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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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カテゴリー: 国内

『 母性 』 -トレーラーを観るなかれ-

Posted on 2022年12月9日 by cool-jupiter

母性 50点
2022年12月4日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:戸田恵梨香 永野芽郁 高畑淳子 大地真央 中村ゆり
監督:廣木隆一

湊かなえ原作ということでチケット購入。原作は未読だが、おそらく脚本家および監督が小説の良さを少しスポイルしてしまったと思われる。トレーラーも misleading すぎる。

 

あらすじ

箱入り娘のルミ子(戸田恵梨香)は、絵描きを趣味にする鉄工所務めの田所と結婚する。娘の清佳(永野芽郁)を授かり、幸せな家庭を築いていた。ルミ子は母からの教え通りに清佳に惜しみなく愛情を注いでいく。しかし、清佳が祖母、つまり自分の母の愛情を受けることにルミ子は内心で激しく嫉妬していて・・・

ポジティブ・サイド

観始めた瞬間から、よく分からない違和感を覚えた。看護師や助産師が戴帽しているシーンを見て「いつの話だ?」と感じた。また、ルミ子の家の電話が固定電話。さらに新居の家のテレビがブラウン管のテレビ。この時点で、これは昭和の物語なのだ、と確信できた。この時点で俄然興味が湧いてきた。Jovianも一応昭和生まれなわけで、アメリカ人の同世代の demographic が1980年代をノスタルジックに思っているように、我々世代も昭和を懐かしむのである。

 

本作がオーディエンスに感じ取ってほしいと思っている点は、タイトルにもなっている母性である。母と女性の違いは何か。それは、母は子どもを産んでいるということ。女は弱し、されは母は強しと言われるが、母性も行き過ぎると鬼子母神になってしまう。我が子は可愛いが、他人の子はどうでもいいということになってしまう。ある意味でその究極形が『 母なる証明 』だった。我が子への愛が狂気の暴走を見せる大傑作だ。その一方で、邦画も『 MOTEHR マザー 』を近年送り出してきている。我が子を愛さず、我が子に自分を愛させるという母親にフォーカスした怪作である。本作はどちらの系譜に属するのか。そのどちらにも属さない。

 

母の愛を一身に受けたルミ子が、自分が母になることでその愛を我が子に向ける・・・ようにならない。逆に、自らが母であるにもかかわらず、敢えて娘であり続けようとするルミ子の姿は異様に映る。戸田恵梨香は長澤まさみに近いレベルの演技を見せたと言える。

 

しかし、本作のタイトルにある母性を最も強烈に体現したのは、ルミ子の母親を演じた大地真央とルミ子の義母を演じた高畑淳子ではないだろうか。命をつなぐこと、その素晴らしさ、それを喜べること。そうした心を持ち、娘も孫も愛する大地真央。対照的に、息子の嫁をいびり倒す義母。この妖怪女優二人が同じ画面に出てくることはないのだが、明らかに二人は演技バトルをしている。この両者の演技対決だけでも鑑賞の価値がある。

 

母性とはことほどさように、女を優しくもするし、また醜くもする。ルミ子と清佳の築く関係の真実は何なのか。「母であること」と「母であろうとすること」は同じものなのか、異なるものなのか。愛憎入り混じる母娘の関係は母性を育むのか、それとも阻害するのか。普通に考えれば愛は母性を育みそうだが、ルミ子と実母の関係はそうではない。一方で、ルミ子と義母の関係は最終的には非常に興味深い形に発展する。そこから考えられるルミ子と清佳の関係、さらにその先をどう想像するべきなのか。本作が我々に問うのはそこである。

 

ネガティブ・サイド

永野芽郁の力不足が顕著だった。『 マイ・ブロークン・マリコ 』で少し殻を破った感があったが、女の友情を体現することはできても、母の愛と憎しみを一身に受け止める役は演じきれなかったという印象を強く受けた。まだ女子校生あるいはOL止まりなのかな。箱入り娘のまま母親になってしまった戸田恵梨香に完全に食われてしまっていた。いや、テーマは母性であって娘性ではないので、抑えた、控え目な演技をしていたと捉えることもできる。であれば、トレーラーで母と娘の対立を煽るべきではない。これは宣伝・広告のマズさが本編の面白さを減じてしまった悪しき例だろう。

 

そもそも予告編は本作をミステリとして売っていたのではなかったか。「母の証言を信じないでください」、「娘の証言を信じないでください」という、立場によって事象の見え方、捉え方が違うというところが本作の肝と言えるほど大きくなかった。というか、女子高生が首を吊ったという事件を冒頭で映しておきながら、同時に教員として働いている永野芽郁を映してしまっては、ミステリとしての面白さ=女子高生は永野芽郁なのか、何が彼女を自死に追い込んだのかという疑問への興味がしぼんでしまう。トレーラーから普通に考えれば、死んだ女子高生は永野芽郁の同級生もしくはクラスメイトだろう。冒頭でいきなり「それは違います」と言われても・・・

 

母性にフォーカスするなら、夫の浮気やら何やらはばっさりカットしてもよかった。あるいは夫の浮気を「男の甲斐性」だと擁護する義母像をもっと強く打ち出すべきだった。2022年は昭和でいえば97年。完全に大昔だ。または甲斐甲斐しく義母を介護するルミ子だが、遺産は一銭も入らないということをもっと強調して、現在は血縁がなくても介護者に遺産が入るような法的根拠が整備されたという情報をサラリと挿入することもできたはず。母性というテーマをルミ子というキャラクター周辺に限定して描くことで、本当に現代に訴えるべきテーマがぼやけてしまったと感じる。

 

総評

トレーラーから『 白ゆき姫殺人事件 』のようなものを想像していたが、これが全然違った。予告編と本編が違うのは別に構わない。ただ、ミステリ要素を前面に出しておきながら、この作りでは納得できるものも納得できない。物語そのものも面白さやインパクトに欠ける。男性と女性で受け取り方が大きく異なる作品だと思うが、Jovian妻もあまり感銘は受けなかったようだ。もしもチケットを購入するのなら、高畑淳子や大地真央といった大ベテランの演技を堪能することに集中されたい。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Women are weak, but mothers are strong.

