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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

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タグ: 小山茉美

『 幻魔大戦 』 -ペーシングに難あり-

Posted on 2025年2月24日 by cool-jupiter

幻魔大戦 40点
2025年2月22日 塚口サンサン劇場にて鑑賞
出演:小山茉美 江守徹 古谷徹
監督:りんたろう

 

小学校3~4年生の頃、テレビで観た記憶がある。または親父が借りてきたレンタルビデオだったか。久しぶりに鑑賞して、正直なところ少しがっかりさせられた。

あらすじ

宇宙のあらゆる生命を破壊せんとする幻魔大王の魔の手が地球に迫る。トランシルバニア王国のルナ(小山茉美)は、銀河の彼方からのサイボーグ戦士ベガ(江守徹)と共に幻魔一族と戦うため地球のサイオニクス戦士たちを集めようとして・・・

ポジティブ・サイド

世紀末思想華やかなりし1980年代という感じが懐かしかった。また当時はテレビでも普通にイカサマ超能力がもてはやされていた時代で、『 スター・ウォーズ 』の理力(本当に初期はフォース=理力、ライトセイバー=電光剣、ジェダイ=共和騎士などと訳されていた)にいたく感動していたJovian少年は、サイオニクス戦士たちの闘いにハラハラドキドキしたのを覚えている。

 

人間が幻魔に乗っ取られ変態する、というのは漫画『 ゴッドサイダー 』の下級デビルサイダーの描写に影響を与えたように思う。また、アニメーション全般に『 AKIRA 』や『 迷宮物語 』の「ラビリンス*ラビリントス」との共通点や類似点も感じ取れたのが興味深かった。『 ターミネーター2 』製作前の『 アビス 』のような、一種の実験的作品だと感じられた。

 

ネガティブ・サイド

とにかく語り口がもたもたして、テンポが悪すぎる。1時間50分あるいは2時間ちょうどに収めるためにも、丈の恋人やら友人のパートはもっとカットできたはず。その一方で仲間となる地球のサイオニクス戦士たちの描写の量も非常にアンバランス。すべてのキャラに平等に時間を割く必要はない。『 11人いる! 』ぐらいのバランスで各キャラの背景などを描き出すことはできたはず。

 

幻魔の地球侵攻の描写がほぼゼロ。というか幻魔が地震や津波などの天変地異を起こせるなら、それこそサイオニクス戦士はまったく歯が立たないのでは?

 

また愛と勇気が力をもたらすという、ある種のアンパンマン的な思想は時代の反映なので仕方がないにしても、肝心の丈の愛への目覚めが死にそうになっていた動物たちを助けたいという気持ちだったというのは拍子抜け。というか、恋人(の姿をした幻魔)を死なせたり友人(の姿をした幻魔)を死なせたりしているが、実際の恋人や友人はその裏ではかなり高い蓋然性で死んでいるわけで、そうした者たちへの愛情や愛着はなかったのか?

 

どこか噛み合わないBGMに本物のクラシック音楽を使った劇伴が、それほど悪くないはずの作画のクオリティまで低く見せてしまっている。まあ、アニメ監督の大家りんたろうの肥しとなったクソ作品として受け取ろう。

 

総評

リバイバル上映された劇場では50~60代と思しき映画ファンたちが何故か真ん中の列にかたまっていたな。ノスタルジーを感じる目的で鑑賞するならOKだが、面白さを求めてはならない。一種の考古学的な態度で視聴するのが正しいスタイルと言えようか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Absolute zero

絶対零度の意。『 ゴジラ×メカゴジラ 』の機龍の最終兵器の名前もアブソリュート・ゼロ、つまり絶対零度兵器だった。ビデオゲームなどでも絶対零度はよく出てくるが、英語でも日本語でもとにかく中二病感のあふれる字面である。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 メイクアガール 』
『 マルホランド・ドライブ 』
『 バンパイアハンターD 』

 

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Posted in 未分類Tagged 1980年代, D Rank, SF, アニメ, 古谷徹, 小山茉美, 日本, 江守徹, 監督:りんたろう, 配給会社:東宝東和Leave a Comment on 『 幻魔大戦 』 -ペーシングに難あり-

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