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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

サラリーマン英語講師が辛口・甘口、両方でレビューしていきます

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タグ: キャスリン・ニュートン

『 アントマン&ワスプ クアントマニア 』 -オリジナリティ欠如が甚だしい-

Posted on 2023年2月25日 by cool-jupiter

アントマン&ワスプ クアントマニア 20点
2023年2月24日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:ポール・ラッド エヴァンジェリン・リリー キャスリン・ニュートン ジョナサン・メジャーズ
監督:ペイトン・リード

 

うーむ、MCUの終わりの始まりのような映画だった。

 

あらすじ

アベンジャーズの一員として世界を救ったスコット・ラング(ポール・ラッド)はヒーローとして街の人々に愛されて暮らしていた。ある日、娘のキャシー(キャスリン・ニュートン)がハンク・ピムと共同で量子世界への探査信号を送る研究をしていると、謎の球体が現れ、スコットやホープら全員が未知の量子領域に取り込まれてしまった・・・

ポジティブ・サイド

スコットが相変わらず小市民ヒーローなのがいい。今作でもサーティワンのネタを引っ張ってくれる。スパイダーマンと並ぶ市民型のヒーローだ。本を出して、しかもそのオーディオブックを自分のクルマの中で聞いてしまう。このナルシシズムがアントマンがその他のスーパーヒーローと一線を画すところであり、魅力でもある。

 

サブアトミカという領域は、ある意味で外宇宙よりも遠い。そんな世界を舞台にするという構想自体は肯定したい。

ネガティブ・サイド

マイケル・ペーニャはもう用無しなのか。アントマンを葛藤するスーパーヒーローではなく、小市民スーパーヒーローにとどめておいてくれるはずの貴重な存在だったというのに。

 

未知の量子領域のはずが、何もかもが『 スター・ウォーズ 』に見える。どの景色が、とか、どのクリーチャーがとか、どの服装が、というレベルではない。我々はいったい何を見せられているのか。なんとなく『 スター・ウォーズ 』っぽくないかな、と感じるシーンは、しかし思いっきり『 ジョン・カーター 』っぽかったりする。さらにはロボット兵士(?)は『 ブラックホール 』のヒューマノイドそっくり。とにかく何から何までディズニー色に塗り固められている。オリジナリティはどこへ行った?

 

『 ミクロの決死圏 』の昔から、極小の世界には科学的なロマンがあったが、本作にはそれもなし。『 アントマン 』はまだしも、『 アントマン&ワスプ 』でも一切触れられなかった「可能性」、すなわちその他多くの自分という存在が次から次へ生まれるというのは、ご都合主義にもほどがある。サブアトミカでは、観測者と観測対象なので・・・のような説明も一切なし。

 

そもそもジャネットが量子領域について誰にも何も語らなかった理由が最初から最後まで謎だ。誰かに何を言われても「今は彼らを救出するのが先だ」と言って説明を拒絶する。いったい何がしたいの?相方のハンクも「この世界の時間の流れが分からない。元の世界では5分かもしれないし10年かもしれない」みたいに言っていたが、アホかーーー!量子領域に30年滞在していたジャネットは、きっちり30年分加齢して帰ってきたことを忘れたんかーーー!観ていて頭がクラクラするシーンだった。

 

肝心の征服者カーンも、その脅威がさっぱり伝わってこない。手から放つ謎のビームで量子世界のクリーチャーを一撃で消滅させるが、アントマン達には軽微なダメージを与えるだけって、弱すぎやろ。その一方で別の次元ではマイティ・ソーを倒したという発言もする。強いのか弱いのか分からない。しかし、最後の最後に倒された相手は〇〇でした、って・・・。多種多様な次元の多種多様なカーンがいるからスーパーヴィランとしての格は保たれていると言いたいのだろうか?よく分からん。テーマであるはずの Look out for the little guy. の the little guy は実はアントマンではなくカーンだった、という描き方がまったく出来ていない。このヴィランを相手に次のフェーズのアベンジャーズがどう結集するのか、悪い意味でまったく道筋が読めない。

 

とにかく一作丸ごと informercial というMCUのやり方には辟易する。義理で観続けているが、It’s about time to jump off the bandwagon. という気がしてきた。

 

総評

スコットたちが良いキャラというだけで、本作はストーリーとして完全に破綻している。『 スター・ウォーズ 』のファンなら楽しめるか?と自問自答したが、答えは否。アントマンはMCUの中でもスパイダーマンの次に好きだったが、こんな中途半端な形でキャシーに道を譲って引退するのだろうか。納得いかん。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

look out for ~ 

劇中では Look out for the little guy. = 小さい奴に注意しろ、というように使われていた。look out for ~ は ~を注意して見る、~に対して目を凝らす、のような意味。昔、大学の教会のミサで、Look out for the weakest in your community. というのを聞いたことがあったな。 

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 エゴイスト 』
『 銀平町シネマブルース 』
『 シャイロックの子供たち 』

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, E Rank, SFアクション, アメリカ, エヴァンジェリン・リリー, キャスリン・ニュートン, ジョナサン・メジャーズ, ポール・ラッド, 監督:ペイトン・リード, 配給会社:ディズニーLeave a Comment on 『 アントマン&ワスプ クアントマニア 』 -オリジナリティ欠如が甚だしい-