女は弱し、されど母は強しの意。出典はビクトル・ユーゴーの『 ああ無情 』らしいが、読んだのが大昔過ぎて覚えていない。シンプルだが、女も母も複数形にするのがポイント。そういえば数年前にバズった動画がある。ミステリではないが、ドンデン返しなら本作よりこちらの動画の方がインパクトは上だろう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 グリーン・ナイト 』
『 MEN 同じ顔の男たち 』
『 ホワイト・ノイズ 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, サスペンス, ミステリ, 中村ゆり, 大地真央, 戸田恵梨香, 日本, 永野芽郁, 監督:廣木隆一, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画, 高畑淳子Leave a Comment on 『 母性 』 -トレーラーを観るなかれ-

『 ある男 』 -人間の在り方を問う-

Posted on 2022年11月25日 by cool-jupiter

ある男 75点
2022年11月20日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:窪田正孝 安藤サクラ 妻夫木聡
監督:石川慶

 

石川慶監督が『 愚行録 』以来、妻夫木聡とタッグを組む。そしてメインのキャストは日本一の女優である安藤サクラと実力派の窪田正孝。チケットを購入しない理由はゼロである。

あらすじ

失意のうちに暮らす里枝(安藤サクラ)は、訳あって神奈川から宮崎にやってきた大祐(窪田正孝)と出会い、やがて二人は結婚した。新たに生まれた子どもと里枝の長男の4人家族は幸せな生活を送っていたが、ある日、大祐が事故死してしまう。疎遠になっていた大祐の兄は、しかし、大祐の遺影を指して大祐ではないと言う。夫の身辺整理の助けのために、里枝はかつて離婚の際に頼った弁護士の城戸(妻夫木聡)を再度頼ることになり・・・

 

ポジティブ・サイド

冒頭、後姿の男が二人並んだ不思議な絵が見せられる。そこから場面を転じて雨の日。客のいない文房具店でいきなり悲嘆の涙を流す安藤サクラによって、一気に物語世界に引き込まれた。相対する窪田正孝も、田舎では明らかに浮いてしまうアウトサイダーでありながら、素朴さと素直さがにじみ出る好漢をきっちり演じた。里枝が大祐に死んだ我が子のことを訥々と語り、それを黙々と聞く大祐というシーンは、今年の邦画の中では最高レベルの静かな演技合戦だったように思う。

 

やがて家族となる二人だが好事魔多し。大祐は倒木の下敷きになり死亡してしまう。ここから妻夫木演じる弁護士の城戸が登場する。夫の身元が不明であったとして生命保険金の受け取りの可不可を尋ねる里枝に「問題ない」と法律の専門家として助言するが、これはかなりグレーな対応に見える。その一方で、この弁護士が通り一遍の法律家ではなく、困っている人を助ける人間であることも垣間見える。城戸が調査する谷口大祐という男の軌跡が明かされるにつれ、罪とは何か、幸せとは何かという問いがますます重みを増してくる。

 

本作は基本的にはサスペンスだが、ミステリとしてもなかなか面白い仕掛けが施されている。本作は『 人数の町 』と同じく、戸籍の問題を扱っている。いわゆる戸籍売買である。そこに仕掛けられたトリックは、見かけは全く異なるが趣旨としてはウィリアム・カッツの某小説のトリックに非常によく似ている。なので、80年代、90年代の海外ミステリ好きならピンとくるかもしれない。

 

城戸自身が在日三世という設定で、日本人や日本社会が時にそこはかとなく、時に非常にあけすけに、かつ激烈に排外的な差別を行う様は、観客として見ていてもキツイ。これが “The means of defense against foreign danger, have been always the instruments of tyranny at home.” =「外敵への防衛の意味するものは、常に国内における暴政の方便である」というジェームズ・マディソンの言葉そのまんまなのが更にキツイ。憎悪を煽られた当人たちは一時は自分たちの問題を忘れられるかもしれない。しかし、問題そのものは存在し続ける。では、どうすればいいのか。その問題が自分に関わってこないような、違う自分になればいい。

 

本作が提起する問題は、別人になることの是非ではなく、別人になりたい、ならなければならないと人に思わせる社会的なシステムである。高畑淳子の息子が婦女暴行で逮捕された時に、何故か高畑淳子が謝罪し、活動縮小に追い込まれた。別に息子は未成年でもなかったのに。同時期のアメリカではロバート・ダウニー・Jrの息子がドラッグの使用で逮捕された。自身もドラッグ常習者だったダウニーは「息子のリハビリを支援する」と言い、アメリカのメディアも特に何も言わなかった。別にJovianは「だからアメリカが優っていて日本が劣っている」と主張しているわけではない。ただ、罪というものを償えるものと考えられるか。あるいは家族の罪はその家族全体が共有すべきものなのか。このあたりを真剣に考えるべき時期に日本社会も来ていると言える。

 

最後の最後の場面で城戸が放ったセリフは何だったのか。その言葉が何であるかを想像することで、現代日本社会の生きづらさをどれだけ感じているのか、あるいは感じていないのかが測れるような気がする。何とも重い作品である。

ネガティブ・サイド

柄本明のわざとらしすぎる演技は何とかならんのか。『 ドクター・デスの遺産 BLACK FILE 』の時に負けず劣らずの過剰な演技は、さすがにちょっとどうかと思う。そろそろ佑と時生に譲って引退しては?

 

その柄本のキャラに妻夫木が「在日ですか?」と声をかけられるが、いくらなんでも無理がある。元カープの金本や元阪神の桧山ですら、カミングアウトされて、はじめて「そうかも?」と思えるレベルで、在日三世を見た目で見破るというのは、あまりに現実離れしている。せめて刑務官が「あのじいさんは誰が訪ねてきても最初はああ言うんです」とでも言ってくれればフォローにもなったのだが。

 

総評

ミステリかつヒューマンドラマの秀作である。差別とは何かを正面から問うことを巧妙に避け、差別から逃れようとすることが悪なのかという非常に重い問いを投げかけてきた。最初と最後に提示される絵画はマグリット作の『 不許複製 』というらしい。Jovianは、ある意味でこれに先立つマネの『 フォリー・ベルジェールのバー 』という作品を思い浮かべた。興味のある向きは本作を鑑賞後にググられたい。近代になって、人間がいかに自分から逃避しようと思うようになったかが見えてくるかもしれない。 

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

How do you know?

