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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: ハン・ヒョジュ

『 王になった男 』 -現代韓国人の歴史意識が垣間見える-

Posted on 2021年8月22日 by cool-jupiter

王になった男 70点
2021年8月21日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:イ・ビョンホン ハン・ヒョジュ リュ・スンリョン チャン・グァン シム・ウンギョン
監督:チュ・チャンミン

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210822223534j:plain


『 白頭山大噴火 』前にイ・ビョンホン出演作を観ておきたくなったので、近所のTSUTAYAでレンタル。韓国映画人の歴史意識がどのようなものなのかが見えてくる良作。

 

あらすじ

光海君(イ・ビョンホン)は何物かに暗殺を企てられたことから人間不信に陥り、自身の影武者となれる者を探していた。そこで自身に瓜二つの道化師ハソン(イ・ビョンホン)をひそかに宮廷入りさせるが、光海君はケシによって意識不明の重体になってしまい・・・

 

ポジティブ・サイド

イ・ビョンホンの一人二役が冴えわたる。下品で粗野な道化師ハソンと人間不信の光海で表情が全く違う。もちろんメイクアップアーティストの力によるところも大きいし、照明の当て方で印象もがらりと変わる。それでもやはり役者本人の力が大きい。最初は簡単に見分けがついたけれども、それが場面によってどちらが本物でどちらが影武者か分からなくなるシーンがある。ハソンが「王になりたい」と言った時に描いた王のイメージ、そして我々が抱く「王様とはかくあるべし」という認識が一致するからこそだろう。本作が呈示する『 王になった男 』という像は、劇中の登場人物たちに向けてではなく、観る側に向けられている。いわばメタ構造の映画になっているのだ。

 

王の影武者として政務にあたるハソンをサポートする都承旨と内官の二人も素晴らしい。都承旨ホギュンを演じたリュ・スンリョンは『 エクストリーム・ジョブ 』の班長。コメディからシリアスまで、その演技ボキャブラリーの広さに脱帽である。宦官でもあるチョ内官は、なんと『 トガニ 幼き瞳の告発 』で一人二役を演じた恐怖の校長先生。人間の皮をかぶった悪魔というキャラが、イ・ビョンホン以外にも本作にはいた。それがまた、なんとも温かみのある宮廷人を演じている。序盤こそホラーなテイストで描かれるシーンもあるが、文字通りの意味で陰に陽に”王”を支える忠臣である。その他にもユーモア満点の立ち居振る舞いからの、あまりにもシリアスな結末を迎えてしまうト部将など、一人一人の役者の演技力の高さが目立つ。

 

名女優のシム・ウンギョンも、宮廷という伏魔殿で翻弄される女官を好演。入れ替わった王様の変化を皆で笑ったり、王様の食べ残しを有難く頂戴する序盤のシーンから、庶民の置かれた苦境、それによって人身売買に等しい行為によって宮廷入りせざるを得なかったという悲哀がダイレクトに伝わってくる。

 

政治の世界とは「1を与えて1を奪う」と都承旨ホギュンは言うが、それでは何も変わらない。持たざる者から奪うな。それが『 ジョーカー 』や『 パラサイト 半地下の家族 』の一面が訴えていたことではなかったか。それを力強く覆していく「王」の姿は感動的ですらある。格差の深刻さを訴える現代韓国映画は多いが、だからこそ平等を一時的にでも施行しようとした光海君を現代(21世紀)に蘇らせようとしたのだろう。それはとりもなおさず、現代の政治が”上級国民”を優遇し、下層民から搾り取っているからに他ならない。このあたりの感覚は、史実かどうかも疑わしいエピソードの再現にばかり凝る日本のドラマや映画製作者も見習うべきだろう。

 

ネガティブ・サイド

前半のコメディタッチが少々強すぎだと感じた。王の排泄物を医官が詳しく調べるのは『 宮廷女官チャングムの誓い 』でもお馴染みだったが、食べて味を確認するシーンは必要だったか・・・ 排泄分云々かんぬんに力を入れるのは『 悪魔を見た 』だけで充分である。

 