『 ザ・スイッチ 』 -コメディ・ホラーの良作-

Posted on 2022年6月5日 by cool-jupiter

ザ・スイッチ 70点
2022年6月1日 レンタルBlu rayにて鑑賞
出演:ヴィンス・ヴォーン キャスリン・ニュートン
監督:クリストファー・ランドン

公開時、MOVIXあまがさきで見逃してしまった作品。コメディ色の強いヴィンス・ヴォーンが殺人鬼・・・ではなく殺人鬼の体に乗り移った女子高生を演じる。この設定だけで惹きつけられるではないか。

 

あらすじ

冴えない女子高生ミリー(キャスリン・ニュートン)は、ホームカミングの夜に伝説の殺人鬼ブッチャー(ヴィンス・ヴォーン)に襲われる。しかし、不思議な短剣がミリーの肩に突き立てられた瞬間、二人の体が入れ替わってしまい・・・

 

ポジティブ・サイド

冒頭から夏恒例の糞ホラー映画そのままの展開。酒を飲みながら怪談に興じ、セックスに耽る。これは100%死ぬサインである。ここでの殺しのシーンもなかなかグロテスクで見応えがある。内気な少女が運悪く連続殺人鬼に襲われるところまではあらすじにある通りだが、そこに至るまでにミリーの家族関係、学校での人間関係、そして物語上の重要な伏線の全てが無理なく詰め込まれている。なかなか練られた脚本である。

 

入れ替わり後は、ミリーのパートはホラーに、ブッチャーのパートはコメディとなる。ここでの主役二人の演技は見物である。見る者すべてを獲物として捉えるサイコパスの目をしたミリーは、あらゆる場面で惨劇の予感をもたらす。一方で巨大中年殺人鬼のブッチャーは、その表情、しゃべり、所作、立ち居振る舞いの全てが女子校生で、その一挙手一投足に笑ってしまう。この入れ替わってしまった二人が元に戻るためにスラップスティック・コメディとスプラッター・ホラー的な展開が同時進行するというところが独特で秀逸。特にブッチャーの体に入ってしまったミリー/ブッチャーが、親友のナイラとジョシュに自分こそがミリーだと信じてもらうために奮闘する一連の流れには笑わずにはいられない。一方で、ブッチャー/ミリーが気に食わない教師を殺害するシーンは、まさに『 13日の金曜日 』。

 

24時間以内に儀式を行わないと、両者の魂は入れ替わったまま。儀式のために奮闘するミリー/ブッチャーとナイラ、ジョシュの3人と、その周囲の人間も巻き込んで物語は加速する。友情あり、恋愛あり、見失っていた家族愛の再発見ありと、これでもかと詰め込みつつも、軽妙なテンポで物語は進んでいく。序盤のちょっとした一言が大きな伏線になっているなど芸も細かい。最後の最後まで観る側を飽きさせはしないぞ、というサービス精神も嬉しい。

 

設定だけで勝負しているように見せて、さにあらず。ヴィンス・ヴォーンは思いっきり女子校生になりきっているし、キャスリン・ニュートンはシリアルキラーが憑依したかのような鬼気迫る演技を見せる。映画を良作にするのは、脚本と演技の両方だなとあらためて得心した。

 

ネガティブ・サイド

冒頭以外の殺害シーンにゴア要素が足りない。いけ好かない技術の教師をブッチャー/ミリーが殺すシーンは、それこそ精巧な人体模型を作って撮影してほしかった。『 ザ・ハント 』のような低予算映画でも内臓やら血しぶきやらが飛び散るシーンには力を入れていたのだから、本作でも頑張って欲しかった。パーティーの裏で殺される男子3人も同様。あまりやりすぎると、ミリーがミリーの体に戻った時にピンチに陥ってしまうのは分かるが、そんなことまで気にする視聴者はいない。

 

終盤でダンス・パーティーが中止にされてしまうが「廃工場でやればいい」というブッチャー/ミリーのアイデアにまるで全校生徒が乗ったのかというぐらいに人が集まったが、あれだと兄弟姉妹や友人などを通じて一発で親や警察にばれるだろう。魂の入れ替わりという非現実な設定のためにも、その他のプロットは極力現実的にすべきだった。

 

総評

コロナ禍の最中に劇場公開されたホラー映画という点で『 ウィッチサマー 』と重なるが、完成度はこちらの方がはるかに上。ゴアに課題を残すも、ティーンの友情や家族愛もしっかり描写されるし、若い男女の淡い恋愛を、少年と中年オヤジの形で描いてしまうのには、笑ってしまいつつも感動してしまう。コメディ色が薄れつつあった近年のヴィンス・ヴォーンが原点に立ち返った面白コメディである。冒頭の血みどろの殺人シーンさえクリアできれば、ティーンの友情物語を堪能できるだろう。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

Que Será, Será

What will be, will be. の意。英語スペイン語とでも言おうか。意味としては「なるようになる」で ”Let it be” に近い。元々のスペイン語にはない表現。その意味では『 ターミネーター2 』の ”No problemo” 的であるとも言える。「ケセラセラ」自体は日本語にもなっているはずだが、大学生ぐらいの若者にはまったく通じない。これは世代のせいなのか、それとも時代のせいなのか。

 

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Posted in 映画, 海外Tagged 2020年代, B Rank, アメリカ, ヴィンス・ヴォーン, キャスリン・ニュートン, コメディ, ホラー, 監督:クリストファー・ランドン, 配給会社:東宝東和Leave a Comment on 『 ザ・スイッチ 』 -コメディ・ホラーの良作-

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