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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: 発行元:株式会社KADOKAWA

『 ここにひとつの▢ がある 』 -眩暈を覚える連作短編集-

Posted on 2026年2月22日2026年2月22日 by cool-jupiter

ここにひとつの▢ がある 70点
2026年2月16日~2月20日にかけて読了
著者:梨
発行元:株式会社KADOKAWA

 

最寄り駅の中の本屋で暇つぶし目的に購入。電車の中、あるいは寝る前の10分、20分を使って読了。

ポジティブ・サイド

小説家志望の大学生あたりが腕試し、あるいはアイデア試しに書いてみたような作品の集まり。しかし、そのクオリティはどれも高い。

 

個人的には第三章の「カシル様専用」が読中そして読後にもたらす「え?」という感覚が非常に気持ち悪かった。気持ち悪かったというか居心地が悪かったという方が正確か。これは誉め言葉である。

 

第四章の「練習問題」では趣がガラリと異なり、様々な算数や数学の例題が列挙される。別に解いても解かくなくてもよい。それらの例題が何を意味するのか、徐々に明らかになってくる時の気持ち悪さが特徴的。しかしページを繰る手が止まらない。この作者、かなりの手練れだ。

 

第六章の「穴埋め作業」も同工異曲のゲテモノ的な面白さ。こちらはクロスワードが提示され、それらを二人のキャラクターが対話を通じて解いていく。このあたりから本のタイトルの▢に(はこ)というルビが振られている意味が見えてくる。(ます)や(しかく)ではなく(はこ)なのだ。

 

第八章の「箱庭」で開陳される哲学的な思弁、そして最終ページの見開きをもって、読者は▢(はこ)の意味するところを知る。

 

ネガティブ・サイド

第二章の「放課」は正直なところ微妙に感じた。いや、自分も小学生の時にこれをやったことがあるが、何も起きなかったぞ(起きるわけがないのだが)。また、この怪異はおそらく今の30代未満にはほとんど通じないのでは?第五章の鮮やかさとキレの良さとは正反対である。

 

第六章の「穴埋め作業」のキャラ二人のアイデンティティもぼかしたままで良かったのでは?

 

総評

ジャンルとしてはメタミステリとなるだろうか。山口雅也や竹本健治のファンならば買いだろう。どことなく『 近畿地方のある場所について 』にも通じるテイストだが、竜頭蛇尾で終わるどころか、軽い吐き気を催させるような終わり方をする本作の方が面白さでは上。ぜひ梨の他の作品も渉猟してみたいと思う。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

a bother

迷惑や邪魔の意。第一章のタイトルだが、これは「お邪魔します/お邪魔しました」の邪魔と解釈すべきなのだろう。英語では「お邪魔します」は Excuse me. だが、「お邪魔しました」はちょっと難しい。I hope I wasn’t a bother. が近いか。ボスのパーティーなどに招かれた際の帰り際などに使ってみよう。

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 トゥギャザー 』
『 ブゴニア 』
『 映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城 』

 

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Posted in 国内, 書籍Tagged 2020年代, 日本, 発行元:株式会社KADOKAWA, 著者:梨Leave a Comment on 『 ここにひとつの▢ がある 』 -眩暈を覚える連作短編集-

『 近畿地方のある場所について 』 -やや竜頭蛇尾か-

Posted on 2025年6月29日 by cool-jupiter

近畿地方のある場所について 60点
2025年6月24日~26日にかけて読了
著者:背筋
発行元:KADOKAWA

 

ずっと積読にしていた作品。映画がもうすぐ公開されるらしいので、それに先んじて読んでみた。

あらすじ

取材の過程で消息を絶った小沢君の仕事を追っていく中で、私は彼が近畿地方のある場所を中心とした怪異を追っていることを知り・・・

 

ポジティブ・サイド

普通の小説とはかなり趣が異なる。登場人物がいて、時間が設定されていて、行動範囲がある程度特定されていて・・・ということがない。というのも、しばしばネットの書き込みが挿入されるから。言ってみれば、珍談奇談怪談風味の四方山話の寄せ集めなのだが、それがだんだんと近畿地方のある場所に収束していく流れは面白い。

 

怪異の始まりがアングラ系サイトというのも現代的。貞子がVHSから様々なメディアに乗り換えてたり、『 シライサン 』がネットの大海原を漂うように、怪異も時代に合わせてアップデートが必要。それを説得力ある形で提示できているところが素晴らしい。

 

個人的に面白かったと感じたのは林間学校、シール、そしてキャンプ場か。特にシールは、実際にありそうな話、というか、トクリュウ系の強盗の下見としてシールが使われているという報道があってから、街中であちこち目が行くようになってしまったので、余計にリアリティを感じた。

 

巻末に綴じられた取材資料があるのだが、これがなかなかに興味深い。個別のエピソードのネタバレ満載なので決して読了前に開くこと勿れ。

 

ネガティブ・サイド

近畿地方のある場所とぼかされてはいるが、近畿=二府四県で狭義の「県境」が存在するのは奈良と和歌山の間しかない。かつ、山があってダムもあるとなると奈良しかない。もっと廃寺やら廃小学校やら、ありふれた舞台を使えば、読みながらもっと疑心暗鬼になれるのに、と少しもったいなさを感じた。

 

怪異に関する謎が収束していく過程は楽しめたものの、収束していく先は正直なところ拍子抜け。

 

近畿地方の方言が最後のインタビュー以外、ほとんど出てこない。その最後のインタビューも、相手はかなりの年配者のはずだが、その特徴がない。おそらく取材もしていないのだろう。奈良や和歌山、あるいは大阪でも河内長野あたりを越えると明らかに標準関西弁とは異なってくる。そうした雰囲気を文字だけで伝える努力はすべきだった。

 

総評

途中まではまさにページを繰る手が止まらないが、終盤でとある調査が行われるあたりで???となり、最後のオチにはドン引き、かつ溜息が出る。でも、これはこれでいいではないか。我々は往々にして最後に残った印象で作品を判断しがちだが、そこに至るまでのゾクゾクやハラハラドキドキも評価しなければならない。そういう意味では十分に佳作以上。映画の脚本がどこを削って、どこを膨らませたのか、非常に気になる。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Now that I’ve come this far,

作中に何度も出てくる「ここまで来たら」の私訳。ここまで来たら〇〇〇に行ってみる=Now that I’ve come this far, I am going to go to 〇〇〇. のように言える。come this far は物理的な距離についても使えるし、比喩的にも使える。仕事もしくはキャリアの上で飛躍できた歳に、I never imagined I could come this far. と呟いてみようではないか。 

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ラブ・イン・ザ・ビッグシティ 』
『 28年後… 』
『 フロントライン 』

 

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