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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 監督:大友啓史

『 るろうに剣心 最終章 The Beginning 』 -コスプレ大会からの脱却-

Posted on 2021年6月10日 by cool-jupiter

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るろうに剣心 最終章 The Beginning 65点
2021年6月6日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:佐藤健 有村架純
監督:大友啓史

 

シリーズ完結作品。最高傑作との呼び声が高いが、それは見方によるか。なぜ『 るろうに剣心 最終章 The Final 』が先で、こちらが後だったのか疑問だったが、本作を鑑賞して納得することができた。

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あらすじ

時は幕末。長州志士たちは江戸幕府の打倒を目指して京都に集結していた。その中で緋村抜刀斎(佐藤健)は幕府の要人の暗殺を担っていた。しかし、幕府も尊王攘夷派を抑え込むために新選組を組織し、両者の構想は激化。その最中、抜刀斎は謎の女性、巴(有村架純)に幕府側の暗殺者を切り殺す現場を目撃されて・・・

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ポジティブ・サイド

開幕から圧巻の殺陣、というか殺戮が展開される。今作では剣心ではなく抜刀斎であるため、不殺の誓いはない。つまり、殺しまくる。若き抜刀斎自身、マイク・タイソンもかくやという耳噛み攻撃を繰り出すなど、狂気十分。『 るろうに剣心 京都大火編 』の新月村でのソードアクションも迫力満点だったが、あちらは逆刃刀による不殺のアクション。BGMに合わせて左右からボコボコする映画的演出が満載だった。一方の本作の冒頭は、そうした演出は極力省き、ダークな幕末の雰囲気をそのまま再現しようと試みている。事実、照明は限りなく抑えられており、巴が剣心を街に連れ出すシーン以外はほとんどすべて薄暗いシーン。二人が農家で暮らすシーンにも、光あふれる演出はない。

 

そうした世界観はキャラクターの造形や人物像にも徹底されている。たとえば、相楽左之助という名脇役がいたことで、命のやり取りであるはずの真剣勝負でも、彼の戦いだけはどこかに必ず笑える演出が盛り込まれていた。本作にはそうしたコミック・リリーフは一切出てこない。漫画原作の追想編の空気を見事に再現できていたように感じる。

 

佐藤健もよく節制している。撮影時は29か30歳ぐらいか?体力的にも肌つやの面でも少しずつ衰えが始まる頃だが、そこをうまく遅らせているという印象。素晴らしい。チャンバラも魅せる。特に、原作では斎藤一に出番を奪われてしまった某キャラとの一騎打ちは素晴らしいファンサービスだった。

 

剣心と巴のロマンス(当時の言い方にすれば野合)の過程の描き方も説得力があった。恋愛という言葉も概念も行動も、日本では近代以降のフィクション。そうした背景を理解して鑑賞するなら、巴と清里の関係、剣心と巴の関係、その悲劇的な末路にも十分に共感ができるはず。幸せという形がすでにあり、それを所与のものとして受け取る江戸時代(末期も末期だが)に、幸せという形を一から自分の力で見出そうとしていく剣心に新しい時代の風を感じられた。

 

闇乃武との戦いで巴を斬り殺してしまうシーンにしんしんと降る雪。血の赤と雪の白のコントラストが美しかった。このシーンを際立たせるために全編を暗めに撮影していたのか。幕末の暗殺者から鳥羽伏見の戦いでの遊撃剣士に、そこから『 るろうに剣心 』冒頭へとつながる流れは見応えがあった。

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ネガティブ・サイド

有村架純の演技は素晴らしかったが、やはり漫画原作の巴の痩身長躯のクールビューティーというビジュアルは体現できていなかった。単純に身長や体形でキャスティングするわけにはいかないが、それでも新木優子や水原希子といった女優が巴を演じていればどうなっていただろうか。また剣心と巴の初夜(とは少し違うが)もなんだかなあ、である。有村架純は『 ナラタージュ 』で濡れ場は演じているわけで、せめて漫画本編にあったような裸から着物を身に着けていく巴・・・というシーンを演じるべきだった。これまでの武井咲=薫では出せなかった味を、有村架純=巴は出すべきだった。