政務パートにもう少し力を入れてほしかった。2010年代といえば、すでに国策として映画を作り始めていたはず。ということは外国もマーケットだったわけで、もう少し当時の李氏朝鮮の情勢というものを、実際の政治を通じて見せてくれても良かったのではないか。皆が皆、韓国紙に詳しいわけではないのだから。

 

ハソンが見たくて見たくてたまらなかったハン・ヒョジュの笑顔は見られずじまい。なんたること・・・

 

総評

韓国史、あるいは一般的な王制や封建制度・貴族制度に関する知識がないと、宮廷で何が行われているのかが分からないだろう。逆に言えば、そうした知識がある程度あれば、なぜ韓国映画人が、史実に虚構の要素を交えながら本作を制作したのかが浮かび上がってくる。イ・ビョンホンの迫力やハン・ヒョジュの美貌だけではなく、脇を固めるキャストの確かな演技力が本作の物語性を豊かにしてくれている。韓国の歴史ドラマ好きなら観て損はないだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

チューナー

「殿下」の意。韓国の歴史ドラマを見ると、1話で10回以上使われているのではないかと思う。大昔が舞台、たとえば『 太王四神記 』では為政者はペーハー=陛下と呼ばれている。これは当時の朝鮮半島が中国の冊封体制に組み込まれていたかどうか、早い話が属国だったかどうかで変わる。独立国ならペーハー、属国ならチューナーとなるわけである。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, B Rank, イ・ビョンホン, シム・ウンギョン, チャン・グァン, ハン・ヒョジュ, リュ・スンリョン, 歴史, 監督:チュ・チャンミン, 配給会社:CJ Entertainment Japan, 韓国Leave a Comment on 『 王になった男 』 -現代韓国人の歴史意識が垣間見える-

『 ビューティー・インサイド 』 -韓流ファンタジーの秀作-

Posted on 2021年5月18日 by cool-jupiter

ビューティー・インサイド 80点
2021年5月15日 Amazon Prime Videoにて鑑賞
出演:ハン・ヒョジュ イ・ドンフィ
監督:ペク

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210518003548j:plain
 

ファンタジーといっても剣と魔法と竜の世界ではない。実験的なラブロマンスと言った方が正しいかもしれない。ハン・ヒョジュの魅力が存分に堪能できるが、それ以上に恋愛や人間関係の本質についての深い考察がある。

 

あらすじ

キム・ウジンは18歳の頃から、寝て起きるたびに顔かたちが変わってしまうようになった。以来、人と会うことができず、交流があるのは母親と親友のサンベク(イ・ドンフィ)だけ。家具のデザイナーとして、ネットを使ってビジネスで生計を立てていた。ある時、家具屋で働くイス(ハン・ヒョジュ)に一目惚れしたウジンは、彼女にふさわしい顔になるのを待って、イスをディナーに誘うが・・・

 

ポジティブ・サイド

ハン・ヒョジュがひたすらに魅力的である。ドラマ『 トンイ 』は全話リアルタイムで観たが、ドラマよりも映画の方が映えるように思う。びっくりするような美人ではないが、いつまでも眺めていたくなる美しさがある。どこか上流階級の匂いを放っているが、嫌味なところが一切ない。Jovianも大昔のガールフレンドに「女の子はいつも不安でいっぱいなんだぞ」と説教されたことがあるが、そうした不安を表す表情も素晴らしいと思う。ハン・ヒョジュを指して清純派女優と評する日本の映画レビューサイトやライターが多いが、何か思い違いをしているように思う。濡れ場を演じないのが清純派ではない。濡れ場を演じても、色気よりも美しさや気高さを感じさせる。清純派とは、そういう女優を指す。その意味では、ハン・ヒョジュは『 ただ君だけ 』でも本作でも証明したように、間違いなく清純派であろう。まあ、濡れ場といっても肝心なところは何も見えない非常にソフトな描写なんだけれどもね。

 

