度しか見たことがない。その一度も、まぶたが深く切れすぎて眼球が一部だけだが露出してしまっているケースだった。普通はタオルやら何やらでいったん止血して、それでも血が止まらない場合や、またはふさがっている方の目が見えているかどうかをチェックしてからストップの判断をするものだ。よくできたボクシング物語なのにここだけ急に非現実的だった。

 

後はリング禍の描写かな。急性硬膜下血腫だと思うが、プロボクサー未満の二人をスパーリングさせるのに、トレーナーやら会長がまともに注意を払っていないのは、ボクシング関係者が見たら、頭を抱えることだろう。普通、あれだけきれいに顔面に入ったり、あごがきれいにポーンと跳ね上がったら、そこでスパーは絶対に中止だろう。楢崎の因果にリング禍は不要。マウスピースをつけずになめてかかってきた相手の前歯を折るぐらいで良かったのでは?

 

総評

いつの頃からか世の中は勝ち組と負け組に分断されるようになってしまった。経済的な成功や人間関係の充実=勝ち組とされがちな世の中に「それだけが答えではない」と言い放つ作品の登場を心から歓迎したい。ボクシングを知っている人も知らない人も、自分が何をすべきか知っている人も知らない人も、本作からは必ずなにかしらのインスピレーションを得られることだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

retire

引退する、の意。引退させる、という他動詞で使われることもある。ボクサーの多くは引退を余儀なくされる。自分から引退できるボクサーは果報者である。ただし、現役復帰(=unretire)する選手が多いのもボクシングの特徴と言える。元プロ野球&MLB選手だった新庄剛志がトライアウトを受ける前にも英語メディアでは unretire が使われていた。

 

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