劇中でとあるキャラクターが「何で分かるんですか?」と言うが、これは英語では How do you know? となる。Why do you know? にはならない。「なんで?」と聞くと、あるいは読むとついつい “why” と訳してしまいたくなることがあるが、Why do you know ~? というのは、かなり限定された文脈でしか使えない。How do you know? は日常でもよく使うので、無条件にこちらを覚えておこう。 

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ザ・メニュー 』
『 ザリガニの鳴くところ 』
『 サイレント・ナイト 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, ヒューマンドラマ, ミステリ, 安藤サクラ, 日本, 監督:石川慶, 窪田正孝, 配給会社:石川慶Leave a Comment on 『 ある男 』 -人間の在り方を問う-

『 窓辺にて 』 -愛を巡っての珠玉の対話劇-

Posted on 2022年11月20日 by cool-jupiter

窓辺にて 75点
2022年11月19日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:稲垣吾郎 中村ゆり 玉城ティナ 若葉竜也
監督:今泉力哉

 

『 愛がなんだ 』の今泉力哉がオリジナル脚本で映画化。本作でも愛の不条理さを独特の感性で描き出すことに成功した。

あらすじ

フリーで物書きをしている市川茂巳(稲垣吾郎)は、小説編集者である妻・紗衣(中村ゆり)が担当作家と浮気していることを知るが、そのこと自体にショックを覚えなかった自分自身にショックを受ける。一方で、茂巳は新進気鋭の女子高生作家・久保留亜(玉城ティナ)へのインタビューをきっかけに、彼女の作品のキャラクターのモデルとなった人物と合うことになり・・・

ポジティブ・サイド

なんだかんだで稲垣吾郎あっての映画だなと感じた。と、ちょっと待て。よくよく思い返してみると、Jovianが稲垣吾郎をスクリーンで観るのは、なんと『 催眠 』以来ではないか。4中年の危機とは無縁そうに見えるが、その内面を大きくかき乱された、しかしそのことを決して表面には出さない大人を好演したと言える。

 

本作のテーマは愛の形。それは今泉力哉監督が一貫して追求しているテーマである。妻が浮気をしている。そのことに腹を立てない夫は、妻を愛していると言えるのか。茂巳がサッカー選手である友人・有坂とその妻にそのことを相談するが、その有坂自身も芸能人女性と実は浮気をしている。妻もそのことに気付いている。妻は夫に腹を立てつつも、最終的には許してしまう。なぜなら夫を愛しているから。観ている我々からすれば「なんだ、この茂巳というキャラは。変な奴だなあ」と感じるが、それがいつの間にやら「なんだ、有坂の妻は。変な奴だなあ」に変わっていく。そう。愛とは元々変なものなのだ。愛しているから許せないこともあるし、愛しているからこそ許してしまうこともある。本作はそのことをドラマチックな展開もなく、淡々と見せていく。

 

茂巳は茂巳で、女子高生作家の久保留亜に大いに振り回される。小説のキャラクターのモデルに会わせてもらう中で、ボーイフレンドを紹介され、なぜか二人で軽くバイクのツーリングに出ることに。そうなんだよなあ。人と人とが触れ合い、分かり合うのに、毎回毎回たいそうな理屈が必要なわけでもない。事実、二人は後に思わぬ形で触れ合うことになる。その光景がまたとても微笑ましい。

 

茂巳は誰かに何かを言われるたびに「え?」と素っ頓狂な返事をするばかりで、まったく主体性のある人物には見えない。にもかかわらず、物語は静かに、しかし確実に彼を軸にして進んでいく。茂巳が誰に対しても真摯に耳を傾け、真摯に受け答えする姿勢によって、相手は自分なりに答えを見つけていく。

 

本作は一つひとつの対話の場面が非常に長く、しかもその多くがロングのワンカット。まさに演出する監督と演じる役者のせめぎ合いという感じだが、そのどれもが実に自然に映る。留亜と茂巳がホテルのスイートの一室で語らう場面でぶどうの実がひとつ房から落ちてしまい、それを茂巳が自然に拾い上げる。これは演出なのか、それともアドリブなのか。色々なキャラクターと茂巳がカフェや公園などで語り合うばかりの2時間半の映画が長く感じないというのは、対話の一つひとつがそれだけ真に迫っているからだ。

 

本作は物語論についても非常に含蓄のある示唆を与えてくれる。Jovianの兄弟子(と勝手に思っている)奥泉光は「論文を書くと、自分の中で知識が体系化されていく。小説を書くと、自分の中が空っぽになる」と『 虚構まみれ 』で書いていた。本作でもこのことが強く示唆されていて、今泉力哉は小説家としても相当な書き手であることを窺わせる。書くということは、思いや考えを固定してしまうことであり、それが小説、就中、私小説であれば美しい思い出としてキープしておきたい自身の物語を失ってしまうことになる。このあたりの物書きの機微を茂巳から読み取れた。稲垣吾郎と今泉力哉、なかなかのケミストリーだ。

 

オープニングとエンディングで茂巳が見せる、ある光のアクセサリがまぶしい。愛はそこにあったが、今はない。けれど、愛は確かにそこに存在した。そして、その瞬間は光り輝いていたのだ。手放してこそ実感できる愛、それもまた一つの愛の形ではないか。

 

ネガティブ・サイド

城定秀夫監督の『 愛なのに 』ぐらいのベッドシーンがあっても良かったのでは?また、玉城ティナのシャワーシーンも曇りガラスの向こうにうっすら見える程度に撮影できなかったのかな?ドロドロの不倫と中年とは思えない純朴さの対比が、稲垣吾郎演じる茂巳というキャラをより引き立たせるように思うのだが。

 

DINKSにしても、えらい良い家に住んでいるなと感じた。ロケーション協力に狛江と見えたが、あのエリアでも家賃あるいは月々のローンはかなりのものだろう。二馬力とはいえ、茂巳が一切家で仕事をしているシーンがないのは、少々現実離れしているように見えた。

 

総評

観終わってすぐに思い浮かんだのは B’z の LOVE & CHAIN の歌詞を思い出した。初期からのB’zファンなら

 

愛するというのは信じるということであっても

相手のすべてに寛容であるということではない

束縛された時に感じる愛もある

 

という間奏中の語りを知っているはず。愛というのは難しい。束縛された時に感じる愛もあれば、手放したことで感じる愛もあるはず。シニアのカップルで鑑賞していただきたい逸品である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

perfect

日本語にもなっている語。カナダではウェイターが頻繁に使っていた。

 

A:I’ll have this breakfast set.
B:Perfect!

 

A:Two glasses of beer, please.
B:Two glasses of beer? Perfect!

 

など。Good と相槌を打つ際に、時々 “Perfect!” と言ってみよう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ザ・メニュー 』
『 ザリガニの鳴くところ 』
『 ある男 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, B Rank, ヒューマンドラマ, ラブロマンス, 中村ゆり, 日本, 玉城ティナ, 監督:今泉力哉, 稲垣吾郎, 若葉竜也, 配給会社:東京テアトルLeave a Comment on 『 窓辺にて 』 -愛を巡っての珠玉の対話劇-

『 すずめの戸締り 』 -もっと尖った作品を-

Posted on 2022年11月20日 by cool-jupiter

すずめの戸締り 45点
2022年11月18日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:原菜乃華 松村北斗
監督:新海誠

 

仕事帰りについつい行ってしまった。映像美には文字通りに息をのんだが、Jovianが抱く新海誠のイメージがどんどん薄まっていく気がした。

あらすじ

女子高生のすずめ(原菜乃華)は、廃墟を探す謎の青年・草太(松村北斗)と出会う。打ち捨てられた温泉街で、偶然にも扉を開けてしまったすずめは、常世からの災厄を呼び込んでしまう。草太と共になんとか鍵を閉めたすずめだが、今度は草太が謎の猫によって椅子に変えられてしまう。すずめと草太は、謎の猫を追いかけて・・・

