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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: アメリカ

『 パティ・ケイク$ 』 -A White Trash Girl Lashes Out !!!-

Posted on 2018年5月14日2020年1月10日 by cool-jupiter

題名:パティ・ケイク$ 60点
場所:2018年4月29日 シネリーブル梅田にて観賞
主演:ダニエル・マクドナルド
監督:ジェレミー・ジャスパー

プロのラップミュージシャンになることを夢見る女の物語、と書いてしまうといかにもサクセス・ストーリーを予感させてしまうかもしれない。実際はそんなに単純な話ではなく、祖母と母と娘の関係、男友達、ストリートで知り合った男、偶像視している男など、主人公のパティを取り巻く人間模様は多様で複雑だ。

この物語をどこまで受容できるかは、ラップに対する理解というよりも、現状への満たされ無さ、不満の心をラップを通じてどこまで昇華できるのかという度合いに比例するように思う。なぜストリートで即興のラップバトルに興じるのか、それはストリートでブレイクダンスに明け暮れるB-BoyやB-GIrlと同じで、生き残るための場を確保するための必然的な努力なのだ。ある意味で非常に動物的な、本能的な生存競争なのだ。

主役のパティはまさにそうした存在だ。若い白人女性になんのディスアドバンテージがあるのかと、人によっては訝しむのかもしれない。しかし、太っていて定職もなく、父親のいない家庭に暮らし、同性の親友がいない、と彼女の属性を少し取り上げるだけで、いかにマイノリティなのかが浮き彫りになる。これはそういう物語なのだ。

それにしてもアメリカ映画に出てくる役者というのは、基本的に台詞回しが日本の役者のそれよりも遥かにスムーズだ。元々ローコンテクストな言語なので、声のテンポやピッチ、間の取り方、表情、身振り手振りも交えてのコミュニケーションが発達した結果というか副産物なのだろうが、日本の場合は演技以前の声の出し方からして未熟なままの役者がちらほら見られる。MLBとNPBではないが、やはり差というものはあるものだと実感させられる。

この映画の大きな特徴として、音楽の効果的な使い方にある。もちろん、BGMや効果音を使わない映画というのは一部のPOVぐらいで、本作にも音楽はふんだんに取り入れられている。注目すべきは劇中音楽の全てを監督のジェレミー・ジャスパーが手掛けたという点。ドキュメンタリー映画『すばらしき映画音楽たち』でも言及されていたが、ほとんどの映画監督はシーンに合った音楽を自分で生み出すことができないものだ。しかし近年は『 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 』のジェームズ・ガン然り、『 ベイビー・ドライバー 』のエドガー・ライト然り、シーンと音楽を自在に組み合わせられる監督も増えてきている。ジェレミー・ジャスパーもスコット・スピアらと同じく、そうした新時代の映画監督の道を往くのかもしれない。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, C Rank, アメリカ, ジェレミー・ジャスパー, ヒューマンドラマ, 監督:ジェレミー・ジャスパー, 配給会社:GEM Partners, 配給会社:カルチャヴィルLeave a Comment on 『 パティ・ケイク$ 』 -A White Trash Girl Lashes Out !!!-

『 ミッドナイト・サン タイヨウのうた 』 ーシュワちゃん2世を堪能せよー

Posted on 2018年5月13日2020年1月10日 by cool-jupiter

題名:『 ミッドナイト・サン タイヨウのうた 』 65点
場所:2018年5月12日 MOVIXあまがさきにて観賞
主演:ベラ・ソーン / Bella Thorne
監督:スコット・スピア / Scott Speer

原題は”Midnight Sun、観賞後に日本の映画『 タイヨウのうた 』(2006)のリメイクだと知る。設定を見るに一部細かい部分の改変はあるようだが、ストーリーとして破綻しているところはなかった。主人公のケイティ(ベラ・ソーン)の普通であることへの執着と周囲との微妙なズレ、しかしそこがパトリック・シュワルツェネッガー(言わずと知れたアーノルドの息子)演じるチャーリーに、そして観客にも微笑ましく心地よく映る。スコット・スピア監督はミュージック・ビデオ畑出身で、音楽を劇中に効果的には配置することに長けているという印象。順調にキャリアを積み重ね、ジェームズ・ガンやエドガー・ライトの領域に達してほしいと思う。

演技者として観るべきはケイティの父親役のロブ・リグル/Rob Riggle。『インターンシップ』では数分の登場ながら老人ホームのトンデモ職員か何かの役で強烈な印象を残していたが、今作では苦悩する父親を好演。『逮捕なんかしないよ』(”I’m not a cop.”)という台詞は、ガールフレンドや妻の父親が警察官だったりするとロマンティックとは正反対の意味でドキリとさせられてしまうだろう。実際、自分は一瞬座席から跳ね上がった。

主人公の持つ病気のせいで必然的に夜を舞台に物語が描かれるが、暗さは感じられず、かといって邦画で時折見られるような「夜の不自然な明るさ」なども感じられなかった。それはクライマックス・シーンに「明るさ」を思い切りブチ込むためだったからか。物語の進行上、釈然としない部分も残るものの、画としての美しさは充分に表現されていた。

若い男一人で週末に1800円を投じるのはつらいかもしれないが、連れ合いがいるならお勧めできる。中年男性でもロブ・リグルに自分の人生を投影させることができるだろう。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, C Rank, アメリカ, ロマンス, 主演:ベラ・ソーン, 監督:スコット・スピア, 配給会社:オープン・ロード・フィルムズLeave a Comment on 『 ミッドナイト・サン タイヨウのうた 』 ーシュワちゃん2世を堪能せよー

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