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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

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タグ: 監督:ロドリゴ・ガルシア

『 パッセンジャーズ 』 -ライトな映画ファン向けか-

Posted on 2020年7月23日 by cool-jupiter

パッセンジャーズ 50点
2020年7月20日 レンタルBlu-rayにて鑑賞
出演:アン・ハサウェイ パトリック・ウィルソン
監督:ロドリゴ・ガルシア

f:id:Jovian-Cinephile1002:20200723010128j:plain
 

飛行機墜落ものというと『 ノウイング 』(監督:アレックス・プロヤス 主演:ニコラス・ケイジ)を思い出す(冒頭だけだが)。これがけっこうな珍品で、面白くもあり、つまらなくもあった。以来、飛行機墜落ものにはあまり食指が動かくなくなった。しかし、心斎橋シネマートで『 アフターマス 』(監督:エリオット・レスター 主演:アーノルド・シュワルツェネッガー)あたりから墜落ものも、ポツポツと再鑑賞し始めた。これもそのうちの一本。

 

あらすじ

飛行機墜落事故が発生。多数が死亡したが5名は生き残った。その生存者のカウンセリングを担当することになったクレア(アン・ハサウェイ)だったが、セッションを欠席した生存者が1人また1人と姿を消していく。クレアは事故の真相を何とか探ろうとするのだが・・・

 

ポジティブ・サイド

アン・ハサウェイが相変わらず魅力的である。『 プラダを着た悪魔 』から『 シンクロナイズドモンスター 』まで、年齢を重ねつつも、魅力を増している。おそらく本作ぐらいが、いわゆる girl と woman のちょうど境目ぐらい(実際の役でもそうだ)で、それゆえに無垢な学生、姉との関係に悩む妹、男性と情事に耽る大人の女性などの多彩な面を見事に演じ分けている。彼女のキャリアにおけるベストではないが、間違いなく on the right side の演技である。

 

作品としては非常に分かりにくい。それは、「はは~ん、これは実はこういう話だな」ということがすぐに読めるからである。たいていの人は「これはアン・ハサウェイがセラピーをしていると見せかけて、実はセラピーを受けている側なのだ」と思うことだろう。Jovianは割とすぐにそう直感したし、映画や小説に慣れた人なら、あっさりとそう思えるだろう。それこそが本作の仕掛ける罠である。

 

「なるほど、そう来るか」

 

素直にそう感心できる twist が待っている。

 

本作の最初の展開に騙される人、あるいはそれを見破れる人は、以下のような作品に親しんでいる人だろう。以下、白字。

 

『 シックス・センス 』

『 アメイジング・ジャーニー 神の小屋より 』

『 ラスト・クリスマス 』

『 ムゲンのi 』

 

人によっては ( ゚Д゚)ハァ? となるだろうが、真相に至るまでには結構フェアに伏線が張られている。例えば寒中水泳のシーン、あるいは線路のシーン。このあたりをちょっと考えれば、誰もが何かがおかしいと感じられることだろう。それに、多くのキャラクターのふとした言動や、人間関係、他キャラとの交流のあり方もヒントになる。2000年代にもなると、ありふれた謎解きにも変化球が色々と混ざって来る。本作は、ただのシュートかと思ったらシンカーだった。そんな一品である。

 

ネガティブ・サイド

ちょっと風呂敷を広げ過ぎている。こういうのは中盤と終盤の twist のインパクトで勝負するしかない作品で、そこに至るまでがかなり間延びしているように感じられる。93分の映画だが、75分でも良かったのではないかと思えるのだ。エリックが壁を塗りたくるシーンや屋上にクレアを誘うシーンは削除できた。あるいは大幅に短縮しても、特にラストのインパクトに影響を及ぼさないだろう。

 

事故を起こした航空会社が、その自己の生存者を監視し、追跡し、拉致しているのではないかというクレアの推理は、はっきり言って迷推理である。生存者の名前は大々的に報じられるだろうし、そうした人間が本当に失踪したならば、周囲の人間が絶対に気付くし、捜索届を出したり、マスコミにも知らせたりするだろう。人間は陰謀論が大好きなのだから。一人ひとり消えていくのではなく、単にセラピーを欠席して、日常生活に帰っていった、という説明はできなかったか。

 

クレアとエリックのロマンスがどうにもこうにも陳腐である。アン・ハサウェイ演じるクレアから見たエリックが、一人の男性としての魅力に欠ける。いや、説得力に欠けると言うべきか。アン・ハサウェイから見て、危なっかしい弟のような存在、あるいは幼馴染のような友達以上恋人未満のような存在に見えないのだ。多面的なアン・ハサウェイの魅力とパトリック・ウィルソンのキャラ設定が、どこかミスマッチなのだ。

 

総評

アン・ハサウェイのファンならば観よう。こういった作品はドンデン返しを楽しむためのもので、そこに行くまでに退屈してしまうという向きにはお勧めできない。ディープな映画ファンならば、あれこれと先行作品を思い浮かべるだろうし、もっと鍛えられた映画ファンならば、この変化球が曲がり始めた瞬間に軌道を見切ってしまうかもしれない。結局、お勧めできるのはアン・ハサウェイのファンであるというライトな映画ファンになるだろうか。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

work one’s ass off

「働きまくる」の意である。もうすぐ子どもが生まれるのか?じゃあ、がむしゃらに働かないとな!=You’re going to have a baby soon? Well, someone has got to work his ass off! などのように使う。同じような表現に、laugh one’s ass off = 爆笑する、というものがある。こちらは laugh my ass off = LMAO や、rolling on the floor laughing my ass off = ROFLMAO などの略語の形でネット上で見たことがある人もいるかもしれない。

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Posted in 映画, 海外Tagged 2000年代, D Rank, アメリカ, アン・ハサウェイ, サスペンス, パトリック・ウィルソン, ミステリ, 監督:ロドリゴ・ガルシア, 配給会社:ショウゲートLeave a Comment on 『 パッセンジャーズ 』 -ライトな映画ファン向けか-

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