 

漫画で剣心は「一番隊、二番隊、三番隊の組長は文句なしに強かった」と語っていたが、シリーズを通じて(まともな形で)戦ってくれた組長は一人だけとはこれいかに。また、これはごく個人的な要望だが、若いころの鵜堂刃衛も出してほしかったし、志々雄にもカメオ出演してほしかった。

 

闇乃武だけコスプレ臭がしたが、それ以上に徳川の世うんたらかんたらの長広舌が耳障りだった。単なる偶然だろうが、度重なる緊急事態宣言で公開延期の苦渋を何度も味わわされた自民党政治と徳川政治には共通点が多いため、余計にうるさく聞こえてしまった。

 

総評

一作目から戌亥番神が登場したりと、大友啓史監督が脚本執筆段階で全体的な構想を持っていなかったことは明らか。FinalとBeginningは先行する作品と毛色が違うが、特にこのBeginningは異彩を放っている。漫画原作にそれなりに忠実でありながら漫画色が感じられない。シリーズ全体を通じて本作を鑑賞するのと、本作はスピンオフと割り切って鑑賞するのでは、全く異なる感想になると思われる。漫画的な爽快痛快アクションを求めているなら、Final鑑賞で終わってもいいかもしれない。鑑賞するならスピンオフと割り切って観るべし。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

traitor


「裏切り者」の意。幕末に限らず、動乱の時代=謀略の時代である。必然的に裏切り者も多く出てくる。長州側の裏切り者が本作の一つの焦点だが、幕府側にも裏切り者はいたはず。さもなければ、抜刀斎があれだけの数の幕府の要人を暗殺できたはずがない。内通者は必要悪であろう。『 スター・ウォーズ エピソード7/フォースの覚醒 』でカイロ・レンがフィンに対して”Traitor!”と怒鳴るシーンは格好の使用例である。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, C Rank, アクション, 佐藤健, 日本, 有村架純, 監督:大友啓史, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 るろうに剣心 最終章 The Beginning 』 -コスプレ大会からの脱却-

『 るろうに剣心 最終章 The Final 』 -原作にもう少しリスペクトを-

Posted on 2021年4月29日 by cool-jupiter

るろうに剣心 最終章The Final 50点
2021年4月24日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:佐藤健 武井咲 新田真剣佑
監督:大友啓史

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コロナで延期が1年延びた作品。過去作を劇場で再公開するという最高のマーケティングで売り出したところで、緊急事態宣言。なんとか公開二日目に鑑賞はしたものの、色々と疑問に思う構成だった。

 

あらすじ

志々雄真実の討伐から2年。平和を謳歌する剣心(佐藤健)や薫(武井咲)に人誅の時が迫る。剣心の義理の弟・雪代縁(新田真剣佑)が、剣心への復讐のために東京に迫ってきていた。剣心は縁を止めるために最後の戦いに挑むが・・・

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ポジティブ・サイド

コスプレ大会は続く。佐藤健も武井咲も前作から変わらぬビジュアルを維持し、江口洋介もかなり老化に抵抗している。左之助役の青木崇高も若々しさを保っているのは見事。弥彦が思ったより大きくなっておらず、しかし確実に背丈が伸び顔つきから幼さもなくなった。変わらぬキャラクター達と確実に流れゆく時が、冒頭で西洋風の結婚をしたカップルを眺める皆の姿から見て取れた。

 

伊勢谷友介の回転剣舞六連や土屋太鳳の回し蹴りなど、アクションのクオリティは高い。度肝を抜かれたのは、縁と左之助の肉弾戦。これまでの左之助の戦いは、戌亥番神や悠久山安慈など、強敵ながらどこかコミカルな相手だった。しかし、縁にひたすらボコられる左之助は、これまでになく痛々しい。元々打たれ強さを身上とするキャラだったが、今回のやられっぷりは観ているだけでこちらまで痛くなってきた。青木崇高の熱演に脱帽。

 

