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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 監督:ライアン・クーグラー

『 ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー 』 -C・ボーズマンの穴は大きかった-

Posted on 2022年11月15日 by cool-jupiter

ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー 50点
2022年11月13日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:レティーシャ・ライト ルピタ・ニョンゴ テノッチ・ウエルタ
監督:ライアン・クーグラー

チャドウィック・ボーズマンの病死により、ブラックパンサーという強キャラもMCUから強制退場。後を継ぐのが誰かは誰でもわかる。問題はその継承の必然性だが、そこの部分がやはり弱かった。

 

あらすじ

国王ティ・チャラの不慮の死により、ワカンダ王国は危機に立たされた。ティ・チャラの母ラモンダが玉座に就くも、アメリカやフランスなどの大国はワカンダにヴィブラニウムの供出を迫ってくる。拒否するラモンダだが、ある海域の海底でヴィブラニウムらしき鉱物が発見された。同時にワカンダは謎の海底人ネイモア(テノッチ・ウエルタ)に攻撃される。ワカンダはヴィブラニウム探知機の発明者の捜索とネイモア撃退の両方に取り組むが・・・

ポジティブ・サイド

MCU映画のお決まりのオープニングが無音。映像の全てがチャドウィック・ボーズマンだった。スタン・リーが亡くなった時にも、こんなことはなかったように記憶している。キャラクターと役者が切り離せない例はいくつかあるが、チャドウィック・ボーズマンはブラックパンサーのイメージにぴったりだったなとあらためて実感した。

 

ワカンダという国家が絶対的な王を失って、それでも国として存続していくために新たなリーダーシップが求められる。新王に君臨するラモンダの気迫は素晴らしい。その一方で、息子を失った母としての悲嘆、さらにその悲嘆を乗り越える術をシュリに授けようとする姿勢も見せるなど、キャラクターの描き方が上手い。王ではなく兄を失ったと認識しているシュリとは対照的で、このコントラストが中盤の大事件を大いに盛り上げ、シュリの、ある意味で非常に強制的な成長物語につながっていく。

 

タロカンおよびそれを率いるネイモアを単なる悪ではなく、自分たちなりの正義を信奉する集団として描くことで、思いがけず現実世界の戦争と重なるものがあった。資源があれば分捕りに行くというアメリカ的な発想(コロンブスの時代のヨーロッパ的と言うべきか?)が戦争を生み出すわけで、アメリカがアメリカ自身を悪と描き始めたところに、能天気なMCU世界も少しは陰影を帯びてきた感じがして、なかなかよろしい。タロカンとワカンダが次なるフェーズで同盟を組むのか、それとも再び敵対するのか。一応、続きに関心の持てる作りにはなっている。

ネガティブ・サイド

うーむ、ところどころは面白いが、観終わって感じるのはお涙頂戴の長大なCMになってしまっているということ。CMはいいから、全編を通じてブラックパンサーへの哀悼の意を表すこと、そしてシュリの成長を描くこと。これだけに注力して、1時間45分にまとめるべきだった。3時間弱は長すぎる。

 

それを言っちゃあお終いよだが、ネイモアもタロカン帝国も不要。アメリカ(別にフランスでもいい)がヴィブラニウムを狙って、カリスマ的な王の不在を狙ってワカンダを急襲。このプロットで良かったのでは?迫りくるUSモブ兵を迎え撃つワカンダ軍。その先頭を突っ走っていくという、『 アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 』でのキャプテン・アメリカとブラックパンサーの一番の見せ場を再現すれば、個人的にはそれだけで新ブラックパンサーとして単純に認められたのだが。

 

タロカン帝国も、「それはもう『 アクアマン 』でやっただろ?」という感じ。これまではDCEUがMCUを追いかけていたのに、まさかここでMCUがDCEUの真似をするとは。

 

エンドクレジット中の映像はなあ・・・。これには絶対賛否両論があるはず。Jovianは否である。これだと新たなキルモンガーを生み出すだけでは?

 

総評

『 クリード チャンプを継ぐ男 』で見事に伝説の継承を成功裏に成し遂げたR・クーグラー監督だったが、今作にその切れ味はなし。結局のところサノスという絶対的なボスキャラ不在のMCUの現フェーズは、一作一作が次作への壮大なCMになっている。『 ブラック・ウィドウ 』然り、『 ソー ラブ&サンダー 』然り。早く次のフェーズの展望を見せてくれないと、ハードコアなMCUファンしかついてこなくなると思うよ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

blend in

ブレンドは日本語になっている語。それに in をつけることで「(周囲に)溶け込む」とうい意味になる。劇中では、大学キャンパスに入ろうとするナキアをシュリが制する。その時の台詞が ”I can blend in as a student.” =「私なら学生として溶け込める」である。英検準1級以上を目指すなら知っておきたい。確か『 アウトレイジ 』で加瀬亮も、黒人大使に向かって、”It’s dark. You’ll blend right in.” =「暗いから、誰もお前に気付かねえよ」と言うシーンがあったかな。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ザ・メニュー 』
『 ザリガニの鳴くところ 』
『 ドント・ウォーリー・ダーリン 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, D Rank, アクション, アメリカ, テノッチ・ウエルタ, ルピタ・ニョンゴ, レティーシャ・ライト, 監督:ライアン・クーグラー, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー 』 -C・ボーズマンの穴は大きかった-

