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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: ラーム・チャラン

『 RRR 』 -劇場再鑑賞-

Posted on 2025年4月29日2025年4月29日 by cool-jupiter

RRR 85点
2025年4月27日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:N・T・ラーマ・ラオ・Jr. ラーム・チャラン
監督:S・S・ラージャマウリ

 

『 RRR:ビハインド&ビヨンド 』に触発されて再鑑賞。

あらすじ

1920年、英国植民地下のインド。英国人に買われていったマッリを救おうとするビーム(N・T・ラーマ・ラオ・Jr.)と、英国政府に仕え、インド人暴徒を鎮圧する警察官ラーマ(ラーム・チャラン)。二人は事故に巻き込まれた少年を協力して救ったことから無二の親友となる。しかし、お互いが自分の使命を果たさんとする時、遂に二人は激突することになり・・・

ポジティブ・サイド

自分の過去の鑑賞記事を読んで、「インドの映画人は自らのビジョンを具体化するのに一切躊躇がない。これはS・S・ラージャマウリ監督だけかな」という記述に出くわす。ビジョンは『 RRR:ビハインド&ビヨンド 』のキーワード。それを読み取れていた自分を褒めてやりたい。

 

面白いシーンは何度見ても面白い。メイキングのドキュメンタリーを鑑賞したことで、BGMや美術の仕事にも注目できたし、CGかと思わせて、実はオーガニックな手法で生み出されていたシーンには改めて目を奪われた。特に火と水が文字通りにぶつかり合う庭園での激突シーンは鳥肌ものだった。

 

その一方で再鑑賞することで見えてきたものも多数あった。ちょっとした台詞が伏線になっていたり、とある構図がその後に少し形を変えて再現されたり。特に感じ入ったのはシータとラームのやりとり。彼女がとっさに機転を利かして英兵を追い払ったことが「お前の勇気が私の勝利につながる」という台詞の実現だったと気付いて唸った。

 

友情と使命のせめぎ合いと、互いの協力による超絶アクション。Blu-rayの購入は待ったなしである。あともう一回くらい劇場鑑賞したい。

ネガティブ・サイド

ジェニーとスコット夫妻の関係が何であるのかを明示してほしかったと思う。

 

総評

塚口サンサン劇場では終映後に拍手が自然発生していたし、劇場の外でもすべての観客の顔に笑顔が見られたし、なんやかんやと映画の感想を語り合うナードたちの姿も見られた。異例のロングランは固定客も新規ファンもどちらも喜ばせているようである。日本は近代への移行の最終盤が無血だったり、植民地支配も免れてきたが、世界の多くの国はそうではないと知るべきだ。本作は超絶エンターテイメントでありながら、歴史の教科書にもなりうる大傑作である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Don’t call me Madam.

「私をマダムと呼ばないで」の意。callはしばしば call A B の形でAをBと呼ぶという意味になる。ニックネームがある人は Call me ニックネーム と言って、そのニックネームで呼んでもらうと良い。Don’t call me junior! がどの映画の誰のセリフか分かれば、あなたはハリソン・フォードのファンである。 

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 異端者の家 』
『 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 』
『 ゴーストキラー 』

 

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, A Rank, N・T・ラーマ・ラオ・Jr., アクション, インド, ラーム・チャラン, 歴史, 監督:S・S・ラージャマウリ, 配給会社:ツインLeave a Comment on 『 RRR 』 -劇場再鑑賞-

『 RRR:ビハインド&ビヨンド 』 -すべてはビジョンを持てるかどうか-

Posted on 2025年4月24日2025年4月24日 by cool-jupiter

RRR:ビハインド&ビヨンド 75点
2025年4月20日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:S・S・ラージャマウリ N・T・ラーマ・ラオ・Jr. ラーム・チャラン
監督:S・S・ラージャマウリ

 

超絶的な力作『 RRR 』のメイキングおよび制作後のスタッフへのインタビューで構成されたドキュメンタリー。簡易レビュー。

あらすじ

『 RRR 』製作の裏側と、その後の反響を描く。

ポジティブ・サイド

ラージャマウリ監督のビジョンに驚かされ続ける90分だった。何かを物語る時に使命や復讐に突き動かされた先にあるアクションを用いるという意味ではクエンティン・タランティーノっぽくもあるが、アクションの壮大さではタランティーノよりもはるかに上。