剣心と縁のバトル。BGMのない剣戟。今シリーズで間違いなく初めての演出。これを待っていた。『 アジョシ 』のテシクとラム・ロワンのナイフバトルを彷彿させた。剣と剣が打ち合う音だけが響く戦いは、剣心と縁の対話になっていた。原作漫画での左之助の評価通り、縁が志々雄以上だとは感じられなかった。しかし、剣心を倒さんとする執念は倭刀の音から十分に伝わってきた。新田真剣佑はもともと『 OVER DRIVE 』でかなりの筋肉を見せつけていたが、今作では運動能力の高さも披露した。佐藤と並んで、アクションのできる俳優が二人そろうことで、前作の志々雄と剣心の決闘に勝るとも劣らないバトルが繰り広げられた。両俳優に拍手。

 

ネガティブ・サイド

大友啓史監督はもう少し原作をリスペクトすべき。漫画と映画は異なる媒体で、だからこそ表現できるもの、表現すべきものが異なる。それは当然のこと。本シリーズはキャラクターの再現度を優先して世界観を構築してきており、そのアプローチ自体は否定しない。けれど絶対に守るべき世界観もある。刀が飛び道具や銃火器に優るという世界観だ。四乃森蒼紫をどこまで不遇に扱えば気が済むのか。

 

蒼紫だけではなく刀狩りの張まで・・・ 原作では味のあるキャラクターだったはずが、どうしてこうなった。前々作では十本刀の中では最も優遇されていたはずが、本作では原作と大きく異なる悪党、なおかつ雑魚になりさがってしまった。縁の強さを観る側に印象付けるためのかませ犬的なポジションとしては確かにうってつけかもしれないが、だったら一瞬でもいいので戦闘シーンを見せるべき。または倭刀についての蘊蓄を語らせるべきだろう。

 

最も不遇なのは弥彦だろうか。鯨波兵庫を原作漫画並みに大暴れさせておきながら(屋根の下から撃っているはずなのに、瓦屋根の上に俯角で銃弾が当たっていたが・・・?)、結局は剣心が倒してしまうという安易なストーリー展開はどうなのか。前作でも十本刀相手に見せ場を奪われた弥彦だが、今作でも成長は見せられず。いや、成長させてもらえず。何度でも言うが、漫画『 るろうに剣心 』は、幕末から明治という時代の移り変わりの物語であり、旧時代の人間が新時代の人間にバトンを渡していくという、ある意味では弥彦のビルドゥングスロマンなのだ。製作者たちはそこを読み違えていないか。あるいは、そこをあまりにも軽視していないか。弥彦は『 るろうに剣心 最終章 The Beginning 』の回想には出番はないわけで、これをもって弥彦の物語が終わりにしてしまうというこの映画シリーズには心底がっかりである。

 

最も腑に落ちないのは、縁による人誅の仕上げ。なぜ原作と変えてしまったのか。原作漫画未読かつ映画はすべて復習鑑賞したJovian嫁は本作鑑賞後に「なんで殺さへんかったん?」と一言。至極当然の疑問であろう。連載当時の反響は凄かったし、あのインパクトは大画面でこそ再現すべきだったし、そうすれば蒼紫にも活躍の場が与えられたはず。また完結篇たる次作への最高の cliff hanger になったのではあるまいか。 

 

総評

正直、アクション以外は微妙である。いや、それはシリーズ全体を通じて言えることでもあるのだが、今作に至っては原作からの改変度合いが大きすぎる。改悪になっている。今更何を言っても次作の内容は変わらないが、かくなるうえは The Beginning で人を惨殺しまくる人斬り抜刀斎の超絶アクションと、原作で描かれることのなかった新選組との激突に期待するしかない。 

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

take someone away

文脈にもよるが、誰かを連行する、の意。斎藤が部下たちに「連行しろ」と冒頭で言うが、英語にすると”Take him away.”となる。『 スター・ウォーズ 』の冒頭でダース・ベイダーがトルーパーたちに”Take her away.”と言ってレイア姫を連行させるシーンを思い出せれば、英語マニア兼スター・ウォーズマニアだろう。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, アクション, 佐藤健, 新田真剣佑, 日本, 武井咲, 監督:大友啓史, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 るろうに剣心 最終章 The Final 』 -原作にもう少しリスペクトを-

