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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 監督:チョン・ボムシク

『 ニューノーマル 』 -殺しのオムニバス-

Posted on 2024年8月18日 by cool-jupiter

ニューノーマル 60点
2024年8月17日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:チェ・ジウ
監督:チョン・ボムシク

 

コロナによって生まれた新しい生活習慣=New Normalという、このタイトルだけでチケット購入。

あらすじ

ヒョンジョン(チェ・ジウ)のもとに、突然、火災報知器の点検をしにきたという男がやって来る。男は点検の傍ら、不穏な空気を醸し出しながら、最近起きた未解決の殺人事件について語り始め・・・

ポジティブ・サイド

ニューノーマル=衛生習慣の徹底だと理解していたが、人と人の物理的・精神的な距離が日本よりもはるかに近い韓国では、マッチング・アプリやオンラインゲーム、匿名掲示板がさらに勢いを増しているということか。

 

本来ならば出会わない、あるいは関係のない人間と、ちょっとしたことから繋がりが生まれ、それが悲劇につながっていくというオムニバスかつアンソロジー形式のスリラー。

 

Chapter 1: 覚えられなかった・・・

チェ・ジウの住居に怪しげな男が訪ねてきて・・・ オチはすぐに分かるが、チェ・ジウの一種の恍惚とした表情が強く印象に残る。

 

Chapter 2: Do The Right Thing 

塾の仲間や講師にボランティアを呼びかけられた少年が、車椅子の老婆を助けたところ、お礼を上げると申し出られて・・・ 『 バニシング 未解決事件 』でも未解決だった問題は、コロナ禍を経ても、やはり未解決のまま。『 ユージュアル・サスペクツ 』や『 愚行録 』など、足が悪いところが印象的なキャラクターはやはり・・・

 

Chapter 3: Dressed To Kill

第一章の続き。マッチング・アプリで新たな出会いを求める男女を痛烈に皮肉っている。このチャプターで、アプリのアラーム=マッチ度の高い相手が周囲にいるという通知を見るたびに、コロナ禍における本邦のごみアプリCOCOA(これも誹謗中傷にあたる表現だろうか)の接触通知を思い出した人はちらほらいるのではなかろうか。ちなみにこのチャプターのタイトルの kill は「悩殺する」の意味に近い。

 

Chapter 4: Be With You

前章の続き。縁とは何かについての仮説は興味深かった。その縁を感じた男がたどる道筋の先の恐怖とは・・・ どこかで見たタイトルだが、当然 Rod Stewart の “To Be With You” ではなく、邦画の『 Be With You いま、会いにゆきます 』か。まさか竹内結子からインスピレーションを得たのではないと思いたいが。

 

Chapter 5: Peeping Tom

江戸川乱歩やアルフレッド・ヒッチコックの昔から、覗きは人間の習性であったようだ。ましてカメラが普及した現代、盗撮はいともたやすい。美しき隣人に恋焦がれるニート(?)の男性の気持ち悪さが爆発する。その一方で、美しいバラにはとげがあるとの格言通りに・・・

 

Chapter 6: My Life As A Dog

このチャプターが最も面白い。Chapter 2 を除く(?)他の章がほんの少しずつ絡んでくる。ミュージシャンを目指しつつコンビニ店員で糊口をしのぐヨンジンが迷惑客や苦情客に盛大に、ささやかにリベンジしていく。その一方で、彼女の内なるストレスはネット掲示板とオンラインゲームで発散され・・・ 自分も時々コンビニ店員さんに無愛想に接することがないとは言い切れない。そこを反省すると共に、ネットへの書き込み(映画のレビュー含む)について、大いに考えさせられるチャプターでもあった。

 

ネガティブ・サイド

各チャプターごとに時系列がバラバラで、それは製作者が意図してのことだろうが、このような構成にするのなら、素直に各章を時系列に並べても良かったのでは?

 

つながっている章とつながっていない章があるのは何故?それともこちらの見落としか?

 

Chapter 4: Be With You では、もっと写真をじっくりと見せてほしかった。そもそも、あのキャラはもしや〇〇〇〇?

 

総評

雰囲気としては邦画の『 クリーピー 偽りの隣人 』に少し似ている。スリラー/ホラーでありながら、どことなくコミカルな面が感じられる。それは、ニューノーマルという新たな社会規範を脚本家や監督が嗤っているからだろう。少しモタモタした印象を与える中盤のストレスについては最終チャプターのヨンジンが大爆発させてくれる。そこまではしっかりと鑑賞しよう。

 

Jovian先生のワンポイント韓国語レッスン

イーセッキ

韓国映画を観るたびに聞こえてくる。意味は「この野郎」。使用することが推奨されない韓国語の一つ。本作の Chapter 6 で頻繁に使われるFワードを人間相手に言いたくなったら、こちらを心の中で唱えるのもありかもしれない。 

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 #スージー・サーチ 』
『 ポライト・ソサエティ 』
『 エア・ロック 海底緊急避難所 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, C Rank, スリラー, チェ・ジウ, 監督:チョン・ボムシク, 配給会社:AMGエンタテインメント, 韓国Leave a Comment on 『 ニューノーマル 』 -殺しのオムニバス-

