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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 青木柚

『 まなみ100% 』 -単純一途な男の恋心-

Posted on 2023年10月10日2023年10月10日 by cool-jupiter

まなみ100% 65点
2023年10月8日 シネ・リーブル梅田にて鑑賞
出演:青木柚 中村守里 
監督:川北ゆめき

 

世間は三連休でもJovianは仕事であった。ゆえに簡易レビュー。

あらすじ

バク転ができれば女の子にモテると思ったボク(青木柚)は、高校で器械体操部に入部する。そこで出会ったまなみ(中村守里)に恋をしたボクは、ことあるごとにまなみちゃんに求婚するのだが・・・

 

ポジティブ・サイド

アホな高校生がアホな浪人生になりアホな大学生になりアホな社会人になる。その間、ボクは様々な女性遍歴を重ねていく。もうこの時点で凡百の邦画とは一線を画している。まなみちゃんがずっと心にありながら、他の女を平気で口説き、抱いていく。実にリアルだ。事実、どれだけの人間が中学高校の頃のような純粋な恋心に忠実なままでいられようか。本作はそういう意味では『 僕の好きな女の子 』や『 神回 』とは真逆に見えて、実は同じ系列に連なる作品なのである。

 

青木柚は『 終末の探偵 』の時と同じく、どこにでもいそうな少年~青年を好演。特徴のない顔立ちのおかげで、純粋に演技力でキャラを立たせることができている。Jovianも小学生の頃だけ器械体操をやっていたが、バク転はできなかったな。飛び込み前転とかはやっていたけど。

 

ヒロインのまなみも、クラスで2番目ぐらいに可愛いと感じられるところがリアル。『 アルプススタンドのはしの方 』のメガネっ子が、器械体操選手に化けるのだから、まさに女優という感じ。ルックスだけで同じような役ばかり演じて、それでいて全然上達しない女優も多い中、中村守里は本物の女優の卵という印象を受ける。

 

大好きな女の子との距離感に悩む男性、あるいはその逆でもいい。大好きな男との距離感に悩む女性が観ても楽しめるはず。夢見る少年でいられるのは幸せなこと。けれど青春の終わりを自覚できるのは、もっと幸せなことだと思う。

 

ネガティブ・サイド

ボクの高校の時のガールフレンド(菊地姫奈)と大学の時の彼女?セフレ?(宮崎優)と社会人になってからの彼女?セフレ?(新谷姫加)の顔の系統が似すぎている。全員を同系統の顔にするなら、まなみ系の顔にできなかったのだろうか。『 町田くんの世界 』の日比美思とか、『 交換ウソ日記 』の茅島みずきとか、色々候補はいたはずだ。もしくは、全員違う系統の顔にするとか。俺が年とって、若い子の顔の区別ができないだけ?いや、そんなはずはない(一応、教え子の大学生たちの顔の見分けはつく)。

 

ボクが作る映画の中身をもっと知りたかった。どう見ても監督自身の体験を映画にした本作をさらに映画にするという入れ子構造なのだから、それによってあまり見えてこないボクの内面を逆に一気にそこに吐き出すという作りにはできなかったのだろうか。夜の校舎でホラーっぽい絵面も悪くはないが、ボクの内面に迫る映像世界を見たかった。

 

総評

劇場の入りはまあまあ。客層も10代後半ぐらいから結構な中年層まで幅広くいた。映画監督は自分の中の語りたいという衝動や欲求を美意識をもって作品に反映させるものだと思うが、本作は衝動や欲求を映画に吐き出したい、この想いを昇華させたいという川北ゆめき監督の思いが画面に溢れている。私小説を読むつもりでチケットを購入するとよい。壮大なドラマを期待するとガッカリするかもしれないので、ちょっとユニークな小市民の青春物語だと思って鑑賞のこと。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Will you marry me?

『 ちょっと思い出しただけ 』と『 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 』でも紹介した表現。普通は falling tone で言うのだが、今作でのボクの求婚はどれも rising tone であるように感じた。本気度が感じられないのだ。英語話者に本気でプロポーズするなら、下がり調子で言うこと!!!

