Skip to content

英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

  • Contact
  • Privacy Policy
  • 自己紹介 / About me

タグ: 監督:スコット・スピア

『 ザ・メッセージ 』 -B級SF作品-

Posted on 2022年5月20日 by cool-jupiter

ザ・メッセージ 60点
2022年5月18日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:ベラ・ソーン リチャード・ハーモン
監督:スコット・スピア

近所のTSUTAYAで目についたので準新作をレンタル。塚口サンサン劇場で『 スターフィッシュ 』のポスターを見て「おお、DVD出てるやんけ」と勘違いして借りてしまった。『 ステータス・アップデート 』と『 ミッドナイト ・サン タイヨウのうた 』のスコット・スピア監督作品だったではないか。

 

あらすじ

シカゴで起きた事故により、世界には残存者と呼ばれる亡霊が存在するようになった。ロニー(ベラ・ソーン)は自宅の浴室の鏡に謎の残存者が「逃げろ」というメッセージを残すところを目撃する。ロニーは転校生のカーク(リチャード・ハーモン)と共に残存者の謎の解明に乗り出すが・・・

 

ポジティブ・サイド

幽霊が見えるというのはネタとしては陳腐である。アメリカ映画では『 シックス・センス 』のような傑作、邦画でも『 さんかく窓の外側は夜 』のような凡作まで、特定の誰かに幽霊が見えるという作品は枚挙にいとまがない。しかし、誰でも幽霊が見える世界というのは結構珍しいのではないか。しかもそれが自由に動き回って人間に害をなす存在ではなく、決められた動きをするだけの残像であるというアイデアはユニーク。

 

ロニーとカークの二人が、謎の残存者からのメッセージの意味を探っていく展開はなかなか引き込まれる。手詰まりと思えるところから思いがけぬ発見があり、物語がダイナミックに動いていくところもいい。特にロニーの父親の読む新聞記事のアイデアは着眼点が非常に良いと感じた。ロニーと母親との関係は物語に若干の影を落としているが、それを効果的に使った脚本の妙が後半にあり、観る側を飽きさせない。

 

生きている人間たち、そして死んでしまった人間たちのそれぞれの思いが交錯する終盤は見応えがある。真犯人に意外性がないと感じられるかもしれないが、本作はミステリーではなくファンタジー、そしてヒューマンドラマとして鑑賞するべし。

 

ネガティブ・サイド

誕生日ネタはもう少しひねりを利かせられなかったか。Jovian母は実はうるう年の2月28日生まれなので、このネタには早い段階でピンと来てしまった。ある目的のために誕生日が重要なファクターなのだが、誕生日ではなくうるう年のうるう日をファクターにする、そのことに(物語世界のルールの中で)合理的な説明をつけられれば、映画世界への没入度がもっと高まったことだろう。

 

ブライアンは言ってみればハリポタにおけるスネイプ先生的なキャラなのだから、必要以上にホラーっぽいCG演出をする必要はなかった。それをせずにブライアンを恐怖の対象に見せるのが演出というものだろう。

 

総評

『 ザ・メッセージ 』という邦題はイマイチ。原題は I Still See You、つまり「私は今もあなたを見ている」ということ。このタイトルから受け取る印象が序盤、中盤、終盤で変わってくる。それは作りが乱暴だからではなく計算されたものだから。低予算映画のにおいがプンプン漂ってくるが、それがマイナスに作用していない。逆にアイデアで勝負する潔い作品になっている。海外レビュワーの評価はイマイチだが、Jovianはそこそこ楽しめた。梅雨時の週末のステイ・ホームのお供にちょうどよいだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

ground zero

爆心地の意。おそらく9.11でこの表現を知った人も多いのではないかと思う。ヒロシマやナガサキは原爆の爆心地だが、爆弾以外でも9.11のような想定外の巨大なインパクトがもたらされた場所にも使われる表現である。

