クワイエット・プレイス:DAY 1 50点
2024年7月7日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ルピタ・ニョンゴ ジョセフ・クィン
監督:マイケル・サルノスキ
『 クワイエット・プレイス 』、『 クワイエット・プレイス 破られた沈黙 』に続くシリーズ第三作。
あらすじ
末期癌のためホスピスで暮らすサミラ(ルピタ・ニョンゴ)は、マンハッタンでショーを観る。その後に思い出のピザを食べようと思っていたが、突如街に隕石が降り注ぎ、音を立てるものを何であれ襲う謎の攻撃者が現われる。介助猫のフロドと、偶然に知り合ったエリック(ジョセフ・クィン)と共に、サミラは死ぬ前に思い出のピザを食べたいとピザ屋を目指すが・・・
ポジティブ・サイド
前二作のエミリー・ブラントは「これ以上失うことができない」というキャラだったが、今回のルピタ・ニョンゴは「もはや失うものがない」というキャラ。甲斐甲斐しい男性ナースに対しても「友達ではない」と言い切ってしまう。そんな一種の厭世家が、介助猫のフロドにだけは気を許す。『 マトリックス レザレクションズ 』ではないが、我々は愚かなことに猫には弱い。そしてこの猫が『 落下の解剖学 』の犬のスヌープに優るとも劣らない存在感を放つ。
サミラの目的が「生き残る」、「生き延びる」ではなく、「生きたことを実感する」である点がユニーク。”I wanna get pizza” という彼女の欲求は、どこか『 パルプ・フィクション 』のユマ・サーマンの ”I wanna dance, I wanna win, I want that trophy” に通じるものがあった。続編の予感を漂わせた完結の仕方に、ハリウッドの商魂たくましさを垣間見た。
ネガティブ・サイド
「音を立てたら超即死」という設定の妙味も、さすがに三作目となると薄れてくる。というわけで、『 ロード・オブ・ザ・リング 』よろしくお供を連れての旅路というプロット自体は悪くないが、そのおかげで緊張感が薄れてしまった。
また全二作の主人公が白人女性だった反動か、サミラが道々で白人男子および白人男性を助けて行くという筋立ては、かなり不自然に感じられた。ストーリーを面白くするのに、そんなポリコレ要素は不要だと思うのだが。
あとは攻撃者の神秘性を剥ぎ取るような、とあるシーンは蛇足だった。生物なのか、それとも生物型の兵器なのか、という謎は謎のままにしておくべきだったのではないだろうか。
総評
話もコンパクトにまとまっていて、サクサク進む。攻撃者がなぜ音にこだわるのか、どこから来たのか、何を狙っているのかはどうでもいい。とにかくハラハラドキドキする設定の中で必死に生きる人々の姿を見守る作品だと思えばいい。続編が製作されればある程度の収益は見込めそう。同時に franchise fatigue =シリーズ疲れも見て取れる。続編の可能性は、結局は観客動員と売上だろう。
Jovian先生のワンポイント英会話レッスン
service cat
劇中では「介助猫」と訳されていた。そんな猫が存在するのかどうかは寡聞にして知らないが、介助犬は service dog と言う。その中でも最もポピュラーな盲導犬は seeing-eye dog と言う。英検準1級以上を目指すなら知っておこう。
次に劇場鑑賞したい映画
『 朽ちないサクラ 』
『 密輸 1970 』
『 キングダム 大将軍の帰還 』