 

以下、ネタバレあり

 

ポジティブ・サイド

美麗な映像は日本アニメの中でも間違いなくトップ。トップクラスではなくトップ、それは間違いない。冒頭で映し出される光彩陸離な常世の情景には息を呑んだ。宮崎県の山や海の美しさも素晴らしかった。

 

本作の設定はかなりユニーク。日本列島の地震の発生源を常世に住む「ミミズ」に求めるというのは面白い。C・ダーウィン最後の研究対象であり、『 DUNE デューン 砂の惑星 』でもフィーチャーされたミミズが常世から現世に抜け出てきて倒れることで地震が発生するというメカニズムは、風水的でありながら日本的でもある。そのミミズが出てくる後ろ戸を閉じる「閉じ師」という存在も興味深い。風水師+陰陽師のようなイメージで捉えるとちょうど良いのだろう。

 

草太とすずめを普通に旅させてはつまらないと、草太を椅子に変えてしまうというのも衝撃的。逃げる猫とそれを追う椅子というのは、今後10年は出てこないシュールな画だったと思う。椅子であることに意味もあった。椅子だからこそ物も置けるし、誰かが座れる。その上に立つこともできる。椅子にされてしまった草太が、実は要石になってしまうことで、日本列島を支え、さらには日本に住まうもの全てを支えているというアナロジーの壮大さには唸ってしまった。トレイラーを見た時点で「新海誠は狂ったんかな?」と感じてしまったが、謹んで撤回させていただく。

 

日本を震災から救うということと、すずめ本人のトラウマからの解放が、草太と共に旅をすることとしっかりリンクしていて、これはこれで令和のセカイ系という印象を受けた。いなくなってしまった人々が残した想いを掬い取るというのは、ある意味で物語にしか成し得ないこと。そのように観る側の想像力を刺激しようと試みるところに本作の最大の価値があると言えるかもしれない。

 

ネガティブ・サイド

なんというか、作品を重ねていくごとに新海誠の新海誠らしさが少しずつ失われていっているように感じる。ミュージックビデオであることは本作でも変わりがないが、その点でも退行しているかな。『 ルージュの伝言 』やら『 男と女のラブゲーム 』、『 けんかをやめて 』など、劇中の芹澤の言葉を使えば懐メロになるが、これも中年世代へのマーケティングに感じられてしまう。ひねくれすぎか?いや、前二作は映像と楽曲をがっつり戦わせていたが、今作ではストーリーが音楽に従属させられていると感じた。

 

新海誠の一番の特徴というか特質は『 秒速5センチメートル 』で見せた、まさに言葉そのままの意味の中二病的な執着だったはずではないか。『 君の名は。 』、『 天気の子 』ではオタクに媚びるセカイ系文学的な世界観は残しつつ、若年層への露骨なアピールのためか、よくできたミュージックビデオになっていた。それでも、そこには社会的なメッセージの類は非常に薄かったので、まだ新海誠という作家個人の色が出ていた。本作が東日本大震災や人口減少、それに伴う過疎化をテーマに盛り込んだことは否定しないが、明らかに作家性は薄まったと感じた。新海誠はヒットメーカーよりも、異端の作家でいてほしかった。

 

無能な大臣揃いで震災復興やコロナ対策ができずに右往左往したり朝令暮改したり、さらに公文書を黒塗りにして恥じることのない日本政府を様々に揶揄している作品とも受け取れるが、新海誠はセカイ系の系譜の作家であって、そういう社会批判からある意味で最も遠い人のはず。チケット購入特典についてくる冊子をザーッと読んだ限りでは、新海本人が社会に訴えたいことがある様子。この分だと次回作もヒットするのだろうが、どんどん普通のエンタメ作品に近づいていきそう。もっと尖った作品を見せてほしいのだが・・・

 

総評

映像や音楽の素晴らしさそのものにケチはつけられない。しかし、宮崎駿や庵野秀明の作品の影響が垣間見えるのはオマージュなのか、チャレンジなのか、それともマーケティングなのか。次回作に対しては、個人的には不安を覚えてしまう。本作を面白いと感じたアニメファンは『 風の電話 』という実写映画を観るべし。震災によって傷つけられた少女の癒やしと祈りのロードムービーという点では、本作よりもはるかに面白いはずだ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

speak

劇中で2度ほど「猫がしゃべった!?」みたいなシーンがあるが、ここでの「しゃべる」は talk ではなく speak を使う。talk と speak の最大の違いの一つが、talk は話題について話す、 speak は言語を話すということ。a Germen speaker というのはドイツ語話者で、a German talker だとよくしゃべるドイツ人という感じ。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ザ・メニュー 』
『 ザリガニの鳴くところ 』
『 ある男 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, D Rank, アドベンチャー, アニメ, ファンタジー, 原菜乃華, 日本, 松村北斗, 監督:新海誠, 配給会社:東宝『 すずめの戸締り 』 -もっと尖った作品を- への2件のコメント

『 MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 』 -アイデアの勝利-

Posted on 2022年11月15日 by cool-jupiter

MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 75点
2022年11月15日 TOHOシネマズ梅田にて鑑賞
出演:円井わん マキタスポーツ
監督:竹林亮

どこのラノベだと思わせるタイトルだが、これがべらぼうに面白かった。『 カメラを止めるな! 』に迫る低予算のアイデア一発勝負映画の秀作だ。

 

あらすじ

小さな広告代理店に勤める吉川(円井わん)は、大手広告代理店への転職を目指し、職場に泊まり込む毎日を過ごしていた。ある日、二人の後輩から、自分たちが同じ1週間を何度も繰り返していることを知らされる。吉川たちはこのタイムループを原因は永久部長が身に着けているブレスレットにあると睨み、なんとかそれを破壊するための算段を練ろうとするが・・・

ポジティブ・サイド

タイムループものは小説でも映画でも数多くの秀作が生産されてきた。実際に劇中でも『 オール・ユー・ニード・イズ・キル 』や、『 ハッピー・デス・デイ 』、『 恋はデジャ・ブ 』などが言及される。本作も秀作である。

 

まず、タイムループの現場を会社にしたのがユニーク。その会社もかなりハードな様子。ネタなのか事実なのか分からないが、ブラック企業勤務の人が「とうとう iPhone が会社を自宅だと認識し始めた」みたいなことを言うが、まさにそんな会社。これだけで同じサラリーマンとして吉川やその他の面々に大いに感情移入してしまう。

 