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村   

Posted in 映画, 未分類, 海外Tagged 2010年代, C Rank, アメリカ, ファンタジー, ベラ・ソーン, リチャード・ハーモン, 監督:スコット・スピアLeave a Comment on 『 ザ・メッセージ 』 -B級SF作品-

『 ステータス・アップデート 』 -虚構とリアルを適切に織り交ぜた佳作-

Posted on 2018年11月30日2019年11月23日 by cool-jupiter

ステータス・アップデート 70点
2018年11月25日 シネ・リーブル梅田にて鑑賞
出演:ロス・リンチ オリビア・ホルト コートニー・イートン グレッグ・サルキン ロブ・リグル ジョン・マイケル・ヒギンズ
監督:スコット・スピア

f:id:Jovian-Cinephile1002:20181130031130j:plain

『 ミッドナイト・サン タイヨウのうた 』のスコット・スピア監督の作品ということで迷わず鑑賞。やはり今後は、自分の頭の中の心象風景を、自分なりにチョイスした音楽に乗せられる監督がどんどん台頭してくるのだろうなという印象をさらに強くさせられた。かの武満徹や伊福部昭は映画音楽を手掛けることはあっても、サントラの発売には当初、かなり否定的だったと言われる。映像+音楽=映画音楽という信念の持ち主であったことと、あくまで自分たちは音楽家であって実業家ではないという信念の持ち主であったためと考えられている。しかし、今後はジャンルの混合・混淆もますます進み、音楽畑や文学畑から映像畑に進出してくる、あるいはその逆の流れも生じてくるのだろう。スピア監督は、そうした時代の潮流の象徴の一人であるように思う。

 

あらすじ

両親が別居することになったカイル(ロス・リンチ)はカリフォルニアから4800km離れたコネティカットに引っ越し、母と祖父、妹と暮らし始める。しかし、学校や地域そのものに馴染めず苦悩する。そんな中、モールのショップで「ユニバース」というアプリ入りのスマホを手に入れたカイルは、そこに投稿した内容が実現することを知る。次々に願いを叶え、望みのものを手に入れていくカイルだが・・・

 

ポジティブ・サイド

ドラえもんのひみつ道具を一つだけ手に入れることができるなら、何がいいだろうか?と夢想したことのある人は多いはずだ。タケコプターやどこでもドア、ほんやくコンニャクあたりが有力候補だろうが、Jovianは間違いなく、もしもボックスを選ぶ。本作のカイルは、そういう意味で自分と重なる。そしてその願いも、まるでのびたのそれのようなのだ。小学生でも高校生でもオッサンでも、結局願うことは同じレベルなのだと思うと気恥ずかしいやら面映ゆいやら。世界征服のようなスケールの大きな願いではなく、あくまで自分の生活世界の中で完結するような願い。カイルが叶えたいと思うのは、非常に小市民的な夢なのだ。

 

本作はアメリカのスクール・カーストの実態も活写する。『 THE DUFF/ダメ・ガールが最高の彼女になる方法 』や『 ステイ・コネクテッド つながりたい僕らの世界 』で描かれていたように、アメリカのハイスクールでカースト上位に来るのは、フットボールチームのスターとチアリーダーなのであるが、本作はその地域性もあって、アイスホッケーチームのエースが序列のトップに来る。アメリカという国の広さを物語ると共に、自分がアメリカに対して知らず先入観を抱いていたことも思い知らされた。このアイスホッケーというのがミソで、思わぬユーモアを生み出してくれる。また『 ピッチ・パーフェクト  』並みに歌唱とダンスにも力を入れているシーンがあり、ここはスコット・スピア監督の趣味と手腕が爆発した箇所であると言える。ビジュアルの力でストーリーテリングを行うのは映画の基本にして究極だが、そこに音楽や歌謡を効果的に用いることのできる、いわば新世代の監督たちも台頭してきた。トップランナーはエドガー・ライトだろうが、スコット・スピア監督も、今後はほぼ無条件で観るべき監督リストに載せておこう。

 

