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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 唐田えりか

『 チア男子!! 』 -This film will cheer you on-

Posted on 2019年12月19日2020年4月20日 by cool-jupiter

チア男子!! 60点
2019年12月17日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:横浜流星 中尾暢樹 唐田えりか
監督:風間太樹

f:id:Jovian-Cinephile1002:20191219173412j:plain

 

たしか梅田ブルク7で上映していたが、タイミングが合わず見逃した。『 チア☆ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話 』と同じく、実話に基づいているらしい。ストーリーは同工異曲だが、男女の差以上のシリアスな背景もあり、思った以上に見応えのある作品に仕上がっていた。

 

あらすじ

晴希(横浜流星)は柔道で肩を負傷してしまう。柔道から離れた晴希は、柔道仲間の一馬(中尾暢樹)の誘いで、大学で男子チアリーディング部を立ち上げることになった。大学で徐々に仲間を集めていく二人だったが・・・

 

ポジティブ・サイド

女性の社会進出が叫ばれて久しいが、女性の聖域的な分野に男性が進出することも必要だろう。日本の航空会社の客室乗務員は99%女性であるが、海外の航空会社では客室乗務員の20~30%は屈強な男性である。日本が他国の水準に追いつくのはいつになるのか。そう思っていたところに、本作である。これにより男子チアリーディング部が存在することを知った。固定概念に囚われなかった若者がいたということに、なぜだか胸が熱くなる。

 

まずは俳優陣がしっかりと側転からのバク転をできるようにトレーニングしてきたこと、さらに技の名前を忘れてしまったが、人間を空中に放り投げて受けとめる技を本当にやっているらしいことに驚かされた。主演の片方の中尾暢樹は『 一礼して、キス 』という恐ろしいまでの駄作でクソ不自然でクソつまらないキャラを演じていたが、今作では素直な笑顔がチャーミングな好青年を無難に演じていた。

 

もう一人の主役のキラキラネームならぬデコトラネームの横浜流星は『 虹色デイズ 』ではどこかシニカルな高校生がまあまあ似合っていたが、本作でも心にモヤモヤを抱えた大学生を好演。外見から来るイメージとのギャップを上手く活かせるようになってきたか。

 

学校という閉鎖空間では、しばしばカースト制度が生み出される。大学によっては所属学部や部活、サークルによって階級が決定されることが多い。その中でも男子チアリーディングというのは異端だろう。チアを通じて育まれる友情、チアを通じて亀裂が入る人間関係。そしてチアを通じての成長とチアを通じての葛藤。非常にベタではあるが、それぞれのメンバーが個性的な背景を持っていることで、単なる部活以上のストーリーに仕上がっている。

 

ネガティブ・サイド

実話に基づいているとはいっても、ある程度の美化や演出は許容範囲だろう。たとえば柔道のバックグラウンドを持つ晴希や野球経験者のイチローや野球とサッカー両方をやっていたゲンたちが、チアの練習中に一言も自身のスポーツ経験とチアを比較するような言葉を発さないのは不自然だった。晴希には猫背になる悪癖があるが、これは柔道ではアドバンテージになるのだろうか、それともディスアドバンテージになるのだろうか。いずれにせよ、チアリーディングとはどのようなものかを詳しく知っている人間の絶対数は圧倒的に少ない。観る側にチアとはどんなものなのかを見せるだけではなく、簡潔明瞭に語る努力があっても良かったのではないか。

 

また男がチアリーディングをするというのはこれまでの常識に反しているが、それを揶揄してくるのがもっぱら男連中であることも気になった。普通は、「女の世界に男が入ってくるな!」と思う女子も一定数必ず存在するはず。男子チアをいいように利用しようとする女子だけではなく、男子チアに普通に反発する女子も描いた方が、より自然に感じられたと思う。

 

チアのパフォーマンスに全体的に華がない。怪我のリスクのある技というのは確かに見応えがあるが、それ自体が見せものになってしまっている。チアとは応援なのだから、学祭の一環ではなく、スポーツイベントや、色々と絡んできたテニスサークルの応援などで魅せてくれた方が、チアの本質により迫ることができたのではないだろうか。

 

後は関西弁をもっと勉強および練習しろと一部キャストに言いたい。アニメ『 じゃりン子チエ 』の中山千夏を見習うべし。

 

総評

悪い作品ではない。男同士のぶつかり合いが、エゴの衝突になっていない。主役連中だけではなく脇役連中にも充分なスポットライトが当たっている。広瀬すずや中条あやみのへそ出しの次には、こちらを鑑賞してみよう。共通点や相違点が浮かび上がって、なかなかに興味深い。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

I’m not into beating someone.

晴希が言う「俺、誰かに勝つのって好きじゃないんだ」という台詞の私訳である。好き=likeと単純に考えてはいけない。 be into ~で「~が好きである」、「~にはまっている」などのような意味となる。勝つ=winだが、win someoneというコロケーションは基本的には存在しない。win someone overやwin agaist someoneならば可能。晴希には柔道のバックグラウンドがあるので、beat=倒す、という動詞を選択してみた。

 

I’m into cooking.

My wife is into yoga.

