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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: ヒュー・ジャックマン

『 デッドプール&ウルヴァリン 』 -マルチバースを笑い飛ばす-

Posted on 2024年7月30日 by cool-jupiter

デッドプール&ウルヴァリン 80点
2024年7月27日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ライアン・レイノルズ ヒュー・ジャックマン
監督:ショーン・レビ

 

普通のヒーローに飽きてない?の惹句通りに、普通のヒーロー映画の文脈を逸脱しまくる快作に仕上がっている。

あらすじ

ヒーロー稼業を辞めて、ガールフレンドと別れてしまったウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)。友人たちに誕生日パーティーを開いてもらっているところに、時間変異取締局が現われて・・・

 

ポジティブ・サイド

デッドプール作品が他のヒーロー映画と明確に一線を画しているのは、

1)暴力描写
2)スラング使用

 

が主たる要因だが、本作でもそれは健在。冒頭から「それはやったらアカンやろ」というアクションを連発。アベンジャーズにもX-MENにも加入できないのもむべなるかな。特に暴力描写は、中盤のとあるスーパーヒーローの登場と見せかけて、「そっちかい」というキャラの死に様がすこぶる惨い。だが一番の見どころは、デッドプールとウルヴァリンのガチンコ対決。お互いに再生能力持ちなので、アホかというほどに斬り合う。これは確かにR指定である。そして終盤のマルチバースでは、某魔法使いをおちょくりつつ、彼の作品の同プロットをはるかに超えるスケールのバトルを繰り広げる。もちろん血みどろ。バイオレンスが好きな映画ファンも満足できる出来栄えだ。

 

もう一つ、アニメの『 サウスパーク 』かというほどに甲高い声とアップテンポでのスラング連発トークもデッドプールの特徴。中盤で悲惨すぎる死を迎える某キャラが最後の最後にプールのお株を奪う猛烈マシンガントークを見せつけてくれるので楽しみにしてほしい。Do you want to build a snowman? がとある隠語になっているのが個人的には驚きだった。

 

それにしても『 LOGAN/ローガン 』であれだけ従容として死んでいったウルヴァリンをあろうことか復活させて、そのうえでこれまでのX-MENシリーズの延長ではなく、一人のスーパーヒーローものとして成立させていることに度肝を抜かれた。ウルヴァリンはほとんど常になりゆきで戦いにその身を投じてきたが、今作では『 LOGAN/ローガン 』同様に自分からその身を戦いに投じていく。なぜ世捨て人同然の彼がデッドプールと共闘することになったのか知りたい人は、ぜひチケットを購入しよう。

 

それにしても、売れるヒーローあれば売れないヒーローあり。その売れないヒーローでチームを作って大暴れするデッドプール達は微笑ましくもあり、またアンチ・ヒーロー的でもある。ヒーローは世界を救うものだが、デッドプールが救いたいのは両手で数え切れるだけの友人たちだけ。世界の危機?マルチバースの危機?そんなものは知ったこっちゃねえという態度がいっそ清々しい。マルチバースの様々な自分と戦う終盤は、お互いに不死身同士で当然決着などつくはずもない。さて、どうオチをつけるのかと思ったら、そう来るとは。

 

本作のヴィランは、トレイラーにも出ていた謎のスキンヘッド女性。素性を知ってびっくり。なるほど、これもウルヴァリンが帰ってくる理由の一つになっていた。世界を救うにはどうすればいいか。ヴィランと戦うのは一つの手だが、異色のヒーローたるデッドプールは我々にも割と簡単に実現可能な方法を提示する。そう、一人ひとりがズッ友を持てれば、それでその人たちの世界は救われるのだ。

ネガティブ・サイド

アライオスという超存在を出す必要はあっただろうか?今後、アライオスがMCUにおける征服者カーンの代わりになる?そんな展開は要らない。

 

第四の壁の突破ネタが1つ、2つしかなかったのは寂しい。

 

字幕に「オズの魔法使い」とあったが、正しくは「オズの魔法使」ね。

総評

スパイダーマン同様に会社関係の権利が色々と整理されたことで、考えられなかったキャラ同士のクロスオーバーが楽しめる良作。普通のヒーロー映画やマルチバース展開に飽きた人にとっては新鮮に感じられる作品のはず。「世界を救う」ためではなく「愛する人/人々」を救うために戦うデッドプールは異色のヒーローではなく、実は我々が最も目標としやすいヒーローだ。チケットを購入して、劇場でこのヒーローを応援しようではないか。

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Come again.