 

主演の二人にかけられた演技へのプレッシャーや、撮影秘話も面白かった。

 

衣装や美術、音楽、CGやVFXのスタッフの話はどれも非常に興味深く、インド映画の底力を見た気がする。インド人はイギリス留学をよくするらしいが、このスタッフたちも映画学科のある大学で学んだか、あるいはイギリスやハリウッドの現場でかなり腕を磨いたのだろうか。それぐらい深い話がこれでもかと開陳されていた。

 

アメリカ人が『 スター・ウォーズ 』で劇場で大騒ぎするのは2002年の夏にLAで実際に見たが、『 RRR 』の某シーンを見たアメリカの観客たちの反応を見るだけでも、本作鑑賞の価値はある。

 

ネガティブ・サイド

イギリスでどのように受け止められたのかも見せてほしかった(映画は普通にヒットしていたが)。

 

また、劇中の英国人たちは皆、アイルランド人俳優だったという背景なども解説してほしかったと思う。

 

総評

S・S・ラージャマウリは黒澤明やクリストファー・ノーランと同じ境地に立っているようである。とにかく妥協しない。自分のビジョンを実現させる。その情熱がスタッフにも伝播し、これだけの傑作になったのだろう。近いうちに『 RRR 』を再鑑賞したくなった。というか、もうチケットを買ったので、日曜日に観に行く。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

be on top of the world

有頂天である、最高にハッピーという意味。似たような表現に be over the moon や be on cloud nine がある。be on the top of the world は、非常に高いところから世界を見下ろしているという意味で、少し違う。英検準1級以上を目指すなら違いを押さえておきたい。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 RRR 』
『 異端者の家 』
『 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は 』

 

 

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Posted in 未分類Tagged 2020年代, B Rank, N・T・ラーマ・ラオ・Jr., S・S・ラージャマウリ, インド, ドキュメンタリー, ラーム・チャラン, 監督:S・S・ラージャマウリ, 配給会社:ツインLeave a Comment on 『 RRR:ビハインド&ビヨンド 』 -すべてはビジョンを持てるかどうか-

『 RRR 』 -炎と水の英雄譚-

Posted on 2022年11月26日2022年11月26日 by cool-jupiter

RRR 80点
2022年11月23日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:N・T・ラーマ・ラオ・Jr. ラーム・チャラン
監督:S・S・ラージャマウリ

久しぶりのインド映画。『 バーフバリ 』のS・S・ラージャマウリ監督作品ということで、鑑賞後は心地よい疲労感に包まれた。

 

あらすじ

1920年、英国植民地下のインド。英国人に買われていった妹マリを救おうとするビーム(N・T・ラーマ・ラオ・Jr.)と、英国政府に仕え、インド人暴徒を鎮圧する警察官ラーマ。二人は事故に巻き込まれた少年を協力して救ったことから無二の親友となる。しかし、お互いが自分の使命を果たさんとする時、遂に二人は激突することになり・・・

ポジティブ・サイド

『 バーフバリ 』の前後編でも感じたが、インドの映画人は自らのビジョンを具体化するのに一切躊躇がない。これはS・S・ラージャマウリ監督だけかな。炎と水の勇者が冒頭から大暴れ。ラーマが暴徒の海に飛び込んで見せる無双アクションはやりすぎもいいところ。ビームが狼を仕留めようとして、結果的に虎を仕留めてしまうのも無茶苦茶。しかし観ている最中はまったくそう感じない。インド映画の魔力である。

 

二人が出会うきっかけになる少年の救出ミッションもメチャクチャ。二人が空中でがっちりと互いの手を握り合うシーンにはリアリティーの欠片もないのだが、それでも押し通してしまうラージャマウリ監督の怪力よ。そこから始まる二人の友情も美しい。インドは世界でも類を見ない多民族、多言語、多宗教の国なので、相互の理解はなかなか難しいと思われるが、逆に男と男の友情に言葉はいらないというテーゼを力強く提示しているとも感じた。

 