他の主要キャラとしては、ウジンの親友のサンベクがクッソ面白い。邦画のロマンスでは、主人公の男の親友は往々にして物分かりの良い理解者で、非常に清い友情を保っている。だが、このサンベク。中年おばちゃんになってしまったウジンとの会話で、「俺の好きな日本の女優は?」と問い、しかもその答えが「蒼井そら」。笑うしかない。さらに、ウジンとイスのALX事務所でのお寿司デートの現場で、ラブチェアを揺らしながら「やめて、やめて」と日本語で言う。こんなん笑うしかないやん。しかし、この男、バカではない。親友をイスに取られたことの悔しさを隠そうとしない男らしさがある。本物の友情がある。そして、イスに対して本当自分が感じていることを告げるだけの度胸と、イスにどう思われても構わないというだけの度量がある。なぜ邦画はこういう脇役を生み出せないのか。

 

順調に見えたウジンとイスの関係だが、ちょっとしたことをきっかけに綻びが生まれてしまう。だが、ウジンは男というアホな生き物なので、不安な女子であるイスの気持ちが分からない。このあたりのすれ違いには純粋に胸が痛くなる。『 ただ君だけ 』でも、終盤にハン・ヒョジュが主人公に気づかずに行ってしまうという、胸が潰れそうになるシーンがあるが、本作はそれをなぞっている。いや、ある意味では『 ただ君だけ 』以上に辛く悲しい。なぜなら、ウジンには顔がなく、イスもウジンの顔を思い出せないから。触ったり、声を聴いたりしたら認識できるわけではないということがウジンの悲劇性を高めている。

 

しかし、よくよく考えてみれば、我々の顔だって年月とともに変わる。20歳と40歳で全然違う顔になっている者もいれば、40歳と70歳で別人になる者だって珍しくない。人を愛するとは、人を愛することであって顔を愛することではない。『 君の名は。 』で少し述べたが、夫婦とはお互いにしか通じないジェスチャーやパロールを作り上げる過程と言えなくもない。そういう意味で、ウジンとイスの関係は、恋人同士よりも夫婦になってこそ輝くものであるように思う。これは素晴らしい恋愛ファンタジーだ。

 

ネガティブ・サイド

素朴な疑問として、ウジンはどうやって運転免許を取ったのだろうか。18歳で寝るたびに顔が変わってしまうようになったというが、その時は制服を着ていた。つまり高校生だったわけで、車の免許はいつ取ったのだろう。何かそのあたりの描写が欲しかった。

 

終盤でウジンは韓国の外に行ってしまうわけだが、パスポートはどうやって取得したのか。日本ではどんなに早くても申請から受け取りまでは1週間はかかるはず。韓国は1~2日で発行されるのだろうか。仮に同じ顔で受け取れたとしても、渡航先のチェックをどうやって潜り抜けたのだろうか。国内のどこか別の都市で良かったのではないかと思う。

 

総評

韓国映画の極端さが良い方向に出た秀作。超極端な設定ながら、人間関係・男女関係の普遍的な芯は外していないという丁寧なつくり。主役を100人以上が演じながら、違和感を抱かせない演出力。日本ネタや日本語セリフもあるので、韓国映画ファンのみならず、邦画ファンにも堪能してほしい。若いカップルの巣ごもり鑑賞にも適しているし、ベテラン夫婦も大いに楽しめるはずだ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

There’s no one here by that name.

「ここにそのような名前の者はおりません」の意。電話での応答にも使える。ついつい with that name と言いたくなってしまうが、こういう場合の前置詞は by である。 go by the name of  ~ =「~という名前で通っている」または go by the nickname of ~ =「~というニックネームで通っている」というような時にも by を使う。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, A Rank, イ・ドンフィ, ハン・ヒョジュ, ファンタジー, ラブロマンス, 監督:ペク, 配給会社:ギャガ・プラス, 韓国Leave a Comment on 『 ビューティー・インサイド 』 -韓流ファンタジーの秀作-

『 太陽は動かない 』 -ドラマ未鑑賞でもOK-

Posted on 2021年4月17日 by cool-jupiter

太陽は動かない 60点
2021年4月13日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:藤原竜也 竹内涼真 ハン・ヒョジュ 南沙良
監督:羽住英一郎

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210417130335j:plain

WOWOWドラマの映画版。コロナ禍で公開がかなり遅れたが、当初はスルー予定だった。ハン・ヒョジュと南沙良が出演していると知って、慌ててチケットを購入した。

 

