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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 監督:行定勲

『 リボルバー・リリー 』 -戦闘のリアリティがダメダメ-

Posted on 2023年8月15日 by cool-jupiter

リボルバー・リリー 30点
2023年8月12日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:綾瀬はるか
監督:行定勲

 

邦画もついに『 悪女 AKUJO 』のような本格アクション映画をリリースか?と期待したが、Don’t get your hopes up.

あらすじ

国際社会の要人57人を殺害した元工作員の小曽根百合(綾瀬はるか)は、東京の玉の井で女将をしていた。ある一家の殺人事件を辛くも逃れた少年・慎太と出会ったことで、百合は陸軍から追われる身となり・・・

 

ポジティブ・サイド

一介の商人がアホみたいな金額を密かに貯めてしまうというプロットはありだと思う。日露戦争や第二次世界大戦の戦費のかなりの部分がビール税で賄われたということから、カネはあるところにはあるからだ。

 

佐藤二朗演じるヤクザの親分が最も時代を反映していたように思う。民間人でもなく軍人でもないという、百合とはある意味で対照的なグレーな存在もリアル。清水博也の出演作にハズレはあっても、清水博也そのものの演技にハズレはないというジンクスは今作でも生きていた。

ネガティブ・サイド

うーむ、このリボルバー・リリーは『 るろうに剣心 』の焼き直しにしか見えなかった。冒頭の字幕での説明からして同作とまったく同じ。暗殺者稼業から足を洗って、殺しは辞めたと宣言するところも同じ。実は○○してました、も同じ。何だこりゃ・・・

 

綾瀬はるかがアクションに挑むこと自体は悪いことではないが、問題は見せ方が悪すぎること。格闘シーンはカット、カットの連続で『 AVA/エヴァ 』と同様に作り物感満載。相手がクルクルと宙で回転したり、マウントポジションを取られているのに下からの蹴り一発で相手を払いのけたりと非現実的なアクションのオンパレード。

 

タイトルにもなっているリボルバーも特にフォーカスされず。一発一発撃鉄を起こす必要があり、一人を射殺するのには向いていても今作のような対集団には向かないのでは?しかもベレッタと二刀流をしたりもして、タイトルのリボルバーの意味がますます分からない。

 

最大の問題は陸軍が弱すぎること。陸上自衛隊が観たら激怒するのでは?山小屋での手榴弾の爆発に対しても、咄嗟にうずくまるなどの反応もゼロ。ホンマに軍人か?そもそも、色街の娼婦の間に小隊規模で押し寄せて銃撃戦の結果、撃退されるとか、切腹ものの恥ずかしさ。もう東京界隈では陸軍は軍服着て街を歩くのは無理なほどの醜聞。原作もこの展開なのか?

 

正体不明の老婆の治癒や、祭りの場で目線の高さで発砲して誰にも命中しないなど、不可解なシーンも多数。最後の鈴木亮平のシーンも不要。長谷川博己からの問いかけに言葉では答えず、是とも非とも解釈できる眼差しで終幕すればよかった。

総評

行定勲は『 GO 』からそれなりに追っているが、この人はドラマやロマンスの人であって、アクションの演出は無理だと確信した。画面が暗い上に、細かいカットの連続で臨場感がない。暗殺者にも軍隊にもリアリティがない。豪華キャストの盛大な無駄遣い。綾瀬はるかの熱心なファンはチケット購入可だが、そうでなければスルーを推奨する。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

look into ~

長谷川博己が序盤で色々と調べていくが、「~を調べる」で最も一般的な表現は look into ~ である。硬い言い方だと investigate ~ となる。状況や話し相手によって使い分けよう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 神回 』
『 セフレの 品格 プライド 』
『 ヴァチカンのエクソシスト 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, E Rank, アクション, 日本, 監督:行定勲, 綾瀬はるか, 配給会社:東映Leave a Comment on 『 リボルバー・リリー 』 -戦闘のリアリティがダメダメ-

『 リバーズ・エッジ 』 -生の実感を得ようともがく青春群像劇-

Posted on 2020年1月3日 by cool-jupiter

リバーズ・エッジ 65点
2019年1月3日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:吉沢亮 二階堂ふみ 森川葵
監督:行定勲

f:id:Jovian-Cinephile1002:20200103202714j:plain

 

2018年に劇場で見逃してしまった作品。決して二階堂ふみのヌード目当てではない。『 チワワちゃん 』原作者の岡崎京子の作品であるということに惹かれたのである。

 

あらすじ

若草ハルナ(二階堂ふみ)は、いじめられっ子の山田一郎(吉沢亮)をひょんなことから助ける。そのお礼に山田の宝物である、川原の死体を見せてもらうことになる。そこから、闇を抱える高校生たちの物語は徐々に暗転し・・・

