続・夕陽のガンマン 地獄の決斗 100点
2024年3月30日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:クリント・イーストウッド イーライ・ウォラック リー・ヴァン・クリーフ
監督:セルジオ・レオーネ
『 続・夕陽のガンマン 』の劇場再上映。『 オッペンハイマー 』の劇場公開期間はまだ続くだろうが、本作は今を逃すと一生観られないかもしれない。ということでこちらのチケットを購入。
あらすじ
時はアメリカ南北戦争の最中。賞金稼ぎのブロンディ(クリント・イーストウッド)と賞金首のトゥーコ(イーライ・ウォラック)、そして北軍士官のエンジェル・アイ(リー・ヴァン・クリーフ)の3名は、20万ドルもの大金がどこかに隠されていることを知り、互いに協力し、互いに出し抜きあい、金貨の隠し場所を探っていき・・・
ポジティブ・サイド
キャラ、ストーリー、演出、撮影、音楽など、すべてが完璧。4Kではなく2Kで劇場鑑賞したのも良かったかもしれない。3時間弱もなんのその。うちの親父は十三の映画館で公開当時に観たと言っていたが、同じ経験ができたのは嬉しい。
3人のキャラが立っているのが素晴らしい。The Good のブロンディも実は全然良い奴ではないし、The Bad のエンジェル・アイも自分なりの正義を貫く男。卑劣漢(この訳はすごい)のトゥーコの優れたプロフェッショナリズムと隠れた家族愛。この3人は表情だけで物語れるのだ。
本作のストーリーや演出がもたらした影響は途轍もなく大きい。観ていて「あ、あの映画のあのシーンはここからインスパイアされたんだな」と感じるシーンが随所にある。最も分かりやすいには、ハン・ソロがグリードをテーブル下から射殺するシーン。あれはエンジェル・アイのオマージュだろう。
この時代はフィルム撮影なので、撮ったその場で再生することには色々と制約があったはず。なので、役者もそんなに簡単にNGは出せない。しかし、本作ではロングのワンカットがかなり多用されている。前にも述べたが、トゥーコがガンショップであれこれと吟味するシーンや砂漠でボトルを放り投げて、そのボトルが砂丘の斜面を絶妙に転がっていくシーンなどは、今見ても鳥肌が立つほど素晴らしい。
そして何といってもエンニオ・モリコーネの音楽が圧倒的な臨場感と没入感をもたらしている。テーマ音楽の笛の根だけで無限の荒野を前進している気分になれるし、The Ecstacy of Gold を背景にサッドヒル墓地を駆け回るトゥーコはまさに黄金の魔力に憑りつかれた男の欲望の強さ、人間の本能的なものと、一つの旅の終着点にたどり着いた哀愁の両方を感じさせる。決闘シーンの The Trio の雄大さは言わずもがなだが、途中で挿入される『 夕陽のガンマン 』のオルゴールの旋律と、その後に続く銃声の数々、そこに3人の表情を映し出すことで、それぞれが過去に行ってきた決闘の数々を観る側に想起させる。徹底的にビジュアル・ストーリーテリングに徹するセルジオ・レオーネのまさに面目躍如だ。
劇場再公開期間中にできるだけ多くの人に鑑賞してほしい。鑑賞後は『 サッドヒルを掘り返せ 』も観てみよう。
ネガティブ・サイド
なし。
総評
『 バック・トゥ・ザ・フューチャー 』シリーズの大ファンであるJovian妻は『 荒野の用心棒 』は知っていたが、本作は初見。それでもかなり面白いと感じてくれた(第一声が「まあまあやな」だが、これは最大級の賛辞)。『 オズの魔法使 』や『 テルマ&ルイーズ 』を観た時にも感じたが、映画館はもっと名作のリバイバル上映をやっていい。コロナ禍でのジブリ映画の再演が好例。『 風と共に去りぬ 』とか、それこそ『 用心棒 』は、ぜひ大画面と大音響で鑑賞したい。
Jovian先生のワンポイント英会話レッスン
follow ~ through
~を完遂する、の意。劇中ではエンジェル・アイが When I’m paid, I always follow my job through. = 「報酬を受け取ったら、常に依頼を完遂するのが俺だ」みたいなことを言っていた。テニスやゴルフは打つ前にテイクバックを行い、球を打ち、フォロースルーをしっかり行う。このイメージで覚えよう。
次に劇場鑑賞したい映画
『 オッペンハイマー 』
『 梟ーフクロウー 』
『 12日の殺人 』
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