Skip to content

英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

  • Contact
  • Privacy Policy
  • 自己紹介 / About me

タグ: 監督:関和亮

『 地獄の花園 』 -アクションをもっと真面目に-

Posted on 2022年7月16日 by cool-jupiter

地獄の花園 50点
2022年7月12日 レンタルBlu rayにて鑑賞
出演:永野芽郁 広瀬アリス
監督:関和亮

劇場公開時にはスルーしたが、クーポン使用で近所のTSUTAYAから安く借りてくる。アクションが全体的に中途半端で、メインのキャラも脇役に食われてしまっていた。

 

あらすじ

ごく普通のOLである直子(永野芽郁)の会社では、猛者たちがOL界の覇権を求めて抗争を繰り広げていた。ある日、中途採用された法条蘭(広瀬アリス)と直子はひょんなことから意気投合。しかし、蘭は超武闘派のOLで、あっという間に三富士株式会社のトップに君臨する。以来、周辺企業のトップのOLたちとの抗争が絶えなくなり・・・

 

ポジティブ・サイド

OLの世界には昔も今もお局が存在する。ある意味、男性サラリーマン以上に権謀術数を駆使して権力闘争を繰り広げるのが、OLという生き物である。偏見と言うことなかれ。良くも悪くも、これが日本企業に勤める女性社員のすべてとは言わないまでも、多くに当てはまることなのである(Jovian妻談)。そのOLの生態を一昔前のヤンキー漫画に当てはめて描写したところに本作の面白さがある。

 

菜々緒や大島美幸のOL姿はそれだけで笑ってしまうし、川栄李奈のヤンキーでありながらOL的な気遣いを見せられるというギャップにも、やはり笑ってしまう。このヤンキーOLの仁義なき派閥抗争と、そこに突如現れる新勢力の広瀬アリス、その広瀬アリスの友人となる永野芽郁の掛け合いが物語を動かしていく。

 

他者との抗争=ヤンキー漫画における他校との抗争で、相手の頭を潰せば、そこを丸ごと傘下に加えられるということから、抗争がどんどんと拡大、過激化していく。その途中で出てくるトムソンというのは、やはりサムソンが元ネタだろうか。トヨタですら敵わない財閥にして超巨大企業である。そこの幹部OLを全員男性キャストで固めたのには賛否両論あるだろうが、Jovianはやや賛である。コメディなのだから、これぐらいアホなキャスティングは許容すべきであろう。

 

広瀬アリスの武者修行シーンは笑えるし、最後の最後でこれまでの数々の闘争を、ある意味ですべてなかったことにする価値観の開陳も悪くない。というか、この世界観をそのままに物語を閉じてはいかんだろう。その点で、アホ極まりない物語にも一応の決着がつけられ、話はきれいに閉じていく。頭を空っぽにして観る分には良い映画だろう。

 

ネガティブ・サイド

映画館で観た予告編をうっすらと覚えているが、ハッキリ言ってトレーラーの作り方を間違っている。永野芽郁のアクションシーンは全カットして、広瀬アリスが頂点を目指して闘っていくストーリーだと思わせるようにすべきだった。トレーラーのせいで「実は永野芽郁も強いんでしょ?」と観る側にバラしてしまうのは全く得策ではない。誰がトレーラー作ったの?そして、誰がそれを承認したの?

 

肝心かなめのアクションも迫力不足。ちょっとしたパンチや蹴りのたびにカットして、別アングルから別アクションを映していくカメラワークは、役者の鍛錬不足を何とか目立たないようにしたいという工夫なのだろうが、ここを追求しないことには真の面白さは生まれてこない。『 翔んで埼玉 』がクッソ面白かったのは、埼玉狩りのアクションやGACKTと伊勢谷友介の衝撃のキス、埼玉VS千葉の大軍勢同士の激突など、アホなシーンのリアリティをこれでもかと追求したからである。OL同士の喧嘩でも、もっと役者たちを追い込んでほしかったし、追い込むべきだった。別に『 アジョシ 』や『 悪女 AKUJO 』のようなクオリティは求めていない。ただ、真っ正面から魅せるアクションシーンがひとつぐらいはあってもよかったのではないか。

 

主要キャラであるはずの永野芽郁や広瀬アリスが遠藤憲一に完全に食われていた。もちろん演技合戦の中では『 ボーダーライン 』のベニシオ・デル・トロや『 ジュラシック・パーク 』のジェフ・ゴールドブラムのように、主役を食ってしまう脇役というのは存在する。しかし本作の沿道の悪目立ちは監督の演出力不足によるところが大であると思われる。キャスティングではなくディレクションの問題だろう。

 

総評

日本ならではのアイデアが詰まっているし、日本ならではの弱点も露呈している、何とも評価に困る作品。ということは、一部の人々から高評価を得て、一部の人々からは低評価を得やすい作品ということになる。要は、作り手と観る側の波長が合うかどうかである。男性視点からのOL社会を面白いと思うか、くだらないと思うか。観るかどうかは直感で決めるべし。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Stop talking shit, you ugly whore!

「寝言こいてんじゃねーよ、ブス!」の私訳。聞いた瞬間の思いつきだが、実際にプロの翻訳者でも、案外こういう訳に落ち着くのではないかと思う。寝言を言う ≒ 馬鹿なことを言うなので、ここでは talk shit とした。悪口を言う、無礼・不愉快なことを言う、の意味である。ちなみに、こんな英語は実生活では絶対に使ってはならない。

 

 にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村 

Posted in 国内, 映画, 未分類Tagged 2020年代, D Rank, アクション, コメディ, 広瀬アリス, 日本, 永野芽郁, 監督:関和亮, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 地獄の花園 』 -アクションをもっと真面目に-

最近の投稿

  • 『 28日後… 』 -復習再鑑賞-
  • 『 異端者の家 』 -異色の宗教問答スリラー-
  • 『 うぉっしゅ 』 -認知症との向き合い方-
  • 『 RRR 』 -劇場再鑑賞-
  • 『 RRR:ビハインド&ビヨンド 』 -すべてはビジョンを持てるかどうか-

最近のコメント

  • 『 i 』 -この世界にアイは存在するのか- に 岡潔数学体験館見守りタイ(ヒフミヨ巡礼道) より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に cool-jupiter より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に 匿名 より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に cool-jupiter より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に イワイリツコ より

アーカイブ

  • 2025年5月
  • 2025年4月
  • 2025年3月
  • 2025年2月
  • 2025年1月
  • 2024年12月
  • 2024年11月
  • 2024年10月
  • 2024年9月
  • 2024年8月
  • 2024年7月
  • 2024年6月
  • 2024年5月
  • 2024年4月
  • 2024年3月
  • 2024年2月
  • 2024年1月
  • 2023年12月
  • 2023年11月
  • 2023年10月
  • 2023年9月
  • 2023年8月
  • 2023年7月
  • 2023年6月
  • 2023年5月
  • 2023年4月
  • 2023年3月
  • 2023年2月
  • 2023年1月
  • 2022年12月
  • 2022年11月
  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月
  • 2022年4月
  • 2022年3月
  • 2022年2月
  • 2022年1月
  • 2021年12月
  • 2021年11月
  • 2021年10月
  • 2021年9月
  • 2021年8月
  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月
  • 2020年10月
  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月
  • 2020年2月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月
  • 2018年5月

カテゴリー

  • テレビ
  • 国内
  • 国内
  • 映画
  • 書籍
  • 未分類
  • 海外
  • 英語

メタ情報

  • ログイン
  • 投稿フィード
  • コメントフィード
  • WordPress.org
Powered by Headline WordPress Theme