リバイアサン 65点
2023年5月13日 YouTubeにて鑑賞
出演:ピーター・ウェラー
監督:ジョルジ・バン・コストマス
『 アビス 』、『 スフィア 』に続いて、懐かしの映画鑑賞。確か、親戚の家でテレビ放送されていたのを観た記憶がある。字幕なしでも、まあまあ理解できた自分を褒めたい。
あらすじ
地質学者のベック(ピーター・ウェラー)率いる海底探査チームのメンバーが、ソ連の沈没船『リバイアサン』から回収した酒を飲んでしまった。これにより、メンバーの肉体が遺伝的に変異し、人を襲う化け物になってしまい・・・
ポジティブ・サイド
当時はまったく気付かなかったが『 エイリアン 』と『 エイリアン2 』にプロットやキャラクター、プロダクションデザインまで何もかもがそっくり。オリジナリティの無さと見ることもできるが、Jovianはオマージュだと捉えたい。
海底基地は宇宙船ノストロモ号の雰囲気とよく似ているし、その中を静かに徘徊しながら成長するモンスターというのも、まんまゼノモーフ。そして本社は本社でベックら現場の人間のピンチにもかかわらず、彼ら彼女らを切り捨てるかのような判断を下す。これもまんまウェイランド・ユタニ社。さらにコンピュータに問いかけて、答えをもらおうとするのもマザーと同じ。だが、このシーンはAIの登場によって古さどころか先見の明を示した優れたシーン(を換骨奪胎したもの)として再評価されるべきだろう(そもそも『 エイリアン 』も『 2001年宇宙の旅 』へのオマージュ満載なのだから)。
ホラーとしてもなかなかに秀逸。クルーの手のひらに口ができるシーンは、『 ブレードランナー 』の目潰しシーンや『 ザ・フライ 』の耳がポロリと落ちるシーンと並んで、Jovian少年にトラウマを植えつけた。
いつの頃からかCG全盛になってしまったが、1980年代あるいはそれ以前の映像からは生の質感が強く感じられる。個人的には「古き良き」という表現は好きではないが、本作はその形容詞がふさわしいと思う。
ネガティブ・サイド
ピーター・ウェラーのキャラが弱い。序盤から中盤にかけては海洋や地学の知識を生かして状況を前に進めていくが、アクションおよびホラーが全面に出てくる後半ではそうした背景が生きてこない。このあたり、『 エイリアン 』で宇宙船を知り尽くしていたリプリーとは大きな差がつく。
『 スフィア 』や『 アビス 』同様に、「いやいや、そこは泳がれへんやろ」というところを平気で泳いでいく。これはもう海洋ホラーの一種の様式美として受け入れるしかないのだろうか。
最後のサメは必要だったか?むしろ海面に上がってきたクリーチャーがホオジロザメを一瞬で血祭にあげるようなシーンこそが求められていたのでは?
総評
海洋モンスターパニックものとして結構面白い。このジャンルが好きならば、ぜひ鑑賞を。CGではないクリーチャーの質感、とくにネバネバヌメヌメ系が好みなら尚のことお勧めである。ピーター・ウェラーの代表作は文句なしに『 ロボコップ 』だが、本作は次点に来てもいいような気がする。
Jovian先生のワンポイント英会話レッスン
could use ~
『 スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け 』でも紹介した表現。~があるといい、の意味。劇中では Hell, I could use a day off! = 私だって丸一日の休みが欲しいわ!のように使われていた。今年度はクライアント大学のテストが大幅増となり、毎日が早出残業のJovianは Hell, I could use a week off! という気分である。
次に劇場鑑賞したい映画
『 放課後アングラーライフ 』
『 不思議の国の数学者 』
『 高速道路家族 』