本作でもう一つユニークなのが、タイムループに巻き込まれた面々の大半がタイムループに巻き込まれていることに気づいていないこと。そして、気付いた者たちが気付いていない者たちに気付きを促す流れが笑えるのだ。特に本丸である永久部長にタイムループに気付いてもらうために上申制度をそのまま使うところに笑ってしまう。どこまでサラリーマンやねん。異常事態にあっても社畜根性が抜けない。そんな彼ら彼女らの姿を笑いながら、冷や汗をかいている人も多いのではないだろうか。日本人の多くは地震や台風でも出社したがるからなあ・・・

 

閑話休題。本作はコメディでありながら、上質なヒューマンドラマにもなっている。小さな広告代理店で仕事をさばきながら、大きな広告代理店への転職が内定している吉川は、同僚や恋人への接し方に少々問題あり。しかし、そんな彼女がタイムループ脱出のために、部長の抱える問題の解決のために、一致団結して協力していく中で人間として成長していく。

 

毎日が同じ仕事の繰り返しのように感じられる人は多いはず。Jovian自身もそうだった。しかし、そういった閉塞的な状況をどう捉え、どう行動するのか。本作はそこに大きな示唆を与えてくれるという意味で、単なるコメディ以上の作品に仕上がっている。

 

ネガティブ・サイド

開始10分で「ああ、この人が実はキーパーソンやね」とすぐに気づいてしまう。ここをもう少しうまくカバーするような仕組みがあれば、中盤の驚き展開をもっと強烈にできたはず。

 

ずっとほったらかしにしてしまっていた吉川のボーイフレンドは、結局どうなったのだろう。そこも少しで良いのでフォローしてほしかった。

 

総評

サラリーマン的な世界観を提示して、それを笑わせながら、いつの間にやらそのサラリーマン的な世界観に感動させられた。決して万人受けする作品ではないだろうが、刺さる人には刺さること間違いなし。低予算であっても脚本が良ければ勝負できる。有名俳優が出演していなくても、しっかりとした演出ができればキャラにもストーリーにも説得力が生まれる。こうした王道以外の作品が邦画の世界でもっと生み出されてほしい。すまじきものは宮仕えと言うが、サラリーマンは本作を観て、明日への勇気をもらおうではないか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

make it up to someone

誰かに対して埋め合わせをする、の意味。吉川は仕事に忙殺されて、ボーイフレンドを放置してしまい、それに対して電話で「埋め合わせするから」と言う。英語字幕なら、間違いなく I’ll make it up to you. である。この表現を使うということは何らかの穴を開けてしまっているわけで、積極的に使うべきフレーズではないだろう。ただ、人間関係の中でこう言わざるを得ない場面はきっとある。知っておいて損はないはず。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ザ・メニュー 』
『 ザリガニの鳴くところ 』
『 ドント・ウォーリー・ダーリン 』

 

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Posted in 国内, 映画, 未分類Tagged 2020年代, B Rank, コメディ, マキタスポーツ, 円井わん, 日本, 監督:竹林亮, 配給会社:パルコLeave a Comment on 『 MONDAYS このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない 』 -アイデアの勝利-

『 王立宇宙軍 オネアミスの翼 』 -4Kリマスター版-

Posted on 2022年11月8日 by cool-jupiter

王立宇宙軍 オネアミスの翼 60点
2022年11月6日 梅田ブルク7にて鑑賞
出演:森本レオ
監督:山賀博之

漫画『 げんしけん 』で本作を知ったのはいつだったか。劇場公開されたので、これ幸いとチケットを購入。

 

あらすじ

オネアミス王国の宇宙軍は、宇宙に行ったことのない軍として民衆から指示されていなかった。宇宙軍の士官シロツグ(森本レオ)は、信心深い少女リイクニとの偶然の出会いをきっかけに、人類初の有人宇宙飛行のパイロットに志願するが・・・

ポジティブ・サイド

いちばん最初に感じたのは手描きアニメの良さが凝縮されているということ。現代のデジタルで描いて、PC上で動かすという手法ではなく、セル画をひたすらに描き連ねて作った、まさに古き良きアニメという感じがする。

 

戦闘機からロケット打ち上げ発射台にいたるまで、メカのデザインも素晴らしい。現実に実際にワークしそうな設計思想が垣間見えるのが良い。一方で、少年の想像力というか、科学的な考証よりもロマンを前面に押し出したようなメカの造形にもニヤリとさせられる。

 

王国も中世ファンタジー世界ではなく、産業革命のただ中のイングランドそっくり。ただし、どこか違う。バラックや路地裏に東南アジア的な雰囲気も漂っている。『 ブレードランナー 』的、あるいは『 GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 』的とも言えるかもしれない。

 

そこに住まう人々の意識も、ちょうど中世から近代に脱皮するぐらいか。水軍や陸軍は存在意義を保持しているが、宇宙軍はそもそも宇宙に行ったことがないし、宇宙に敵がいるのかどうかも分からない。しかし、宇宙は宇宙として、人類最後のフロンティアとして厳然と存在する。もちろん本作の製作時にすでに人類は宇宙に到達していた。だから本作の価値が落ちるわけではない。逆に、人類の宇宙到達をリアルタイムで見届けられなかった自分たちに捧げる作品を作ろうとしたのだろう。同時に、当時の宇宙開発が米ソの軍拡競争の一環として繰り広げられていたことへの抗議の意味合いもあったことだろう。

 

まさに少年の少年による少年のためのアドベンチャーアニメと言える。

ネガティブ・サイド

SFは大きく二つに分けられる。一つは、時代と共にそのアイデアが風化しないもの。もう一つは、時代が進むとそのアイデアが風化してしまうもの。前者の代表例はジェイムズ・P・ホーガンの『 星を継ぐもの 』、ロバート・L・フォワードの『 竜の卵 』、グレッグ・イーガンの『 宇宙消失 』あたりか。後者の代表例は残念ながら本作か。

 

有人宇宙飛行を達成するという目的達成のために何かユニークなアイデアが提起されるわけではない。本作は Science Fiction なSFではなく、Space Opera なSFであるが、それでも何か本作の世界を特徴づけるテクノロジーもしくは理論が必要だった。ガンダムが何故あれほど説得力があり、幅広い世代を魅了したのか。それはミノフスキー粒子という設定により、宇宙空間で近接戦闘をする必然性が生まれたからだ。本作も何か一つ、独自の世界観を確立する設定を持ってほしかった。本作のストーリーはかなり政治的な色合いが強いが、もっと純粋に科学や技術を追求するべきだった。

 

シロツグのリイクニへの迫り方は、ちょっとなあ・・・。女子への距離の詰め方を知らないアホなオタクそのまんま。製作者たちはそこまで自分を反映する必要はなかった。

 

総評

作画や音楽の素晴らしさは2020年代でも十分に通用する。むしろ、セル画にこれでもかと描き込む作品は、近い将来にロストテクノロジーとなってしまうだろう。そういう意味では実に貴重な作品をリマスターしてくれたものである。一方で、ストーリーがとにかく陳腐である。本格的なSFらしさを求めるとがっかりさせられる。また製作者の感性が非常に色濃く反映されているので、ガイナックス作品と波長が合わない人は、本作とも波長は合わないだろう。そのあたりを考慮の上、鑑賞するかどうかを判断されたし。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

no matter what

使い方が色々ある表現だが、これをセンテンスの最後に置くと「何が何でも」のような意味になる。終盤でシロツグが「俺は死んでも上がるぞ!」のようなことを言うが、これは

I’m going up no matter what!