『 るろうに剣心 伝説の最期編 』 -藤原竜也ワールド全開-

Posted on 2021年4月25日 by cool-jupiter

るろうに剣心 伝説の最期編 70点
2021年4月17日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:佐藤健 武井咲 藤原竜也
監督:大友啓史

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前二作は佐藤健の、佐藤健による、佐藤健のためのコスプレ大会という趣が強かったが、本作は藤原竜也に持っていかれた、という印象である。顔まで含む全身包帯姿なので、コスプレ的な再現度で言えば志々雄>剣心になるのは当然だが、演技者・表現者としても藤原竜也>佐藤健を印象付けてくれたように思う。

 

あらすじ

漂着したところをかつての師・比古清十郎に救出された剣心(佐藤健)は、飛天御剣流の奥義の伝授を乞う。師との向き合いから「生きようとする意志」の強さと奥義を手に入れた剣心は、志々雄真実(藤原竜也)とその一派の討伐に向かわんとするが・・・

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ポジティブ・サイド

チャンバラ大会ここに極まる。けなしていない。褒めている。一時期のWWEなどは、ここでプロレスしてどんな問題や因縁が解決するのか分からないほどに迷走していたが、ここまで清々しく総てがチャンバラ(と拳)で決まる世界観は潔いとすら言える。延々と続く福山雅治による佐藤健へのシゴキは原作とは全然違うものの、アクション密度を高めるのに大いに貢献した。

 

アクションでは田中泯も頑張ったほうだろう。一部どう見てもスタントマンのシーンも散見されたが、相手である伊勢谷友介の熱の入った演技で最怖の翁として説得力ある戦闘能力を表現できていた。蒼紫の強さを際立たせるためのかませ犬なのだが、それを実写で前期高齢者がこなしてしまうところが素晴らしい。

 

その四乃森蒼紫と剣心のバトル(とあえて表現する)も素晴らしい。ワイヤーアクションにはCGには出せない味がある。同時に伊勢谷友介も佐藤健並みのアスリートであると感じた。普段から結構スポーツや格闘技をしている人間の動きに見える。剣心の「神速」は映像的に映えるが、蒼紫の「流水の動き」はある意味で神速よりも表現が難しい。それをところどころで披露しているかのような動きは伊勢谷の発案か、それともfight choreographerの指導の賜物か。

 

船上での宗次郎とのバトル(やはり敢えてこう表現する)も非常に漫画的かつシネマティック。神速vs神速の戦いで、このチャンバラの振付は役者の運動神経および互いの信頼関係を前提としないと成立しなかっただろう。佐藤と神木のケミストリーは『 バクマン。 』から続いているし、この二人の共演はぜひとも他作品で観てみたい。

新月村ではなぜか不在だった斎藤一も、海岸でのバトルでは後輩警察官にかけるそっけない、しかし熱い言葉が印象的。さらに「役人になって武士の誇りを忘れたようだな」という上官へのセリフに、前作および前々作で語られることが一切なかった斎藤一の「悪・即・斬」の哲学が垣間見えて良かった。ここでは漫画の斎藤一らしさが感じられた。劇場公開時は漫画の斎藤にはとても見えなかった江口洋介が、劇場で立て続けに観ると漫画的に見えてくるから不思議だ。原作漫画を未読のJovian嫁は「江口洋介が一番漫画に忠実やと思う」とのこと。確かに思い起こしてみると、『 バットマン 』のマイケル・キートン的、つまり漫画の構図を忠実に再現しようとする意志が感じられた。

 

だが誰が何と言おうと本作の主役は志々雄真実である。つまり藤原竜也なのである。原作の志々雄のどうしようもないほどの強さを見事に実写化。あの包帯衣装は包帯ではなく、多分包帯でグルグル巻きにしたように見せる襦袢?またはラバースーツ?いずれにしろ、他の主要キャラと違って、動きに多少の制限が加わりそうな衣装に見えたし、視界は絶対に悪くなっているはず。それを身に着けたうえであれだけのアクションをこなしたのであれば藤原竜也は本物であろう。同時に衣装係の腕前も賞賛せねばならない。剣心、斎藤、左之助、蒼紫の4人を同時に相手にし、圧倒する様は荒唐無稽ながらも説得力があった。表情も体の動きにも制約がある役ながら、誰よりも原作のキャラを再現できていたように感じたし、最期の断末魔の咆哮と笑い声は原作の漫画のそれ以上だ。伊藤博文その他政府高官の敬礼が藤原竜也への敬礼に見えてしまった。それほどJovianは志々雄真実を演じた藤原竜也に魅了されてしまった。