 

ポジティブ・サイド

『 ママレード・ボーイ 』、『 BLEACH  』、『 あのコの、トリコ。 』という、2018年の邦画20点トリオの全てに出演してしまった吉沢の、これはベスト(当時)である。吉沢のキャリアハイは『 キングダム 』だと思うが、本作はそれに次ぐパフォーマンスである。無表情で、ぶっきらぼうな口調で話す。そして基本的に他者と目を合わさない。そのことが終盤のあるカットで大きな効果をもたらす。

 

時折映し出される工場廃水や煙、オゾン層破壊のニュース、そして携帯電話が普及している気配がないところから、舞台は1990年代の半ばだろうか。当時の空気では、同性愛は個性ではなく疾患、障害(敢えてこの字を使う)、異常と考えられていたように思う。そして、いじめによって中学生がどんどんと自殺をしていた時代でもあった。TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン 』もこの頃だったか。本作に登場する若者達は皆、リビドーとデストルドーの狭間にたゆたう、とても儚い存在だ。そのことは随所に挿入されるドキュメンタリー風のインタビューで問われる、「生きていることの実感はあるか?」との問いに対する応答に、ぼんやりと表れている。「生きる」という行為もしくは状態は、心臓が動いているだとか呼吸をしているという生理現象とイコールではない。仕事で疲れ切っている時、ひとっ風呂した後のビールで「生き返ったような気分」になる、そういった体験が「生きる」ということである(高校生に飲酒を推奨しているわけではない、念のため)。その意味では、死体=宝物と認識する若者3人の奇妙な絆には、妙な説得力がある。

 

全編これ、キラキラとまばゆい青春映画とは全く違う、ドロドロのドラマの連続である。だが、それもまた青春の一つの形だろう。アスペクト比4:3の映像が、古さを思い起こさせる。ちょうどDVDレコーダーの出始めの頃、VHSをDVDに移したりしていたことを思い出した。エンディングのポエムのシーンはフルサイズである。つまり、生きづらさは過去だけではなく現在にもある、普遍的なサムシングなのですよというのが行定監督と岡崎京子のメッセージなのだろう。Jovianはその見解に賛成である。

 

ネガティブ・サイド

残念ながら主要な登場人物のほとんどが高校生に見えない。『 THE DUFF/ダメ・ガールが最高の彼女になる方法 』ではメイ・ホイットマンがアラサーにして女子高生を演じたが、彼女はかなりの幼児体型なのでそれなりに説得力があった。だが小山ルミを演じた土居志央梨に高校生を演じさせるのは無理がある。彼女は悪い役者ではないが、制服を着て学校にいるだけで、とてつもない異物感を放っている。もちろん、多様なセックスシーンやフェラチオシーンなどを未成年に演じさせるのは難しいだろうが、『 惡の華 』における秋田汐梨のような素材は探せば見つかったのではないだろうか。本作のテーマの一部は、セックスでしか陳腐な承認欲求を満たせない若者の存在である。だからといって、セックス描写に力を入れる必要はない。いかに薄っぺらいセックスをしているのかを伝えるだけで充分で、必ずしもそれを見せる必要はなかった。極端な話、脱ぐのは二階堂ふみだけで良かった。

 

また、その二階堂ふみは煙草を吸い過ぎである。いや、それは構わない。Jovianもかつては喫煙者だった。だが、一度高校生の時に自室のゴミ箱をかなり焦がしてしまい、父親にしこたま怒られた。当たり前である。それ以来、止めはしなかったものの、煙草が怖くなったものだ。そのため、煙草の火の不始末をしでかしたハルナが、煙草をポイ捨てしまくるのには、かなりの嫌悪感を抱いた。

 

総評

暗い青春を送った人にお勧めである。というのは冗談で、若者よりも、むしろ青年や壮年が我が身の青春を振り返ってあれこれ考えるのに適している気がする。雨の日の室内デートにはあまり向いていないので、高校生や大学生カップルは注意されたし。逆に1990年代に高校生だったという層には刺さるだろう。Jovianには一部チクリと刺さった。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

You’re annoying.

一郎がガールフレンドの田島に「うるさいなあ!」と切れる時の言葉である。うるさい=noisyなどと短絡的に結び付けてはいけない。ここでは、うるさい=ウザい、である。そして、ウザい=annoyingである。Annoyingはかなり強い不快感を表明する言葉なので、使用する際には注意が必要である。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, C Rank, ヒューマンドラマ, 二階堂ふみ, 吉沢亮, 日本, 森川葵, 監督:行定勲, 配給会社:キノフィルムズLeave a Comment on 『 リバーズ・エッジ 』 -生の実感を得ようともがく青春群像劇-

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