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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: マイケル・キートン

『 バットマン 』 -ダークヒーロー誕生物語-

Posted on 2019年9月9日 by cool-jupiter

バットマン 70点
2019年9月3日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:マイケル・キートン ジャック・ニコルソン ビリー・ディー・ウィリアムズ
監督:ティム・バートン

f:id:Jovian-Cinephile1002:20190909021532j:plain

 

やはり新作DC映画『 ジョーカー 』の封切を前に、復習の意味で鑑賞。ちなみに『 スーサイド・スクワッド 』を見直す予定はない。ハーレイ・クインの単独映画リリース前には最鑑賞するかもしれない。

 

あらすじ

ゴッサムシティには犯罪が絶えない。しかし、警察が取り締まれない悪人たちを夜毎に制裁するバットマン(マイケル・キートン)がいた。その正体は大富豪のブルース・ウェイン。そして、犯罪組織内の仲間割れでジャック・ネイピア(ジャック・ニコルソン)は警察とバットマンに追われる。辛くも逃れた彼はしかし、ジョーカーへと変貌してしまった・・・

 

ポジティブ・サイド

オープニングのダークでおどろおどろしい雰囲気の映像に、ダニー・エルフマンのTheme Musicが奮っている。アニメの「バットマ~ン!」ではなく、「ダダダダーダ」の旋律が、どこか危うい力強さを感じさせる。これによって観る者は一気にゴッサムに入っていくことができる。素晴らしいシークエンスである。

 

またマイケル・キートンも、ベン・アフレック並みにハマっている。というか、ベン・アフレックがマイケル・キートン並みにハマっていると評すべきか。クリスチャン・ベールはバットマンとして卓越した演技を見せたが、最もブルース・ウェインに近いのはキートンであるように感じる。鼻持ちならない金持ちで、プレイボーイなところがよく似合っている。また、バットマンとしての演技でも魅せる。特に、振り向き様や真上を見上げる瞬間の身のこなし、その時にピタリと動きを止めて見せるところから、原作コミックの絵を忠実に再現しようとしていることが分かる。ティム・バートンの美意識とマイケル・キートンのプロフェッショナリズムが上手く相互作用した。

 

だが、何と言ってもジャック・ネイピアおよびジョーカーを演じたジャック・ニコルソンだろう。『 シャイニング 』はホラー映画の金字塔として今も燦然と輝いている。そのことは『 レディ・プレイヤー1 』を観てもよく分かる。その狂気が今作でも爆発。しかも真っ白の顔がルージュの口紅のようなもので常に笑った顔にメイクアップされ、しかも紫のスーツ!完全にイカれているのが外見からだけでも分かるが、行動もinsaneの一言。曲撃ちで元々の組織のボスを撃ち殺したかと思えば、『 ゴーストバスターズ(1984) 』のマシュマロマン的な人形に詰め込んだ毒ガスを散布したりと、犯罪者を通り越して大量殺人者、無差別テロリストである。このジョーカーも相当に恐い。バットマン自身が原作コミックに忠実に動いていたり、ゴッサムの街そのものが『 シザーハンズ 』や『 スリーピー・ホロウ 』的な世界観を纏っている、つまり、この世ならざる幻想世界のような雰囲気を醸し出す中で、容赦なく人を殺して回るジョーカーは決して道化師ではない。また、『 ダークナイト 』の名シーンである、バットマンがジョーカーを轢き殺さんと真正面から対峙する構図は、すでに本作で描かれていた。すなわちバットウィングで上空からジョーカーを射撃するバットマンと、超長砲身の銃でバットウィングを撃墜せんとするジョーカーの対決シーンである。このシーンを観るのは三度目だが、何度観ても手に汗握る名シーンである。

 

もう一つ、ジャック・ネイピアの若い頃を演じた俳優が良い。ジャック・ニコルソンを若返らせれば、確かにこうなるだろうという容姿である。ハンニバル・レクター/アンソニー・ホプキンスの若き頃を演じたギャスパー・ウリエルを思い起こした。余談だが、Jovianの同僚イングランド人はマッツ・ミケルソンをホプキンス以上と激賞する。

