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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 監督:山下敦弘

『 1秒先の彼 』 -リメイク成功-

Posted on 2023年7月16日 by cool-jupiter

1秒先の彼 65点
2023年7月9日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:岡田将生 清原果耶
監督:山下敦弘

 

『 リンダリンダリンダ 』や『 もらとりあむタマ子 』の山下敦弘監督が台湾の『 1秒先の彼女 』をリメイク。まあまあ面白かった。

あらすじ

何事もワンテンポ早いハジメ(岡田将生)に齢30にしてモテキ到来。路上ミュージシャンのサクラコとの宇治での花火大会デートの当日、気が付けばその日は過ぎていた。失くした一日の謎を追い求めるハジメの陰に、何事もワンテンポ遅いレイカ(清原果耶)がいて・・・

ポジティブ・サイド

原作とは主人公たちの性別が逆だが、それはそれで成功していると思う。岡田将生演じる能天気京都人には笑った。まさに「京都人の脳内地図」(←気になる人はググるべし)の持ち主。Jovianは表現者としての岡田将生はあまり評価してこなかったが、本作の演技はまあまあ良かったと感じた。

 

サクラコ役も当然ながら原作とは性別逆転しているが、これも良かった。タチの悪い男よりもタチの悪い女と対比させた方が、真のヒロインの輝きが増す。

 

その真ヒロインを演じた清原果耶は、これまで『 デイアンドナイト 』や『 護られなかった者たちへ 』では社会のダークな一隅に生きる女子だったり、あるいは『 宇宙でいちばんあかるい屋根 』のような人と人との交流ファンタジーや、『 まともじゃないのは君も一緒 』など、一筋縄ではいかないヒロイン像を打ち出すなど、少女漫画の実写化ヒロインを演じてこなかったというところでポイントが高い。

 

原作の肝だった、消失した一日の中での男の純粋な(それゆえにキモイ)行動の数々をしっかり再現したのも素晴らしい。そして純粋さとキモさを両立させたところも特筆できる。今後も、unorthodox なヒロインを演じ続けてほしい。

 

ラブコメとして間違いなく標準以上の面白さ。デートムービーに最も適しているはず。

 

ネガティブ・サイド

原作の弱点、すなわち「今日は月曜日だ」という街の人々の答えがやはり腑に落ちない。その答えはどう考えてもおかしい。

 

また、ハジメの消えた一日に対して、これでもかと説明が加わったのは個人的にはやりすぎだと感じる。またハジメとレイカ以外のキャラが ”そこ” で動いてしまうのにもとんでもない違和感が。一応説明はされるのだが、その理屈で行けばもっと頻繁にタイムストップが起きていることになる(はず)。

 

クドカンの脚本であるため、必要以上にキャラに走りすぎてストーリーがちょっと・・・というところがある。ハジメの家族のサブストーリーはばっさり削ってよい。ハジメとサクラコ、その裏で進むレイカの物語だけに集中した方が、もっと濃密かつ効率的なストーリーテリングができたはず。

総評

ちょうど6月に夫婦で天橋立観光に行ってきたところなので、本作は非常に楽しめた。天橋立を挟むことで、ハジメとレイカの二人が star-crossed lovers であることがより強調されたように思う。突っ込みどころもいっぱいあるのだが、一途な片想いが両想いに変わるという物語そのものは陳腐だが、その過程が極めてユニーク、それゆえに面白い。原作鑑賞済みでもチケット購入の価値はある。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

What day is it today?

「今日は何曜日ですか?」の意味。夜勤だったり、土日勤務があるような仕事の人が使う印象がある。Jovianのように大学の授業に携わったりしている場合もたまに使うかな。曜日ごとに授業の内容が決まっているクライアントもあるので。自分が使わなくても、いきなり尋ねられることもあるかもしれないので、とりあえず知っておくべき表現。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 探偵マリコの生涯で一番悲惨な日 』
『 君たちはどう生きるか 』
『 交換ウソ日記 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, ファンタジー, ラブコメディ, 岡田将生, 日本, 清原果耶, 監督:山下敦弘, 配給会社:ビターズ・エンドLeave a Comment on 『 1秒先の彼 』 -リメイク成功-