あらすじ

産業機密情報を売るAN通信、そのエージェントである鷹野(藤原竜也)と田岡(竹内涼真)は、次世代エネルギーの開発の秘密をめぐってブルガリアに潜入した同僚を救出するが、心臓に埋め込まれた爆弾が容赦なく爆発。同僚は死亡した。鷹野はその任務を引き継ぎ、各国の企業やエージェントらと渡って行くことになり・・・

f:id:Jovian-Cinephile1002:20210417130355j:plain

ポジティブ・サイド

冒頭の市原隼人救出のシークエンスは思いっきりハリウッドを意識していてよろしい。窓からど派手に侵入してからの銃撃戦と近接格闘戦から、AN通信というのはハッキングや通信傍受の集団ではなく肉体派の集団ですよ、ということが伝わってくる。藤原竜也はるろ剣でも感じたが、邦画では珍しくかなり体を動かせる役者だ。アクションシーンのワンカットの長さだけでそれを判断するのは早計だが、アクションを体に染みつかせるのは才能と練習の両方が必要だ。ドラマでキャリアを積んだ役者はセリフを覚えるのはうまいが、部隊・・・じゃなかった舞台上がりは体に動きを叩き込ませられるのが強味。藤原竜也にはそうした芯の強さを感じる。

 

心臓に爆弾を埋め込まれているという設定も、実際に医療機器で心臓に埋め込むペースメーカーというものがあるので、割と素直に受け止められる。スパイの世界では死ぬことでしか守れない情報というものもあり、だからこそ『 TENET テネット 』の主人公のように、自分から死を選ぶ姿勢が一流には求められる(別に『 TENET テネット 』の主人公は本当に死ぬわけではない、念のため)。

 

太陽光エネルギーに関する秘密を主軸に物語が進んでいくというのも、現実世界を下敷きしているので、必ずしも万人にとって分かりやすいわけではないが、納得しやすい話である。特に発電、蓄電、送電が分離していながらも独占状態でもある本邦では、この仕組みにメスが入れられつつあり、そうした背景を頭に入れて鑑賞すれば物語世界に入っていきやすくなる。世界各国に血眼になってこの技術の秘密を手に入れたいと願う者たちがいる、逆に言えば、この技術の秘密を何よりも高く買ってくれる相手に売りたいと思う者たちもいるということで、本作がヨーロッパやアジアを股にかけた国際的なスケールで展開されるのは必然なのだ。

 

ハン・ヒョジュが演じた international woman of mystery が素晴らしい。複数言語を操り、くのいち的な手練手管も備えたエージェントで、こんな相手になら騙されてみたいと思わせてくれた。脚線美を見せつけるだけではなく、韓国のお家芸であるテコンドーキックも披露してくれたのはちょっと驚き。アクションができるタイプの役者だとは認識していなかったが、なかなかやりますなあ・・・

 

鷹野という男のバックグラウンドを結構ねちっこく描いてくれているので、ドラマ未鑑賞でも劇中の彼の行動原理が理解できるし、共感もできる。”失われた家族”という裏テーマが作品全体の通奏低音になっていて、鷹野が様々な登場人物たちに複雑なエディプス・コンプレックスを抱いているのが分かる。それを一つひとつ、時には乗り越え、時には囚われしていくのが作品の序盤中盤終盤で逆説的に描かれている。どこか『 ベイビー・ドライバー 』的だと感じられるのだ。続編があれば、ドラマ鑑賞の上、観てみたいと思わせてくれる出来であると感じた。

 

ネガティブ・サイド

よくよく考えれば、爆弾を胸に埋め込むことは裏切りの抑止力になっていないのではないか。定期連絡さえ怠らなければ死ぬことはないわけで、スパイの世界では当たり前のダブルエージェントがAN通信から出てきても全く不思議ではないだろう。このあたりをうまく説明できる描写が欲しかった。

 

スパイの世界で重要な産業機密を巡った話をしているわりには、盗聴などにあまりにも無頓着すぎやしないか。特に鶴見辰吾の自宅での会話など、普通はそんなところでは絶対にやらないだろう。穿ちすぎかもしれないが、「息子の情報」をエサに奥さんに盗聴させることも難しくはないだろう。AN通信という組織でありながら、通信技術に無頓着に思えるシーンが多々あるのは遺憾である。

 

ハン・ヒョジュやピョン・ヨハンら、韓国人俳優が英語や日本語を操るのは国際的なエージェント感が出ていてよい。だが、ハン・ヒョジュの日本語が少したどたどしいかな。そう感じられるのは彼女の名前がAYAKOだから。なぜ普通の韓国人風の名前にしなかったのか。または『 ザ・バッド・ガイズ 』や『 パラサイト 半地下の家族 』みたいにジェシカとかで良かったのでは?