だろう。I’m going up even if I die! はちょっと変だ。

I’ll get off at 5:30 pm no matter what. Today’s my daughter’s birthday.
何が何でも5時30分にあがるぞ。今日は娘の誕生日なんだ。

のように、日常生活の中でどんどん使ってみよう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 窓辺のテーブル 彼女たちの選択 』
『 警官の血 』
『 窓辺にて 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 1980年代, C Rank, SF, アニメ, 日本, 森本レオ, 監督:山賀博之, 配給会社:バンダイナムコフィルムワークスLeave a Comment on 『 王立宇宙軍 オネアミスの翼 』 -4Kリマスター版-

『 天間荘の三姉妹 』 -スカイハイだと明示せよ-

Posted on 2022年11月6日 by cool-jupiter

天間荘の三姉妹 40点
2022年11月5日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:のん 大島優子 門脇麦 寺島しのぶ
監督:北村龍平

漫画『 スカイハイ 』は、絵柄は好きでも、ストーリーはそんなに好きではなかった。今作も予備知識ほぼゼロで臨んだが、柴咲コウがイズコだと分かってからは、この独特の世界観を楽しめなかった。

 

あらすじ

老舗の温泉宿「天間荘」を切り盛りする若女将の天間のぞみ(大島優子)は、イルカの調教師のかなえ(門脇麦)とともに腹違いの妹、たまえ(のん)を迎え入れる。たまえは行き先を決めるまでの間、天間荘で働くことになるが・・・

ポジティブ・サイド

『 女子高生に殺されたい 』でも感じたが、アイドルだった大島優子が女優になっている。和服の着こなしだけなく、所作も旅館の女将さんらしさが出ている。それを感じさせたのは歩き方。宿の廊下をしゃなりしゃなりと歩くことができていた。長女として、また若女将として、大女優・寺島しのぶに真っ向から挑むその姿勢や善し。脱アイドル完了まであと2作品ぐらいだろうか。

 

門脇麦も相変わらずの安定感。彼女の出演作はハズレが少なく、作品がハズレでも彼女の演技がハズレであることはほとんどない。日本のジェシカ・チャステインを目指してほしい。『 あのこは貴族 』と同じく高良健吾との共演がよく似合う。また、どことなく寺島しのぶと顔の作りが似ているように感じられ、母子の感じが強く出ていた。

 

ただ。今作では寺島しのぶすら食ってしまう三田佳子御大が出演。本作の色んな面に不満があるのだが、三田演じる財前からは偏屈さと、その根っこある他者を敢えて寄せ付けないという優しさ、そして気高さが感じられた。財前とたまえのサブプロットをメインのプロットに書き換えて、それを1時間30分のたまえのビルドゥングスロマン映画にしても良かった。それぐらい三田佳子の演技は鮮烈だった。

ネガティブ・サイド

残念ながら役者の演技以外に褒められるところがない。震災で亡くなってしまった人々は確かに痛ましいとは思う。けれど最も苦しめられるのは、亡くなった人の家族や友人ではなく、見つからない人、行方不明のままの人の家族や友人ではないか。言い方は悪いが、遺体があれば、その人は死んだと受け入れられる。受け入れざるを得ない。しかし遺体が見つからないままであれば、まだ生きているのではないかという絶望的な希望にすがるしかないではないか。『 風の電話 』が傑作だったのは、まさにここに焦点を絞ったからである。

 

そもそも漫画『 スカイハイ 』は、天国に行く、現世をさまよう、復讐するの三択から一つを選ぶのではなかったか。津波によって街ごと破壊された、なので三ツ瀬という街をそのまま天と地の間に再現しようというのは、原作の世界観を破壊してはいないか。何か腑に落ちない。

 

絵師の少女の物語が今一つ。正直なところ、こんな風に孤立してしまう子は残念ながらどこにでもいる。今の大学生がどれくらいメンタルの不調を抱えて、いわゆる「配慮願い」を学校に提出してくるか、本作の制作者たちは知っているのだろうか。Jovianはこの少女の因果にまったく同情も共感もできなかった。

 

本作はのんのキャラクターと合っていないようにも感じた。のんの持ち味として、たとえば『 私をくいとめて 』や『 さかなのこ 』、『 Ribbon 』のように、世間や時代に簡単に迎合しないキャラクターが挙げられる。これは彼女自身の生き様とも共通するところだろう。その一方で、本作ではいわゆるフリーターで、旅館の女中からイルカの調教師を目指すというサブプロット。偏屈な財前との絡みから、おもてなしを極めることを志すのではダメなのか?死者のメッセージを生者に届ける役目を引き受け、天地の間にたゆたう魂を昇天させるという筋立てではなダメなのか?ぶっちゃけイルカの調教師のシーンは必要か?しかも、ザバーンと水に飛び込んだ直後のシーンで、のんの髪が濡れていないという大失敗の画も・・・

 

本作は『 スカイハイ 』のスピンオフであることを明示するか、あるいは『 パッセンジャーズ 』のようなトリックを仕込むべきだった。天間荘でたまえが様々な客をもてなしていくが、実はもてなされていたのは・・・という感じである。ファンタジーを描きたいのか、ヒューマンドラマを描きたいのか。そこをはっきりさせない中途半端な作品である。

 

総評

一部はとても面白いのだが、全体を観ると凡庸というか、はっきりいって面白くない。製作者の死生観に文句をつけるわけではないが、死者側から生者側を観るという物語の必然性を感じない。『 スカイハイ 』は理不尽に命を奪われた個人が、死を受容したり、あるいは復讐するところが肝なのであって、記憶をもって蘇るというのはご都合主義が過ぎる。チケットを買うなら、役者の演技を堪能するためと割り切るべし。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

near-death

ニアミスならぬニアデスで、これは臨死という意味。しばしば near-death experience = 臨死体験という使われ方をする。臨死体験は『 フラットライナーズ 』の昔から映画や小説のテーマになっているので、この表現を見聞きしたことがある人も多いのではないか。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 窓辺のテーブル 彼女たちの選択 』
『 王立宇宙軍 オネアミスの翼 』
『 警官の血 』

 