『 リンダ リンダ リンダ 』 -濡れネズミたちの青春賛歌-

Posted on 2019年3月10日2020年1月10日 by cool-jupiter

リンダ リンダ リンダ 65点
2019年3月5日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ペ・ドゥナ 香椎由宇
監督:山下敦弘

f:id:Jovian-Cinephile1002:20190310125550j:plain

“We will rock you”や“We are the champions”のQueenには敵わないにしても、それでもTHE BLUE HEARTSはビッグネームである。 “キスしてほしい”や“TRAIN-TRAIN”を聞いたことが無いという中高生は、今でも少数派だろう。1980年代に少年時代を過ごした者がTHE BLUE HEARTSおよび甲本ヒロトから受けた影響は巨大である。その中でも一際輝くのは“リンダリンダ”であろう。そのタイトルを冠した映画ならば観ねばなるまい。

 

あらすじ

とある高校のバンドが、ちょっとしたいざこざからメンバーの脱退を招いてしまう。残されたメンバーは3日後に迫った文化祭のステージのために、韓国人留学生のソン(ぺ・ドゥナ)にボーカルとして新加入してもらい、オリジナル曲ではなくTHE BLUE HEARTSの“リンダリンダ”の練習を始めて・・・

 

ポジティブ・サイド

『 スクールガール・コンプレックス 放送部篇 』を思わせる、BGMを極力排除した学校風景にはノスタルジアを感じた。この映画には、ドラマチックな展開は特に何も起こらない。しかし、そのことがシネマティックではないということを必ずしも意味しない。映画とはリアリティの追求が第一義で、本作にはそれがある。女子高生(というか女子全般)の人間関係の軽さと重さ、その底浅さと深さが全て表現されている。具体的に語ればネタばれになるが、本編の面白さを損なわないような例を挙げるとするなら、とある教室を皆が覗き込むシーンであろう。ここでは唐突に、現在の日本映画界の大スターが登場するので期待してよい。このシークエンスにおけるペ・ドゥナの目が素晴らしい。漫画的な目とでも言おうか、本来は日本語が不自由なはずの彼女が目で思いっきり語ってくれる。いや、目だけではなく立ち姿や口の微妙な開け方など、とにかく彼女の心の動きが手に取るように分かるのだ。そして、それを見つめる仲間の女子高生たち。自分にはこんな青春は無かったが、そこにあるリアリズムは確かに受け取った。

終盤にかけて、ようやく事件らしきことが起こるのだが、それをカバーしようとする彼ら彼女らがまた良い味を出している。はっきり言って中盤の描写はかなり中弛み気味なのだが、そうした陳腐な会話劇が、彼らを単なる有象無象のキャラクターに堕してしまわないような装置としてうまく機能していたのだと知る。この脚本はなかなかに心憎い。クライマックスは『 ボヘミアン・ラプソディ 』の同工異曲である。“リンダリンダ”ともう一曲が披露されるのだが、これは反則である。これは嬉しい不意打ちというやつである。このカタルシスは、『 ボヘミアン・ラプソディ 』とは決して比較してはならないが、それでも80年代に青春を経験したという世代に激しく突き刺さることは間違いない。

 

ネガティブ・サイド

甲本雅裕のキャスティングは悪くは無いが、ややノイズのようにも感じられた。甲本ヒロトという、ある意味でフレディ・マーキュリーのような男を憧憬の対象にするからこそストーリーが立つのである。彼そして彼らバンドとの距離が遠いからこそリアリズムが生まれるのであって、その逆ではない。悪い役者でも悪い演技でもないが、どうにもミスキャストに感じられた。

そしてラストの体育館の時計。撮影時点、または編集の時点で誰も気付かなかったのだろうか。これは大きな減点要素である。

 

総評

ドラマを期待するとガッカリするかもしれない。香椎由宇の水着姿が終ったところで離脱する人がいてもおかしくない。それほど静かな立ち上がりである。しかし、じっくりと向き合えば、ぺ・ドゥナの卓越した演技力と青春の普遍性を描いた、陳腐で芳醇な友情物語が味わえる。映画ファン、そしてTHE BLUE HEARTSファンにもお勧めをしたい。そしてぺ・ドゥナという小動物的な小悪魔の魅力も堪能して欲しい。

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2000年代, C Rank, ヒューマンドラマ, ペ・ドゥナ, 日本, 監督:山下敦弘, 配給会社・ビターズ・エンド, 香椎由宇Leave a Comment on 『 リンダ リンダ リンダ 』 -濡れネズミたちの青春賛歌-

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