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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

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『 土竜の唄 FINAL 』 -堂々の完結-

Posted on 2021年11月24日2021年11月24日 by cool-jupiter

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土竜の唄 FINAL 65点
2021年11月21日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:生田斗真 鈴木亮平 堤真一
監督:三池崇史

 

生田斗真の渾身のコメディシリーズが堂々の完結。ナンセンス系のギャグやら、そのCMネタはOKなのか?という瞬間もあったが、物語の幕はきれいな形で下りた。

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あらすじ

潜入捜査官、通称モグラとして会長・轟周宝逮捕のため数寄屋会に潜入した菊川玲二(生田斗真)は、順調に出世し、系列組の組長・日浦、通称パピヨン(堤真一)と義兄弟になっていた。そんな時、数寄屋会がイタリアのマフィアから大領の麻薬を仕入れるとの情報が入る。同時に、周宝の息子・レオ(鈴木亮平)が海外から帰国してきて・・・

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ポジティブ・サイド

もう冒頭から笑わせに来ている。生田斗真の裸と、見えそうで見えない局部のハラハラドキドキを楽しむというお下劣ギャグ。そこに『 シティーハンター 』並みのモッコリも披露。とことん笑わせてやろうというサービス精神。

 

続く銭湯のシーンも馬鹿馬鹿しいことこの上ない。カモメにつつかれた玲二の局部を3馬鹿上司どもがしげしげと眺める図はまさに漫画。でかい声でこれまでの物語のあれこれをご丁寧に語ってくれるのは、シリーズを追いかけてきたファンへのサービス。しかし、銭湯というのは基本的に裸で、その筋の人かどうかがすぐに分かる場所。さらに入場制限さえしてしまえば、部外者は入りえず、その意味では堂々と警察が捜査の話をするのはありなのだろうと感じた。

 

『 孤狼の血 LEVEL2 』で我々を震え上がらせた鈴木亮平が、やはり剛腕でヤクザの世界でのし上がっていく。登場シーンこそギャグだが、やっていることは『 仁義なき戦い 』に現代の経済ヤクザの要素を足して、さらに『 ザ・バッド・ガイズ 』並みの国際的なスケールで描くノワールものでもある。ストーリーそのものが壮大で、なおかつテンポがいい。

 

『 カイジ ファイナルゲーム 』と同じく、過去作の登場人物たちも続々と登場する。特に岡村は前作同様の超はっちゃけ演技で、個人的には岡村隆史の映画代表作は『 岸和田少年愚連隊 』から、本シリーズになったのではと思う。

 

悪逆の限りを尽くすレオと、それを追う玲二との対決は漫画とは思えない迫力で、しかし漫画的な面白味やおかしさがある。三池監督はヒット作の追求に余念がない御仁だが、最近はそのキレを取り戻しつつあるようである。

 

パピヨンとの義兄弟関係、純奈との交際関係、そうした玲二というキャラクターの重要な部分もしっかりと掘り下げられていく。玲二というキャラクターのビルドゥングスロマンであり、生田斗真のこれまでのキャリアにおいてもベストと言える熱演である。佐藤健の代表作が『 るろうに剣心 』シリーズであるなら、生田斗真の代表作は『 土竜の唄 』シリーズである。

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ネガティブ・サイド

土竜の唄のラップversionは感心しない。あのわけのわからないリズムでオッサンたちが歌うから面白かったんだがなあ。

 

ポッと出てきた滝沢カレンであるが、いくらなんでも大根過ぎるだろう。一応、テレビドラマや映画にいくつか出演歴があるらしいが、あの身のこなしや喋りは、とうてい演技者と言えない。悪いが、モデル業やタレント業に精を出すべきで、映画の世界からはさっさと足を洗ってほしい。

 

元々の警察の標的だった岩城滉一が、劇中で息子のレオに跡目相続させようとしていたが、俳優の岩城自身が残念ながらヨレヨレである。もっと年上の石橋蓮司などが矍鑠として頑張っているのだから、生田や鈴木、堤真一らをも食ってしまうような場面を一つでも二つでもいいから作って欲しかった。

 

唐突に某CMのセリフが出てくるが、この選択は「ありえない」でしょう。その時々の社会的な事件や事象を取り込んだり、先行作品や類似作品と間テクスト性(Intertextuality)を持たせるのはOKだが、CMのキャッチフレーズというのはどうなのだろうか。ケーブルテレビやWOWOWなどの有料チャンネルというのは基本的にCMから逃れたい人向けのサービスだ。映画も同様に安くないチケット代を払っているのだから、「作品そのもの」を鑑賞させてほしい。

 

総評

近年の三池作品の中ではまずまずの出来栄えだろう。ユーモアとシリアスの両方がほどよくブレンドされていて、笑えるところは笑えるし、シリアスな場面では胸が締め付けられそうになる。クドカンも脚本に当たりはずれが多いが、本作に関しては安心していい。生田斗真ファンならずとも、菊川玲二というキャラの生き様を見届けようではないか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

undercover

カバーの下ということから「覆面の」、「正体を隠した」のような意味。潜入捜査官のことはundercover agentと言う。コロナが終わったら、元大阪府警であるJovian義父に、本当に警察は「モグラ」という隠語を使うのか尋ねてみたい。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, コメディ, 堤真一, 日本, 生田斗真, 監督:三池崇史, 配給会社:東宝, 鈴木亮平

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