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Posted in 国内, 映画, 未分類Tagged 2020年代, D Rank, のん, ファンタジー, 大島優子, 日本, 監督:北村龍平, 配給会社:東映, 門脇麦Leave a Comment on 『 天間荘の三姉妹 』 -スカイハイだと明示せよ-

『 水霊 』 -原作を改変しすぎ-

Posted on 2022年11月6日 by cool-jupiter

水霊 50点
2022年11月1日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:井川遥 渡部篤郎
監督:山本清史

ハロウィーンのホラー鑑賞第3弾。原作の著者は田中啓文で、タイトルは同じく『 水霊 』。本作が映画化されているのは、つい先日まで知らなかった。原作は伝記ホラーかつ嫌ミスの要素を兼ね備えた良作だが、映画は別物に仕上がっていた。

 

あらすじ

小規模地震が頻発する東京の武蔵野・多摩エリアで、不可解な自殺事件が相次いで発生する。その原因が水にあることを突きとめた新聞記者・響子(井川遥)は、水道局に勤める元夫・祐一(渡部篤郎)に相談するが、祐一はまったく取り合ってくれず・・・

 

ポジティブ・サイド

原作と全く違うストーリーとキャラクターだが、良い点もいくつか。主人公を男性から女性に変えたのは『 リング 』の真似かな。ホラーは女性が主人公の方が、恐怖のビルドアップに説得力が生まれる。

 

水を原因とする変死、怪死が頻発するが、その描写が結構えぐい。特に水槽の水を吐き出したり、トイレの水を飲んだりするシーンは女子高生役の怪演もあって、非常に見応えがあった。別のキャラの失明シーンもなかなかのグロさだ。

 

人を狂わせる水の出どころを追ってインターネット検索する時に使っているのが Yahoo というところに時代を感じる。同時に、新聞記者の響子が文献ではなくネットを使うところも新鮮。ちょうど日本が情報化していた時期の作品だったという意味でも興味深い。

 

響子に仕込まれた一種の仕掛けもなかなか衝撃的。つのだじろうあたりが描きそうなネタで、これには驚かされた。フェアな伏線も張られているのに、見逃してしまった。

 

ネガティブ・サイド

先行する『 仄暗い水の底から 』の影響を受けたのか、ジメジメとした画作りと水の滴る音、そして暗い人間関係、就中、家族のそれに焦点を当て過ぎている。原作通りに、地方の町興しに天然水を売り出す。しかし、その天然水には・・・という設定を活かせなかったのだろうか。

 

渡部篤郎演じる祐一が自身の発症から、友人の医者に会いに行く場面で「お、ついに原作で度肝を抜かれた、あの場面の再現か?」と興奮したが、それもなし。なんじゃ、そりゃ・・・。

 

黄泉とは黄色い泉という学者の言葉。そして東京を中心とした群発地震。遺跡の出現など、民話ホラーとしての恐ろしさを追求する機会をことごとく逸している。惜しいというか、歯がゆいというか。また原作にいた主人公の元カノにあたるような人物がいれば、水のもたらす人格変容の恐怖も描けるが、それもなし。口渇と多飲だけだと糖尿病に見えてしまう。

 

エンディングも正直しょぼい。もっと日本全土を巻き込むようなバッドエンドを志向しても良かったのでは?どうせ原作をいじるのなら、徹底的にやってもらいたかった。

 

総評

これも映画化失敗作品である。原作小説の怖さは、一般人の想像力をはるかに超えるような最悪の真相が、一般人の想像力で活字からも視覚化できたからである。つまり、(予算と監督の手腕さえあれば)映画化は実は難しくないミッションだったはずなのだ。もちろん、ホラー・ジャパネスクにも数多くの秀作がある。問題は、それを一つのトレンド止まりにしてしまったことか。配信やレンタルで視聴する際は、深夜のテレビ映画だと思って鑑賞するべし。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

 

waterborne

 

水を介して、の意味。似たような語に airborne がある。本作では呪いの正体を水を介した感染症に求めている。その真相はいかに?原作観読者はぜひ小説を読んで確かめられたし。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 窓辺のテーブル 彼女たちの選択 』
『 天間荘の三姉妹 』
『 王立宇宙軍 オネアミスの翼 』

 

 

またはアマゾンプライムでもどうぞ。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2000年代, D Rank, ホラー, 井川遥, 日本, 渡部篤郎, 監督:山本清史, 配給会社:トルネード・フィルムLeave a Comment on 『 水霊 』 -原作を改変しすぎ-

『 不安の種 』 -民話的ホラーの失敗作-

Posted on 2022年11月5日 by cool-jupiter

不安の種 40点
2022年10月31日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:石橋杏奈 浅香航大
監督:永江俊和

ハロウィーンのホラー映画鑑賞第2弾。昔ちょろっと観て、そこそこ面白いと感じた記憶があり、今回再鑑賞してみたが・・・

 

あらすじ

バイク便ライダーの巧(浅香航大)は、怪我をした青年を救助しようとしたが、彼はおぞましい死を遂げてしまった。そのことが原因で新しいバイトを始めた巧は、勤務先で陽子(石橋杏奈)という不思議な女性に出会う。以来、街に潜む怪異が徐々に姿を現し始め・・・

 

ポジティブ・サイド

時系列をばらばらにして観る者に混乱を、その後に不安や恐怖をもたらそうとする試みは悪くない。様々に現れる怪異の正体のほとんどが不明であるところもいい。特にインパクトが強いのは顔面を藁で覆った女性だろうか。別に危害を加えてくるわけではない。ただ存在するだけ。それが逆に不安を掻き立ててくる。まさに不安の種だ。

 

ストーリーは巧と陽子を軸に進んでいくが、陽子のメンヘラっぷりがなかなかキツい。また、陽子に仕込まれた一種のトリックはなかなか興味深い。山口雅也とか筒井康隆のような小説家が思いつきそうなプロットである。

 

グロ描写もそれなりに頑張っている。須賀健太と津田寛治のシーンでは、Jovian妻は悲鳴を上げて目を背けた。普通の映画好きにこれだけの反応をさせれば、ホラーやスリラーとしては及第点だろう。

 

オチョナンさんの正体を様々に考察するのも面白い。座敷童ならぬ一種の都市童なのだろう。怪異のもたらす不安に負けないためにはどうすればいいのか。自分もその怪異になってしまえばいい。子どもの目から見た社会、世界の理不尽さを強烈に皮肉っているのかなと感じた。さあ、不安の種が生み出すものは何なのか、あなたも考えてみよう。

 

ネガティブ・サイド

2010年代の作品だとしてもCGが相当にしょぼい。眼球が這いずり回るのはなかなかシュールだが、これがもし眼球についた筋肉が蠕動したり、あるいは眼球を覆うヌメヌメの粘液のようなものの質感までCGで表現できていたら、それだけで掴みの印象はかなり異なっただろう。世界観を一気に伝える establishing shot にカネを惜しんではならない。