 

ストーリーよりもキャラとアクションを見たいんだ、という層には文句なしにお勧めができる仕上がりである。

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ネガティブ・サイド

奥義の伝授、つまり「死んでもいい」が「生きねばならない」に変わる過程の描き方があまりにもアンバランスだ。この部分の冗長さがアクションの密度を高めてはいるものの、ストーリーを余計に冗長で間延びしたものにしてしまっている。福山雅治のキャスティングは悪くはないが、これは漫画ファンや映画ファンを満足させるためではなく、福山雅治ファン向けの映画作りをするためなのか。大友啓史は伊勢谷友介に恨みがあって、なおかつ福山雅治に恩義でもあるのか。本当に福山雅治の見せ場を作りたいなら、原作に近い形で十本刀の精鋭をあっさり撃退させてしまえばよかった。というか十本刀という存在も不要だったようにすら思う。伊勢谷友介も残念至極。さんざん剣心を追跡しながら、戦いになった途端に奥義を使われるまでもなく敗れてしまった。シリーズを通して最もかわいそうなキャラである。

 

志々雄との戦いの決着を決める奥義「天翔龍閃」が結構しょぼい。というか、漫画では乱発されていたのを映画では温存していたためか、インパクトが薄れてしまった。単なるスローモーションではなくスーパースローモーションで処理するか、もしくは高速処理にして音が後から聞こえてくるような演出でも良かった。最終奥義のしょぼさが画竜点睛を欠いてしまっている。

 

志々雄に政治を語らせたり、剣心の処刑の茶番や、甲鉄艦が最終決闘の場になったりといった映画オリジナル展開がすべてノイズ。ただ、アクションを見たいという層の観客に沿った結果だと思えば、そこは許容できるか。

 

総評

良くも悪くも、原作のストーリーをダイジェストにして、チャンバラ活劇をメインにしている。原作に忠実な作品を求める層もいれば、漫画という静止画の連続からは得られないカタルシスを大画面と大音響で味わいたいという層もいる。全員を満足させる作品作りは不可能と割り切って、アクション > ストーリーという割り切った作り方を選択したこと自体は評価したい。漫画ファンを納得させるのは難しいが、映画ファンならば満足できる仕上がりになっている。チャンバラ活劇ファンおよび藤原竜也ファンならば必見であろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

You grate on me.

瀬田宗次郎の「イライラするなあ」の私訳。grate on someone で、誰かをいやな気分にさせる、誰かの気に障る、の意味。ちなみにJovianのひとつ前の勤め先の英会話スクールの同僚講師3人(全員英検1級持ち)の誰もこの表現を知らなかった。この表現のレベルが高いのか、Jovianの元同僚のレベルが低かったのか。多分、後者である。

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Posted in 国内, 映画, 未分類Tagged 2010年代, B Rank, アクション, 佐藤健, 日本, 武井咲, 監督:大友啓史, 藤原竜也, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 るろうに剣心 伝説の最期編 』 -藤原竜也ワールド全開-

『 るろうに剣心 京都大火編 』 -コスプレ大会がレベルアップ-

Posted on 2021年4月12日 by cool-jupiter

るろうに剣心 京都大火編 65点
2021年4月20日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:佐藤健 武井咲 藤原竜也
監督:大友啓史

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『 るろうに剣心 』の続編にして、志々雄編の始まり。ここからコスプレもレベルアップし、それに比例するかのようにアクションもレベルアップしていく。ただし、前作同様にストーリーを無理やり詰め込みすぎた弊害が今作でも出ている。

 

あらすじ

明治の世になって幾星霜。しかし、幕末の暗殺者・志々雄真実(藤原竜也)がよみがえり、国盗りを狙っていた。内務卿・大久保利通暗殺の報を受けた緋村剣心(佐藤健)は神谷道場を去って京都へと単身向かうが・・・

