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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

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タグ: バル・キルマー

『 バットマン・フォーエヴァー 』 -ジム・キャリーの独擅場-

Posted on 2022年2月26日 by cool-jupiter

バットマン・フォーエヴァー 65点
2022年2月24日 レンタルDVDにて鑑賞
出演:バル・キルマー ジム・キャリー トミー・リー・ジョーンズ ニコール・キッドマン
監督:ジョエル・シュマッカー

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『 THE BATMAN ザ・バットマン 』公開前に復習鑑賞。多分20年ぶりくらいに鑑賞したが、ダークな中にユーモアを内包するティム・バートンのバットマンとは異なり、本作はユーモアの中に狂気を内包している。

 

あらすじ

検事ハーヴィー・デント(トミー・リー・ジョーンズ)は狂気の怪人、トゥー・フェイスとなり、ゴッサム・シティの銀行を襲撃する。バットマンによって凶事は防がれたものの、今度はウェイン・エンタープライズの従業員、エドワード・ニグマ(ジム・キャリー)が海神リドラーに変身。ブルース・ウェイン(バル・キルマー)に彼らの魔の手が迫る・・・

 

ポジティブ・サイド

再鑑賞して真っ先に思ったのは、プロダクションデザインに相当に力が入っているなということ。CGが全盛になる前の、ある意味で正統派の映画を観たように感じた。ウェイン宅の調度品からバット・ケイブの造作まで、これはこれでジョエル・シュマッカーの世界観が出ている。前二作は、ジャック・ニコルソンの狂喜のジョーカーに、シリアスでダークで政治色も強めの哀れなペンギンだったので、ある意味の揺り戻しが来たのも納得。

 

トミー・リー・ジョーンズは素晴らしい役者だと感じた。個人的には『 タイ・カップ 』がベストだと感じているが、本作のトゥー・フェイス役もかなりのはまり役。この作品だけ単体で観ればただの変なおじさんだが、作品ごとにガラリと芸風を変えられる演技ボキャブラリーを持っていることが分かる。笑いながら笑えない暴力を行使するキャラとしては、ジャック・ニコルソンのジョーカーに次ぐ奇妙な可笑しさと怖さがあると思う。ビリー・ディー・ウィリアムズがトゥー・フェイスを演じても、おそらくここまで突き抜けたキャラにはなれないだろう。

 

このトゥー・フェイスを上回るどころか、主役のバットマンさえ霞ませるのがジム・キャリー演じるリドラー。『 マスク 』や『 グリンチ 』など、マスクをかぶったり変装したりするキャラで本領を発揮する怪優だが、本作でもその高い演技力を遺憾なく発揮している。頭が飛びぬけて良いが狂っている、あるいは狂っているが恐ろしく頭脳明晰という二律背反キャラを完璧なまでに演じている。コミカルな動きでバット・ボムを放り投げてバット・ケイブおよびバット・モービルを破壊していく様の何ともいえない薄気味悪さと怖さはジム・キャリーにしか出せない味だろう。Jovianの職場はカナダ人が多めだが、彼ら彼女らが高く評価する自国の俳優はだいたいジム・キャリーである(ちなみに監督だとジェームズ・キャメロン)。

 

バル・キルマーは結構よいキャスティングだった。若くてハンサム、そして経営者としてのカリスマ性も感じられ、ブルース・ウェインとして説得力があった。バットマンとしても、hand to hand combat でトゥー・フェイスの手下たちを次から次へと片付けていく様子が非常に小気味良かった。ミステリアスさなどの影の部分が前面に出ていたマイケル・キートンとは一味違ったバットマン像を打ち出せていた。ダークナイトとしての使命を果たそうとしながら、一人の人間としての人生も生きようとする姿が、悪役トゥー・フェイスやニグマ/リドラーと奇妙なコントラストを成していた。ティム・バートンの描き出す陰影のあるゴッサムおよびバットマンとは大いに趣が異なるが、こうしたバットマンもありだろうと感じた。

 

ネガティブ・サイド

ロビンのキャラが軽すぎるように感じた。トゥー・フェイスに復讐を果たしたい理由があるのは分かるが、脚本に説得力を欠いていた。家族の復讐のためというよりも、ヴィランが二人なので、バットマンの相棒ロビンを出そうという意味合いの方が強かったように映った。もちろんロビンにはロビンの悲しい過去があり。バットマンにはバットマンの悲しい過去があるのだが、互いが相手を必要とするようになる過程の描写が弱かったと感じる。

 

トゥー・フェイスとリドラーの直接の絡みはもう少し減らして良かった。アクの強い者同士を混ぜると、たいていは bad chemistry となる。本作もそうなってしまった。両ヴィランとも単独で十分にキャラ立ちしており、共闘することで1+1=2ではなく、1+1=1になっていたように思う。基本的には一映画で一ヴィランであるべき、もしくはヴィランを一人倒したら、また新たなヴィランが現われるという方が、ゴッサム・シティらしいのでは。

 

トゥー・フェイスを殺してしまうのはバットマンらしくない。コインの表裏で潔く自決するようなプロットは描けなかったものか。

 

総評

久しぶりに鑑賞したが、リドラーの予習にはならないと実感。悪役が強烈すぎて主役が食われてしまっている。ただ『 THE BATMAN ザ・バットマン 』に興味があって、なおかつ「リドラーって誰?」という人は本作を鑑賞するのも一つの手かもしれない。最新作は間違いなく、恐ろしいほど狂ったリドラーではなく、恐ろしいリドラーを描いているはず。そのギャップをJovianは楽しみにしている。この次のシュワちゃんのMr. フリーズは文字通りの意味で寒いギャグが連発されるので、猛暑の夏にでも気が向いたら再鑑賞しようと思う。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Old habits die hard.

直訳すれば「古い習慣は一生懸命死ぬ」だが、意訳すれば「古い習慣はなかなか消えない」となる。日常生活でもビジネスでも時々使われる表現。die hard というとブルース・ウィリスを思い浮かべる映画ファンは多いだろうが、あれも「一生懸命死ぬ」転じて「なかなか死なないタフな奴」の意味である。

 

現在、【英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー】に徐々に引っ越し中です。こちらのサイトの更新をストップすることは当面はありません。

I am now slowly phasing over to https://jovianreviews.com. This site will continue to be updated on a regular basis for the time being.

Posted in 映画, 海外Tagged 1990年代, C Rank, アクション, アメリカ, ジム・キャリー, トミー・リー・ジョーンズ, ニコール・キッドマン, バル・キルマー, 監督:ジョエル・シュマッカー, 配給会社:ワーナー・ブラザース映画Leave a Comment on 『 バットマン・フォーエヴァー 』 -ジム・キャリーの独擅場-

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