 

怪異のオンパレードだが、原作に登場する怪異を全部出してやろうとするのではなく、いくつかに絞って、そのうえで登場人物たちにじっくり不安の種を仕込む展開の方が良かったように思う。巧に関して言えば、バイト先の謎の客はまだしも、右腕がない金づち女は蛇足に感じた。

 

アパートのドアに貼られる死のシールも、ちょっと奇異に映った。ここで陽子がアパートの住人の死因を急性心不全ではなく心筋梗塞だと言い切ってしまうのは流石にやりすぎ。そんなことが分かるはずがないし、分かったとすれば犯人だ。本作はスリラーやホラーであってもミステリではない(その要素もあるが)のだから、死因はある意味で二の次でいい。ここは脚本上の大きなマイナス点だ。

 

全体的に古典的なジャンプ・スケアが多めなのも気になった。本作の肝は不安であって恐怖ではない。じわじわと不安感を盛り上げていく手法を模索すべきところを、安易なクリシェに逃げた点も減点対象にせざるを得ない。踏切の向こうで不穏な形と動きを見せる雲・・・のようなシーンをじっくりと積み上げていくべきだった。

 

総評

いくつかのシーンを取り出せば結構面白いのだが、つなげて観ると「なんだかなあ・・・」という出来になる。日常の中に怪異が紛れ込み、さらにそこから怪異が日常を飲み込んでいくという流れは面白いのだから、そのあたりの登場人物の不安をもっと丹念に描くべきだった。来年はもっと面白そうなホラーを選びたい。何かお勧めの和製ホラーがあれば、誰かお教えください。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

 

anxiety

発音はアングザイアティのような感じ。ザイにアクセントを置こう。これは「不安」という意味の名詞。

This movie caused me a lot of anxiety.
この映画は僕を凄く不安な気持ちにさせた

のような使い方をする。 

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 窓辺のテーブル 彼女たちの選択 』
『 天間荘の三姉妹 』
『 王立宇宙軍 オネアミスの翼 』

 

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『 ISOLA 多重人格少女 』 -映画化は失敗-

Posted on 2022年11月1日 by cool-jupiter

ISOLA 多重人格少女 40点
2022年10月29日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:木村佳乃 黒澤優 石黒賢 渡辺真起子
監督:水谷俊之

ハロウィーンということで、伊丹のTSUTAYAで本作と『 不安の種 』、『 水霊 』を借りてきた。本作のことは『 この子は邪悪 』で思い出した。

 

あらすじ

自分探しの為に阪神淡路大震災のボランティア活動に参加した由香里(木村佳乃)は、解離性同一性障害を持つ千尋(黒澤優)と出会う。千尋には13人の人格が宿っていた。由香里は千尋に接していくが、周囲では不審死が頻発する。その原因は、千尋の中に隠れた人格の一つのようで・・・

 

ポジティブ・サイド

冒頭の水音と空中浮遊視点に、原作読了者ならゾッとさせられることだろう。素晴らしい establishing shot で、ドローンのない時代によくこんな空中浮遊映像が撮れたなと感心させられる。 この巧みなカメラワークは本編でも健在で、ISOLAの視点とその他の人物の視点で、カメラワークが全然違う。撮影監督は素晴らしい仕事をしたと思う。

 

阪神大震災をエンタメの題材として扱ったものには、小説『 未明の悪夢 』など割とたくさん活字媒体では生産されたが、映像作品として真正面から震災と向き合ったのは、おそらく本作が初めてではないか。家屋が倒壊した被災地、避難所で雑魚寝する避難所を、かなりの程度、本作は再現したと言える。大道具や小道具のスタッフは相当な労苦をもって仕事をしたことだろう。

 

渡辺真起子って、この頃からバリバリの女優さんやったのね。女の情念を体現できる、日本では希少価値が高い女優さんであると思う。

 

『 CURE 』や『 39 刑法第三十九条 』と並んで、精神のダークサイドを追求しようとした邦画としては、一定の貢献と価値が認められる。

 

ネガティブ・サイド

『 水曜日が消えた 』も一人七役と言いながら実質は一人二役だった。本作はそれよりも酷く、一人十三役とは言わないが、せめて一人四役ぐらいは演じさせるべきだった。黒澤優はアイドルではなく女優だったのだから、それぐらいは追い込むべきだったろう。

 

原作の由香里のエンパスとしての能力、さらに風俗で働いていたというバックグラウンドがきれいさっぱり消されていた。何じゃそりゃ・・・。エンパスとして強烈な想念が視えるということ、そしてISOLAも強烈な想念が視えるということが、原作では強烈なホラーとサスペンスを生み出していた。それが本作では実現されず。難しいのは分かるが、そこを避けて映像化する意味はあったのか。

 

木村佳乃の演技は、今も昔もあまり変わらない。基本、薄っぺらいというか、原作の由香里の持っている強かさと人間らしい弱さ、そのどちらも表出できていなかった。石黒賢も若いというか、ちょっと浮いていた。この人はテレビドラマの役者で、映画向きではない気がする。セリフをしゃべることはできても、表情や立ち居振る舞いで語ることができていない。

 

最大の不満は、磯良とISOLAの説明。なぜISORAではないのか。なぜISOLAなのか。原作にあったこのあたりの説明の巧みさ、そして恐ろしさが本作ではきれいにスキップされてしまった。また原作のバッドエンドが、本作ではハッピーエンドに。いや、改変はある程度認められるが、それならこれ見よがしに出していた漢字辞典の意味は・・・。最後に唐突に現れる憧子という人格は、原作では心臓が止まるほどの恐怖を引き起こす存在なのに、本作では非常にほんわか。ホラーとはいったい・・・

 

総評

端的に言って映画化失敗。当時は角川ホラー文庫から面白いホラー小説が陸続と出てきていたが、今作は『 リング 』から始まったホラー・ジャパネスクの流れに乗り損ねたらしい。DVDが出て、すぐにTSUTAYAで借りた記憶があるのだが、20代の頃はこれを結構楽しんだ記憶がある。黒澤優が可愛かったからか?ぶっちゃけ観る価値はあまりない。原作小説の方が遥かに怖い。読んだら観るなが正解である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

path

道・・・ではない。由香里は empath とされるが、これは共感能力が高い人を意味する。pathはギリシャ語のパトス由来で、人間の感情のこと。ここから telepathy =遠くの人の気持ちが分かるからテレパシー、apathy =感情が無いから無気力、sympathy = 気持ちが一緒になるから同情・共感となる。形態素(接頭辞、語幹、接尾辞)が分かると、語彙力を伸ばしやすくなる。英検準1級に合格したら、ボキャビルの際には形態素を意識してみよう。

 

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