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英会話講師によるクリティカルな映画・書籍のレビュー

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『 果てしなきスカーレット 』 -チンプンカンプン物語-

Posted on 2025年11月23日 by cool-jupiter

果てしなきスカーレット 20点
2025年11月21日 MOVIXあまがさきにて鑑賞
出演:芦田愛菜 岡田将生
監督:細田守

 

男性看護師の異世界転生ものだと思い、チケット購入。

あらすじ

父王を陰謀で処刑し、王位を簒奪した叔父クローディアスの暗殺に失敗したスカーレット(芦田愛菜)は、逆に毒を盛られ、死者の国で目覚める。だが、そこにクローディアスもいることを知ったスカーレットは復讐のために旅立つ。そして、その途上で看護師の聖(岡田将生)と出会い・・・

 

ポジティブ・サイド

アニメーターが描きたいと思ったシーンを詰め込んだことはよくわかった。砂漠、星空、中世風の建築物など、グラフィックは美麗だった。

 

後はアクションがスピーディーで多彩だったぐらいか。

 

以下、メジャーなネタバレあり

 

ネガティブ・サイド

とにかく全体的にストーリーも、キャラの設定もよくわからない。

 

序盤に出てくる婆さんは『 幻魔大戦 』冒頭の謎のテレポーテーション婆さんそっくりで、思わせぶりな台詞ばかり吐くところも同じ。つまり面白くない。死者の国と言いながら、生と死が溶けあうと矛盾することを言い、生と死が溶けあうと言いながら、生者は限られた時間しか存在できないと言う。いやいや、過去も未来も時間もない世界ちゃうんか?

 

復讐の鬼のスカーレットが、聖が手当てをするために服の袖をハサミで切るシーンで、顔を赤らめて「恥ずかしい・・・」などと言う演出は必要か?触手のような無数の腕に体を絡めとられて絶叫する場面は必要か?執拗に「生きたい、生きたい」と大声で何度も叫ぶシーンも必要か?

 

そもそもスカーレットと聖の関係の変化を描く具体的なエピソードがまったくないままに、いつの間にやら距離が縮まっているように見えるのは編集のミスなのか、それとも脚本段階でのミスなのか。

 

聖の歌を聞いて、なぜか意識が別世界へワープするスカーレットには( ゚Д゚)ハァ?である。しかもそのシーンが完全に『 2001年宇宙の旅 』のスターゲイトのパクリ。SFならオマージュと言えるが、ファンタジー。それもアニメでやるならそれはパクリだ。しかも、たどり着いた先で、訳の分からんダンスを見せられても困惑させられて、困惑させられるのはスカーレットではなく観客だ。

 

訳の分からん巨大竜が空を飛び、雷で悪人を消し去っていくのも、あまりにもご都合主義。そして刺客が次々に味方になってくれるのもご都合主義。大軍勢が山を守っているという情報に途方に暮れながら、どういうわけかそれ以上の民主の大群があっさり防衛線を突破するのもご都合主義。ここでこそスカーレットが、亡き先王の遺志を継ぐものとして、ジャンヌ・ダルクよろしく救世主として烏合の衆を一軍にまとめあげるか?と思わせて、それもなし。

 

王として即位する時、ほとんど何の抵抗もなく民衆の支持を手に入れるが、実力とカリスマを披露をすることなく、きれいごとで民の信頼を得るという流れは、一庶民としては( ゚Д゚)ハァ?である。

 

『 フロントライン 』のDMATとドクターカーは別物だが、緊急性の高い現場に向かうという点では同じ。そこで主力となるのは30代、40代。聖には悪いが若すぎる。『 いのちの停車場 』で広瀬すずが訪問看護師をやっていたのも( ゚Д゚)ハァ?だったが、それと同じ。聖に関しては異世界の戦闘で傷ついた人にもすぐに駆け寄り、治療や看護を提供できるという意味でドクターカーナースという設定にしたのだろうが、あまりにも安易。40歳ぐらいの脂ののったナースが、徐々に父の代わりになっていくという筋立てを追求すればよかった。安易にロマンス要素を混ぜるからおかしくなる。こうして見ると同じファンタジーアニメでも『 羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来 』のMTJJは、ルーイエについて極めて正しい描写をしたと言える。 

 

観終わって妻と二人で何とも言えない気持ちになった。

 

総評

散髪屋のラジオでDJが「試写会で観て面白かった」というのでチケットを購入したのだが、クソDJめ、騙しやがったな・・・というのはお門違い。結局、自分の見る目がなかったということ。封切の日のレイトショーで観客が10人以下、そのうちの半分がエンドクレジットで席を立ったところから、本作のクオリティは推して知るべし。賢明なる映画ファンにおかれては、本作を鑑賞して時間とカネの両方を無駄にすることなかれ。

 

Jovian先生のワンポイント英会話レッスン

No lessons. I need to cleanse my palate right away.

 

次に劇場鑑賞したい映画

『 ひとつの机、ふたつの制服 』
『 ある精肉店のはなし 』
『 栄光のバックホーム 』

 

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Posted in 国内, 映画Tagged 2020年代, E Rank, アニメ, ファンタジー, 岡田将生, 日本, 監督:細田守, 芦田愛菜, 配給会社:ソニー・ピクチャーズ, 配給会社:東宝

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