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ポジティブ・サイド

なんだかんだで主演を張った佐藤健のatheleticismは大したものだと思う。映画『 バクマン。 』でも、染谷将太を相手にイメージの世界ででかいペンを振るうアクションシーンがあったが、そこで披露したキレキレの動きは健在。節制すれば40代でもアクション俳優として活躍できそうだ。新月村の雑魚敵を大掃除するシーンは、どれだけリハーサルを重ねたのだろうか。また宗次郎との初対決でのチャンバラも、漫画にはないシーンで非常にエキサイティングだった。やはりチャンバラこそが邦画の華。その意味ではるろ剣は邦画の華の中の華と言える。

 

『 バクマン。 』で共演した神木隆之介演じる宗次郎も再現度が高い。神木も見た目とは裏腹に身体能力の高さを誇る役者で、チャンバラだけではなく大久保利通暗殺のシーンでも魅せた。漫画の縮地は実写では描けないが、それでも剣心並みの神速の持ち主であることが十分に伝わる演出だった。あどけなさの残る顔立ちでありながら、剣客として一流という正に漫画的なキャラを、神木という役者が絶妙なタイミングで演じることができたのは僥倖だろう。

 

土屋太鳳演じる巻町操は、年齢的にはちょっと合わないが、それでもアクションで魅せる。伊勢谷友介もかなり鍛えているのか、ワイヤーアクション以外では最も格闘ができていたように見えた。るろうに剣心という複雑な人間模様を備えた漫画を実写映画化するなら、ある程度はアクション一本鎗で行くと割り切ることも重要。その意味ではストーリー進行やキャラの描き方に多少の?マークがついても、とにかくアクションの迫力で押し切るという方針は正解だったと思う。

 

それでも本作のMVPは文句なしに藤原竜也であると感じた。全身から顔面まで包帯でグルグル巻きで、表情がひとつも出せないにもかかわらず、苛立ちや興奮、嘲笑などの多彩な感情を声音と仕草だけで表現しきったのはあっぱれ。試し切り以外のアクションを何もしていないのに、最も強く印象に残るキャラは間違いなく志々雄である。

 

ネガティブ・サイド

コスプレ=キャラの見た目の再現度には何の文句もないが、香川照之が観柳をover the topに演じたように、ここでもcharacter studyを誤った役者がいる。Jovianのお気に入りの滝藤賢一演じる百識の方治がそれだ。超武闘派集団の中で唯一の冷静沈着なインテリキャラのはずが、どうしてこうなった・・・ 大友監督は漫画をどこまで読み込んだのか。

 

四乃森蒼紫についても完全に伊勢谷友介の無駄使い。本来なら前作で鵜堂刃衛のポジションにいるはずだったが、剣心を追って頓珍漢な行動ばかり。左之助や翁とのバトルは見応え十分だが、ストーリーが面白くなったかというと、そうではない。1作目で刃衛と蒼紫。2作目である本作で十本刀の半分くらい、3作目で志々雄を倒すぐらいが本当は望ましかったのではないか。

 

斎藤一が1作目から登場してしまったこともキャラとストーリーの両方を描くという面では失敗だったようだ。強キャラながら肝心なところにいないという印象が勝ってしまう、また左之助が「明治政府とは性が合わねえ」と言いながら、明治政府の要請で京都に向かった剣心を追うというのも納得しがたい。漫画のように赤報隊というバックグラウンドをしっかり描いておけば、明治政府は気に食わないが大多数の農民や庶民を虐げることになる志々雄の支配は認められないという左之助の正義が伝わるのだが。

 

総評

原作漫画に忠実なキャラの行動原理やストーリー展開を期待するとがっかりする。逆に、原作の愛すべき、そして憎むべきキャラクターたちがど派手にチャンバラをやる映画だと割り切って鑑賞しなければならない。アクション自体は非常に上質なので、原作原理主義者でもない限りは、迫力の戦闘シーンの数々に満足できることだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

This cuts well.