非常に陳腐ではあるのだが、本作はカイルという主人公を決してミヒャエル・エンデの『 はてしない物語 』のバスチアンのようには描かない。というよりも、この世界のバスチアンとファンタージェンのバスチアンを丁寧に切り取り、前者をカイルに、後者をカイルの親友、デレクに仮託したようである。どこまでも子どもの目線を貫くプロット構築は見事である。

 

そして子どもと対比されるのは大人である。具体的にはカイルの父と母である。母は息子に非常に現代的なアドバイスを送る。それはおそらく多くの子どもたち、いや、それよりも大人たちに突き刺さるメッセージである。在野の歴史家にして小説家の八切止夫は「人間関係は、いかに相手に誤解されるかにかかっている」と著書『 信長殺し、光秀ではない 』で喝破した。このメッセージは、ロブ・リグル演じる父親に実はそっくりそのまま当てはまる。それにしても、このコメディアンは一癖ある父親を演じさせれば天下一品である。『 ミッドナイト・サン タイヨウのうた 』でも強烈なインパクトを残したが、スピア監督と相性が良いのだろうか。素晴らしいケミストリーが生まれている。

 

最後に、ジョン・マイケル・ヒギンズに触れねばならない。『 ピッチ・パーフェクト 』シリーズの毒舌解説者と言えばお分かり頂けよう。単なる勘だが、この人は多分、台本半分、アドリブ半分で喋っているのではなかろうか。韓国のイム・ヒョンシクに並ぶアドリブの帝王であるような気がしてならない。これは褒め言葉である。

 

ネガティブ・サイド

祖父はこの物語に必要だったか?コミックリリーフならロブ・リグルがいるし、デレクも単独で充分に面白い。祖父の存在は完全にカットして、上映時間を数分で良いから短くするか、または編集でそぎ落とした他のシーンの増量に回してほしかった。

 

またエンディングのクレジットシーンに10秒程度のスキットが挿入されるが、これも果たして必要だったのだろうか。

 

「ユニバース」というアプリの効力の範囲や期間が不透明であったり、一度アップデートされたステータスを再びダウングレードすることは可能か?などの疑問も湧いてきてしまうが、これをちょっと不思議な青春映画と見るか、それとも現代的な本格ファンタジーと見るかで評価が分かれるかもしれない。

 

総評

これは面白い。こういった作品こそ、配給会社はもっと数多くの箱で見られるように努力してもらいたい。娯楽あり、哲学ありと面白さと深さの両方を追求している作品で、小学校の高学年から大人まで幅広い層のビューワーを楽しませることができるポテンシャルを秘めた作品である。

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村 

Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, B Rank, アメリカ, ジョン・マイケル・ヒギンズ, ファンタジー, ロス・リンチ, ロブ・リグル, 監督:スコット・スピアLeave a Comment on 『 ステータス・アップデート 』 -虚構とリアルを適切に織り交ぜた佳作-

『 ミッドナイト・サン タイヨウのうた 』 ーシュワちゃん2世を堪能せよー

Posted on 2018年5月13日2020年1月10日 by cool-jupiter

題名:『 ミッドナイト・サン タイヨウのうた 』 65点
場所:2018年5月12日 MOVIXあまがさきにて観賞
主演:ベラ・ソーン / Bella Thorne
監督:スコット・スピア / Scott Speer

原題は”Midnight Sun、観賞後に日本の映画『 タイヨウのうた 』(2006)のリメイクだと知る。設定を見るに一部細かい部分の改変はあるようだが、ストーリーとして破綻しているところはなかった。主人公のケイティ(ベラ・ソーン)の普通であることへの執着と周囲との微妙なズレ、しかしそこがパトリック・シュワルツェネッガー(言わずと知れたアーノルドの息子)演じるチャーリーに、そして観客にも微笑ましく心地よく映る。スコット・スピア監督はミュージック・ビデオ畑出身で、音楽を劇中に効果的には配置することに長けているという印象。順調にキャリアを積み重ね、ジェームズ・ガンやエドガー・ライトの領域に達してほしいと思う。