『 クリード チャンプを継ぐ男 』 -The torch has been passed-

Posted on 2019年1月12日2019年12月21日 by cool-jupiter

クリード チャンプを継ぐ男 80点
2019年1月6日 レンタルBlu Rayにて鑑賞
出演:シルベスター・スタローン マイケル・B・ジョーダン
監督:ライアン・クーグラー

f:id:Jovian-Cinephile1002:20190112020804j:plain

『 猟奇的な彼女 』と言えば、腰の入ったパンチ。パンチと言えばボクシング、ボクシングと言えば『 ロッキー 』。その魂はアポロ・クリードの息子、アドニス・ジョンソンに受け継がれた。クリードの最新作に備えて、前作を復習鑑賞した。

 

あらすじ

アポロ・クリードの息子、アドニスは我流でボクシング技術を磨いていた。メキシコのティファナで連戦連勝するも、アメリカの世界ランカーにはスパーで一蹴されてしまう。アドニスは父、アポロと激闘を繰り広げ、盟友となったロッキー・バルボアの指導を仰ぐべく、フィラデルフィアにやってきた。エイドリアンやポーリーが世を去る中、イタリアン・レストランを独り切り盛りするロッキーは、アドニスに“虎の目”を見出して・・・

 

ポジティブ・サイド

アドニスと拳を合わせる相手にSuper Sixの覇者アンドレ・ウォード、ミドル級のゲートケーパー的存在ガブリエル・ロサド、そして英国のやんちゃ坊主、トニー・ベリューと本物のプロボクサーを豪華に配置。これだけでもボクシングファンには嬉しいキャスティング。スタローン映画『 エクスペンダブルズ3 ワールドミッション 』に出演したヴィクター・オルティズは映画に出たことでキャリアが下降してしまったが、ウォード、ベリューらは既にキャリアの最終盤に入っていた。そうした意味でも安心できた。現役ボクサーが映画に出ても、あまり良いことは無いのだ。WOWOWでExcite Matchを熱心に観ている人なら、マイケル・バッファやHBOのマックス・ケラーマンやジム・ランプリーの存在が更なるリアリティを生んでいると感じられるだろう。そのHBOも2018年末でボクシング中継から撤退。何とも景気の悪い話である。

 

閑話休題。本作には Eye of the Tiger は流れないが、字幕が良い仕事をしてくれる。その瞬間は絶対に見逃しては、いや聞き逃してはいけない。

 

マイケル・B・ジョーダンは本作と『 ブラックパンサー 』のキルモンガー役で完全にトップスターの仲間入りを果たしたと評しても良いだろう。スタローンもボクシングのシルエットがきれいだったが、ジョーダンは元々の身体能力+ボクシングセンスで、スタローン以上のボクシング的な動きを披露する。

 

中盤の試合のワンテイクは圧倒的である。ズームインやズームアウトがされていたので、どこかで合成、編集されているのであろうが、はじめて東宝シネマズなんばで鑑賞した時は魂消たと記憶しているし、今回の復習鑑賞でもやはり驚かされた。

 

初代の『 ロッキー 』がそうであったように、本作も単なるボクシングドラマではない。アドニスというサラブレッドが、何者にもなれずにいることのフラストレーション、世間が自分を見る目と自分は自分でしかないという認識のギャップに、ロッキーが語った「自分はnobodyだった」という言葉が蘇ってくる。家族を失ったロッキーと、家族を手に入れようとするアドニスの、何とも切ない邂逅の物語なのだ。ロッキーがアドニスに自らの魂を渡す瞬間、“Gonna Fly Now”のファンファーレが響き渡る!!もう、この瞬間だけで100点を献上したくなる。

 

『 ロッキー 』シリーズはこれまでに何度も観てきたが、今後もふと疲れた時、目標を見失いかけた時、心が折れそうになった時に、何度でも立ち返るだろう。特に1、2と本作は何度でも見返すことだろう。

 

ネガティブ・サイド

中盤のアドニスの試合のワンショットだが、実時間では1ラウンド3分ではなかったし、ラウンド間のインターバルも1分ではなかった。そんなことに拘っても仕方がないが、映画ファンでもありボクシングファンでもあるJovian的には非常に気になるところではあった。体内時計世界王者対決というテレビ企画もあったように、ボクサーは3分を肌で分かっているものだ。映画はリアリティの追求が生命なのだから、試合の時間についてもリアルを追求して欲しかったと思うのは、高望みをし過ぎなのだろうか。

 

そして、これは完全に無理な注文だと分かってのことだが、オープニングのMGM(Metro Goldwyn Mayer)のレオを、本作に限って虎に変えるは流石に無理か。『 ピッチ・パーフェクト ラスト・ステージ 』や『 ボヘミアン・ラプソディ 』でも、オープニングの20th Century Foxのロゴのシーンの音をいじっていた。レオを虎には・・・やはり無理だろうか。これをもって減点すべきではないのだろう。

 

総評

ボクシングは最も歴史の古いスポーツの一つであると同時に、最も近代的なエンターテインメントでもある。アメリカのラジオ放送でニュース以外に初めて放送されたのは、ボクシングの世界タイトルマッチであった。そんなボクシングを題材にした物語が、面白くないわけがない。ましてや、この物語は『 ロッキー 』世界の出来事なのだ。ロッキーファンのみならず、広く映画ファンに勧められる傑作である。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, A Rank, アメリカ, シルベスター・スタローン, スポーツ, ヒューマンドラマ, マイケル・B・ジョーダン, 監督:ライアン・クーグラー, 配給会社:ワーナー・ブラザーズ映画Leave a Comment on 『 クリード チャンプを継ぐ男 』 -The torch has been passed-

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