新月村の志々雄が試し切り後に言い放つ「よく切れるな」というセリフの私訳。cutというと他動詞で使われることが多いが、自動詞で使われる頻度もそれなりに高い。日本語でも「この車はあまり売れなかった」と自動詞で使うが、英語でも同じように”This car didn’t sell well.”と言う。英語の自動詞と他動詞を適切に使い分けられるようになれば、中級者の中でも上位に近づいてくる。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, C Rank, アクション, 佐藤健, 日本, 武井咲, 監督:大友啓史, 藤原竜也, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 るろうに剣心 京都大火編 』 -コスプレ大会がレベルアップ-

『 るろうに剣心 』 -コスプレ映画以上、傑作映画未満-

Posted on 2021年4月9日 by cool-jupiter

るろうに剣心 60点
2021年4月4日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:佐藤健 武井咲 香川照之
監督:大友啓史

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漫画『 るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 』をジャンプ連載時にリアルタイムで読んでいた世代としては、本作が映画化された時は素直に嬉しかった。ただし初めて劇場鑑賞した時、そして今回のリバイバル上映を観ても、感想は同じ。ストーリーをもっと練ることができたはずだ。

あらすじ

明治維新から10年。東京では神谷活心流を名乗る懸隔による謎の惨殺事件が頻発していた。流浪の剣客である緋村剣心(佐藤健)は、神谷活心流の薫(武井咲)と出会い、道場に逗留することになる。一方で、実業家の武田観柳(香川照之)は阿片の密売を進めようと画策していて・・・

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ポジティブ・サイド

佐藤健が緋村剣心にそっくりである。もちろん役者の容姿だけではなく、そこにはヘアスタイリストやメイクアップアーティスト、衣装の力があることを忘れてはならない。それでも、佐藤の演技に漫画の剣心をストレートにイメージできた人は多いのではないだろうか。剣心のユニフォームと言うべき、朱色の着物を身に着けるようになるエピソードもなかなかである。『 続・夕陽のガンマン 』でブロンディが最終盤近くでポンチョを身にまとうシーンを思い起こした。もちろんアクションでも魅せる。剣心というキャラクターの魅力は、華奢で天然の入った優男が実は凄腕の剣客であるというギャップ。実際に刀を振るってのアクションは迫力満点。キャラの外見は漫画的だが、チャンバラやその他のバトルシーンは映画的だ。ワイヤーアクションをふんだんに使ってのソード・アクションは必見。観柳邸の庭で大人数の浪人相手の立ち回りでは、カメラワークの巧みさもあり、漫画的なショットの連続で神速の体術と刀裁きが光っていた。飛天御剣流のお約束的なポーズもしっかり再現されていて、ファンサービスも抜かりなし。

剣心以外でキャラの再現度が高いと感じられたのは相楽左之助。演じた青木崇高に拍手。原作ではどこかクリーンなイメージの外見だが、映画では粗野で不潔で喧嘩っ早いという属性そのままの容姿。さらに斬馬刀を振り回すという迫力あるアクションに、本物の元格闘家を相手にして徒手空拳で挑むバトルも、漫画的でどこか笑える雰囲気でありながら、痛みを感じさせるリアルなシーンに仕上がっていた。特に観柳邸の台所でのバトルは、すぐそこにあるもので相手を殴りまくっており「これは痛い」と実感できた。

鵜堂刃衛役の吉川晃司もコスプレはもちろん、アクションを相当に頑張っている。警察署への討ち入りから剣心との決闘まで、チャンバラ活劇の迫力では佐藤健に一歩も引けを取っていなかった。背車刀の実演も見事。連載時に「うおっ、なんかすげえ!」と感じた中学生の頃をおっさんになった今でも思い出せた。本職は俳優ではなかったはずだが、この多芸多才ぶりは賞賛に値する。物語序盤の敵であるため目立たないが、スーパー実力者である鵜堂刃衛をコスプレ以上の意味で体現した、本作の影の立役者である。