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 オクス駅お化け 』
『 リゾート・バイト 』
『 沈黙の艦隊 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, ラブロマンス, 中村守里, 日本, 監督:川北ゆめき, 配給会社:SPOTTED PRODUCTIONS, 青木柚Leave a Comment on 『 まなみ100% 』 -単純一途な男の恋心-

『 神回 』 -男の習性を捉えた逸品-

Posted on 2023年9月1日 by cool-jupiter

神回 75点
2023年8月27日 塚口サンサン劇場にて鑑賞
出演:青木柚 坂ノ上茜
監督:中村貴一朗

 

『 MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 』、『 リバー、流れないでよ 』に続く邦画のタイムループもの。本作もなかなかの秀作だった。

あらすじ

沖芝樹(青木柚)と加藤恵那(坂ノ上茜)は夏休みの教室で文化祭の出し物についての打ち合わせを始める。しかし樹は突如意識を失ってしまう。気が付くと目の前には恵那の姿。そして彼女は打ち合わせを始める前と寸分たがわぬ言動を見せる。樹はまたも意識を失い、気が付くと時が打ち合わせ直前に戻っていた。このタイムループを抜け出すために樹はあらゆる手段を講じるが・・・

以下、多少のネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

 

鑑賞直後、Jovian妻は「何これ、キモイ」という端的にも程がある感想を述べてくれた。その通り、本作はキモイ。グロ描写やゴア描写がドギツイわけではない(流血や暴力シーンはほんのちょっとある)。男の子側にも女の子側に性的な描写があるが、はっきり映ったり、あるいは思いっきり触っていたりするわけではないので、そこは安心してほしい。

ここでいうキモさとはずばり、男のとある習性のこと。

 

『 アンダー・ユア・ベッド 』

『 レミニセンス 』

 

このあたりの作品に

 

世にも奇妙な物語の『 バーチャル・リアリティ 』

 

のプロットを足して、それを青春映画っぽく仕立て上げたのが本作だ。というとずいぶんと安っぽく聞こえてしまうが、実際はさにあらず。まず本作は青春映画ではない。ジャンル分けするのは難しいが、敢えて言えばファンタジーだろうか。

 

主役の樹は『 よだかの片想い 』でアイコのゼミ仲間や『 終末の探偵 』のボランティア少年などで印象的だった青木柚。まったく特徴のない顔つきながら、出演作では必ず一定以上のインパクトを残している。故障したテレビを買い替えたら、彼のその他の出演作もチェックしてみたい。

 

ヒロインの恵那を演じた坂ノ上茜は『 きみの瞳が問いかけている 』の明香里の店のスタッフを演じていた。登場時間は多くなかったが、パッと見た瞬間に「あ、見たことある」と感じさせるぐらいには印象に残っていた。

 

この若い二人の織り成す無限にも思えるタイムループものが、何故に青春映画ではないのか。それは、女性が率直にキモイと感じてしまう男の習性によるものだ。ある程度年齢のいった男性(10代や20代はダメ、できれば不惑過ぎ)なら、分かるはず。『 僕の好きな女の子 』を楽しめた、あるいは某魔法使いシリーズの某キャラに激しく共感できるようならさらに良し。

ネガティブ・サイド

一番最初のショットは不要。学校の校門をくぐる描写すら不要だったかも。

 

最後、何故に教室は暗くなった?

 

謎解きパートというか、ネタ晴らしパートはもっと短くていい。全体を75分から80分でまとめられれば、それこそ神映画になれたかもしれない。

総評

男のアホな習性だけで一つの物語として成立させた力業はたいしたもの。男には忘れられない夜や忘れられない瞬間、忘れられない匂いや感触というものがある。Jovian妻を含め、女性全般はそれをキモイと感じるわけだが、それが男の性(さが)なのだからしゃーない。むしろ男の内面のダークサイドや鬱ルートを真っ向から描写し、ハッピーエンドを潔く否定した中村貴一朗監督の作劇術に満腔の敬意を表したいと思う。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

You with me?

劇中で何度も何度も聞こえてくる「聞いてる?」の私訳。会話ではこうした時、Are you listening to me? とは普通は言わずに、Are you with me? または You with me? と言う。『 トップガン マーヴェリック 』でも、出撃前に一瞬上の空になっていたマーヴェリックに向かってホンドーが “Hey, you with me?” と言っていた。 

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 福田村事件 』
『 ヴァチカンのエクソシスト 』
『 MEG ザ・モンスターズ2 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, ファンタジー, ラブロマンス, 坂ノ上茜, 日本, 監督:中村貴一朗, 配給:東映ビデオ, 青木柚Leave a Comment on 『 神回 』 -男の習性を捉えた逸品-

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