『 コンジアム 』 -韓国ホラー映画の不発弾-

Posted on 2022年2月6日 by cool-jupiter

コンジアム 50点
2022年2月4日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ウィ・ハジュン イ・スンウク
監督:チョン・ボムシク

f:id:Jovian-Cinephile1002:20220206225949j:plain

近所のTSUTAYAで目についた。確か塚口サンサン劇場かどこかで上映していた時に、スルーしてしまった作品。サスペンスでは文句なしの韓国映画だが、ホラーではどうか。うーむ・・・という出来だった。

 

あらすじ

廃墟となったコンジアム精神病院への潜入ルポをYouTube配信しようというハジュン(ウィ・ハジュン)とその仲間たち。各種機材やカメラ、そして少々の演出も準備して臨んだ撮影だが、徐々に怪奇現象が起こり始め・・・

 

ポジティブ・サイド

このコンジアム廃病院は、何と実在するようである。セットや大道具、小道具では出せないおどろおどろしさが建物内には確かに充満していた。精神病院に首吊り自殺だの集団自殺だの人体実験だのといった属性を付与していくのは、現代日本だと難しそう。差別的、あるいは既に存在する差別を助長するかどで、そんな設定の映画や小説があれば、すぐに糾弾されるように思う。それをやってしまう韓国のエンタメ追求精神よ。

 

YouTuberとホラーという点では『 貞子 』よりもこちらが先行していた。その着眼点も悪くない。ホラー映画では登場人物の真後ろや真横から怪異がいきなり登場するのが最早お約束だが、今回の潜入パーティーのメンバーは皆、全身にカメラ装備。あらゆる角度を撮影していている。これにより、多くのホラー作品にありがちな「そのショットは誰が撮っているの?」という問い、すなわちカメラマンの存在を観る側の意識から消すことに役立っている。

 

このカメラマンの存在というのが、後半に明らかになる序盤にすでに起きていた怪奇現象につながっていて、これには少し唸らされた。

 

ジャケット裏の黒目少女はインパクトがあったが、これはマイナスか。ただし、彼女がしゃべる異言には一瞬だけ怖くなってしまったことは告白しておかねばなるまい。

 

ネガティブ・サイド

廃病院に行くまでは『 キャビン 』のように男女がワイワイしている。それはいい。だが、コンジアム病院に行くまでが長く感じられるし、肝腎のコンジアム病院内でも、ことが起こり始めるまでがひたすらに長い。定番のホラー的な展開になるまでに58分を要するというのは、いかがなものか。

 

霊の起こす怪異も、すでにどこかで見たものばかり。廃病院のただならぬ雰囲気を伝えるのに腐心しすぎて、観る側に恐怖の感情を催させることに失敗している。YouTuberの潜入レポートなら、雰囲気を伝えるだけで十分。しかし、これは潜入YouTuberを題材にした映画。捉えるべきはキャラクターの感じる恐怖。その意味では、多彩かつ臨場感あるカメラワークそのものは興味深かったものの、彼ら彼女らの恐怖の感情を存分に映し出したとは言い難い。その意味では『 ブレア・ウィッチ・プロジェクト 』は素晴らしかった。何も起きていないのに恐怖する学生たちの様を赤裸々に映し出していた。

 

マネキンやかつらなどのガジェットもジャパネスク・ホラーで散々扱われて手垢がついている。それを使うというのは感心しない。『 パラノーマル・アクティビティ 』から『 サイレントヒル 』まで、どこかで観たシーンや演出の繰り返しで、60分以降は完全に惰性で画面を眺めるだけになってしまった。

 

隊長のハジュンが、隊員からのギャラのアップ要求を受けるシーンも何か違うのではないか。逆にハジュンの方から隊員にギャラアップを申し出て、撮影を完了させる意志を見せるべきだったように思う。韓国語の「生きよう」の字が「死のう」に変わるのを見たことで弱気になるのなら、そもそもコンジアム病院に突撃しないだろうし、隊員が不甲斐ないからと自ら出陣もしないだろうと思う。

 

ハジュンの死に方も怖くない。例えば、霊に捕まって、どこかに閉じ込められて、救いの手が伸びてきたので力いっぱい掴んだ。しかし、それが実は序盤にロッカーに手を入れてきた隊員の女子の手で・・・という展開で暗転して終わり、という展開なら、観ているこちらも相当なショックを受けただろう。

 

総評

サスペンスでは邦画は韓国映画に手も足も出ないが、ホラーならまだまだ勝てるかな。とは言え、『 牛首村 』の出来映えによっては、ジャパネスク・ホラーもいよいよ終焉し、韓国映画に全ジャンルで抜かれてしまうかもしれない。大して怖い作品ではないので、ホラー映画に興味があるけれど、どれを入門編に選んでよいか分からない、という向きにお勧めできる程度の怖さである。

 

Jovian先生のワンポイント韓国語レッスン

チンチャ

廃病院内でパーティーの面々が何度も何度も「チンチャ、チンチャ」と言っている。字幕は「本当だよ!」だったような。雰囲気的には「マジだって」、「ホントなんだよ」のような、カジュアル要素が感じられた。一時期、女子高生の間で「チンチャそれな」というフレーズが流行っていたらしいが、実際にそういうノリで使う言葉なのだろう。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, D Rank, イ・スンウク, ウィ・ハジュン, ホラー, 監督:チョン・ボムシク, 配給会社:ブロードウェイ, 韓国Leave a Comment on 『 コンジアム 』 -韓国ホラー映画の不発弾-

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