テラフォーム 侵略 50点
2022年12月18日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ニコール・シャルモ ジャック・キャンベル
監督:エディ・アーヤ
近所のTSUTAYAで準新作コーナーにあったので、クーポンを使ってレンタル。典型的なクソB級SFだと思っていたが、どうしてなかなか面白かった。
あらすじ
アメリカの片田舎に隕石が落下。周辺の住民およそ1300人全員が犠牲になった。隕石落下地点では有毒ガスが発生。軍は一帯を封鎖する。謎の解明のために宇宙生物学者のローレン(ニコール・シャルモ)が召喚されるが、回収された遺体のうち49名が突如として起き上がった・・・
ポジティブ・サイド
侵略ものとしてはなかなか珍しい植物媒介型。Jovian的には小説『 トリフィド時代 』以来のように思える。よくよく考えれば、これは理にかなっている。新天地に最初に降り立つべきは動物ではなく植物。そして植物がガス交換して、それによって大気組成を徐々に変えていくというのは、実際のテラフォーミングの過程とも合致するはず。
さらに死体が起き上がるというのもなかなかのホラー。面白いなと感じたのは、死体がゾンビ化して動き回って周囲の生物を襲いまくる、ということがない。逆にどこか虚空の一点を時折見つめるのみ。これはシュールな光景で、これは『 光る眼 』とかからヒントを得ているのかな。物語が進むにつれ、ローレンの過去と今回の侵略がリンクしてくる。このへんは『 メッセージ 』の真似だろう。
過去の先行作品のおいしいところを頂いてくるのは別に悪いことではない。問題はしっかりと自分流の味付けができるかどうか。その意味で、本作は割と真面目に科学的な考証を行っている。ああ、そこがそうなるの?という感じで、思わぬ形で過去と現在をつなげてくる。ここはちょっと感心した。
ちなみにこれ、元ネタというか、着想は漫画『 風の谷のナウシカ 』から得てるよね。
ネガティブ・サイド
序盤にローレンと一緒に出てくる男性科学者はちょっと問答をしただけで、あとは全然役立たず。『 メッセージ 』におけるジェレミー・レナ―的なポジションのはずだろうに。このキャラはばっさりカットしても良かった。
仮説段階とはいえ、異星文明由来の物質を吸い込んだ人間相手に、スタンダード・プリコーションで接近したらダメでしょ。
異星人がいよいよ本領発揮してくるという時に、ドラマ『 X-ファイル 』的な演出をするのは少々気になった。映画が映画のオマージュを取り込むのはいいが、ドラマの演出をそのまま使うというのはどうもなあ。
最後の最後の展開、必要かな?『 アクセル・フォール 』並みに唐突な終わり方。一応伏線は張ってあるものの、だからどうしたの?としか言えない。
総評
『 アド・アストラ 』思弁的なSFが好き、または『 ザ・メッセージ 』のようなB級作品を楽しめるという向きなら、本作もそこそこ楽しめるはず。a rainy day DVD もしくは a stay-at-home day DVD として、ウォッチ・リストに入れておいてもいいかもしれない。
Jovian先生のワンポイント英会話レッスン
I’m listening.
直訳すれば「私は聞いている」、字幕では「それで?」だった。普通の会話の中でも割と出てくる表現で、「それで?」や「ということは?」や「つまり?」のように、「あなたの話を聞いている。その続きを話してほしい」を簡潔に表現していると思えばいい。会話に自信がなく、うなずいてばかりの人は、一度 “I’m listening.” を使ってみよう。
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『 夜、鳥たちが啼く 』
『 ケイコ 目を澄ませて 』