キャビン 55点
2018年8月14日 レンタルDVD観賞
出演:クリステン・コノリー クリス・ヘムズワース アンナ・ハッチソン リチャード・ジェンキンス ブラッドリー・ウィットフォード
監督:ドリュー・ゴダード
夏と言えばホラー映画である。近所のTSUTAYAでおススメの表示があったので、借りてみた。原題は”The Cabin in the Woods”、「森の中の小屋」である。『死霊のはらわた』でお馴染みのシチュエーションである。というか、星の数ほどあるホラーの中でA Cabin in the woodsほど分かりやすい状況も無い。人里離れた小屋の中もしくは周囲で一人また一人と死んでいき、その場の人間は疑心暗鬼になり・・・というやつだ。ところが、本作が凡百のホラーと一線を画すのは、小屋を目指して出発するダンジョンもグループを監視する一味が存在することである。
本作については、プロットを説明することが難しい。理由は主に二つ。一つには、そうする意味が全くないほどホラー映画の文法に則った展開だらけ、つまりクリシェだらけであるから。もう一つは・・・、こればかりは本編を観てもらうしかない。なぜなら、ほんの少しでもその理由を説明すると、それが即、ネタバレになりかねないからである。
いくつか類縁というか近縁種であると言えそうな作品を挙げると、クライヴ・バーカーの小説『ミッドナイト・ミートトレイン 真夜中の人肉列車 血の本』およびその映像化作品『ミッドナイト・ミート・トレイン』、さらにはアーネスト・クラインの小説を原作とする『レディ・プレーヤー1』などがある。
ホラーが好きでたくさん見ているという、言わば上級者が本作を観れば狂喜乱舞するだろう。一方でホラー映画などは一切観ませんという初心者にも、ある意味で安心して進められる作品である。なぜならホラーの入門編として最適だからである。この辺は上述の『レディ・プレーヤー1』に似ていて、まさか『シャイニング』が重要なパーツを構成しているなどとは、誰も予想だにしなかっただろう。
ここからは白字で。本作は最後の最後にシガニー・ウィーバーが現れ、クトゥルー神話さながらの世界の真実を語るが、残念ながら数多登場する怪物の中にエイリアンは見当たらなかった。しかし、そうなるとすぐに『ゴーストバスターズ』(1984)のデイナに見えてくる。そうすると、ズールに思えてくるから不思議なものだ。エンディングは映画版ではなく小説の『ミスト』(スティーブン・キング)を彷彿とさせる。それにしてもドリュー・ゴダードはよほどこういうのが好きなのだな、と感じてしまう。『クローバーフィールド/HAKAISHA』でも、最後に地球に降って来ていたのは、ヴェノムなのか?と囁かれたり。
まあ、あまり深く考えずにクリス・ヘムズワースの若さやクリステン・コノリーの可愛らしさに注目するだけでも良いだろう。しかしまあ、これを機にホラー映画ファンになった人は、幸せなのやら不幸せなのやら・・・