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ネガティブ・サイド

るろ剣という壮大な物語の導入とキャラ立てとストーリー展開を同時並行でやろうとして、見事に失敗している。るろ剣ほどのヒット漫画の映画化なのだから、第一作目ではキャラをじっくり作りこみ、キャラ同士の関係の発展に焦点を当てるか、あるいは観る側がキャラ設定をすでに十分に承知したうえで鑑賞するものと想定して、一気に物語を動かすか。そのどちらかすべきだった。

本作の弱点は明らかで、キャラの立て方が中途半端になってしまっている。相良左之助と剣心の出会いが留置所というのはいかがなものか。いや、左之助と剣心の出会いの物語を原作漫画通りやっていたら、それだけで40~50分はかかる。それは理解できる。だが、なぜ警察絡みにしてしまうのかが解せない。原作のこの段階では出てこず、かつ左之助とはまったく馬が合わない斎藤一を、プロローグ段階でバンバン出してしまっていることで、キャラの人間関係や背後関係が妙なことになっているように見える。左之助を捕縛できる警察など斎藤以外にいないが、それでは話のつじつまが色々と合わない。

その一方で観柳はコスプレではなく、香川照之の独演会、ワンマンショーになっている。他のキャラは漫画のコスプレをしているのに、一人だけオリジナルキャラクターになってしまっている。もちろん観柳は観柳なのだが、なにもかもが over the top で、インテリヤクザではなくただのヤクザになっているのだ。

斎藤一のキャラもぶれている。というよりも、斎藤の代名詞である「悪・即・斬」が一度も聞かれないので、斎藤がただの腕の立つ警察官になり下がってしまった。なぜ幕府側だった斎藤が明治政府の要人の下でその腕を振るっているのか、それは原作で執拗なほどに描写された、斎藤自身の正義感=悪・即・斬という哲学・信念に常に忠実であり続けているからに他ならない。だが、そういったキャラ立てに最も必要とされる部分がすっぽりと抜け落ちてしまっているせいで、斎藤が単なる体制側の人間に見えてしまう。

最も許せないと感じたのは弥彦の扱いだ。それまで単なるにぎやかし要員だった弥彦が、観柳邸に向かう剣心と左之助から薫と道場の警護を託されるシーンは名場面だったし、漫画『 ベルセルク 』でガッツがイシドロに殿を任せる場面は、るろ剣のここからインスパイアされたものだと勝手に解釈している。そんな弥彦が、警察、それも斎藤一のところに駆け込むか?斎藤の口から語られるべきだったのは「お前らのところのちびが来た」ではなく、「神谷道場が襲撃されたと近隣住民から通報があった。急行してみたら、子どもが奮戦むなしくやられていたが、最後まで立派だった」みたいなことでなければならなかった、絶対に!るろ剣というのは主人公が最初から超絶強いわけで、読者は「かっこいい!」とは思えても、自己同一視はできないタイプのキャラである。そういう意味で弥彦というキャラは同時期の漫画『 ダイの大冒険  』で言うところのポップのような、成長型の人間、つまり普通の読者が自己を重ね合わせやすいキャラだった。そこを読み誤った、あるいは脚本に盛り込めなかった大友啓史には猛省を促したい。

総評

コスプレ映画以上の出来であることは間違いない。しかし、脚本があまりにも粗い。ストーリーを詰め込み過ぎている。また重要キャラクターの描写にも原作軽視あるいは無視の傾向が見て取れるのが残念である。逆に言えば、単純にアクションを楽しむ分には何の問題もない。チャンバラに関して言えば、韓国英語がにもハリウッド映画にも負けていない(というか、絶対に負けてはいけないのだが)。るろ剣の実写映画の最終章の公開前に復習鑑賞するという意味では、ファンならばチケットを買うべきだろう。

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

no-kill

殺さず、の意味の形容詞。英語でも no-kill trap や no-kill animal shelter などの言葉は、あちらのドキュメンタリーなどを観ていると聞こえてくる。不殺の誓いは、no-kill oathとなるだろうか。初期以外のバットマンは犯罪者を殺さないというポリシーを持っているが、それも時々 no-kill oath と言われている。

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, C Rank, アクション, 佐藤健, 日本, 武井咲, 監督:大友啓史, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画, 香川照之Leave a Comment on 『 るろうに剣心 』 -コスプレ映画以上、傑作映画未満-

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