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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 監督:バリー・レビンソン

『 スフィア 』 -海洋SFの佳作-

Posted on 2023年5月5日 by cool-jupiter

スフィア 65点
2023年5月2日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ダスティン・ホフマン サミュエル・L・ジャクソン シャロン・ストーン
監督:バリー・レビンソン

『 アビス 』を鑑賞した時に、そういえば本作も海を舞台にしていたなと思い出して再鑑賞。結構面白かった。

 

あらすじ

心理学者ノーマン(ダスティン・ホフマン)、数学者ハリー(サミュエル・L・ジャクソン)、生物学者ベス(シャロン・ストーン)たちは飛行機墜落事故現場とされる海域に召集される。しかし、実際は飛行機は墜落しておらず、彼らは海底の謎の施設の調査を命じられる。そしてその中で、謎の球体を発見し・・・

 

ポジティブ・サイド

1990年代には地球表面はあらかた探査しつくされて、髑髏島のような一種のロマンはなくなっていた。その一方で深海にはまだまだミステリーがある。『 アビス 』が1989年、本作は1998年だが、2020年代の今でも深海は謎だらけ。ある意味、月よりも遠い世界。そんな深海を舞台に『 ジュラシック・パーク 』のマイケル・クライトンが想像力を大いに羽ばたかせた。

 

深海に謎の船、それがアメリカ製と判明し、なおかつ300年近く前からそこにありながらも、未来の船である可能性が示唆される。これだけでも十分にスリリングだが、そこに謎の球体=スフィアの存在が明らかになり、現実と妄想の境目があいまいになってくる。

 

SFでありながらミステリの面でも上々。様々な怪異の原因がスフィアにあるのは間違いないが、では誰がスフィアに接触したのか。ハリーは当確として、ではベスは?バーンズは?という疑惑がキャラクター達にも観る側にも生じてくる。さらに主人公のノーマンが、自分自身の心理に疑いの目を向けるところでサスペンスも最高に盛り上がる。ゲームの『 Never7 ~the end of infinity~ 』のキュレイシンドロームは本作あたりから着想を得ていたりするのかもしれない。

 

ネガティブ・サイド

明らかに『 2001年宇宙の旅 』を意識した映像を冒頭に持ってきているが、何をどうやってもスターゲートの映像は超えられないのだから、いかに”未知との遭遇”をテーマにしているとはいえ、敢えてそういったオマージュを入れる必要はなかったように思う。

 

なぜスフィアが具現化するのは恐怖だけなのか。あれだけ頭脳聡明な学者たちがそろっていて、なぜ誰もハッピーな思考を試そうとしないのか、それが一番の謎だった。

 

ベスがノーマンを無理やり眠りにつかせようとしたことで、ノーマンが深海数百メートルを泳ぐ羽目になるのだが、そんな馬鹿な・・・

 

総評

海洋SFはよっぽど低予算でない限り、ハズレになることは少ないと思っている。釣りをしたことがある人なら分かるだろうが、魚以外にウミウシやアメフラシ、クラゲ、ヒトデも連れたりする。現代では海の中にどう見ても異星生命としか思えないような地球産の動物も数多く見つかっていて、我々の想像力を刺激し続けている。今度は『 コクーン 』でも借りてきて再鑑賞しようかな。その前にYouTubeで見つけた『 リバイアサン 』かな。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

a pain in the ass

a pain in the butt とも言う。直訳すると「尻の痛み」だが、実際は「悩みの種」、「嫌な奴/物」というニュアンス。My supervisor is a real pain in the ass. = うちの上司はマジで嫌な奴なんだよ、のように使う。ただし、日常で使う際には a pain in the neck と言おう。意味は同じだが、こちらの方が ass や butt よりもマイルドに聞こえる。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 』
『 放課後アングラーライフ 』
『 不思議の国の数学者 』

 

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 1990年代, C Rank, SF, アメリカ, サミュエル・L・ジャクソン, シャロン・ストーン, ダスティン・ホフマン, 監督:バリー・レビンソン, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 スフィア 』 -海洋SFの佳作-

『 レインマン 』 -旅は人を変える-

Posted on 2022年9月15日 by cool-jupiter

レインマン 85点
2022年9月14日 大阪ステーションシティシネマにて鑑賞
出演:ダスティン・ホフマン トム・クルーズ
監督:バリー・レビンソン

 