 

コミカルなダークさ、hand to handの格闘アクション、バットモービルやバットウィングなどの大型ガジェットなども見物で、バットマンというアメリカで最も有名な(Jovian調べ:同僚アメリカ人2人にアンケート調査)スーパーヒーローとそのarchnemesisであるジョーカーとの対決を堪能できる逸品である。

 

ネガティブ・サイド

ゴードンやデントの存在感の無さ。特にビリー・ディー・ウィリアムズは空気なのかと思えるほど、劇中で存在感を発揮しない。ハービー・デントの名が泣くではないか。

 

また執事アルフレッドの存在感も今一つだ。両親を早くに亡くして、というか殺されてしまったブルース・ウェインの心の拠りどころの大部分はこの老執事にあるのだから、彼にもそれなりの見せ場が欲しかった。飲食物を手配したり、取材費を渡してやったり以外にもするべきことはあったはずだ。アルフレッドがブルース人生におけるpositive male figureである演出があってしかるべきだった。この部分が欠けてしまっているが為に、バットマンがなぜ夜な夜な悪と戦うのかという動機づけの説明、または観る側に推測させる材料が不足してしまっている。

 

キム・ベイシンガーのキャラクターが個人的にはハマっているようには見えなかった。大富豪と二人っきりでディナーを楽しみ、同衾しながら、翌朝には「普段の自分はこんなことしない」と、そのことを後悔するなど、キャラクターがぶれまくっている。ゴッサムにカマトトは似つかわしくない。

 

総評

ジョーカーの登場シーンで頻繁に流れる“Beautiful Dreamer”が摩訶不思議な雰囲気を生み出している。ティム・バートン世界とゴッサムは相性が良さそうだ。リアル路線のバットマンおよびスーパーヒーローものも悪くないが、幻想的な世界で繰り広げられるバットマンとジョーカーの攻防の面白さは、とてもユニークである。『 ダークナイト 』のジョーカーはカリスマ性を感じさせるが、波長が合えばこちらのジョーカーの方がチャーミングかもしれない。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

How much do you weigh?

 

「体重はどれくらいだ?」の意味である。“What do you weigh?”も同じくらい良く使われる表現である。こんな表現を頻繁に使うのはボクシング関係者および熱心なボクシングファンくらいであろうが、覚えておいて損になるものでもない。

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Posted in 映画, 海外Tagged 1980年代, B Rank, アクション, アメリカ, クライムドラマ, ジャック・ニコルソン, ビリー・ディー・ウィリアムズ, マイケル・キートン, 監督:ティム・バートン, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 バットマン 』 -ダークヒーロー誕生物語-

『 スパイダーマン ホームカミング 』 -新たなスパイディの冒険の序章-

Posted on 2019年6月30日 by cool-jupiter

スパイダーマン ホームカミング 70点
2019年6月27日 レンタルBlu-rayにて鑑賞
出演:トム:ホランド マイケル・キートン ゼンデイヤ ロバート・ダウニー・Jr.
監督:ジョン・ワッツ

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『 スパイダーマン ファー・フロム・ホーム 』に向けての復習および『 アベンジャーズ:エンドゲーム 』の振り返りをしたいと思い、TSUTAYAでBlu-rayを借りてくる。初回に劇場で観た時とは、少々異なる感想を持った。

 

あらすじ

『 シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 』の戦いから、ニューヨークに帰還したピーター(トム・ホランド)は、アベンジャーズの一員になることを夢見て学校生活も上の空。ニューヨークの街で人助けに精を出しながら、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)からの声かけを待っていた。しかし、そこではヴァルチャー(マイケル・キートン)が妖しく蠢動していた・・・

 