演技者として観るべきはケイティの父親役のロブ・リグル/Rob Riggle。『インターンシップ』では数分の登場ながら老人ホームのトンデモ職員か何かの役で強烈な印象を残していたが、今作では苦悩する父親を好演。『逮捕なんかしないよ』(”I’m not a cop.”)という台詞は、ガールフレンドや妻の父親が警察官だったりするとロマンティックとは正反対の意味でドキリとさせられてしまうだろう。実際、自分は一瞬座席から跳ね上がった。

主人公の持つ病気のせいで必然的に夜を舞台に物語が描かれるが、暗さは感じられず、かといって邦画で時折見られるような「夜の不自然な明るさ」なども感じられなかった。それはクライマックス・シーンに「明るさ」を思い切りブチ込むためだったからか。物語の進行上、釈然としない部分も残るものの、画としての美しさは充分に表現されていた。

若い男一人で週末に1800円を投じるのはつらいかもしれないが、連れ合いがいるならお勧めできる。中年男性でもロブ・リグルに自分の人生を投影させることができるだろう。

 

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
にほんブログ村  

Posted in 映画, 海外Tagged 2010年代, C Rank, アメリカ, ロマンス, 主演:ベラ・ソーン, 監督:スコット・スピア, 配給会社:オープン・ロード・フィルムズLeave a Comment on 『 ミッドナイト・サン タイヨウのうた 』 ーシュワちゃん2世を堪能せよー

最近の投稿

  • 『 28日後… 』 -復習再鑑賞-
  • 『 異端者の家 』 -異色の宗教問答スリラー-
  • 『 うぉっしゅ 』 -認知症との向き合い方-
  • 『 RRR 』 -劇場再鑑賞-
  • 『 RRR:ビハインド&ビヨンド 』 -すべてはビジョンを持てるかどうか-

最近のコメント

  • 『 i 』 -この世界にアイは存在するのか- に 岡潔数学体験館見守りタイ(ヒフミヨ巡礼道) より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に cool-jupiter より
  • 『 貞子 』 -2019年クソ映画オブ・ザ・イヤーの対抗馬- に 匿名 より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に cool-jupiter より
  • 『 キングダム2 遥かなる大地へ 』 -もう少しストーリーに一貫性を- に イワイリツコ より

アーカイブ

  • 2025年5月
  • 2025年4月
  • 2025年3月
  • 2025年2月
  • 2025年1月
  • 2024年12月
  • 2024年11月
  • 2024年10月
  • 2024年9月
  • 2024年8月
  • 2024年7月
  • 2024年6月
  • 2024年5月
  • 2024年4月
  • 2024年3月
  • 2024年2月
  • 2024年1月
  • 2023年12月
  • 2023年11月
  • 2023年10月
  • 2023年9月
  • 2023年8月
  • 2023年7月
  • 2023年6月
  • 2023年5月
  • 2023年4月
  • 2023年3月
  • 2023年2月
  • 2023年1月
  • 2022年12月
  • 2022年11月
  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月
  • 2022年4月
  • 2022年3月
  • 2022年2月
  • 2022年1月
  • 2021年12月
  • 2021年11月
  • 2021年10月
  • 2021年9月
  • 2021年8月
  • 2021年7月
  • 2021年6月
  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月
  • 2020年10月
  • 2020年9月
  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月
  • 2020年2月
  • 2020年1月
  • 2019年12月
  • 2019年11月
  • 2019年10月
  • 2019年9月
  • 2019年8月
  • 2019年7月
  • 2019年6月
  • 2019年5月
  • 2019年4月
  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月
  • 2018年8月
  • 2018年7月
  • 2018年6月
  • 2018年5月

カテゴリー

  • テレビ
  • 国内
  • 国内
  • 映画
  • 書籍
  • 未分類
  • 海外
  • 英語

メタ情報

  • ログイン
  • 投稿フィード
  • コメントフィード
  • WordPress.org
Powered by Headline WordPress Theme