 

字幕にも不満が残った。字幕の出来ではなく表示方法。日本語、英語、韓国語、中国語、さらにはヒンディー(?)まで入り乱れる本作だが、英語はカッコ無し、韓国語は<~~~~>、中国語は≪~~~~≫、ヒンディーは【~~~~】のように使い分けてほしかった。そうすれば、誰がどの国の人間でどういった人物相関にあるのかがもう少しわかりやすくなっただろう。

 

後はJovianが大好きな南沙良の出番が中途半端だったかな。

 

総評

邦画には珍しい壮大なスケールの物語で、日本人キャスト以外にもそれなりのビッグネームが名を連ねているのはWOWOWの力か。警察や公安、自衛隊ではなく会社員が大活躍するという点で、サラリーマンもちょっと勇気づけられる話になっている。普通のテレビ局ではなくWOWOWが絡んでいるためか、邦画的ではなくハリウッド的な作劇になっている。回想シーンと現在のシーン、そして色々な地域を行ったり来たりするところについていければ、それなりに楽しめることだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

That is all there is to it.

それだけのことだ、の意味。文法的に分解して開設するのは面倒なので省略させてもらうが、用例としては

Always listen to your customer. That is all there is to it.

常に顧客に耳を傾けよ。それだけのことだ。

If you want to get promoted, get a TOEIC score of 900. That’s all there is to it. 

昇進したければTOEIC900点を取りなさい。それだけのことだ。

のように使う。ぜひ使いこなそう。 There is nothing to it!

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, C Rank, アクション, ハン・ヒョジュ, 南沙良, 日本, 監督:羽住英一郎, 竹内涼真, 藤原竜也, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 太陽は動かない 』 -ドラマ未鑑賞でもOK-

『 ただ君だけ 』 -ハイレベルな典型的韓流ラブロマンス-

Posted on 2020年9月5日 by cool-jupiter

ただ君だけ 75点
2020年9月3日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ソ・ジソブ ハン・ヒョジュ
監督:ソン・イルゴン

f:id:Jovian-Cinephile1002:20200905134652j:plain
 

『 君の瞳が問いかけている 』のネタ元。本作も元をたどればチャップリンの『 街の灯 』らしい。初めて観た時は珍妙なボクシングシーンばかりが目立っていたが、最後には『 あしながおじさん 』以上の感動があった。そして、本作『 ただ君だけ 』にも大きな感動が待っていた。

 

あらすじ

かつてボクシングのミドル級国内王者だったチョルミン(ソ・ジソブ)は、ある事件のためジムを飛び出し、ボクシングから離れていた。そしてチョンミルは目が不自由なジョンファ(ハン・ヒョジュ)と出会い、やがて恋に落ちる。だが、ジョンファが視力を失った原因は自分の過去と関係があったとチョンミルは知ってしまい・・・

 

ポジティブ・サイド

ヒロインのジョンファはどこかで見た顔だと思ったら、テレビドラマ『 トンイ 』の主人公トンイではないか。『 ブラインド 』のキム・ハヌルと同じく、自身の視力だけではなく大切な家族までも失っているというキャラクター。違いは、原因が自分かそうではないか。ただ、それでもこれだけ明るく、気丈に、笑顔で、前向きに振る舞える人間はなかなかいないのではないか。もちろん、視覚障がい者の演技にも抜かりはない。決して合わない目線。音や触れられることへの過剰とも言える反応。指先と手のひらで様々なものの感触を確かめる仕草。簡素な部屋に、床には(ある物を除いて)何も落ちていない。そして、冷蔵庫に詰め込まれた大量の食べ物。ハン・ヒョジュの演技だけではなく大道具や小道具、そして音楽の仕事も完璧である。だが、やはり何と言ってもハン・ヒョジュの魅力だろう。チョンミルとのデートで超ワイド滑り台を滑降した直後の泣き出しそうな声からの笑顔に、心を鷲掴みにされない者などいるだろうか。