ポジティブ・サイド

今作のスパイダーマンは、サム・ライミ監督の初代『 スパイダーマン 』に近い。つまり、ピーター・パーカーがスパイダーマンとしての使命に目覚めていくということである。しかし、そこには本質的な差異がある。前者では、不注意からUncle Benを死なせてしまったことからピーターの物語が始まるが、今作ではトニー・スターク/アイアンマンの力になりたい、アベンジャーズの一員として認められたいというところから、ピーターの成長が始まる。そう、成長である。成長するための基本的な条件とは何か。それは「未熟」であるということである。スパイダーマンは英語ではSpider-Manである。一方でアイアンマンはIron Manと表記される。他にもSupermanやAquaman、Batmanなど、ハイフンを持つスーパーヒーローは少ない。スパイダーマンはおそらく、Manになりきれていないのだ。ピーター自身が、自分はボーイだと言ってしまう場面すらあるのだ。ManとBoyの境目とは何か。それはアメリカ風に言うならば、positive male figureから適切な影響を受けて、自らもpositive male figureになれるかどうかであろう。端的に言えば、文学的な意味で父親殺しができるかどうかにかかっているわけだ。

 

本作に登場する主要な男性キャラは、ネッドを除けば、ほとんど全員がピーターにとって疑似的な父親、あるいは本来の父親が果たすべきポジティブかつネガティブな影響を代理としてピーターに及ぼすキャラクター達である。その筆頭は言うまでもなくトニー・スターク/アイアンマンである。トニーとピーターの対話は、大人と子どもの対話でありながら、父と息子の対話でもある。トニー自身も、自らが父親に抱く複雑な想いと、父親が自分に対して抱いていたであろう愛情を意識したからこそ成立した名場面である。『 アベンジャーズ:エンドゲーム 』を観た後だからこそ、尚更にそう感じる。

 

もう一人の疑似的な父親、マイケル・キートン演じるヴァルチャーは、トニーとは対照的である。彼は地べたを這いつくばる労働者であり、家族を愛し、守り、食わせるためなら何でもやる男である。つまり、小市民ヒーローなのだ。と同時に、彼はピーターが乗り越えるべき、倒すべきものの象徴でもある。『 バットマン 』、『 バットマン リターンズ 』ではバットマンを、『 バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 』ではバードマンを、そして本作では怪鳥ヴァルチャーを演じるなど、スーパーヒーローから、落ち目の俳優、そしてスーパーヴィランへと進化を遂げた。理知的で爽やかさ、清潔さを感じさせるイケメンだったはずが、強面の中年オヤジに変貌したという意味では、彼はダンディズムを決して失わないトニー・スタークとは真逆であると言えるのかもしれない。

 

アクションのハイライトは客船のシーンだろう。『 スパイダーマン2 』の電車を止めるシークエンスに優るとも劣らない緊張感とスペクタクル。そしてアイアンマンが見せつけるスーパーヒーローとしての格の違い。これは少年と壮年の物語、そして少年が何とか青年になろうと足掻く物語なのだ。『 プーと大人になった僕 』のレビューで、子ども=労働と性から疎外された存在という定義を紹介したが、今作のピーター・パーカーは労働=what you doの面で何とか子どもと大人の中間ぐらいの存在へと成長した。そして、次作では(性的な成熟という意味ではなく、ロマンチックな意味での)性の成長、つまりは男性に、Spider-BoyからSpider-Manになることを予感させて物語は閉じる。見事な脚本、見事なストーリーテリングである。

 

ネガティブ・サイド

FBIを欺き続けたとヴァルチャーは誇らしげに語るが、CIA、NSA、DHSやATFなどその他の機関をも出し抜いたというのは少々信じがたい。冒頭に登場したオバちゃん率いる部隊は相当な無能者の集まりだったのだろうか。

 

フラッシュ・トンプソンのキャラがウザい。いや、ウザいのは原作通りだが、このキャラに嫌味で小憎たらしい白人のクソガキをキャスティングしないのは何故なのだ?答えはおそらくこうだ。原作どおりに進めば、彼はその後、ピーターの友人になるからだ。人種のるつぼ、ニューヨーク万歳というわけだ。キャスティングだけで先が読めてしまうのは興醒めである。

