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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 監督:永井聡

『 キャラクター 』 -もっとグロテスクな展開を-

Posted on 2021年7月18日 by cool-jupiter

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キャラクター 65点
2021年7月11日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:菅田将暉 Fukase 高畑充希 中村獅童 小栗旬
監督:永井聡

 

大学関連業務で鼻血が出そうなので簡潔に。

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あらすじ

漫画アシスタントの山城圭吾(菅田将暉)ある夜、一家殺人事件とその犯人を目撃してしまった。、警察には「犯人の顔は見ていない」と述べたが、圭吾はその殺人犯をインスピレーションに「34」という両機サスペンス漫画を描き、人気を博す。しかし、やがて漫画通りの殺人事件が現実に引き起こされ始めて・・・

 

ポジティブ・サイド

『 罪の声 』の刑事と同じく、小栗旬が良い味を出している。背景がどうであれ、共感力はどんな仕事でも必要。警察官ならなおさらだろう。いつの間にか相手の懐に入っているのは、テクニックではなく思いやりだから。『 ミュージアム 』みたいな刑事よりも、こうした刑事像の方がより小栗旬の味を引き出せるように思う。『 ゴジラvs.コング 』では白目むくだけのキャラだったが、ここで少し挽回した。

 

殺人鬼役のFukaseは歌手とのこと。今作で初めて見たが、第一印象は「棋士の佐藤天彦みらいなやつやな」というもの。演技は素人だが、それが奏功している。こうしたソシオパス兼サイコパスみたいな奴は実は市井のどこにでもいる。エヴァンゲリオンの生みの親である庵野に対して「殺す」という脅迫がなされたり、庵野の殺し方を延々と話し合うスレッドなども存在したのである。なんらかの創造物からインスピレーションを得ることは誰にでもある。問題になるのはその程度が大きすぎた時。役者としての背景がない=どんなキャラにも結び付けられることがない人間をキャスティングしたのは正解だった。

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ネガティブ・サイド

いくら漫画が売れたからといって、一年足らずで億ション(賃貸だろうが)に住めるだろうか。というか、住む気になるだろうか。厳重な警備が欲しいのは分かるが、慶敏もしくは管理人付きの物件に住むべきだろう。

 

漫画通りの殺人事件を起こすというのは着想としては面白いが、山道の一家全員殺害と自動車転落などは、一人では不可能であると思う。

 

山城の編集者が最初は真犯人なのかと思った。犯人がプロット製作段階の情報を知りえているとなれば、その情報をリークした者がいるはずだが、そこは掘り下げられず・・・ 漫画『 推しの子 』で、編集者の仕事=売れる漫画を描かせる&売れた漫画を終わらせないことだと述べられていて、なかなかに狂った商売だなと感じた。その線で考えれば、ヒットメーカーとして言及されていたこの編集者が、山城の創作に狂気や毒を交えていっても良かったのかなと思う。

 

総評

それなり凄惨なシーンがあるが、ほとんど全部事後。なのでゴア描写に極端に弱い人でなければ大丈夫だろう。『 見えない目撃者 』の真犯人が意味不明なお題目の元に殺人を行っていたのと同じく、本作の犯人の背景や動機にも疑問が残る。韓国映画界にリメイクしてほしい。そうすれば、殺しの生々しいシーンを見せつけてくれて、なおかつサイコキラーの心情をリアルに描写してくれるはず。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

a family of four

四人家族の意。同じように、a group of fourなら4人のグループになる。『 ザ・ファブル 殺さない殺し屋 』で言及された4人組のバンドなら a band of fourとなる。もちろん、数字の部分は適宜にthreeやfiveに変えても良いし、必ずしも a group や a band のように a である必要もない。仕事柄、Jovianは高校生や大学生に、Make five groups of six. =6人で1グループを5つ作りなさい、などの指示をして、グループワークをさせている。

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, C Rank, Fukase, サスペンス, スリラー, 中村獅童, 小栗旬, 日本, 監督:永井聡, 菅田将暉, 配給会社:東宝, 高畑充希Leave a Comment on 『 キャラクター 』 -もっとグロテスクな展開を-

『 恋は雨上がりのように 』 -おっさん映画ファンはとにかく観るべし-

Posted on 2018年5月27日2020年2月13日 by cool-jupiter

『恋は雨上がりのように』 70点
2018年5月26日 MOVIXあまがさきにて観賞
主演:小松菜奈 大泉洋
監督:永井聡

*本文中に映画のプロットに関するやや詳しい記述あり

小松菜奈のキャリアにおいて、この作品はベストである。原作の橘あきらの再現度の高さもさることながら、その目力を遺憾なく発揮することのできる作品と監督にようやく巡り合えたか。これまでの出演作、たとえば『 ぼくは明日、昨日のきみとデートする 』にせよ『 バクマン 』にせよ、小松の存在感に頼っていた感があった。しかし本作はまぎれもなく小松の演技力によって成立した力作である。