 

チョンミルも元ミドル級という設定で、おそらくwalk-around weightは80kgほどだろう。その階級に見合う骨格と黒光りする筋肉にはほれぼれとさせられる。何よりも、必要以上にイケメンでないところが良い。顔を触るジョンファに対して「思っている以上にブサイクだから、目が見えるようになったら気をつけろ」というセリフは完全なるジョークにしても、キラキラと輝く美男子設定でないところに好感が持てる。なによりもジョンファの危機に颯爽と現れたかと思えば、相手を容赦なくぶちのめす野獣性を発揮。さらに相手の口をふさいで指をボキッと折るシーンには震えた。だからといって暴力一辺倒の男では決してない。ジョンファをおんぶして階段を上っている最中にカンチョーをしてくるガキンチョには優しく接してやれる男なのだ。そしてジョンファと心通じ合えたその日に、心躍らせ階段を駆け上がるシーンや借金の取り立てをしていたという裏設定は『 ロッキー 』へのオマージュだろう。

 

設定だけ見れば日陰者同士の連帯の物語なのに、この二人にはそうした悲壮さや暗さがない。いつまでも見守っていたくなる二人なのだが好事魔多し。ジョンファのためにと地下格闘技の世界へと身を投じるチョンミルに悲劇が・・・ この「幸せな二人を引き裂く悲劇」は、韓流の定番中の定番なのだが、なぜにそれがこれほど胸を打つのか。照明やカメラワーク、美術や衣装まで、細部にまでリアリティが行き届いているからだろう。はっきり言ってファンタジーなのだが、それを全く感じさせない監督の演出力は見事の一語に尽きる。そして、その作り物の世界の中でこれ以上ない迫真の演技を披露した主演の二人に幸あれ。

 

ネガティブ・サイド

後半の地下格闘技シーンがグロすぎる。というか、Jovianは割とグロ耐性がある方だと思っているが、目潰しだけはダメなのだ。小学生の頃にレーザーディスクで観た『ブレードランナー 』のルトガー・ハウアーが目潰し攻撃をするシーンで、I became traumatized.

 

前半は夜のシーンが多く、終盤は昼のシーンだけという構成は、観る者というよりもジョンファの視力をそのまま構成に反映させたのだろう。問題は、それによってつながりが失われたシーンがいくつかあるということである。最も目立ったのは格闘技にその身を投じたチョンミルが連戦連勝するシーン。家で待つチョンミルはガウンを羽織って軽くウィービングしたりしながらチョンミルの帰りを待つが、ここは本当なら夜または夕方のシーンだろうと思われる。格闘技の試合は夜と相場が決まっているし、洗濯物を取り込むのも夕方か夜だろう。窓から差し込む黄金色の陽光は美しかったが、全体を通してみると違和感を覚えてしまった。

 

総評

これは傑作である。リメイクしたくなるのも無理はない。邦画では『 見えない目撃者 』が韓国映画リメイクの成功例だった。高いハードルではあるが、『 きみの瞳が問いかけている 』にはぜひ本作を超えてほしいと思う。そう思わせてくれるだけの感動的な韓流ラブロマンスである。復習鑑賞するなら今である。

 

Jovian先生のワンポイント韓国語レッスン

アジョシ

 

言わずと知れた『 アジョシ 』のアジョシ=おじさんの意。チョンミルは別に中年のおじさんではないが、本作が『 街の灯 』へのオマージュであるならば、この呼び方も納得か。とにかく、韓国語でおじさんはアジョシなのである。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, B Rank, ソ・ジソブ, ハン・ヒョジュ, ラブロマンス, 監督:ソン・イルゴン, 配給会社:コムストック・グループ, 配給会社:ポニーキャニオン, 韓国Leave a Comment on 『 ただ君だけ 』 -ハイレベルな典型的韓流ラブロマンス-

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