 

ミシェルの見せ方も、もう少し工夫が欲しかった。『 ミーン・ガールズ 』のような生態系で生き抜いてきたような描写が欲しいとは思わないが、あまりにもアッサリとアカデミック・デカスロンのチームに溶け込んでいた。MJは家庭環境が余り良くないイメージをファンならば皆、抱いているはず。何か欠けたもの、何か隠したいもの、それでも何か共有したいものを抱えているからこそ、ピーターとMJは惹かれ合うべきで、その伏線が非常に弱かった。まあ、そのあたりは『 スパイダーマン ファー・フロム・ホーム 』がしっかりと描写してくれることに期待するとしよう。

 

これはトレイラー作成担当者に文句を言うべきなのだろうが、劇場鑑賞前に熱心な映画ファンがどれくらいの回数、スパイダーマンとアイアンマンがサイド・バイ・サイドで空を飛ぶシーンを見せられただろうか。本編に存在しないシーンでトレイラーを作るのは止めてもらいたい。こうした行為は法律で禁じられないのだろうか。

 

総評

欠点や粗が色々と浮かび上がってくるが、スパイダーマンというヒーローの特殊性、ピーター・パーカーというキャラの未熟さとそれゆえの魅力、そしてヒーローでありながらスーパーではないところ(親愛なる隣人レベルという意味で)が良い。かかる欠点がスパイディの大いなる魅力の源泉なのだ。だからこそ他のヒーロー物ではあまり描写されないビルドゥングスロマン要素が際立つ。サム・ライミ監督の手掛けた初代作品と肩を並べる傑作である。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, B Rank, アクション, アメリカ, ゼンデイヤ, トム・ホランド, マイケル・キートン, ロバート・ダウニー・Jr., 監督:ジョン・ワッツ, 配給会社:ソニー・ピクチャーズエンターテインメントLeave a Comment on 『 スパイダーマン ホームカミング 』 -新たなスパイディの冒険の序章-

『 アメリカン・アサシン 』 -新世代のエージェント誕生の物語-

Posted on 2018年7月8日2020年1月10日 by cool-jupiter

アメリカン・アサシン 65点

2018年7月7日 東宝シネマズ梅田にて観賞
出演:ディラン・オブライエン マイケル・キートン テイラー・キッチュ シャーロット・ヴェガ
監督:マイケル・クエスタ

  • 以下、本作および他作品のネタばれは白字で表示

これは思わぬ掘り出し物である。『アンロック 陰謀のコード』も佳作ながら、大物俳優を序盤でこれ見よがしに抹殺したことが、逆に観る側に「ああ、コイツが真犯人か」と思わせてしまった点が大いなるマイナスであった。今作はその轍を踏まず、主人公ミッチ・ラップ(ディラン・オブライエン)の師匠スタン・ハーリー役にマイケル・キートンを配した。この師匠というのが味噌で、上司や同僚にしてしまうと、スパイ映画の文法、いや様式美か、とも言うべき裏切りが発生してしまう。師匠と弟子という関係ならば、デイヴィッド・マレルの小説『ブラック・プリンス』がその壮絶な対決を描いている。これを超えるのは難しい。映画化してほしいが、題材がかなり古いので現代風へのアレンジが必須だ。しかし、ランボーの原作者でもある同著者の作品であるから、今後そうした展開が無いとは言い切れない。ともかく、師匠と弟子というのも戦う運命にあるというのは、エンターテインメント界では簡単に予想できることだ。しかし、ここに新世代の様式が生まれた。同じ師匠に教わった弟子同士の対決である。と、ここまで書いてきて「なんかそんな話もどこかで観たか、読んだ気がする」と思えてきたが、思い出せないので、まあ良いだろう。