 

色々と自分なりに表現をしてみよう。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, スポーツ, ヒューマンドラマ, 中尾暢樹, 唐田えりか, 日本, 横浜流星, 監督:風間太樹, 配給会社:バンダイナムコアーツ, 配給会社:ポニーキャニオンLeave a Comment on 『 チア男子!! 』 -This film will cheer you on-

『 覚悟はいいかそこの女子。』 -社会派要素を交えた異色ロマコメ-

Posted on 2018年11月11日2019年11月22日 by cool-jupiter

覚悟はいいかそこの女子。 55点
2018年11月8日 梅田ブルク7にて鑑賞
出演:中川大志 唐田えりか 小池徹平 伊藤健太郎
監督:井口昇

f:id:Jovian-Cinephile1002:20181111125306j:plain

おそらく誰もが食傷気味の少女漫画の映画化を何故観ようと思い立ったのか。それは『 食べる女 』にチョイ役ながら出演することで映画sceneに帰って来た小池徹平を観るために他ならない。決して唐田えりか見たさではなかった・・・はず。

 

あらすじ

自他共に認める愛され男子の古谷斗和(中川大志)は、実はただのヘタレ男だった。彼女を作った友人に「鑑賞用男子」と揶揄されたことに発奮、彼女を作ろうと意気込んで三輪美苑(唐田えりか)に「俺の彼女になってくれない?」とイケメンオーラ全開で臨むも、あっさりと撃墜されてしまう。それでも懲りずに猛烈アタックを続ける斗和は、ある出来事をきっかけに美苑の住む部屋の隣で一人暮らしを始めて・・・

 

ポジティブ・サイド

単なる少女漫画ものと思うなかれ。意外にも社会派の側面を持った作品である。具体的には貧困問題と一人親家庭である。後者はかつては欠損家庭とも呼称されていた。離婚もしくは片親・両親の死などによって、子が親以外の血縁者と暮らす世帯は“欠損”していると看做された時代が、ほんの十年、二十年前までは確かにあった。ヒロインである美苑を取り巻く環境は、主人公の斗和のそれとは違い、重く暗い。それをどう取り除くのか。言い換えれば、斗和がどれだけ三枚目になれるのか、または汗水垂らして頑張れるのかが見所になる。ただのイケメンでは貧困も寂しさも紛わせないからだ。そして中川大志は予想を超えるとはまでは言わないが、期待を裏切らない仕事をした。特にある決意を固めるときの表情と、三枚目に「堕ちる」時の表情は味わい深く良かった。中でも『 ハナレイ・ベイ 』のサチのありがたい教えの一つ、「美味しいものをたくさん食べさせてあげる」を実行したのはポイントが高い。

 

本作は『 センセイ君主 』や『先生! 、、、好きになってもいいですか? 』と同じく、女子高生が教師に恋心を寄せる話でもある。その相手の教師・柾木隆次(小池徹平)がとある事情から舞台を去る理由も、極めて社会的である。こうした事情を受け入れられる背景には、日本の社会の成熟と国民の意識の変化(向上と呼んでも差し支えは無いだろう)があるからなのだが、それ以上に柾木先生の抱える事情が美苑の抱える事情と表裏の関係にあるからだ。同時に、虎が死んで皮を残すように、美苑の父は娘に絵画の才能を遺していった。柾木はその才能を豊かに花開かせた。子どもには positive male figure が必要になる時期があるが、美苑にとっての positive male figure の役割をすべて引き受けようとする斗和は見事である。これこそが本作が単なる少女漫画とは一線を画す理由である。好きな女を、その女が好きな男のところに敢えて連れて行ってやる男というのは、漫画『 スクールランブル 』を始め、いくつかの先行テクストが既に存在する。しかし、恋人以外の属性を積極的に担おうとする男を描く作品はあまり生産されてきていない。この点に本作の新しさが認められる。

 

ネガティブ・サイド

まず声を大にして言いたいのは、あんな漫画的な借金取りは存在しないし、存在してはならない、ということだ。というよりも普通に法律違反だ。Jovianは昔、信販会社にいたから分かる、というか誰でも知っていることだ。ちょっと見ただけでもドアの鍵を破壊する=器物損壊、関係のない住人宅に踏み込む=住居不法侵入、その他、恐喝、脅迫や大声で借金をしていることを周囲に知らしめてしまう、借金に全く関係ない高校生に支払いを促すような声かけなどなど、脚本家や監督、さらには原作者も何を考えているのか。『 闇金ウシジマくん 』ではないのだ。もちろん社会派の物語であるからには百歩譲ってこのような描写の数々を許容するにしても、その後に借金取りが人情味のある言葉を美苑にかけるシーンは必要か?散々に相手を痛めつけておきながら、ちょろっと優しさを見せるというのは、『 追想 』のレビューで指摘した「女をこれでもかといたぶったヤクザが、情感たっぷりに涙を流しながら「ごめん。ホンマにごめん。でも、お前のことを愛してるんやからこうなってしまうんや」という構図と本質的には同じである。映画の最後にでも、「借金の取り立てシーンは違法ですが、ドラマチックな演出のためのものです」という文言を入れておくべし。動物愛護の観点からの注意書き、但し書きはあるのだから、こうしたことももっとアピールをすべきだ。闇金の恐ろしさを過小評価したいのではない。闇金には関わってはいけないし、もしも闇金に関わってしまったら、ホワイト・ナイトを待って耐え忍ぶのではなく、適切に対処しなくてはならない。20万人の中高生が本作を観たとして、そのうち2,000にんぐらいが何らかの間違った理解をしてしまわないことを願う。

 

他に指摘しておくべき細かい点としては、タクシーを使えということ。最後くらいは呼び捨てをやめなさいということ。まあ、高校生というのは昔も今もこのようなものなのかもしれない。

 

総評

個人的思考および嗜好に合わない部分があることから辛めに点をつけたが、存外に見どころのある作品である。父と息子のペア、または母と娘のペアなどで鑑賞すれば、親子の対話を促進させる材料になるかもしれないし、日本社会の不都合な真実というか現実に対する関心も高められるかもしれない。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, D Rank, ロマンティック・コメディ, 中川大志, 伊藤健太郎, 唐田えりか, 小池徹平, 日本, 監督:井口昇, 配給会社:東映Leave a Comment on 『 覚悟はいいかそこの女子。』 -社会派要素を交えた異色ロマコメ-

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