本作が近年のインド映画と少々異なっているのは、ダンスシーンを思い切りぶっこんでいるところ。国際的なマーケットで売るには、映画は2時間弱がベスト。ダンスシーンを入れてしまうと、それだけで数分は消費する。畢竟、近年の大作インド映画はダンスシーンが少ない、あるいは全くない、もしくはエンドクレジットに持ってくる。だが、本作は InteRRRval 前のストーリーの中盤あたりでナートゥというダンスのシーンがあり、これがまさにクレイジーの一語に尽きる。このナートゥが単なるダンスではなく、異文化対決であり、異文化交流であり、友情を深めるシーンでもあり、ラーマとビームの力関係を決定づける役割も担っている。

 

ビームはマリを見つけ、ラーマはスコット知事の邸宅に突入してきたビームと遂に激突。友情と使命の狭間で揺れる二人の対決は見応え抜群。そして絶妙なタイミングで InteRRRval へ。 

 

後半はいきなりビームがラーマに拷問を食らうシーンで、観ているだけで胸が痛い。ここでビームが取るある行動が、ラーマに、そして民衆に響く。ラージャマウリ監督は単なるアクションてんこ盛り作品を見せたいわけではなく、インドらしさを見せたいわけで、この後に現れるインド史上の超有名人の思想の先取りをここで披露する。この構成には恐れ入った。

 

後半では昇進を果たしたラーマの過去、そして真の目的が描写されるが、ここで明らかになる過去は暗く、そして重い。ラーマが親友や許嫁よりも大切にしたいものがあるということが痛いほど伝わってきた。そして、そのことを知ったビームによるラーマの救出劇と、そこから始まる二人の無双の活躍に言葉はいらない。人馬一体という言葉があるが、人人一体の大活躍である。客観的に見れば ( ゚Д゚)ハァ? なのだが、このアクションシーンを成立させてしまうのがラージャマウリ監督なんだな。そこから先は炎の戦士と水の戦士の超強力タッグによる英国紳士ぶっ殺しまくりタイムに突入。最後の最後にスコット知事もぶっ倒してスッキリ爽快。

 

本作は最後にほんの僅かな苦々しさも残す。ラーマが自分を牢獄から助け出してくれたビームにお礼をしたいと言う。そこでビームが欲しかったものに、インドという国の歴史、そして未来を見た気がした。もっと大袈裟に言うなら、独立不羈の国民国家を樹立するのに必要なのは腕っぷしや武器ではなく、ビームの欲したものこそが本当に必要なものなのだろう。教育業界の人間の端くれとして、非常に突き刺さるメッセージを最後に受け取った。

ネガティブ・サイド

エンディングのダンスシーンで少しだけ出てくるが、ビームとジェニーのその後についてほんの少しでよいので触れてほしかった。

 

毒にやられたり、結構な外傷を負ったりするが、ラーマの回復力が異常であるように思う。

 

THE STORYのR、FIREのR、WATERのRのように冒頭で表示されるが、WATERよりもFORESTのRの方がしっくり来る気がする。

 

総評

友情か、使命かというテーマの作品なら邦画で『 ヘルドッグス 』があったが、アクションは本作の方がはるかに上。岡田准一も原田監督も、ここまで突き抜けたアクションを志向してほしい。非常に不謹慎だが、InteRRRval 後の後編では「いけいけやれやれ、英国人どもをぶっ殺せ!」という気分で鑑賞してしまった。とにかく主役二人の友情とアクションが熱すぎる。これをマサラ上映で鑑賞したら、それだけで1kgぐらい痩せるような気がする。頭を空っぽにして3時間楽しめる、インド映画の傑作である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

call

呼ぶ、の意。call A B という形で「AをBと呼ぶ」という意味になる。劇中ではビームが身振り手振りと片言英語でジェニーに名前を尋ね、Don’t call me ma’am, sir. It’s just Jenny. というセンテンスそのものを彼女の名前だと勘違いするシーンに笑った。ちなみに先日、業務で某アメリカ人女子プロゴルファーの通訳を行ったが、Jovianの第一声は What should I call you? =「 何とお呼びすればよいですか?」だった。便利なフレーズなので覚えておこう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ザリガニの鳴くところ 』
『 サイレント・ナイト 』
『 母性 』

 

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