小松菜奈演じる橘あきらは陸上選手として優秀な記録も持ち、将来も嘱望されていたが、アキレス腱断裂により部活動は半引退状態。ファミレスのアルバイトに精を出す日々。バイト仲間や職場の古株は大泉洋演じる店長をうだつの上がらない男として全く評価しない。しかし、そんな冴えない中年男に惹かれ、思い切り素直に気持ちをぶつけていくも、最初の告白は全くの空振り(ここまではトレイラーにあるのでネタバレにはならないと判断)に終わってしまう。

「誰かのことをたまらなく好きだ」という気持ちが溢れ出る時、人はとんでもない行動を取ってしまうことがある。しかし、それが恋愛感情というモノなのだ。シャツのシーンはドン引きする向きよりも、共感出来てしまう向きの方が遥かに多いのではないか。なぜなら恋する若者であのようなことをできたら・・・と夢想しない者はいないだろうし、好きな女の子のリコーダーを実はこっそり吹いたことがある、などというのはこの数十年間、日本の津々浦々で実際のネタとして報告されてきているではないか。そして病院に連れて行ってもらったその日の夜の悶々とした様子や、車中での小悪魔的な目線など「小松菜奈って、ここまで色気あったっけ?」と思わされた諸兄も多いはず。永井聡監督、なかなかの手練れである。同工異曲の面白作品ではアメリカ映画の『 スウィート17モンスター 』がある。十七歳の女子高生が暴走してしまうシーンだけなら、こちらも負けていない。

一方の店長は、くたびれた大人の男よろしく、頭で考えた結果、色々なものを拒絶する。それはあきらとの仲であったり、別れた妻との関係修復であったり、あるいは小説家への志してあったり、会社での出世もそうである。年齢や世間からの目(「その世間様っつうのを連れてこんかい!!」と怒鳴る『 焼肉ドラゴン 』も楽しみである)などを理由に、まっすぐに迫って来るあきらをとにかく受け流そうとする姿勢に、元TOKIOの山口メンバーにもこのような思料があれば・・・と不謹慎にも考えてしまった。

この手の映画ではやや珍しくあきらは女友達と対立してしまう。部活とバイト、友情と色恋、どちらが大切なのだ、と。しかし、唐突ではなく、ほんのちょっとした前振りを積み重ねて行きながらのケンカなので、たとえば『 ママレード・ボーイ 』であったような唐突過ぎるケンカになっていない。この対立の構図そのものが、まさに雨降って地固まるを描いており、ここでも作品全体に通低する”雨”が現れてくる。

雨で印象的なシーンは2つ。学校からの帰り道で店長との出会いを回想するシーンと、バイトのシフト外で店長を訪ねてしまうシーン。特に後者では、そろそろフィジカルコンタクトを描く頃合いかと思わせて・・・ 割と簡単に手をつないだりキスしたりしてしまう最近のコミックの映画化作品は、今作のビルドアップから大いに学ぶべきだろう。こうした積み重ねが停電シーンという一つのピークに向けて、上手く収斂されていっている。

最近の邦画(などと書くと自分がオッサンになってしまったことを白状しているようだが)が少しおざなりにしている風景や街中のワンショット、ワンカットが時間の経過や登場人物の心情、物語の行く末をさりげなく、しかし確実に描写することに成功しており、これは大学の映画学科の教科書に載せるのは大袈裟にしても、アマチュア作家などは大いに真似をすべき解りやすさだ。

脇役陣では、淡々と、しかしせっせと母親役に勤しむ吉田羊に何故かホッとさせられ、店長の旧友役を好演した戸次重幸に勇気をもらった。しかし、この映画はやはり小松菜奈の出演作ではベストである。そう断言する根拠はエンディングの邂逅シーンに凝縮されている。陸上競技の描写については門外漢なので避けたいが、あなたが小松菜奈ファンであるならば文句なしにお勧めできるし、特に小松菜奈のファンではないというのなら、これを機に彼女のファンになってほしい。近年の漫画原作の映画化では『 坂道のアポロン 』に並ぶ、いや超える作品だ。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2010年代, B Rank, ロマンス, 大泉洋, 小松菜奈, 日本, 監督:永井聡, 配給会社:東宝Leave a Comment on 『 恋は雨上がりのように 』 -おっさん映画ファンはとにかく観るべし-

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