この夏の星を見る 75点
2025年7月20日 大阪ステーションシティシネマにて鑑賞
出演:桜田ひより
監督:山元環
簡易レビュー。
あらすじ
宇宙にあこがれを抱く亜紗(桜田ひより)は、高校で天文部に入部。頼れる顧問や先輩、そして志を同じくする同級生たちと出会う。しかし、新型コロナの流行により、彼女たちの活動のみならず、日本中の学校や社会全体が多大な影響を受けてしまい・・・
ポジティブ・サイド
茨城の高校の実話に基づくらしい。うーむ、すごい。天文部というのはユニークだし、手作りで望遠鏡を作ったり、それでスターキャッチコンテストをしたりするというのは本当にロマンがある。
茨城、東京、長崎でそれぞれにドラマが進行していく。一見して脈絡のないキャラクターたちの物語が徐々につながっていく構成は素晴らしかった。コロナがもたらした変革に、各種オンラインツールの発達と普及が挙げられる。人と人との物理的な接触が禁じられても、人は交流できるし、遠くにいる誰かは別の誰かを照らす光になれるのだ。そういう意味では2024年の私的邦画ベスト『 夜明けのすべて 』に近いクオリティである。
ネガティブ・サイド
黒川想矢はもう少しサッカーの練習をしてから撮影に臨むべきだった。
最後の最後に少し萎えた。ドラマチックとロマンチックは両立しうるが、ドラマチックとファンタジックは必ずしも両立しない。supernaturalな力が働いたかのような見せ方は演出過剰だった。
総評
天体観測の話だとチラッと耳にしてチケット購入。なかなかの力作だった。『 フロントライン 』と同じく、コロナ禍の記憶が新しい今こそ観るべき価値が高い。外国の映画(特に英語圏のもの)はかなり入念にリサーチした上でチケットを買うことが多いが、邦画は今後は直観にもっと従ってチケット購入してもいいかもしれない。もちろん監督や脚本家の名前ぐらいはチェックすべきだろうが。
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astronomer
天文学者の意。『 インターステラー 』や『 アド・アストラ 』で astra = star だと触れた。astronomyをやっている人だからastronomerというわけである。実はこの単語、アルファベットに分解して並べ替えると moon starer = 月を眺める人になる。スターキャッチは難しくても、お月様は見上げて宇宙に思いを馳せるのは難しいことではない。
次に劇場鑑賞したい映画
『 桐島です 』
『 入国審査 』
『 エレベーション 絶滅ライン 』

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