もう一度来い、ではない。これは「もう一度言ってくれ」の意味。文脈次第では「もう一回言ってみろ、テメー!」という意味にもなる。よっぽど仲の良い相手以外には使わない方がいい。映画やドラマでは結構聞こえてくるので、英語の中級者は耳を澄ませてみるのも良いだろう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 大いなる不在 』
『 ツイスターズ 』
『 先生の白い嘘 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, A Rank, アクション, アメリカ, ヒュー・ジャックマン, ライアン・レイノルズ, 監督:ショーン・レビ, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 デッドプール&ウルヴァリン 』 -マルチバースを笑い飛ばす-

『 レミニセンス 』 -トレイラーに偽りあり-

Posted on 2021年9月23日 by cool-jupiter

レミニセンス 45点
2021年9月19日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ヒュー・ジャックマン レベッカ・ファーガソン
監督:リサ・ジョイ

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210923172935j:plain

大学の後期開講で多忙を極めるので簡潔なレビューを。

 

あらすじ

温暖化で都市は水没。戦争で人心は荒廃。人々は美しかった過去に囚われた。ニック・バニスター(ヒュー・ジャックマン)は、人々に過去の記憶を再現させる装置を使った生業をしていた。そこに謎めいた女性メイ(レベッカ・ファーガソン)が失くしものを探したいという依頼で舞い込んできた。やがてニックはメイと恋仲になるが、メイはある日、忽然と消えてしまい・・・

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210923172948j:plain

ポジティブ・サイド

冒頭からの水没した都市の遠景から徐々にズームインしていく中、ヒュー・ジャックマンの語るナレーションにはしびれた。人々が絶望し、何かに救いを求めざるを得ない世界は十全に創り出されていた。土地持ち=資本家と、その下で生きる大多数の一般庶民という構図は、今後ますます顕著になっていくのかもしれない。

 

BGMも良い。金属質な音と液体的な音が効果的に背景に使われ、世界観を増強する。サントラの中でもレベッカ・ファーガソンが歌う ”Where or when” は初めて聞いたが、素晴らしい楽曲であると感じた。

 

消えたメイを追慕して装置に入り浸るニック、そして全く異なる事件の容疑者の記憶の中に偶然に見つかったメイを追ううちに、予期せぬ人物や思わぬ展開が目まぐるしく入り乱れる展開は、エンターテインメント性は抜群である。

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210923173004j:plain

ネガティブ・サイド

ネタに新鮮味がない。ウィリアム・アイリッシュの小説『 幻の女 』以来の消えた女を追うというテーマに、『 秘密 THE TOP SECRET 』と『 インセプション 』と『 アンダー・ユア・ベッド 』の要素を足したように見える。

 

肝腎かなめの記憶再生の装置の仕組みも謎であるし、何よりも記憶が立体ホログラム再生されるのが腑に落ちない。一応、ヒュー・ジャックマンがレベッカ・ファーガソン相手にそれらしく説明するシーンがあるもの、この説明で「なるほど」と納得できる人間がどれだけいるのだろうか。たいしたネタバレではないので書いてしまうが、「ファーストキスを思い浮かべろ」と言われて、その時の記憶が3Dで俯瞰的に、あるいはやや離れたところから広角レンズで捉えたもののように脳内で再生される人がどれだけいるというのか。せっかく映像と音によって構築された世界観が、この時点でガラガラと音を立てて崩れ落ちた。Jovianはそのように感じた。

 

映画の本筋とは関係ないが、日本版のトレーラーや各種販促物のあらすじは一体全体何なのか。よくもこれだけ間違った情報を流布できるものだと感心させられてしまう。ニックは記憶潜入捜査官ではないし、トレーラーや色々な紹介サイトで触れられている記憶世界の3つのルールもストーリーにほとんど絡んではこない。公正取引委員会に訴えることもできるほどの酷さである。

 

総評

映像と音楽・音響は素晴らしい。ケチのつけようがない。しかし展開に全く意外性がない。どこかで観たり読んだりした物語のパッチワークである。ライトな映画ファンにはお勧めできるが、ディープな映画ファンには勧め辛い作品である。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

serve in the military

軍役に就く、の意。service = サービスであるが、これには戦務や戦役の意味もある。日本で使うことはまずない表現だが、戦争映画や歴史ドキュメンタリーではよく使われる表現なので、中級以上の学習者なら知っておいてよいだろう。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, SF, アメリカ, ヒュー・ジャックマン, レベッカ・ファーガソン, 監督:リサ・ジョイ, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 レミニセンス 』 -トレイラーに偽りあり-

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