
禍禍女 40点
2026年2月7日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:南沙良
監督:ゆりやんレトリィバァ
最初のトレーラーが出た時にはスルー予定だったが、南沙良主演と知り、チケット購入。

あらすじ
早苗(南沙良)は同じ大学の宏に恋焦がれるも、彼は別の女の子に夢中で振り向いてくれない。なんとか宏に好かれようとする早苗だが、その宏が謎の怪異、禍禍女に取りつかれてしまい・・・
ポジティブ・サイド
『 もみの家 』の頃から切に願っていたこと、すなわち南沙良のハンドラーたちは彼女に決して凡百の恋愛漫画の映像化のキャラを演じさせないでほしい、という願いは確実に届いているようである。南沙良がまたもエキセントリックな役を見事に演じきった。ストーカー気質女子にして、変態プレゼントを作成してしまう、かつ言葉そのままの意味で芸術的な自慰行為に耽るというキャラで、この役をオファーされて引き受ける女優は日本には10人もいないのではないか。本人およびハンドラーたちにはぜひともこの路線を継続してもらいたい。
説明台詞に頼るのではなく、わざとらしいキャラの配置で物語の方向性を示すというのは悪くない。田中麗奈が『 ナイトフラワー 』とほとんど変わらない役柄だったが、なっちゃんはしばらくこの路線で安泰か。
ネガティブ・サイド
何もかもが中途半端に感じられた。禍禍女が好いた相手を100パーセント殺し、両目を持ち去るのが怖いのか。それとも想い人が死んでなお思い続け、あまつさえ怪異に対して復讐を果たそうとする早苗が怖いのか。それとも呪いの力をほしいままにしようとする人間が怖いのか。二兎どころか三兎を追って、バランスを崩したか。
南沙良への追い込みも足りない。アトリエで宏の像相手に壮大な自慰行為(あくまで比喩だが)をさらすシーンはロングのワンショットで観たかった。また宏へのとんでもないプレゼントを作るシーンも見せるべきだった。イッた目であれを処理する女子大生を演じられるのは南沙良ぐらいしかいないのだから、そこに彼女を追いこむべき。
食べ物への異物混入は社会情勢的にありなのか?近年は「本作撮影時に動物に危害は加えられていない」云々の宣言が出るが、本作がきっかけで「本作の撮影に際して食べ物を粗末に扱うようなことはしておりません」という表示が出るようになる、というのは考えすぎか。
色々なホラー・ジャパネスクに対するオマージュが盛り込まれていたが、それらがオマージュではなくクリシェになっていた。オマージュは敬意から来る遊び心であって、定番のシーンや構図を入れておけばいいというものではない。クズ男が怪異に無残に殺される、さらに霊能者もあっさり殺されるというのは『 来る 』で見た。禍禍女そのものも『 リゾートバイト 』でそっくりのやつがいた。
独自の恐怖のセンス、たとえば禍禍女が人間に変化する、あるいは人間が禍禍女に変化する。そのスイッチが好かれている側の気持ちではなく、そのことに嫉妬する者の気持ちだったら?そうしたプロットに集中すれば、呪いの女と異常な恋心の女のバトルという新しい路線を生み出せたのでは?これは監督ではなく脚本家への注文か。
爆破エンドですっきりするのは監督以外にいるのか?
総評
観終わった直後、「何じゃこりゃ?」だった。ちょっと無理をして詰め込み過ぎ、かつホラーなのか、コメディなのか、リベンジスリラーなのか、ジャンルもはっきりしなかった。シェアハウスはノイズ。狂った女はストーリーの中では早苗だけでいい。本当は30点だが、南沙良の演技で10点おまけしておく。南沙良ファンなら必見。
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banned words
職業側、使ってはいけない言葉を受講生に教えていたが、よくよく考えるとこれは矛盾している。近年のAIキャラと会話できるアプリの進化は凄まじいが、そこで使用禁止語句が設定されているものは実は結構珍しい。そうした禁止語句は banned words と呼ぶことが多い。本作では南沙良がとんでもない banned words を連発するシーンが白眉である。
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