『 テルマ&ルイーズ 』と同じく、午前十時の映画祭にて鑑賞。同じくロードトリップの傑作。

あらすじ

チャーリー(トム・クルーズ)は、義絶していた父が死んだと聞き、遺産目当てに葬式へと向かった。しかし、300万ドルの遺産は管財人を通じて特定の人物に相続されることに。その人物が、存在すら知らなかった自閉症の兄レイモンド(ダスティン・ホフマン)だと知ったチャーリーは、遺産の半分の相続を法的に主張するために、レイモンドをLAへ連れていこうとするが・・・

ポジティブ・サイド

『 トップガン マーヴェリック 』では年齢を感じさせなかったトム・クルーズだが、本作では流石に若々しさに満ち溢れている(当たり前だ)。同時に、ビジネスも上手くなく、同僚の操縦も下手で、ガールフレンドへの当たりも強い。つまりはクズなわけだが、そんな男が遺産目当てで出向いた父の葬式で、実は兄がいて、しかもその兄がまともなコミュニケーションを取ることができない自閉症の兄との旅路で思いがけない挫折と成長を味わう。

 

こう書くと実にありきたりなプロットというか、純文学の香りすらしてくる。しかし、中身は実にまっとうなエンターテイメントで、いかにもアメリカといった趣のあるヒューマンドラマにしてロードトリップ・ムービーである。

 

イライラして怒鳴り散らすトム・クルーズには若気の無分別という言葉がピッタリ。母は幼くして亡くなり、少年時代に父親に愛情を注がれなかったと固く信じている、まさに愛情不足の典型のような青年だ。そんな男がカネ目当てに自閉症の兄を施設外に無断で連れ出すのだから、応援できるわけがない。しかし、そんなチャーリーを期せずして変えてしまうのが、兄レイモンドである。

 

ダスティン・ホフマンの演技はキレッキレで、ALSなら『 博士と彼女のセオリー 』のエディ・レッドメイン、自閉症なら本作のダスティン・ホフマンを超える演技は不可能だと思わされた。

 

コミュニケーションが成り立っていない状態で延々と話し続けるシーンや、クルマが走りながら話すシーンが非常に多く、どれだけのNGあるいはリテイクがあったのか気になる。前編これ、トム・クルーズとダスティン・ホフマンの演技合戦である。特にホテルの一室で二人がダンスするシーン、そして期せずして二人の距離が大きく変化する瞬間ほど poignant なものは、近年の映画では思いつかなかった。

 

レインマンというタイトルの意味が明らかになる中盤からは至高のヒューマンドラマとなる。旅は人を変える。月並みな真実だが、それを非常に説得力のある形で提示した傑作である。

 

ネガティブ・サイド

一点だけ不満なのが、なぜレイモンドがあれほど心理的にスムーズに施設の外に出られたのかということ。なにか一つだけでも、「この男は、幼かったあの子が成長した姿だ」と彼なりに感じ取る契機というか、ほんのちょっとした気付きのエピソードがあればパーフェクトだったと感じる。

 

総評

文句なしの大傑作。ロードトリップものとしては『 テルマ&ルイーズ 』に勝るとも劣らない。障がい者(ということ語弊があるが)をメインに据えた作品としては『 フォレスト・ガンプ/一期一会 』よりも上だと感じる。若いトム・クルーズが粗削りな演技ながらも、盟友ダスティン・ホフマンに食らいついていく様を見ると、『 トップガン マーヴェリック 』の撮影開始前に、彼が若い俳優たちに彼自身が考案した3か月の特別訓練を課したというプロフェッショナリズムの原点はここにあったのかもしれない、とすら思える。stand the test of time forever な作品である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

take over 

引き継ぐの意。遺産ではなく、事業や業務を引き継ぐ時に使う。劇中では “I’ll take over from here.” = ここからは私が引き継ごう、となっていた。もちろん、I’ll take over your job. = 僕が君の仕事を引き継ぐよ、のように目的語を取ってもいい。我が業界では、割と頻繁に非常勤講師が代わるので、テイクオーバーはもはや日本語と化している。嘆かわしい限りである。 

 

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Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 1980年代, A Rank, アメリカ, ダスティン・ホフマン, トム・クルーズ, ヒューマンドラマ, 監督:バリー・レビンソンLeave a Comment on 『 レインマン 』 -旅は人を変える-

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