物語はスペインの美しいビーチで、ミッチが恋人のカトリーナ(シャーロット・ヴェガ)にプロポーズをして、イエスの返事をもらうところから始まる。しかし、次の瞬間、ビーチを含むリゾートが突如、テロ集団に銃撃され、周囲は阿鼻叫喚の地獄絵図へ。ミッチも被弾、カトリーナも死亡。ミッチはここから、体を鍛え、格闘技を身につけ、アラビア語を使いこなし、コーランの知識と立派なあごひげを蓄え、聖戦を従事する戦士として、自分の妻になるはずだった女性を殺したテロ集団にその身を投じようとする。もちろん復讐のためである。しかし、組織に入り込めるかという、まさにその瞬間、CIA率いる特殊部隊が突撃、ミッチの敵を呆気なく射殺してしまった。CIAは独力でここまでたどり着いたミッチをスカウト。本格的なエージェントして育成するためにスタン(マイケル・キートン)に身柄を預ける。そんな中、ロシアのプルトニウムが大量に盗み出され、核爆弾がどこかで秘密裏に製造される恐れありという事案が発生。CIAおよびスタンとミッチにも召集がかかるが、犯人はかつてのスタンの弟子であった・・・

アクションシーンは『アトミック・ブロンド』と同じく非現実的な現実路線である。つまり主人公も適度に殴られ蹴られブン投げられる。決して無敵ではないところに好感が持てるし、それでいてしっかり勝ってしまうのだが、彼自身がそのことに自信を抱いているわけではないと吐露する場面があるのが素晴らしい。そんな恋人を失った復讐の鬼と化した男が普通さを残しているところに、親しみやすさも湧いてくるし、応援してやりたいという気持ちも生まれてくる。『ミッション・インポッシブル』シリーズのイーサンは、『アンブレイカブル』のブルース・ウィリスか『MONSTERZ モンスターズ』の山田孝之かといったような非現実さしか、いつの間にか感じなくなってしまった。そんな中、颯爽と現れたディラン・オブライエンの新境地に我々は喝采を送りたくなってしまうのである。

また、この映画の公開されるタイミングも幸運に助けられている。核兵器を持つことで、たとえ小国でも大国と同じ交渉のテーブルに着くことができるのだということは北朝鮮が世界中に示した事実である。また、アメリカ海軍艦隊が本格的にフィリピンから撤退をしたことで中国が南シナ海にかなり大っぴらに進出するようになったのは疑いようの無い事実だ。その米海軍艦隊を核で一発で消し飛ばしてやろうというのは、アイデアとして非常に面白いし、存外にリアリティを有していた。こんな漫画『沈黙の艦隊』みたいな与太話が、作品のリアリティとエンターテインメント性を高めているのは、僥倖なのか、それともプロデューサーの眼力なのだろうか。まあ、両方か。

元々はヴィンス・フリンの小説が元ネタで、シリーズ化も期待できそうだ。フリンというと『ゴーン・ガール』のギリアン・フリンが思い浮かぶが、ヴィンスの方もメモリーにインプットしておいた方が良さそうである。

この映画はタイトルの出し方というか、そのタイミングが秀逸の一語に尽きる。アサシンと言いながら、やっていることは殺人および破壊工作なのだが、暗殺を行うシーンは無い。それでいて『アメリカン・アサシン』というタイトルに偽りがないのは見事である。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』や『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』あたりからますます険のある顔つきが堂に入ってきたマイケル・キートンを堪能するもよし、『メイズ・ランナー』でブレイクを果たしたディラン・オブライエンをひたすら堪能するもよし、冒頭の3分で退場する恋人カトリーナ役のシャーロット・ヴェガを応援するのも良いだろう。BGMやCGも効果的かつ印象的で、劇場鑑賞向きの作品である。観ておいて損は無い一本であろう。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, C Rank, アクション, アメリカ, ディラン・オブライエン, マイケル・キートン, 監督:マイケル・クエスタ, 配給会社:キノフィルムズLeave a Comment on 『 アメリカン・アサシン 』 -新世代のエージェント誕生の物語-

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